本編1110~1125

『ロビンソン・クルーソー作戦 怪獣島冒険記』-3

作者 ティアラロイド、ユガミ博士、凱聖クールギン
1110

~5日目~


宗介「さあ、来い…!」

迷彩服を着込み、草木や小枝を無数に貼り付けたネットを頭から被って、
森の茂みに溶け込みながら相良宗介はじっと息を潜めていた。
釣った魚を山積みにして置いておき、ひたすら待つ事数時間。
ゲイリースーツに全身を包んだ宗介は身動き一つせず潜伏を続けている。

ジラ「グゥゥ…」

生臭い魚の匂いに誘われて、ジラが一匹、また一匹と魚の山に近付いて来た。
餌だと分かると、ジラは魚を口先で突いて食べ始める。
だが、そのすぐ傍の茂みに隠れている宗介の存在には、
野性動物の鋭敏な本能をもってしても気付く事はできなかった。

宗介「いいぞ…。罠にかかれ」

ジラの一匹が、雑草で巧妙に隠されていた落とし穴に片脚を突っ込んだ。
穴はジラの膝ほどまでしかない浅いものだが、
ドロドロの粘液が中に満たされており、
それがジラの片脚を捕らえたまま見る見るうちに硬化していく。

ジラ「クァァ――!?」

もう一匹が、更にまた別の一匹が、次々と落とし穴に嵌り、
スライム状の粘液に脚を固められて動けなくなる。
宗介が仕掛けておいた特殊ウレタン樹脂の罠は、
たちまち全てのジラを捕らえて動けなくした。

宗介「よし…。退避」

ジラが身動きできなくなったのを見届けると、
宗介はネットを脱ぎ捨ててその場を離れ、キャンプ場の方へ駆け出した。
十分に距離を取ってから、起爆装置のスイッチを押す。
魚の山の下に設置されていた爆弾が爆発し、炎がジラの群れを呑み込んだ。

ジラ「キャォォォ――ン!!」

かなめ「なっ、何!?」
宗介「ミッション完了だ。
 森に魚を置いてジラの群れを呼び寄せ、特殊ウレタン樹脂で拘束、
 仕掛け爆弾で殲滅した」
かなめ「ああ、あのみんなで釣った魚を使ったのね。
 昨日わざわざ釣りしてたのはこのためだったんだ」
宗介「魚肉の餌でジラを誘う作戦は、以前に米軍も実行して成果を収めている。
 今回はそのデータを活かした応用だ」
かなめ「しっかしあんたねえ…。
 何て危険なモノを船に積んでたのよ。
 まかり間違えば船が私達ごと木端微塵だったでしょうが!」
宗介「輸送中の安全対策は完璧だ。
 万一にも、船内で暴発する事はない。
 しかし、こんな事なら巨大怪獣も吹き飛ばすスパイナーか、
 N2爆雷でも持って来ていれば良かったが…」
かなめ「持って来んでいい! …って言いたいところだけど、
 今回ばかりはそうでもないか」

森の木々を焼き払い、空に立ち昇る爆炎を眺めてかなめは溜息をつく。
宗介の罠によって、一度に十匹のジラが焼死する戦果が上がったのだった。

1111

ブリアン島・南のジャングル***


レッドキング「グゥゥ…!」

森で起きた突然の大爆発は、昼寝をしていたレッドキングを目覚めさせた。
巨体を揺すって起き上がり、レッドキングは不機嫌そうに低く唸る。

カマキラス「キキィ――!」

森に隠れていた三匹のカマキラスも、爆発音に驚き、
一斉に反対方向へと逃げ出した。
そして彼らは、知らずしてレッドキングの縄張りに侵入してしまったのである。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
カマキラス「キキィ――!!」

縄張りを侵されて怒ったレッドキングは咆え猛って威嚇する。
カマキラスもレッドキングを敵と認識し、三方に散って戦闘体勢を取った。

カマキラス「キキィ――!!」

右側に回ったカマキラスがレッドキングに飛びかかり、
上から覆い被さって前足の鎌で頭を突く。
しかしレッドキングはこれを掴み、一本背負いで背中から地面に叩きつけた。

カマキラス「キ……ィ…!」

大ダメージを負ったカマキラスはしばらくもがいていたが、やがて動かなくなった。
だがすかさずもう一匹がレッドキングを襲撃し、
背中から馬乗りの姿勢になる。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

カマキラスを背中から振り落とし、首を絞めると、
そのまま逆さにしてレッドキングはパイルドライバーを決めた。
頭から地面に衝突し、首を折られてそのカマキラスは即死する。

カマキラス「キィ――!!」

残る一匹のカマキラスは岩をぶつけられ、たまらず逃亡。
レッドキングは力強く胸を叩き、勝利の雄叫びを上げた。


ブリアン島・中央の荒地***


マグネドン「グォォ…」

磁力怪獣マグネドンはブリアン島の中心に陣取り、
うとうとと午睡にまどろんでいた。
このマグネドンの発する強い磁気が通信障害を引き起こし、
島外への連絡を不能にしているという事をブレイバーズはまだ知らない。

カマキラス「キキィ――!!」

レッドキングの前から逃げ出したカマキラスは、
今度はマグネドンの巣に迷い込んだ。

マグネドン「グゥゥ…!」

マグネドンの背中に生えた赤い角に閃光が走り、強烈な磁力が発生する。
磁力はカマキラスの体の鉄分にさえも作用し、
逃げようとするカマキラスを磁石のように吸い寄せた。

カマキラス「キキィ――!?」

背中の角に吸い寄せられて動けなくなったカマキラスを、
マグネドンは角から放たれた光線で焼き殺した。
こうして、この島に五匹いたカマキラスは全滅してしまったのである。

ムササビードル「見つけたぞ。基地を破壊した怪獣め…!
 奴の発する強い磁気が通信不能の原因に違いない。
 だが、あれを捕獲すれば利用価値はあるぞ…」

一部始終を見届けたショッカー怪人ムササビードルは、
その場を飛び去って西の岬のGショッカー基地へと急いだ。

1112

ブリアン島・東の平原***


モグラング「………」

地中から飛び出した二つの不気味な目が、
密かにキャンプ場の様子を窺っていた。
視力の不自由なモグラングがゾル大佐から与えられた、
周囲360度を見渡すエレクトロアイである。

モグラング「ブレイバーズが子供達を集めて、
 この島で合宿を行なっていたとは…。
 だが、ほとんどはまるで非力なガキばかり。これは使えるぞ…」

地中から目だけを出して地上の様子を窺っていたモグラングだったが、
突如、飛んで来た手裏剣がモグラングのエレクトロアイに命中した。

モグラング「ぐおっ! 何奴!?」
はるか「出て来なさい、曲者!」

教師で瑠美乃流忍者の高木はるかが、
モグラングの気配を悟って攻撃したのである。
地上に姿を現したモグラングは怒ってはるかに襲いかかる。

モグラング「おのれ~。許さんぞ女め~」
はるか「くっ…!」

続けざまに投げられた手裏剣もモグラングのボディには効かない。
その時、側面からの銃撃がモグラングを殴りつけた。
振り向くと、そこには仮面ライダーイクサが
イクサカリバー・ガンモードを構えて立っていた。

イクサ「ショッカーの改造人間、その命、神に返しなさい!」
はるか「名護さん!」
モグラング「貴様は、仮面ライダーイクサか!」
イクサ「喰らいなさい!」

激しい銃弾の雨をモグラングに浴びせるイクサ。
モグラングは地底に潜り、姿を隠した。

モグラング「こっちだ!」
イクサ「くっ!」

背後の地面から顔を出したモグラングにイクサは射撃するが、
モグラングはすぐに地中に隠れて弾を避けてしまう。
あちこちから顔を出しては隠れ、出しては隠れの繰り返してイクサを翻弄するモグラング。

イクサ「まるでモグラ叩きか…。
 このままでは駄目だ。精神集中しなさい」

イクサは自分にそう言い聞かせ、目を閉じて精神を統一した。
仁王立ちになったままナックルフエッスルをイクサベルトにリードし、
拳のイクサナックルにエネルギーを集める。

――イクサナックル・ライズアップ!!

イクサ「そこだ!」

必殺一閃、地面に向けて拳を突き立てるイクサ。
ブロウクン・ファングの一撃が、顔を出しかけたモグラングを直撃した。

モグラング「ぬおおっ~!!
 おのれライダー! この借りは必ず返すぞ!!」

ダメージを負ったモグラングは土に潜って逃走した。
名護啓介はそれを見届けて変身を解除する。

名護「この島にGショッカーが…。
 これは厄介な事になったようだ」
はるか「このキャンプの存在が彼らに知られたという事は…。
 今後、攻撃をかけて来る可能性もありますね」
名護「怪獣、怪人が跋扈する地獄変…。
 名護啓介はここにいる。どこからでもかかって来なさい!」

1113

日本海溝・ブレイバーベース***


ギルモア「よく来てくれたのおパーセプター」
パーセプター「これはギルモア博士、その後ブレイバーベースの
 メインシステムの調子はどうですかね?」

このブレイバーベースの設計にも関わっているサイバトロンの科学者パーセプターは、
要塞機能の最終段階の調整に携わるため、わざわざ月のムーンベースから
ここ地球のブレイバーベースを訪れていた。

パーセプター「何やら騒がしいようですが?」
ギルモア「うむ、実はな…」

パーセプターは何やら司令部の様子が落ち着かないことに気づき、
ギルモアに仔細を尋ねる。ギルモアの話では、
数日前に日本の横浜から出航し、南太平洋のブリアン島で
キャンプ合宿を行っているはずの子供達から急に連絡が途絶えたのだという。
この事態に佐原博士を始めとする上層部は、何かあったのでは無いかと話し合っていたのである。

佐原「…子供達がブリアン島へ行ってから数日。
 とっくに帰ってきていてもおかしくない筈なのだが」
ギルモア「ファイブマンや仮面ライダーアマゾンをはじめ大人たち、
 それも歴戦の勇士たちが一緒におるんじゃ。まさかとは思うが…」
パーセプター「それは心配ですね…」

その時、要塞ナビゲーターのエルファから通信が司令部に入る。

エルファ「佐原博士!ギルモア博士! キャンプに参加していた
 アトムくんが海を漂っている所を発見されました!」
佐原&ギルモア「「何だって!」」

エルファから、アトムが海を漂っていた所を
近くの漁船に発見され回収された事が告げられる。
回収されたアトムは、レッドキングのパンチの衝撃を受けた事で所々破損個所があり、
すぐ様科学省長官であるお茶の水博士を呼んで、たまたま居合わせた
パーセプターも加わり修理作業が行われた。

それからしばらくして、無事修理作業が終わりベッドで
寝かされていたアトムが目を覚ます。

アトム「ん…ここは?」
お茶の水「ブレイバーベースの内部にある医療施設じゃよ、アトム。
 お前さんは海を漂流していたのを回収され、ボロボロじゃったから
 修理したんじゃよ」
アトム「お茶の水博士!?そうか、レッドキングのパンチで…」
佐原「目が覚めたばかりで済まないが、何があったのか教えてくれないか? アトム君」

目覚めたアトムは状況を確認した後、お茶の水博士達にブリアン島
にレッドキングやエビラといった怪獣が目覚めてキャンプに参加している
子供達に危険が迫っている事を教える。

ギルモア「何という事だ!?」
佐原「すぐに出撃メンバーを揃えて、救出に向かわねば!」

アトムから島の状況を知らされ、直ちに佐原博士は救出に向かう
メンバーの編成を始める。

アトム「僕も…!」
エルファ「その身体ではまだ無理よアトムくん!」
お茶の水「お前さんは、まだ修理したばかりじゃ!おとなしく寝ていなさい」
アトム「いいえ、博士!あそこには新しく出来た友達がいるんです。
 行かせて下さい!」

修理が終わったばかりのアトムに寝ているように言うお茶の水博士とエルファだが、
アトムは友達を助けたいと真剣な眼差しでお茶の水博士に訴える。

お茶の水「…はぁ~、分かった。わしの方から佐原博士に
 救出メンバーに加えてもらえるように言っておこう」
アトム「博士!」
お茶の水「その代わり、無茶をするんじゃないぞ!」

1114

こうしてアトムも再調整を手早く済ませて救出メンバーに加わることになった。
それを見ていたエルファも意を決して佐原博士に願い出る。

エルファ「お願いです佐原博士、ブレイバーベースもブリアン島まで
 出動させてください!」
佐原「それはできん。今ブレイバーベースを不用意に移動させ、
 海上へ浮上させることにでもなれば、敵対勢力にこちらの手の内を
 明かすことにもなりかねない」
パーセプター「しかし佐原博士、こんな事態に不謹慎な物言いなのは
 重々承知だが、これはブレイバーベースの変形機構の最終チェックには
 最適な機会かもしれない」
佐原「パーセプター、君まで…」
エルファ「お願いです!」
佐原「わかった。許可しよう!」
エルファ「ありがとうございます!」

エルファの真摯な訴えに、佐原博士もつい折れた。

004「責任を感じているのか?」
エルファ「………」

ゼロゼロナンバーサイボーグのメンバーである004がエルファに尋ねる。
そもそも最初にブリアン島が安全な地域だと進言したのは、他ならぬエルファなのである。

エルファ「アトムくんの必死な姿を見て、居ても立ってもいられなかっただけです」
002「居ても立ってもいられなかったって…コンピューターなのにか?」
003「ちょっと002!!」

側で聞いていた003が、002の失言を強く嗜める。

エルファ「いいんですフランソワーズさん――いえ、003。
 所詮、私はこの基地のコンピューターですから…」
003「エルファ…」
004「ブリアン島の事前調査で危険を見抜けなかったのは
 直接現地に赴いて調べた俺と002も同罪だ。
 決してアンタだけの責任じゃない」
エルファ「………」


シン・ザ・シティ 破嵐財閥本社***


ブリアン島に向かった一行が遭難したとの急報は、
破嵐財閥本社の社長室で執務中だった破嵐万丈にももたらされた。

万丈「子供たちが乗っていた船は、確かうちのグループの所有だったね?」
ギャリソン「さようにございます」
万丈「ギャリソン、午後の四菱会長との会食その他は全てキャンセルだ!
 先方には申し訳ないが、そのようにお伝えしてくれ」
ギャリソン「ですが万丈様、もし四菱との商談が破談となりますと、
 ビジネス上の損失は百数十億円にも達しますが?」
万丈「仮に百数十億円の損失でも、お客様の安全には代えられないよ。
 違うかい? ギャリソン」
ギャリソン「いいえ、万丈様の仰るとおりでございます(*^ー゚)」

そんな万丈の言葉を待ってましたとばかりに、
ギャリソンはすでにダイターン3の出撃準備を準備万端整えていた。
こうして破嵐万丈も救出作戦に参加すべく、
直ちにブレイバーベースへ急行するのであった。


○パーセプター→ブレイバーベースの変形機構の最終チェックのため、ブレイバーベースを訪れる。
○アイザック・ギルモア→ブレイバーベースにやって来たパーセプターを出迎える。
○佐原正光→ブリアン島への救出隊を編成する。
○アトム→ブレイバーベースに回収され、修理される。その後、救出隊に志願する。
○お茶の水博士→ブレイバーベースに呼び出され、アトムを修理する。
○002→ブリアン島への救出作戦に参加する。
○003→ブリアン島への救出作戦に参加する。
○004→ブリアン島への救出作戦に参加する。
○破嵐万丈→午後の重要な商談をキャンセルして、ブレイバーベースへと急行。
○ギャリソン時田→万丈の指示で、午後のビジネスの予定を全てキャンセルする。
○エルファ→佐原博士に、救出作戦へのブレイバーベース参加を訴え出る。
○相良宗介→罠を仕掛けてジラを誘き寄せ、殲滅。
○千鳥かなめ→宗介が仕掛けたジラ殲滅の罠に驚く。
○名護啓介→モグラングと戦い勝利する。
○高木はるか→キャンプ場を偵察していたモグラングを発見。
●ジラ→相良宗介の罠で十匹が焼死する。
●レッドキング→カマキラスを倒す。
●カマキラス→レッドキングに二体が倒され、残る一体もマグネドンに倒されて全滅。
●マグネドン→巣に迷い込んで来たカマキラスを倒す。
●ムササビードル→島の中心にいるマグネドンを発見。
●モグラング→ブレイバーズのキャンプを発見。
         仮面ライダーイクサと戦うが敗退する。



1115

宗介の作戦によって、十匹のジラの群れが炎に包まれ、
それが要因となり島のカマキラスが全滅したその日の夜。
食事を終えたブレイバーズの子供達は各々のテントで眠りについた。
寝静まったその夜...。

沙斗理「・・・う~ん」
りんね「・・・(沙斗理さん?トイレかな?)」

りんねと同じテントで寝ている仲間の選ばれしドライバー、美輪沙斗理が
寝惚け眼でテントを出た。りんねも気が付いたが、トイレだろうと思い、
また眠りにつく。
そして、案の定トイレだった沙斗理はそのまま自分のテントに戻る筈だったが
やはり寝惚けていて、森の中へと人知れず消えてしまう。

6日目の朝。
起床した子供達は、朝食を食べる。本日のメニューは、昨日一昨日
同様スダールを材料にしたタコ料理である。

ハチロー「また、タコ料理か...」
護「しょうがないよ。昨日はそんなに、食糧が見つからなかったし」

ハチローは一昨日から続くタコ料理に、少しうんざりな気分だったが
護が言うように5日目はそれ程、食糧となる魚や木の実が見つから
なかったので、仕方が無いともいえる。

レミ「・・・同じ料理が続いて、子供達の中に飽きてきた子がいるみたいね」
鵺野「食糧であるスダールはまだありますが、食糧の調達は継続していかないと...」
大介「もう少し、調達する場所の範囲を広げてみよう」

子供達の反応を見たレミ達は、食糧を調達する場所の範囲を
広げようか話し合いが行われる。

充紀「・・・道具さえあれば、たこ焼きが出来るんやけどな~」
駆流「でも、このタコ飯も美味いぜ」

選ばれしドライバーで、大阪生まれのミッチーこと、羽根充紀は
タコ料理を食べている内にたこ焼きが食べたくなったが、駆流は
そんな事を気にせずにタコ飯を食べる。そして、りんねがやってくる
のだが、様子がおかしかった。

壮太「どうかしたの、りんね?」
りんね「うん。それがね―」

りんねは今朝から、沙斗理がテントに戻っていない事を駆流達に話す。
そして、その事を学達にも話し、沙斗理の捜索が行われた。

学「いたか!?」
健「いや、こっちにもいない」
数美「どこいったのかしら?」
両津「お~い、こっち来てくれ!」

探せども、キャンプ場にはどこにもいなかった。そんな時に、
両津が皆を呼び寄せる。そして向かうと、足跡が森の方へと
続いていた。

りんね「沙斗理さんの足跡!?」
宗介「森の方へと続いている、彼女が危険だ!」
かなめ「でも、森の中で見つかるのかしら?」
刃「だったら、任せろ。カゲトラ、お前の出番だ!」
カゲトラ「ガウ!」

森の中へと消えた沙斗理を探すべく、刃はカゲトラにニオイで
追跡さえる事にした。その後、彼女を探索するべく探索チームが
結成されて、その後を追った。


~ブリアン島・森林地帯~

カゲトラを先頭に探索チームは周囲を警戒しながら、森の奥へと
足を進める。

トシ「・・・にしても、沙斗理のねーちゃんにも困った物だぜ!」
ソウシ「船の中でも、迷っていたよね?」

探索チームに加わったトシとソウシは歩きながら、沙斗理の事を話す。
沙斗理は極端な方向音痴で、尚且つ風水等の占いで行動する為、
目的の場所になかなか辿り着けない事が多い。島へと向かう船の
中でも迷っている事が多かった。

薫「でも、ドジっ娘のメガネ美人ってかわいくね?」
紫穂「薫ちゃん、また親父が入っているわよ」
葵「ま、同じ京都人同士。私が助けたるしかないわ!」

薫は沙斗理のドジっ娘でメガネの似合う美人である事に
興奮しながら語る事に、紫穂が冷静に突っ込む。葵は
同じ京都出身である為、助けだす事に張り切っていた。

皆本「お前たち、何があるか分からないんだ。無駄話をしているじゃあない」
カゲトラ「ガウガウ」
刃「どうした、カゲトラ?この先にいるのか?」
飛鳥「この先は・・・谷になっているわね」

皆本はチームの引率者となり、お喋りしている薫達を注意する。
すると、カゲトラが何かを嗅ぎ付けた様で吼えている先を見ると
いつの間にか森を抜けて、谷間に訪れていた。

1116

森林地帯同様、周囲を警戒しつつ不気味な雰囲気が漂う谷間を
一同は歩いていた。

カゲトラ「ガウガウ!!」
刃「カゲトラ、見つけたのか!?」
イサミ「あ、あれは...!」
トシ「何なんだよ、あれ...」

カゲトラが吼えたので、一同が見つけたのは何と巨大な蜘蛛の巣だった。
そして蜘蛛の巣には、沙斗理が捕まっていた。

宗介「この巨大な蜘蛛の巣は一体?」
延珠「・・・沙斗理は、死んでしまっているのか?」
蓮太郎「分からねえ。まずは巣から降ろさねえと...」
皆本「待て、何か来るぞ!」

宗介はこの巨大な蜘蛛の巣に疑問を抱き、延珠は捕まっている
沙斗理の様子を見て、死んでしまったのかと心配するが、
蓮太郎は沙斗理を巣から降ろそうとする。しかし、皆本は
何かが近づいて来る気配を感じ取り、皆を制した。

クモンガ「チュ、チュウ―」
トシ「で、でっかいクモが出た~!?」
皆本「あれは、クモンガか!」
薫「知っているの、皆本!?」

皆本は以前見た資料で、大グモ怪獣クモンガの事を知っていた。
その事を皆に話す。そして、クモンガは巣に捕まっている沙斗理の
下へと向かいだした。

トシ「あの、巨大グモ。沙斗理さんを喰う気か!?」
薫「だったら、私が助ける!」
皆本「待て、薫。クモンガの糸は鉄よりも強度が高い!」
薫「それじゃぁ、切れないじゃん!」

クモンガの糸の特性を聞いて、薫は助ける事が出来ないと言う。

宗介「だが、確かクモンガは火で簡単に焼き切れる筈だ」
ファイブブルー「だったら、俺がファイブブラスターで!」

同行した健は、既にファイブブルーへと変身してファイブブラスターの
ビームで糸を焼き切る。

飛鳥「ハッ!」シュタ
皆本「良し、気を失っているだけみたいだな。しんせん組の皆は
   彼女達を連れて逃げるんだ」
宗介「足止めは、俺達がする!」
イサミ「はい!」

飛鳥が沙斗理を受け止め、皆本は彼女が気絶しているだけだと
確認した後、イサミ達しんせん組に、沙斗理を連れて逃げるように
指示を出す。その間、残ったメンバーがクモンガの足止めをするのであった。

1117

クモンガの巣を逃れ、しんせん組は沙斗理を運んで
近くにある洞窟に逃げ込んだ。

イサミ「はぁ…。ここまで来れば、もう安心かな」
トシ「明石さん達、大丈夫かなあ」
ソウシ「やっぱりレディを置いて逃げるなんて駄目だ。
 僕らも戻って戦おう」

その時、洞窟の奥から唸り声のような音が聞こえて来た。

イサミ「何だろう?」
ソウシ「この奥からだ…」
トシ「よし、行ってみようぜ」

沙斗理を洞窟の岩の上に横たえ、奥へと進むしんせん組。
そこで三人が見たものは、巨大な黒い亀のような怪獣の姿だった。

ソウシ「あれは…」
トシ「ガメラだ!」

冷たい岩の上でうつ伏せになったまま、
ガメラは目を閉じて昏々と眠っている。
ガメラの吐く寝息が洞窟に反響し、唸り声のように聞こえる。

イサミ「どうしてガメラがここに…?」
ソウシ「きっとゴジラと戦って傷を負ったんだ。
 この洞窟に身を隠しながら、エネルギーの回復を待っているんじゃないかな」

ソウシの推測通り、大戸島でゴジラと戦い負傷したガメラは
ブリアン島に逃れ、傷が癒えるのを待ちながら眠っていたのである。

トシ「なあ…。このガメラを起こしたら、
 俺達のために戦ってくれないかな」
ソウシ「無茶だ! これ以上怪獣の数が増えたら手に負えないよ」
イサミ「でも、ガメラは子供の味方なんでしょ?
 きっと無闇に暴れるんじゃなく、私達を助けてくれるよ」
ソウシ「だとしても、どうやって目覚めさせるのさ?」
トシ「え~と、何かでかい音を立てるとか…」
ソウシ「反応してくれるかなあ。
 かなり消耗して、疲れ切って眠ってるみたいだし」

しばらく考えた三人は、やがて同時に同じ答に行き着いた。

イサミ「ルミノタイト!」
トシ「そうだよ! 龍の武器でルミノタイトのパワーを送れば、
 ガメラはきっと生き返る!」
ソウシ「よし、やってみよう!」

しんせん組のバトルコスチュームに変身した三人は、
龍の剣、龍の目、龍の牙をクロスさせ、
ルミノタイトのパワーを放射してガメラに送り込む。
人間の精神を――子供達の願いを変換した温かなエネルギーを浴びて、
ガメラの肉体に力が宿り始めた。

1118

その頃、谷では明石薫達が必死にクモンガと戦っていた。
野上葵は周囲の岩をクモンガの上にテレポートさせてぶつけ、
相良宗介はクモの巣に手榴弾を投げつけてあちこち爆破していく。

薫「サイキックV字斬り!!」
クモンガ「チュ、チュウ!!」

念動力でクモンガを攻撃する薫。
放たれたV字状の斬撃が、クモンガの脚の一本を切断した。

薫「よ~し!」

勝利を確信した薫だったが、
脚を一本失ったクモンガは激怒し、薫に向けて糸を吐きかける。

薫「うわっ!?」

たちまち糸に絡め取られ、身動きできなくなってしまう薫。
クモンガは薫を谷底へ引っ張り寄せ、口の毒針を向ける。

薫「や、やばい…!」

絶体絶命のその時、どこからか飛んで来た高熱火炎がクモンガの糸を焼き切った。
イサミ、トシ、ソウシが薫を引っ張り上げ、
全身に絡まった糸をイサミの龍の剣で切り裂いて助ける。

イサミ「大丈夫!?」
薫「う、うん。サンキュー」

太陽を遮り、二人の上を巨大な影が通過する。
ルミノタイトのエネルギーで目覚めたガメラが、
洞窟を飛び出してクモンガに襲いかかったのだ。

ガメラ「キャォ――ン!!」
クモンガ「チュ、チュウ!」

谷の上に陣取ったガメラは火炎噴射でクモンガを攻撃。
クモンガも口から糸を吐いて応戦するが、
火に弱いクモンガの糸はガメラの火炎で全て焼き溶かされてしまう。
このままでは勝ち目がない…。
そう判断したクモンガは跳躍し、ガメラに上から飛びかかった。
不意を突かれ、マウントポジションを取られるガメラ。

トシ「ガメラ! 頑張れ!」

クモンガはうつ伏せに組み伏せたガメラを毒針で刺そうとするが、
ガメラは頭と四本の脚を甲羅に隠してしまう。
さしものクモンガの毒針も、固いガメラの甲羅を貫く事はできなかった。
やがてガメラはジェット噴射を始め、クモンガを上に乗せたまま回転飛行で上昇する。

クモンガ「チュ、チュウ――!?」

高速スピンをかけられ、吹き飛ばされたクモンガは岩に叩きつけられてダウンした。
すかさず真上から垂直落下でボディプレスするガメラ。
完全に事切れたクモンガを、ガメラの火炎が燃やして火葬にする。

イサミ「やった!」

勝利の雄叫びを上げるガメラは、そのまま空へ飛び去って行った。

1119

○美輪沙斗理→5日目の夜に寝惚けて、森に迷い込む。クモンガの巣に捕まるが、助けられる。
○羽根充紀→朝食を食べた後、沙斗理がいなくなって周囲を探す。
○稲葉りんね→沙斗理がいなくなった事を話す。
○カゲトラ→沙斗理のニオイを嗅いで、後を追う。
○鉄刃→カゲトラを使って、沙斗理を探す。
○花丘イサミ→ルミノタイトのパワーでガメラを復活させる。
○月影トシ→ルミノタイトのパワーでガメラを復活させる。
○雪見ソウシ→ルミノタイトのパワーでガメラを復活させる。
○明石薫→クモンガと戦う。
○野上葵→クモンガと戦う。
○三宮紫穂→沙斗理を探す。
○皆本光一→探索チームの引率者となる。
○相良宗介→クモンガと戦う。
○里見蓮太郎→沙斗理を探す。
○藍原延珠→沙斗理を探す。
○星川健→ファイブブラスターで、巣に捕まった沙斗理を助ける。
○飛鳥→巣に捕まった沙斗理を助ける。
○ガメラ→ルミノタイトのパワーで復活。クモンガを倒す。
●クモンガ→巣に迷い込んだ美輪沙斗理を襲う。
      明石薫を糸で絡めるが、復活したガメラに倒される。

【今回の新規登場】
○美輪沙斗理(超速変形ジャイロゼッター)
 ロゼッタグラフィーに刻まれた5人目の選ばれしドライバー。
 京都出身の16歳で、弓道を得意としている。極端な方向音痴で
 風水や夢占いで行動する。乗機はアヌビア。

○羽根充紀(超速変形ジャイロゼッター)
 ロゼッタグラフィーに刻まれた4人目の選ばれしドライバー。
 駆流の良き友人で、ニックネームはミッチー。大阪出身で、
 将来はお笑い芸人を目指している。好きな飲み物はコーラ。
 乗機はコングローダー。

●大蜘蛛怪獣クモンガ(怪獣島の決戦 ゴジラの息子/ゴジラ FINAL WARS)
 ゾルゲル島の谷底に生息する巨大な蜘蛛の怪獣。
 口から糸を吐いて獲物を絡め取り、毒針で刺して命を奪う。
 糸は非常に頑丈だが火には弱く、簡単に焼き切れてしまう。



1120

ガメラによってクモンガは倒され、沙斗理も無事にキャンプ場へと戻ってきた。
今、沙斗理は意識を取り戻し、体調に異常が無いか伊達やエリに診てもらっている。

伊達「うん。意識もはっきりしているし、外傷も無いから大丈夫だろう」
エリ「よかったね」
沙斗理「ご迷惑をお掛けしました。目が覚めたら、知らない場所にいたので
   元の場所へ戻ろうと占っていたら迷ってしまい、気が付いたらあの場所にいて
   気を失っていました...」
蓮太郎「・・・今度からは、注意してくれよ」

沙斗理から迷った経緯を聞かされ、蓮太郎は呆れて注意をする。

ソウシ「そういえば、宗介さんや延珠ちゃん達は?」
蓮太郎「延珠達なら、他の食糧を調達しているチームの方へ行ったぞ」

沙斗理を助けた後、既に延珠達は食糧を調達している防衛組や
ザウラーズの方へ合流していた。


ブリアン島・河川***


ブリアン島を流れる河川では、地球防衛組の今村あきら、ヨッパー、佐藤大介
ザウラーズの武者小路叉音泰(あだ名はボン)と関和孝(あだ名はチョビ)
大牙剣の仲間である団五郎(あだ名はダンゴ)は釣りで魚を調達していた。

あきら「魚、釣れたか?」
ヨッパー「全然...」
ダンゴ「おっ、魚か?・・・何だ、ただの枝か。」
ボン「これじゃあ、今晩のおかずが食べられないぜ」

皆、魚が釣れない事に不安を覚える。実家が魚屋であるダンゴは
釣れたと思いを竿を引き上げるが、ただの枝だったので肩を落とす。

チョビ「ん?大介、竿引いているんじゃないのか!」
大介「え、本当だ!・・・けっこう、デカいぞ」
ヨッパー「マジかよ!」
あきら「俺達も手伝うぜ!」

すると、大介の竿が動き出しチョビがそれに気づく。
大介も気づき、竿を引くがかなりでかいらしく、あきら達も
一緒になって大介の手伝いを始める。

大介「うぉぉぉぉ」

ザッパーン

竿を引き上げると、そこから現れたのは何と巨大なワニだった。

ワニ?「ぐわぁぁぁ」
5人「「「「「うわぁぁぁぁあ」」」」」

そして、6人はそのワニ?に引きずり込まれるのであった。


ブリアン島・森林地帯***


一方、森林地帯ではアマゾンこと山本大介が引率して主に
女子グループが食糧となる果実を探していた。

ときえ「アマゾンさん、この果物は食べられますか?」
大介「どれどれ・・・大丈夫、食べられる実だ」

野生児である大介は、森の果実に詳しく地球防衛組の坂井ときえは
大介に食べられないか聞く。(因みに防衛組にも同じ名前の大介が
いるので、間違えないようにアマゾンで通している)

ゆう「このキノコは、確か・・・食べられるキノコだったわね」

同じく地球防衛組の泉ゆうも森に生えているキノコを採っていた。

少年?「好~きです~か、好~きです~か」
ゆう「あの子は?」

ふと、どこからか歌が聞こえてきたので、森の奥を見ると
学生服に半ズボン、そして瓶底眼鏡を身に着けた少年がいた。
少年はそのまま、森の奥へと姿を消してしまう。

ゆう「待って、森の奥はあぶないわ?」
かなめ「ゆうちゃん?」
ときえ「待ってよ、ゆう!」

ゆうは森の奥にはまだまだ危険な怪獣がいるので、その少年を追って
森の奥へと行ってしまう。それに気づいたかなめとときえも、その後を追う。
しばらくすると、広い場所に3人は出た。

ときえ「もう~、ゆうどうしたの?」
ゆう「こっちに男の子が走っていったんだけど...」
かなめ「男の子?どこにもいないじゃない...」

3人が話していると、突然地面から長い紐が出現して、
3人を引きずり込む。

3人「「「きゃぁぁぁあ」」」
宗介「千鳥の声!」
大介「他の2人の声・・・ゆうとときえか!?」

悲鳴を聞いた宗介と大介は駆けつけるが、その場には
既に誰もいなかった...

1121

宗介と大介がその場を離れた後、カサカサと草が動き出す。

クーコ「な、何!?」
ユカ「お化け!?」

ザウラーズの田辺久美子(あだ名はクーコ)や水原結花
(あだ名はユカ)がお化けじゃないのかと震える。そして
草むらから小さな赤い生物が現れた。

ピグモン「キュ~」
クッキー「もしかして、怪獣?」
ラブ「それにしては、小さいわね」
吼児「前に、友達になった子から教えてもらったんだけど
  ・・・ピグモンっていう、おとなしい怪獣だよ」

現れたのは友好珍獣と呼ばれるピグモンと呼ばれる怪獣だった。
ピグモンを見て、地球防衛組の栗木容子(あだ名はクッキー)や
島田愛子(あだ名はラブ)が、それぞれ感想を口にする。
UFOの研究をしている吼児だが、その関係でペンフレンドとなった
とあるオカルト好きの少年から、ピグモンに教えてもらった事を
思い出して、皆に説明する。

エリー「・・・それにしても、顔は猿っぽいわね」
ワン「でも、何だか」
ツー「動きが面白いかも!」

ザウラーズの司令塔である光住エリカ(あだ名はエリー)やそれぞれ
ワン、ツーと呼ばれる双子の佐藤明美、晴美姉妹はピグモンの
動きを見ていて、楽しい気持ちになってきた。

洋二「でも、この怪獣どうしよう。星川先生達に相談しないと...」
五郎「洋二の言うとおりだ。おとなしいっていうけど、怪獣に違いない」

グランザウラーを操縦する火山洋二やザウラーズの学級委員長である
石田五郎は、ピグモンの事を先生達に相談するべきだと主張する。

駆流「でも、そうなったらピグモンと離ればなれになるかもなぁ」
五郎「何!?」
きらら「そうね。離れたくないかも」

駆流の一言を切欠に、先生に「相談する」「相談しない」で
意見が分かれだし、その場で議論しだすのであった。

1122

♪~♪~

その場で、子供達が議論をしていると
どこからともなくアコーディオンの音が流れる。

ピグモン「キューキュー!」
小鈴「アコーディオン?」
瑠璃「何で、アコーディオンが?」

銀河連邦警察を代表しての参加となるコスモス荘のタンポポールこと
桜咲小鈴と梅木瑠璃はアコーディオンの音が聞こえてきた事に
疑問を抱く。

勇太「あれ、ここはどこ?」
駆流「バス停?」

気が付くと、その場にいた子供達はバス停の前に立っていた。
すると急に子供達の瞳の色が無くなる。

吼児「・・・」
五郎「・・・」
エリー「・・・」
マリア「・・・」
ピグモン「キュー、キュー!」

ピグモンの声にも反応せず、心ここにあらずといった状態で
立ち尽くす子供達。そこへバスが近づいてきたので、ピグモンは
茂みの中へと隠れた。
バス停に止まったバスが扉を開くと、子供達は皆にバスに乗って
しまい発車してしまう。

ピグモン「キュー・・・キュ!」

隠れていたピグモンは茂みを出ると、小さな木の枝に
白いハンカチが引っ掛かっている事に気づき、その
ハンカチを木の枝から拾い上げた。そして、
ピグモンは気づかれないようにバスの後を追った。

1123

ブリアン島・Gショッカー秘密基地***


駆流「ちっくしょー、ここから出せ!」
ショッカー戦闘員「騒ぐな、おとなしくしていろ!」

気が付くと、子供達はGショッカーの秘密基地にある牢屋に
入れられていた。

ドーラゴブリン「ふふふ、この島にブレイバーズの子供が大勢来ていると
 モグラングから報告は聞いていたが、大分集まったな。美味そうな魂がいっぱいだ!」
紐男爵「まてまて、子供達はGショッカーの労働力にするのだ。我慢せい」

子供達を次々と誘拐したのは、ドーラゴブリンや紐男爵達だった。
紐男爵は地中に引きづり込み、ドーラゴブリンはアコーディオンで
ゴブリンサロンへ通じる森に迷い込ませたのである。

バラナイトメア「その際、私が脳波で疑問を抱かずに乗車させているのだ。感謝してもらおう」
ドーラゴブリン「分かっている...」

バラノイアのマシン獣であるバラナイトメアは、脳波を狂わせ悪夢を
見せる能力を応用して、ドーラゴブリンのバスに乗るように仕向けていた。

五郎「こんな事をしても、星川先生達がきっと助けにきてくれる筈だ!」
紐男爵「威勢のいい子供だな。だが、あいつらはまだこちらの基地を
 見つけていない・・・よって、当分、お前達は我々に捕えられたままなのだ!」
五郎「くっ...」

五郎は自分達を助けに先生達が助けにきてくれると言い放つが、
紐男爵達は、当分助けは来ないと逆に言い返した。

サボテン将軍「でも、本当にこの子達はかわいいわ。ねぇ、一緒に
 お人形遊びをしましょう?」
りんね「い、いや...」
駆流「りんねに触るな、おっさん!」

軍服を着た中年男性―ゴーマ怪人のサボテン将軍は、捕まえた女の子
達を自身の趣味である「お人形遊び」に誘おうとする。

ワニ獣人「ぐぅ~、またガキ共を捕まえたぞ!」
ひろし「あきら、ヨッパー、大介!」
洋二「あわわわ、ボン、チョビ、ダンゴ!」

河川であきら達を引きずり込んだワニは、ゲドンの獣人である
ワニ獣人だった。連れてきたあきら達を牢屋に入れる。

延珠「待つのだ!」

そこへ突然、Gショッカー基地内の中に
蓮太郎たちとはぐれていた藍原延珠の姿が
颯爽とそこにはあった!

ワニ獣人「このガキ! いつの間に基地の中に!?」
かなめ「延珠ちゃん!?」
延珠「捕まったあきらくんたちを尾行してここまで辿り着いたのだ!
 みんなを返してもらうぞ!」
紐男爵「何をしている! 早くあのガキを捕まえろ!」

戦闘員たちが一斉に銃を乱射するが、
目を赤く光らせた延珠はそれらの銃弾を難なくよけて、
基地内の壁を三角跳びの要領で跳躍し、突進してくる。

延珠「てりゃあ!」

延珠の華麗な足裁きと蹴りが、
次々と戦闘員たちを弾き飛ばしていく。

バラナイトメア「なかなかやるな。だがそこまでだ!」
延珠「――!!」

バラナイトメアは戦闘員に命じて牢の中に囚われている
子供たちに銃口を向けさせた。

バラナイトメア「これ以上抵抗すると、牢屋の中にいる
 お友達が死ぬことになるぞ」
延珠「卑怯だぞ!」
バラナイトメア「何とでも言え。さあどうする?」
五郎「延珠ちゃん、僕らに構わずコイツらをやっつけて!」
延珠「くっ…!」

延珠はやむなく動きを止め、降伏の意思を示す。

ワニ獣人「このガキ、てこずらせやがって!
 鎖で縛り上げろ~!」
かなめ「...(ソースケ、助けて!)」

かなめは心の中で、宗介の事を思うのであった。

ピグモン「キュ~」

その一方、バスの跡を追い、Gショッカーの秘密基地を
発見したピグモンは、子供達が牢屋に入れられている一部始終
を見た後、子供達を助けてくれる味方を探しにその場をこっそりと
離れるのであった。

1124

ブリアン島・キャンプ場***


一方、キャンプ場では星川兄弟や地球防衛組の小島勉、
勉の従妹である小島尊子(あだ名は教授)、メカニックの
長田秀三、GEARのオペレーターでもあるエリスを中心に、
通信機の復旧作業を行っていた。

仁「おーい、勉。通信機の方はどうだ?」
勉「仁君。はい、もう少しすれば、通信機は回復します」
数美「本当、あなたたちは通信機の修理とかすごいわね!」
教授「ありがとうございます。これも先生達が協力してくれるおかげです」
文矢「いやいや、本当なら俺達大人の仕事何だけどな」

お互い協力したおかげで、通信機の回復ももうすぐ終わる所に
までなっていた。

大介「大変だ。子供達が!」
健「大介さん!?子供達がどうかしたんですか」

大介と宗介はキャンプ場へと帰還して、食糧を調達しにいった
子供達がいなくなった事を報告する。

宗介「くそ、俺がいながら...」ドン
学「自分を責めてはいけない。とにかく子供達を探すのが
  先決だ!」

かなめを守るのが、使命である宗介は自分の不甲斐無さに
机に思いっきり手を叩く。学は宗介に自分を責めないように
慰めた。

レミ「でも、もうすぐ夜・・・怪獣もまだいるし、探すのが危険だわ!」
はるか「なら、私達に任せて下さい。」
学「はるか先生!」

もうすぐ夜の時間になるため、探索は危険だとしてどうするか
話し合っていると、忍である高木はるかが鶴姫や半蔵学院の
生徒と共に現れてやって来る。

葛城「こういう時こそ、アタイ等の出番だな!」
斑鳩「夜の探索は、我々善忍がお引き受けます」

忍者である彼女達は、夜間での活動を得意としている。
そのため任せてほしいというのであった。

学「・・・分かった。君たちに任せよう。我々も夜が明けたら
  探しに行こう」
虎太郎「よっしゃ、はりきって行くぜ!」
栄人「せっかくだが、虎太郎。お前達ガンバ―チームと天界は
   ここで待機だ」
虎太郎「何でだよ、栄人兄ちゃん!」

ガンバ―チームの虎太郎ははりきるが、栄人が待機するように言う。

はるか「やる気なのはありがたいけど、あなた達はまだ小学生。
    夜更かしはダメよ!」
栄人「それに、何かあったら分からないからな」
虎太郎「ちぇ~」

はるか達の説明を受けて、虎太郎は諦めるのであった。

1125

○伊達明→沙斗理を診る。
○エリ→沙斗理を診る。
○今村あきら→ワニ獣人に捕まる。
○小川よしあき→ワニ獣人に捕まる。
○佐藤大介→ワニ獣人に捕まる。
○武者小路叉音泰→ワニ獣人に捕まる。
○関和考→ワニ獣人に捕まる。
○団五郎→ワニ獣人に捕まる。
○千鳥かなめ→紐男爵に捕まる。
○泉ゆう→紐男爵に捕まる。
○坂井ときえ→紐男爵に捕まる。
○山本大介→調達グループに同行する。
○相良宗介→クモンガ戦の後、調達グループに同行する。
○田辺久美子→ピグモンを見つける。
○水原結花→ピグモンを見つける。
○栗木容子→ピグモンを見つける。
○島田愛子→ピグモンを見つける。
○星山吼児→ピグモンについて、話す。
○光主エリカ→ピグモンを見つけ、ドーラゴブリンに捕まる。
○佐藤明美→ピグモンを見つける。
○佐藤晴美→ピグモンを見つける。
○火山洋二→ピグモンの事を先生達に相談しようと提案する。
○石田五郎→洋二に同意する。
○桜咲小鈴→ドーラゴブリンに捕まる。
○梅木瑠璃→ドーラゴブリンに捕まる。
○友永勇太→ドーラゴブリンに捕まる。
○白鳥マリア→ドーラゴブリンに捕まる。
○轟駆流→ドーラゴブリンに捕まる。
○稲葉りんね→ドーラゴブリンに捕まり、サボテン将軍に人形にされる。
○ピグモン→ブレイバーズの子供達と出会う。ハンカチを拾い、後を追って、
         Gショッカー秘密基地を見つける。
○藍原延珠→捕まったあきら達を追って助けようとするが、捕まる。
○小島勉→通信機の復旧作業を行う。
○小島尊子→通信機の復旧作業を行う。
○長田秀三→通信機の復旧作業を行う。
○エリス・ウィラメット→通信機の復旧作業を行う。そして、出雲と銀河に
    データウェポンを実体化するためのデバイスを渡す。
○高木はるか→子供達の捜索を行う。
○鶴姫→子供達の捜索を行う。
○斑鳩→夜、子供達の捜索を行う。
○葛城→夜、子供達の捜索を行う。
○狼座の栄人→虎太郎に留守番するように言う。
●ワニ獣人→河川に現れ、あきら、ヨッパー、大介、ボン、チョビ、ダンゴを捕まえる。
●紐男爵→ゆう、ときえ、かなめを捕まえる。
●ドーラゴブリン→子供達を捕まえる。
●バラナイトメア→子供達の脳波を操る。
●サボテン将軍→子供達の中から、自分の人形にしようとする。

【今回の新登場】
○泉ゆう(絶対無敵ライジンオー)
 地球防衛組出席番号12番。ライジンオー合体チェック、バクリュウオー・ドラゴン時
 センサー系モニター担当。女子の中では一番の長身と眠そうな目が特徴をしている。
 気弱で引っ込み思案だが、妹のルリ子には姉らしい面を見せる。将来の夢は看護師。

○坂井ときえ(絶対無敵ライジンオー)
 地球防衛組出席番号14番。獣王各種センサー系モニターチェック担当、
 バクリュウオーダメージカウンター対応。家が居酒屋「陽昇亭」を経営している為、
 下町気質でおせっかい焼き。将来店を継ぐべく、手伝いをしている。
 スーパーヒーローが好きで、邪悪獣オセッカイザーと親交を持った事もある。めるのであった。

○田辺久美子(熱血最強ゴウザウラー)
 ザウラーズの保険係。あだ名は「クーコ」誰にでも優しく接する事が出来るが、
 気が弱いので「弱虫トリオ」に数えられる。ランドステゴのレーダー担当。
 保険係なので、戦闘終了後には仲間の手当ても兼ねる。浩美に、漫画の
 ヒロインのモデルを起用されて以来、仲良くなる。

○島田愛子(絶対無敵ライジンオー)
 地球防衛組出席番号15番。剣王各種センサー系モニター、バクリュウパルスチェック
 担当。クラスの体育委員で、あだ名は「ラブ」普段は口数が少なく、冷静だが
 運動神経抜群で体育会系な一面があり、時には仲間達を叱咤するなど
 情熱家である。将来の夢は体操のオリンピック代表選手になる事。

○佐藤明美(熱血最強ゴウザウラー)
 晴美の双子の姉で、あだ名は「ワン」サンダーブラキオの動力を担当している。
 妹とは見分けがつかない程そっくりで、休日はアイドルになるべくエリーと
 共にスカウトを探している。

○佐藤晴美(熱血最強ゴウザウラー)
 明美の双子の妹。あだ名は「ツー」サンダーブラキオのレーダー担当。
 姉とは見分けがつかない程そっくりで、休日はアイドルになるべく、エリーと
 共にスカウトを探している。

○火山洋二(熱血最強ゴウザウラー)
 ザウラーズの一員で、グランザウラーのパイロット。一家全員が東大卒という
 学歴な家族を持ち、彼自身も私立中学の受験のために勉学に勤しむ勉強家。
 容姿に恵まれ成績優秀、運動神経も良く女子の人気が高いが、優柔不断で
 すぐに先生に頼ろうとする。当初は気弱で臆病な所がある割には思い込みが
 激しく軽率な所があったが、次第に度胸と決断力を持つようになった。

○長田秀三(熱血最強ゴウザウラー)
 機械いじりが好きで、年中青いツナギを着用しているザウラーズの一員。
 サンダーブラキオのメカニック担当。実家は「長田モータース」という自動車
 整備工場を経営しており、機械好きは父親譲り。よく教授のが考案したメカの
 制作を手伝っている。

●ワニ獣人(仮面ライダーアマゾン)
 秘密結社ゲドンに所属するワニの獣人。全身、鋼鉄より硬い鱗で覆われて
 おり、その鱗は弾丸も通さず、尾は鉄骨も一撃で折り曲げる程強力である。
 人肉の燻製を確保するべく城南小学校に潜入し、生徒を誘拐するがアマゾンに
 頭を斬られ、川に落とされ絶命する。

●紐男爵(五星戦隊ダイレンジャー)
 6000年ぶりに復活したゴーマの尖兵として現れた紐が絡まったような
 ゴーマ怪人。人間態は学生服と半ズボン、瓶底眼鏡を身に着けヨーヨーを
 している少年で、常に長渕剛の「巡恋歌」の一小節を口ずさむ。「紐拳」の使い手で
 伸び縮み可能な全身の紐を自由自在に操る。

●ドーラゴブリン(恐竜戦隊ジュウレンジャー)
 プリプリカンが作り出したドーラモンスター。アコーディオンの演奏で迷いの世界
 「ゴブリンサロン」行のバス停に子供をワープさせ、迷子になった子供の
 魂を抜き取っていた。大人には見えないが、靴を左右アベコベに履くと見えるようになる。

●バラナイトメア(超力戦隊オーレンジャー)
 かつてバッカスフンドに逆らったばかりに流れ者になったマシン獣。
 脳波を狂わせレム睡眠状態にさせ、悪夢を見せる事が出来る。
 丸井桃の昔の友達、まゆみをはじめとして11年間に渡って少女を
 毎年1人ずつ自分の世界に捕えていた。

●サボテン将軍(五星戦隊ダイレンジャー)
 ゴーマ族きっての武闘派を名乗るゴーマ怪人。人間態はオカマ口調の
 中年。可愛い少女を好み、攫っては人形の様に着飾り愛でている。
 「サボテン針鼠」や「サボテン大火炎放射」という技を持つ。

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最終更新:2020年11月22日 14:14