本編1437~1446

『砂漠の姫の来日』-1

 作者・ティアラロイド
1437

成田・新東京国際空港***


その日、成田にサングラスをかけた一人の若い外国人女性が降り立った。
滑らかな褐色の肌と、長いプラチナブロンドの髪が風に揺れる。

フィリナ「………」

その女性――フィリナ・クラウディア・アルシャードはタクシーを拾うと、
東京方面へと向かった。しかし車通りの少ない海岸沿いのコンテナ地帯へと
通りかかった辺りで、突然そのタクシーはアラビア風のターバンを着用して
武装した男たちに襲われた。男たちの発砲した銃弾が何発か車体に命中し、
タクシーは道路脇の電柱に突っ込んで停車してしまう。

フィリナと運転手は、襲撃してきた男たちによってタクシーから引きずり出される。

運転手「た、助けてください! 私は別に何の関係も…!!」
フィリナ「そんな物騒な物はしまってくれないかしら?」
幻の睦月「声を出すな!」

武装したターバンの男たち=作戦を指揮する
幻の睦月と幻の如月の二人に率いられた独立幻野党の目的は、
どうやらフィリナの誘拐にあるようだ。
銃を突き付けられたフィリナは彼らの車に強引に乗せられそうになるが……。

弦太郎「俺も一緒に連れてってくれねえかなあ!?」

フィリナが乗っていたタクシーのトランクから
男の声がした。するとトランクの扉が勝手に開き、
中からカウボーイスタイルの熱血漢風の若い男が威風堂々と姿を現す。
それを見た独立幻野党の面々は、一様に恐れおののいた。

幻の如月「し、静弦太郎!?」
幻の睦月「貴様いつの間に!!」
弦太郎「そうビビりなさんなって! 可愛い女の子を見ると
 つい手を出したくなるのが俺の癖でね」
幻の睦月「ほざくな!!」

幻の睦月は弦太郎に向けて発砲するが、
弦太郎はその銃弾を難なくかわして手榴弾を投げつけて攻撃。
その混乱の隙をついてフィリナを助け出す。

フィリナ「キャアッ!!」
弦太郎「こっちに来るんだ!」

機関銃の銃弾の雨の中を必死に逃げる弦太郎とフィリナ。

1438

幻の睦月「我らの革命戦争の邪魔はさせん!
 怪獣ロボット、ザイラユニコンよ!
 静弦太郎を襲え~!!」

幻の睦月は髑髏型コントローラーを天高くかざして
配下の怪獣ロボットを呼び出す。

ザイラユニコン「グオオオ~ンン!!」

怪獣ロボット・ザイラユニコンの巨体が、逃げる弦太郎とフィリナに迫る中、
どこからともなくアイアンキングが現れて、ザイラユニコンの尻尾を捕まえて
その動きを必死に食い止めようとする。

アイアンキング「……!」

フィリナ「あれは!」
弦太郎「アイアンキング、いいところに来てくれたぜ!」

しかしザイラユニコンは口から内蔵していたマシンガンを吐きだして
アイアンキングを容赦なく攻撃する。

ザイラユニコン「グオオオ~ンン!!」
アイアンキング「……!?」

必死にその攻撃に耐えているアイアンキング。
地上にいる弦太郎もアイアンベルトで援護するが、
以前よりも強化されているらしいザイラユニコンは
全く怯む事はない。

幻の睦月「フハハハハ、いいぞいいぞザイラユニコン!!」
幻の如月「そのまま静弦太郎とアイアンキングを倒すんだ~!!」

徐々に追い詰められる弦太郎とアイアンキングだったが、
その時突然、空中で太陽の光を遮って大きな二枚の
紅蓮色に輝く翼が羽ばたいたかと思うと、
眩い炎を全身に纏ったその何者かがザイラユニコンを攻撃した。

ザイラユニコン「――!?」
シグフェル「――フレイムアームッッ!!」

その紅蓮の翼の戦士――シグフェルの灼熱の手刀が
ザイラユニコンの右眼に命中。
思わぬダメージを受けて苦しむザイラユニコン。
その間にシグフェルはフィリナの側に降り立つ。

シグフェル「大丈夫かフィリナ!?」
フィリナ「あなたは…!」

フィリナの無事を確認したシグフェルは、
すぐさま飛び立ち、続けざまに梅花二段キックをお見舞いした。
その衝撃でザイラユニコンの巨体は地上に倒れ込む。

幻の如月「ザイラユニコンがやられた!!」
幻の睦月「ザイラユニコン! 帰れ~!!」

幻の睦月と幻の如月たちは無念の表情を浮かべつつも、
まずは再起を期すために怪獣ロボット共々退却していったのだった。

1439

弦太郎「てめえはいったい…」
シグフェル「………」

弦太郎からの問いかけにも応じることなく、
すぐにシグフェルはまたどこかへと飛び去ってしまった。
そこへアイアンキングから元の姿に戻った霧島五郎、
そして藤森典子も駆け寄ってくる。

五郎「おい弦の字、今のは…!?」
弦太郎「あれが今巷で評判の謎のヒーロー・シグフェルか。
 チッ…! いきなり出て来て美味しいところだけ
 かっさらって行きやがって!」
フィリナ「あれがシグフェル……」
弦太郎「……?」

遥か遠くに飛び去っていくシグフェルを見つめるフィリナの態度に、
弦太郎は何か引っ掛かるモノを感じる。

典子「お怪我はありませんか?」
フィリナ「ええ、ありがとう。あなたたちは?」
典子「私たちは国家警備機構の者です」
フィリナ「ではあなた方もブレイバーズの?」
弦太郎「おっと、俺たちをあんな仲良しごっこのグループ
 なんかと一緒にしないでもらいてえなあ!」
典子「静君! まだそんな事言ってるの!」
弦太郎「うるせェ!」

弦太郎たちのやり取りを見て、ついフィリナはクスクスと笑ってしまう。

弦太郎「何がおかしいんだ!?」
フィリナ「あらごめんなさい。つい見てて面白くって」
弦太郎「なんだとォ!」
五郎「まあまあ弦太郎、こんな可愛い美人な外国人のお嬢さんを前にして
 そんな怖い顔しないのッ! どうもはじめまして、僕、霧島五郎といいますッ!」
典子「藤森典子です」
フィリナ「危ないところを助けてくださってありがとう。
 フィリナ・クラウディア・アルシャードよ」

1440

宇都宮での釣天井による聖天子暗殺計画を未然に防いだ
国家警備機構の静弦太郎&霧島五郎一行であったが、
目的地の関門海峡・ビルドベースへと向かう途中、
せっかくの通り道なので東京の国家警備機構本部へも
立ち寄って久々に顔を出すことにした。
そうしてちょうど千葉県内を通りかかったところで、
偶然フィリナが襲われている現場に遭遇したのだった。

弦太郎「それで、世界で一か二の石油王一族のお嬢様が、
 ボディーガードも連れずにどうしてわざわざ日本に?」
フィリナ「さすがは日本の国家警備機構で随一の切れ者といわれた
 静弦太郎さんね。私の事をそこまでお見通しなら話が早いわ」
弦太郎「俺の事を前から知っているみたいだな」
フィリナ「当然よ。これでも日本で活躍している
 スーパーヒーローたちの事については結構詳しいつもりよ。
 勿論、そちらの霧島五郎さんの正体がアイアンキングであることもね」

常に情報戦を制する者はビジネスをも制する。
これはフィリナの元々持っている矜持的考えである。

五郎「さすがは情報通のお嬢様だ。こりゃ参ったね~♪」
弦太郎「海外にまで俺たちの名が知れ渡っていたとは、コイツは光栄だな」
フィリナ「せっかくですけれども、今回はビジネスではなく
 プライベートの目的で来ておりますの。これ以上の詮索は
 どうか無用にしていただけますかしら?」
弦太郎「そうはいかねえなあ! 独立幻野党に狙われてると知ってて
 アンタを放っとけるか!」
フィリナ「矢吹コンツェルンの矢吹郷之助会長を通じて、
 日本政府に身辺警護は一切不要だと事前にお伝えしているはずです」
弦太郎「そんなこと知った事か!」
フィリナ「なら勝手にすれば。私はもう行きますから」

フィリナは弦太郎の制止も聞かず、自分一人だけで
さっさと歩いて行ってしまった。

典子「さすがアルジェの石油王のお嬢様、キレイよねえ…。
 まるでアラビアンナイトの物語から抜け出て来た
 砂漠のお姫様みたい…」
五郎「いやいや、全く同感ですな!」
弦太郎「バカッ! 二人ともいつまで見とれてんだ!
 さっさとあの世間知らずのお嬢ちゃんを追いかけるぞ!」


スマートブレイン本社ビル・54階・社長室***


シグフェル出現の急報は、直ちにGショッカーでシグフェル捕獲作戦の総指揮をとる、
スマートブレイン社の社長・村上峡児の元へももたらされた。

村上「シグフェルが出現した!?」
スマートレディ「はい。相手は極左暴力革命集団、独立幻野党の一味ですわ♪」
村上「独立幻野党といえば、まだ我らがGショッカーの傘下には加わっていませんでしたね。
 いったい何を企んでいるのやら…」
スマートレディ「それがど~も女が一人絡んでいるらしくて…」
村上「女が…?」
スマートレディ「調べてみます?」
村上「無論です。今はシグフェルに関わる情報であれば
 どんな些細な物でも欲しいところですからねえ…」

1441

千葉・舞浜 プラトン東京***


東京ネズミーランド近くの外資系高級リゾートホテル。
この日フィリナはこのホテルの部屋にチェックインした。
弦太郎と五郎は、ひとまず典子だけを先に国家警備機構本部に帰還させ、
自分たちは24時間体制で、フィリナの泊まっている部屋の扉の前で常時張り込む構えだ。

客室係「失礼致します。ルームサービスをお持ちしました」
弦太郎「ちょっと待った。少し調べさせてもらうぜ」
客室係「…は、はい。どうぞ(汗」

客室係の若い女性が運んできたルームサービスの台車に
何か不審な点がないか調べる弦太郎だったが、特に異常は見当たらなかった。

弦太郎「すまなかったな。中に入っていいぜ」
客室係「ど、どうも…(汗」

こうしてフィリナの部屋の中に客室係が入って行き、
そして数分後、その客室係は何事もなく部屋から出て来た。

客室係?「……」

その客室係が去り際に、弦太郎たちに気づかれないよう
少し可愛らしく舌をペロッと出してほくそ笑んでいた事に、
弦太郎と五郎は全く気付いてはいなかった。

そして数分後、妙に部屋の中が静かでおかしい事に
ようやく気付いた弦太郎は、強引に扉をこじ開けて中に突入すると、
客室の中にいたのはフィリナではなく、なんとさっきの客室係の女性だったのだ!

客室係「す、すみません…! お客様からチップを渡されて、
 互いの着ている衣装を交換してくれとお願いされたものでつい!」
弦太郎「しまった! さっき出て行った客室係の女だ!」

弦太郎たちは慌てて客室係に変装したフィリナを追いかけたがすでに遅し。
ホテル中のどこにもフィリナの姿はなかったのである…。

五郎「大変だ弦の字! もう砂漠のお姫様の姿は
 ホテルのどこにもいやしないぜ!」
弦太郎「ちきしょう! やられた!」

まんまとフィリナにしてやられ、
悔しそうに地団太を踏む弦太郎であった。

1442

国家警備機構本部***


津島「ハッハッハ!! そんなことがあったのか。
 それは災難だったねえ」
弦太郎「笑いごとじゃないですよ博士」

その後のフィリナの足取りの手掛かりも掴めず、
仕方なく国家警備機構に戻って一部始終を津島博士に
報告する弦太郎と五郎。

津島「だがフィリナ嬢のことだったら心配はいらない。
 彼女が今どこにいるのかは見当がついている」
五郎「それは本当ですか博士?」
津島「二人にも紹介しよう。こちらは内閣安全保障室の土橋竜三室長だ」
土橋「土橋だ。よろしく」
弦太郎「ど、どうも…」
五郎「はじめまして…」

津島博士から紹介されたこの初老の官僚は、
弦太郎たちに事情を説明し始める。

土橋「いいかね静君、それに霧島君に藤森君も…。
 これから私がする話はくれぐれも他言無用だよ」

土橋竜三は、今からおよそ20年ほど前の
一人の日本人外交官とアルジェの石油王一族の令嬢との
間に起こった出来事を話し始めた。そしてその二人の間には
男の子が生まれ、今は日本で17歳の高校生として成長して
暮らしている経緯も明かした…。

五郎「こいつは驚いたなあ…」
典子「ではフィリナさんは、その牧村光平君に
 密かに会いに来ているというわけですね」
弦太郎「この日本に石油王一族の隠し子がいたとはねえ…。
 それで来日を公にできなかったってわけだ」
土橋「この事は我が国の経済外交にとっても大変
 デリケートな問題なんだ。そこでなるべく穏便に
 事を荒立てないように取り計らってもらいたい。
 なんとか頼むよ」
弦太郎「………」

1443

スマートブレイン本社ビル・54階・社長室***


スマートレディ「フィリナ・クラウディア・アルシャード、19歳。
 世界有数の大富豪である石油王アルシャード家の令嬢で、
 一族が保有する事業部門の3分の1の経営権を握る才媛です♪」
ゴメス「ほう、それはそれは…」
村上「………」

調査結果を村上社長とキャプテンゴメスに報告するスマートレディ。

スマートレディ「おそらく独立幻野党が彼女を拉致しようとしたのも、
 身代金を要求して活動資金を確保するためね♪」
村上「いかにも時代遅れの革命家気取りがやりそうなことです…」
ゴメス「それで、そのフィリナ嬢は日本に何をしに来たのかね?
 何か重要な商談でも?」
スマートレディ「それが不明なんです~!
 少なくとも公用による来日ではないようなんですけどォ♪」
ゴメス「するとプライベートということか」
村上「もしかすると、シグフェルに会いに来たのかもしれませんね」
スマートレディ「ええっ!?」
ゴメス「……!?」

村上のいきなりの突拍子もない発言に、
スマートレディとゴメスは驚く。

村上「そもそも妙ですね。今までイーバが現れる現場にしか
 原則として姿を現す事がなかった筈のシグフェルが、
 どうしてわざわざアルシャードの令嬢の危機を救いに
 現れたのか…」
ゴメス「確かに言われてみれば…」

もしシグフェルが事前にフィリナの来日を知っていて、
密かにガードしていたのだとしたら、全ての辻褄が合うのだ。

村上「その女がシグフェルの正体と何らかの関わりが
 あるのだとすれば…」
ゴメス「独立幻野党のリーダーである幻の月光は、
 以前に中近東では一緒に暴れまわった仲です。
 そちらには私の方から当たってみましょう」
村上「わかりました。そちらの方は貴方にお任せしましょう」

実はこの会話を、ビルの社長室の壁の反対側に張り付いて
じっと静かに盗聴している者がいた。
ネロス帝国ヨロイ軍団・爆闘士ガラドーに仕えている
下忍の軽闘士"影"の一人である。

影「急いで軍団長にお伝えせねば…!」

影はすぐに地上へと飛び降りると、
周囲の通行人には目にも止まらぬ速さで
あっという間に街の雑踏の中を駆け抜けて姿を消した。

村上「どうやら下の下な鼠がちょこまかと
 嗅ぎまわっているようですねえ…」
ゴメス「今のはおそらくネロス帝国の下忍。
 村上社長、壁に耳あり障子に目あり。
 くれぐれもご油断召されるな」


ネロス帝国・ゴーストバンク***


急ぎゴーストバンクに舞い戻った"影"は、
すぐさま一部始終を上司に報告した。

クールギン「なにっ! シグフェルの正体に関わりが
 あるかもしれない女だと!?」
影「ハハッ!」
ガラドー「それもただの女ではありません。
 フィリナ・クラウディア・アルシャード。
 あのアルジェの大富豪アルシャード家の令嬢です」
クールギン「若くして一族の事業の一翼を担っている才女だな。
 私も名前くらいは聞いた事がある…」

北アフリカ有数の石油王アルシャード一族と言えば、
サラジアを拠点に中東方面へも事業を展開している桐原コンツェルンにとっては
商売敵とも言うべき存在であり、その経営権の一部を握るフィリナの名は
桐原剛造の影武者を務めるクールギンも耳にしていた。

クールギン「なるほど。確かに、フィリナの行く所にまたシグフェルが
 出現する可能性は高い。彼女が危機に陥れば尚更だ」
ガラドー「ならば軍団長、直ちにその女の身柄の確保を!」
クールギン「待て!」

逸る気持ちのガラドーをクールギンは制止する。

クールギン「何も慌てる事はない…」

1444

江東区豊洲・住宅街 朝倉家***


もうすっかり陽も沈んで夜の7時になった頃、朝倉家の玄関で
ピンポ~ン♪と来客を告げるチャイムが鳴った。

慎哉「は~い!!」

慎哉と光平が玄関のドアを開けると、
そこには長いプラチナブロンドの髪の美少女が立っていた。

慎哉「フィリナさん!?」
フィリナ「久しぶり、元気そうね光平」
光平「やあ、フィリナ」

顔を合わせた途端すぐに親しげに会話を交わす光平とフィリナ。
実はフィリナと光平の母親は姉妹であり、つまり二人は母方の従姉弟同士に当たる。
アルシャード一族の血を引く光平が、一般庶民として日本で暮らして来れたのも、
フィリナの後見と援助によるところが大きかったのである。

光平「随分と遅かったじゃないか。心配してたんだぞ」
フィリナ「ちょっとお節介なボディーガードさん達を
 撒くのに手間取っちゃってね♪」
慎哉「ボディーガード…? 確かフィリナさん
 日本には一人で来たんじゃ…」
フィリナ「ううん、こっちの話よ。
 それより優香も来てるの?」
光平「リビングで待ってる」

リビングルームでは、優香がソファに座って待っていた。

優香「フィリナさん、お久しぶりです」
フィリナ「元気そうね優香。とても会いたかったわ。
 …それで、その後光平との仲はどれだけ進展したの?」
優香「もうっ…フィリナさんったら!(///)」
光平「茶化すなよフィリナ。優香が困ってるじゃないか…(汗」
フィリナ「うふふ♪…ごめんなさい。だってあなたたちの
 慎ましい仲を見てると、ついからかいたくなっちゃうんだもの」

和やかに談笑している光平とフィリナ達だったが、
フィリナが真顔になった辺りから雰囲気は緊張したものに一変する。

フィリナ「早速本題に入りましょう。光平、さっきは助けてくれてありがとう」
光平「慎哉からの手紙は読んでくれたんだな」
フィリナ「正直、今でもまだ信じられないわ…。
 でも実際に私は見てしまった。そうである以上、
 事実を認めるしかないのよね。光平、いえ、シグフェル…」
光平「………」

1445

独立幻野党・地下秘密アジト***


幻の月光「おのれシグフェルめええ!!!」

アルシャード家令嬢の誘拐作戦が失敗した事に、
独立幻野党の首領・幻の月光は怒り狂っていた。

幻の月光「幻の睦月、幻の如月、
 お前たちに与えておいた任務は何だ!」
幻の睦月「石油王アルシャード一族の令嬢フィリナを誘拐する事」
幻の如月「そしてアルシャード家から莫大な額の身代金を奪い、
 我らの革命成就のための活動資金を確保する事」
幻の月光「それがなんたるザマだ!
 たかがぽっと出の新人ヒーロー如きに
 いいようにあしらわれおって!!」
幻の睦月「め、面目ない…」
幻の如月「右に同じく…」

幻の月光は憂さ晴らしに酒瓶に手を伸ばそうとするが、
口にしようとしたその瞬間、一発の銃弾が酒瓶を貫通して、
中身の酒ごとガラスの破片が周囲一面に飛び散った。

幻の月光「誰だ!」

銃弾が発射された方向へ一同が振り向くと、
そこにはナチス式の黒い軍服を着こんだ中年の
口髭を生やした男が立っていた。

幻の睦月「誰だ貴様は!?」
幻の如月「いったいこの秘密アジトにどこから入って来た!」

ゴメス「久しぶりだな、ミスター月光」

その男は、幻の月光にもよく見覚えのある男だった。

幻の月光「キャプテン・ゴメス…!」

1446

○静弦太郎→独立幻野党に拉致されそうだったフィリナを救う。
○霧島五郎/アイアンキング→独立幻野党に拉致されそうだったフィリナを救う。
○藤森典子→独立幻野党に拉致されそうだったフィリナを救う。
○津島博士→静弦太郎たちに土橋竜三を引き合わせる。
○土橋竜三→国家警備機構本部を訪れ、静弦太郎たちにフィリナと牧村光平の関係を説明する。
●村上峡児→フィリナとシグフェルの関係を疑う。
●スマートレディ→村上社長とキャプテン・ゴメスに、フィリナに関する調査報告を行う。
●キャプテン・ゴメス→幻の月光に接触する。
●凱聖クールギン→シグフェル捕獲作戦に絡み、スマートブレインの動きをキャッチする。
●爆闘士ガラドー →シグフェル捕獲作戦に絡み、スマートブレインの動きをキャッチする。
●幻の月光→フィリナ誘拐作戦をアイアンキングとシグフェルに邪魔される。
●幻の睦月→フィリナ誘拐作戦をアイアンキングとシグフェルに邪魔される。
●幻の如月→フィリナ誘拐作戦をアイアンキングとシグフェルに邪魔される。
●ザイラユニコン→フィリナ誘拐作戦をアイアンキングとシグフェルに邪魔される。

○牧村光平/シグフェル→独立幻野党に拉致されそうだったフィリナを救う。
○朝倉慎哉→朝倉家でフィリナを出迎える。
○沢渡優香→朝倉家でフィリナを出迎える。
○フィリナ・クラウディア・アルシャード→従弟の牧村光平と再会するため、お忍びで来日。

【今回の新規登場】
●幻の睦月(アイアンキング)
 独立幻野党・幻十二人衆の一員。幻の如月とコンビを組み、
 怪獣ロボット・ザイラユニコンを使い、アッサム王国のカトリーヌ王女誘拐を任務とした。

●幻の如月(アイアンキング)
 独立幻野党・幻十二人衆の一員。幻の睦月とコンビを組み、
 怪獣ロボット・ザイラユニコンを使い、アッサム王国のカトリーヌ王女誘拐を任務とした。

●ザイラユニコン(アイアンキング)
 独立幻野党の怪獣ロボット。サイのような姿をしたロボット恐竜で、角から破壊光線を出し、
 内蔵する巨大なマシンガンで攻撃する。

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最終更新:2020年11月26日 10:36