『希望の名を持つ海賊』-2
作者・ユガミ博士
1491
火星・都市船東側***
手分けをして情報収集を始めてから数時間後。コズモレンジャーJ9と
JJ9チーム、そしてコウとトモカは都市船の東側で情報収集を行っていた。
ロック「・・・・」
キッド「どうした、ロック?もしかして地球に行っちまったバラリベンジャーの
事を考えていたのか?」
ロック「まぁ、そんな所さ」
キッド「ま、アイツの事だ。地球でも大丈夫だろうぜ」
ロック「そうだな」
同行していたバラリベンジャーは、地球にバラノイアが現れたという話を聞いて、
地球へ帰ったタクヤ達に同行して、地球へと向かったのであった。ロックは
バラリベンジャーを一行に誘った身として、少しばかり寂しく感じていた。
そんなロックをキッドは励まして情報収集を続ける。
ボウィー「良い情報が集まらないな」
ビート「それじゃ、あのチャイナドレスの御嬢さんに聞いてみようぜ?」
それぞれブライガー、サスライガーの操縦を担当するボウィーとビートは
近くを歩くチャイナドレスの女性から話を聞こうと声を掛ける。
ボウィー「お嬢さん♪」
ビート「ちょっと、俺達の話を聞いてくれないかな?」
チャイナドレスの女性「話?」
2人はチャイナドレスの女性に話を聞いてもらうが、美人だった為、
少し鼻の下を伸ばす。そして火星に潜伏しているであろう宇宙連合の事や
連れ去られたエリカについて聞いてみた。
チャイナドレスの女性「生憎だが、私は何も知らない」
ビート「それは残念」
ボウィー「それじゃあ、これも何かの縁。一緒にお茶でもしない?」
チャイナドレスの女性「すまない。連れがいるのでな。失礼する」
残念ながら女性は何も知らなかったので、ボウィーとビートはそのままナンパを
始めるが、彼女は断りその場から離れてしまう。
コウ「あの女の人・・・・・」
ブルース「気づいたかい?コウ君」
アイザック「あの歩き方に、身のこなし・・・・・只の女性ではないようだな」
その場から去る女性の歩く姿や身のこなしから、コウやブルース、アイザックは
只の女性では無い事に気づくが、そのまま去っていてしまったので、彼らは
他のメンバーと合流するべくナデシコへと戻っていく。
◇◇◇◇
アイザック達から離れたチャイナドレスの女性はある食堂に入る。
そこには逆立った髪に眼帯をした長身の男性が飯を食べていた。
チャイナドレスの女性「此処にいたか。そろそろ、アイツに合う時間だぞ、元親」
元親「ん~?もう時間か。それじゃあ行くぜ、思春!」
チャイナドレスの女性に言われ、食堂を出た男性、元親。
この2人こそ三国志と戦国時代で活躍した長曾我部元親と甘寧だった。
手下を引き連れ、彼らが向かう先とは・・・・。
1492
火星・都市船西側***
一方、都市船の西側ではエステバリス隊とゴッドシグマチームが
情報収集を行っていた。
キラケン「う~む、エリカ代表や宇宙連合の連中は何処におるんじゃ?」
ジュリィ「火星も広いからな。焦っても仕方がない」
スバル「いやに冷静じゃねえか」
ジュリィ「エリカ代表は、和平派のバームにとって重要人物だ。だからこそ
丁重に扱っているだろうからな」
情報が集まらない事に頭を抱えるキラケンに、ジュリィは冷静に話す。
そんな時、足元に何かが転がってきた。
闘志也「林檎?」
???「其処の兄ちゃん達、林檎を拾ってくれないか?」
足元に転がってきたのは林檎で、闘志也達に声を掛けたのは
バンダナを巻いた小さな少年と少女、そしてその後ろにはオレンジ色の
髪をした女性が近づいてきた。
オレンジ色の髪の女性「ありがとう。この子が林檎を落としてしまったの」
少女「ありがとう」
闘志也「拾うぐらいお安い御用さ」
ガイ「ああ、今度は落とすなよ」
バンダナの少年「・・・・・」
ガイ「ん?どうかしたか」
バンダナの少年「・・・・ああ、其処の兄ちゃんの声が俺たちの仲間の声
そっくりだったからさ。ちょっと驚いちまった!」
林檎を拾ってくれた闘志矢達にオレンジ髪の女性や少女から、感謝される。
そしてガイの声を聴いたバンダナの少年は自分達の仲間と声がそっくりな事を
話す。
サブロウタ「ちょうどよかった。俺達ある事を聞いているんだけど、もしよかったら
聞いてもいいかい?」
オレンジ色の髪の女性「ある事?」
サブロウタは彼女達3人に情報を聞いてみるが、やはり彼女達は知らないらしい。
オレンジ色の髪の女性「そんな事を聞く貴方達は何者?」
ガイ「俺達は、世界の平和を守る為、悪と戦う正義の部隊
ブレイバーズさ!」キラッ
バンダナの少年「ブレイバーズ?」
スバル「ま、ようするに私らは連邦軍さ」
オレンジ色の髪の女性「(連邦軍・・・・!)」
オレンジ色の髪の女性に何者か聞かされ、ガイは親指を立てて
満面の笑顔で自分達がブレイバーズだという事を話す。だが、
まだ火星にはブレイバーズの事が伝わっていないのか、少年には
あまりピンとこなかったようなので、スバルが分かりやすく連邦軍だという
事を話した。するとオレンジ色の髪の女性は内心、動揺する。
オレンジ色の髪の女性「・・・・(まさか、グラムを捕まえに?いえ、そういう感じ
じゃないわね)それじゃ、私達もそろそろ帰らないといけないから行くわね。
お仕事、頑張って下さい。行くわよ、ボン、シエ」
ボン「おう!」
シエ「バイバーイ」
そして3人はエステバリス隊・ゴッドシグマチームから離れ、
その場からいなくなった。
ジュリィ「・・・・・・」
キラケン「どうかしたのか?ジュリィ」
ジュリィ「いや、あの女性・・・・前に何処か見たような気が?」
ジュリィはオレンジ色の髪の女性を以前見たような気がしてならなかった。
その理由は彼が前に読んだ新聞で、彼女――ベステモーナ・ローレンを
見たからだった。
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○ロック・アンロック→地球に行ったバラリベンジャーの事を考える。
○ビート・マッケンジー→ボウィーと共に思春に声を掛ける。
○ブルース・カール・バーンスタイン→思春を只者ではないと気づく。
○木戸丈太郎→ロックを励ます。
○スティーブン・ボウィー→ビートと共に思春に声を掛ける。
○アイザック・ゴドノフ→思春を只者ではないと気づく。
○コウ・ヤガミ→思春を只者ではないと気づく。
○壇闘志也→情報収集を行っていた所、ベステモーナ達と出会う。
○ジュリィ野口→ベステモーナを以前見かけた事があるが、思い出せずにいる。
○吉良謙作→情報が集まらない事に頭を悩ませる。
○ダイゴウジ・ガイ→ベス達に自分達がブレイバーズである事を話す。
○タカスギ・サブロウタ→ベス達から情報を得ようとする。
○スバル・リョーコ→ゴッドシグマチームと共に情報収集を行う。
○甘寧/思春→ボウィー、ビートに声を掛けられる。元親と行動を共にしている。
○長曾我部元親→思春と行動を共にしている。手下を引き連れ、食堂を出る。
○ベステモーナ・ローレン→ボン、シエと共に闘志也達と出会う。連邦軍という言葉に動揺する。
○ボン→ベス、シエと行動を共にする。
○シエ→ベス、ボンと行動を共にする。闘志也達に林檎を拾ってもらう。
【今回の新登場】
○甘寧/思春(恋姫無双シリーズ)
三国志の武将が女性化した外史において蓮花(孫権)に仕える呉の武将。字は興覇。
親衛隊長で、蓮花への忠義心が高く、護衛役も務める。江賊の頭領だった
事から、部隊の統率力も高く水軍を扱わせては呉軍でも最強の実力を持つ。
○天衣無縫・長曾我部元親(戦国BASARAシリーズ)
四国と西の海を束ねる戦国武将。自らを「西海の鬼」「鬼ヶ島の鬼」と称する。
大雑把で荒々しいが仲間や部下を大切にしたりする情の厚い性格から
「アニキ」として慕われている。カラクリ好きで、巨大なカラクリ兵器を建造するが
それ故に国政はいつも赤字気味で、資金繰りの為に海賊行為をする事もある。
○ベステモーナ・ローレン(絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク)
地球から夜明けの船討伐の任を帯びて火星方面軍に配属された地球軍新兵の一人。
愛称はベス。元々はグラムと火星生まれの火星育ちの孤児でグラムと同じくアデナの
ダウンタウンで育った幼馴染だったが、地球の富豪ローレン家の養女として引き取られた
為、以降は地球で暮らす。引き取られる際のグラムの態度に複雑な感情を抱いていたが、
夜明けの船の一員となったグラムを追っていく内に打ち解け、現在は共に暮らしている。
○ボン(絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク)
都市船アデナのダウンタウンで暮らす孤児の少年。まだ子供だが、妹のシエを
養う為に、様々な日雇いのバイトで生計を立てている。現在はグラムの船に同行
している。
○シエ(絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク)
ボンの妹。アニとグラムを慕い、日々バイトに出かける兄の帰りを待つ
純真な少女。舌足らずな口調が特徴。
最終更新:2020年11月26日 10:43