本編1501~1503

『シグフェルは鳥人兵!? 復活の大鉄人!』-1

作者・ホウタイ怪人
1501

東京都小笠原諸島・父島***


ここ最近、小笠原村のコーヒーノキ畑が何者かによって荒らされる事件が多発していた。
その日のすっかり寝静まった深夜、害獣の仕業かと警戒した農家が交代でパトロールをしていた。

農民A「ひえええ~~!!」
農民B「ば、化け物ォ!?」

目撃した農家の証言によると、それは紅の大きな翼をはやした
鳥人のような姿をした影であり、遭遇した途端一目散に逃げ去って行ったという。

???「キヒヒヒヒ!!!」

それは、名前以外は未だ正体素性の全く知れぬ
あの謎の戦士シグフェルの姿形によく似ていたのである。


羽田空港・国際線ターミナル玄関***


滝「やあ、これはこれは、わざわざレッドマフラー隊の諸君に
 出迎えてもらえるとは光栄だな」
村中「滝捜査官、お待ちしていました」
小野「ご案内します。本郷さんと一文字さんもお待ちです」

アメリカのFBI特命捜査官・滝和也は、合衆国公文書館から預かってきた
ある極秘資料を黒革のアタッシュケースの中に携えて来日した。
レッドマフラー隊の村中・小野両隊員の車に同乗し、
レッドマフラー隊基地へと入った滝は、そこで長年の戦友、
仮面ライダー1号=本郷猛と同じく仮面ライダー2号=一文字隼人と
久々の再会を果たしたのだった。

滝「早速だが、これが先日国家機密指定が解除されて
 一般に情報公開されたファイルの中身だ」
本郷「これが小笠原諸島に戦時中に存在したという
 旧日本軍の基地に関する資料か…」
滝「二人とも小笠原近海の東之島新島のニュースは
 知っているな?」
一文字「ああ勿論だとも」

昨年、小笠原諸島の父島南南東500kmの海で海底火山が噴火し、
新しい陸地が出現して世を騒がす大ニュースとなった。
政府はその新しい島を「東之島新島」と命名したが、
実はその影響で、第二次大戦中に旧日本軍が密かに使用していて、
終戦後に海底に廃棄されて沈んだ筈の極秘研究施設跡が隆起し、
再び地表へと現れたのである。

当時、終戦間際の日本では戦時下の劣勢を挽回すべく、
超人機計画や鉄人計画などのオーバーテクノロジーの開発研究が
急ピッチで進められていたが、その中の一つに「鳥人兵」計画なる
プロジェクトも存在していた。
屈強な兵士を翼を持つ特攻兵士へと生体改造し、
米軍の艦隊に大打撃を与えようとする作戦計画であったが、
結局それも日本のポツダム宣言受諾により幻に終わっている。

その「鳥人兵」の姿形や性能はシグフェルに非常によく似ており、
ちょうど東之島新島隆起のニュースと前後して、
小笠原諸島で鳥人兵と思われる謎の影の目撃談も多数発生していたのである。

剣持「確かにシグフェルは毎度の事出現しては、
 いつも東京湾岸方面へと飛び去っている。
 小笠原近海なら方角も合うな」
本郷「まだ断定するには早いが、直接行って確かめてみる価値はありそうだ」
一文字「それじゃあいっちょ小笠原まで足を運んでみますか♪」

1502

SS-N(スーパー・サイエンス・ネットワーク)基地・研究司令室***


麗子「――なんですって!? それは間違いないのね!」
大崎「ハッ、我々は麗子様のご命令に従い、かねてよりFBIの動きを
 マークしておりましたが、どうやらブレイバーズと合流して
 東之島新島へと向かうようです」
麗子「オホホホッ…これはまた、意外な展開ね」

部下のコマンダーの一人・大崎から報告を受け、不気味なうすら笑いを浮かべる、
狂気のマッドサイエンティスト集団SS-Nの女首領・綾小路麗子。

麗子「Gショッカーの全組織が総力を挙げても掴めなかった
 シグフェルの正体が、旧日本軍が遺した生体兵器だったとは…。
 大崎、シグフェル…いえ、鳥人兵の秘密は当然あたしたちSS-Nの物よ!」
大崎「直ちに東之島新島へと向かいます!」


改造実験基地ラボー・生命改造実験室***


ここは改造実験帝国メスの円盤型巨大移動要塞ラボーの中である。

ケフレン「………」

棺のような透明カプセルの中で横たわりながら目覚めの時を待ち
静かに眠っているネオ生命体ドラスの横で、今日も大博士リー・ケフレンは、
獣戦士を生み出す生命合成装置・遺伝子シンセサイザーの生命倫理を無視した
悪魔のメロディを熱心に奏でている

ネフェル「ケフレン様、ただ今戻りました」
ケフレン「ネフェルか?」
ネフェル「耳寄りな情報です、暫しお耳を…」

メスの女幹部レー・ネフェルは、父とも慕う主人ケフレンの小耳に
何事かをそっと囁く…。

ケフレン「なに、シグフェルが…?」
ネフェル「ブレイバーズが動き出したようです。
 小笠原の東之島新島近くに捜索隊を派遣した模様です」
ケフレン「フフフフッ…私の研究ファイルにシグフェルというサンプルを
 新たに加えてみるのもまた面白い。ドラスの改造強化にもいろいろ役立つだろう。
 獣戦士ザ・アルゴスを連れて行くがよい」
ネフェル「お任せください。必ずやケフレン様に吉報を」

ザ・アルゴス「グォォォッッ…!!」

ザ・アルゴスと兵士ゾローたち引き連れてラボーから出撃するレー・ネフェル。
小笠原近海の美しい海で、今、シグフェルの謎を巡る激しい捕獲争奪戦が
開始されようとしていた。

1503

○滝和也→アメリカ公文書館からの極秘ファイルを携えて来日。
○本郷猛→シグフェルが旧日本軍の鳥人兵かどうか確かめるため、東之島新島へ向かう事に。
○一文字隼人→シグフェルが旧日本軍の鳥人兵かどうか確かめるため、東之島新島へ向かう事に。
○剣持保→シグフェルが旧日本軍の鳥人兵かどうか確かめるため、東之島新島へ向かう事に。
○村中隊員→羽田で来日した滝和也を出迎え、レッドマフラー基地まで案内する。
○小野隊員→羽田で来日した滝和也を出迎え、レッドマフラー基地まで案内する。
●綾小路麗子→大崎を東之島新島に派遣する。
●大崎→シグフェル捕獲のため、東之島新島へ向かう。
●大博士リー・ケフレン→レー・ネフェルとザ・アルゴスを東之島新島へ派遣する。
●レー・ネフェル→シグフェル捕獲のため、東之島新島へ向かう。
●獣戦士ザ・アルゴス→シグフェル捕獲のため、東之島新島へ向かう。

【今回の新規登場】
●綾小路麗子=超獣神(特捜ロボ ジャンパーソン)
 スーパーサイエンス・ネットワーク(SS-N)の首領で、博士号を持つ科学者。
 部下からは「麗子様」と崇拝されるが、ジャンパーソンに敗北した場合はどれだけ忠誠心厚い部下であろうと容赦なく切り捨てる非情な一面も持ち合わせている。

 幼い頃にステーションの事故で両親を亡くし、強制脱出の形で地球に帰還、父親の同僚である倉橋博士に育てられた。その後、自身も優秀な科学者となったが地球環境の劣悪さに絶望し、「人間は地球環境の敵」という急進的な思考に走りSS-Nを結成する。
 最後は自らを超獣神に改造し、全人類肥料化を企んだが、ジャンパーソンらにより計画は阻止され、
地球への思いを募らせながら息絶え、亡骸は光の粒子と化して消滅した。

●大崎(特捜ロボ ジャンパーソン)
 スーパー・サイエンス・ネットワークの工作員の隊長。外見は迷彩服を着用する普通の人間だが、
 銃弾が全く通用しない。古代文明の遺産である鉄鋼兵がジャンパーソンの正体と勘違いし追跡するが、暴走した鉄鋼兵のビームを浴び、部下ともども消滅してしまった。

●獣戦士ザ・アルゴス(超新星フラッシュマン)
 メスに滅ぼされた星々を蘇らせて回る不死鳥を、その遺伝子を欲するリー・ケフレンの命により追う獣戦士。
 宇宙空間を飛ベ、超音波による関知能力がある。瞬間移動で攻撃を躱し翻弄、顔から胸部にかけて並ぶレンズからの光線で攻撃する。不死鳥の羽根が刺さったためにローリングバルカンが命中する。
 クラーゲンが巨大化させた後も瞬間移動を使うが、キングフラッシュで無効化された。

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最終更新:2020年12月03日 08:02