『タランチュラロードイーバ ビギニング!!』-7
作者・ホウタイ怪人
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生田山***
セイレーン「――ギャラクティカツナミ!!」
レッドクロウ「――ギャラクティカトルネード!!」
セーラーアルーミナムセイレーンの呼び起こした津波がセイクリッドアルマ・アークを絡め取り、
セーラーレッドクロウの放った真紅の疾風が、グレイファスたち4獣人にダメージを与える。
アルマ・アーク「うわあああっ!!」
グレイファス「ぐわああっ!!」
ビークウッド「ぬうううっ!!」
ガリエル「うわあああっ!!」
テディアム「うわあああっ!!」
一方のライディーンたちも、生田山上空の空中戦で
ルーシュの黒い魔力の衝撃波に圧倒されていた。
ルーシュ「ふはははは!! その程度かライディーン!?」
コンドル「チッ…!」
イーグル「くそっ…!」
ファルコン「これじゃあ近づけないよぉ!!」
地上戦でも、神城桃矢と金剛煌は
イカデビルの伸ばす無数の触手に翻弄され大苦戦。
イカデビル「キィーッ!!」
戦士桃矢「このイカ野郎がァッ!!」
戦士煌「このままじゃやられる!?」
特にセイクリッドアルマ・アークとエターナリアの戦士たちは、
元々受け持っていた敵(悪石及びダークノイド)と今回は相手が違う事もあり、
いつもと勝手が違うために、思うように力を発揮できないでいた。
そしてルーシュもGショッカーと手を組んだ事で
以前よりも大幅にパワーアップしていたのである。
ルーシュ「まとめて止めを刺してやろう」
ルーシュは両腕を大きく天に向けて構えると、
超巨大な光球弾を繰り出した。
アウル「マズイッ!!」
コンドル「退避だァーッ!!」
ライディーンコンドルの号令の下、イーグルたちは一斉に回避。
アルマ・アーク「――矢のように駆ける力!!」
セイクリッドとしてのセブンズアビリティを発動させ、
アルマは空を飛べない桃矢と煌をキャッチして
二人を両腕に抱えながら高速移動で退避する。
彼らがルーシュの攻撃を避けて着弾した跡には、
轟音や土煙りと共に大きなクレーターが開いていた。
アルマ・アーク「大丈夫!?」
戦士桃矢「…あ、ああ。サンキュー」
戦士煌「助かったよありがとう」
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ルーシュ「次は外さん!!」
すかさずルーシュは余裕の2発目を繰り出そうとする。
ホーク「アカンっ! 今度またあんなのを食らったら
一巻の終わりやで!」
グレイファス「くっ…これまでか!」
ルーシュ「死ねええええッッ!!!」
絶体絶命となったその時、一羽の美しい蝶のような飛行物体が
超絶的な猛スピードでルーシュめがけて突っ込んで来た。
???「「――ゴッドバードチェンジッッ!!!」」
ルーシュ「なにっ!? ぐわあああっ!!」
セイレーン「ルーシュ様!?」
レッドクロウ「ルーシュ様!!」
いきなりの不意打ちを食らったルーシュは地表に墜落。
慌てたセイレーンとレッドクロウが側に駆け寄ろうとするが…。
???「貴女達の相手は私よ!」
セイレーン「何者っ!?…ぐっ!!」
レッドクロウ「ぎゃああっ!!」
セイレーンとレッドクロウの前に立ち塞がった青鋼の甲冑の女戦士は、
持っていた槍の一振りで彼女たちを遠くまで薙ぎ飛ばした。
突如として現れた思わぬ援軍を視界に確認した時、
ライディーンイーグルや桃矢たちは目を丸くした。
戦士桃矢「ま、まさか…」
戦士煌「このはちゃん…!?」
戦士このは「久しぶりっ! 桃矢! 煌くん!」
Rセイラ「「飛翔、みんな、大丈夫?」」
イーグル「その声はまさか…瑠璃!? 瑠璃なのか!?」
ファルコン「きらりちゃんも!?」
突然の事で桃矢もイーグルたちも事情が呑み込めない。
Rセイラ「「詳しい話は後よ!」」
戦士このは「まずはアイツを片づけるわ!」
このはの指差す方向には、翼竜型のショッカー改造人間の姿があった。
外での戦闘騒ぎを聞きつけて、プラノドンがわざわざ出て来たのだ。
プラノドン「クォーックォーッ、クォーッ!!」
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プラノドン「むむっ、貴様らは確か洗脳カプセルを埋め込んだはずの小娘ども!
どうしてこんなところに!?」
戦士このは「ああ、これのこと?」
Rセイラ「「お返しするわ!」」
戦士このはと戦士ライディーンセイラは、
それぞれ自分の左耳の穴から、
いとも簡単に小さい洗脳カプセルを取り出して
プラノドンめがけて投げつけた。
プラノドン「…こ、これは!? ぬぅぅぅっ…おのれッ!!
いったいどうやって!?」
激しく動揺するプラノドン。
Rセイラ「「ここは私たちライディーンが引き受けます。
エターナリアの戦士の皆さんは、敵の中継基地を破壊してください!」」
戦士桃矢「わかった! 行くぜグレイファス! ビークウッド! ガリエル!」
グレイファス「了解だ!」
テディアム「煌、俺に力を!」
戦士煌「うん、任せて!」
戦士このは「私も力を貸すわ!」
桃矢、煌、このはの三人がそれぞれの武器を掲げて、
グレイファス、ビークウッド、ガリエル、テディアムら全員が
機甲神獣形態に変身。そのまま敵基地のアンテナ施設に向けて
突っ込んで行く。
ルーシュ「させると思っているのか!?」
アルマ・アーク「お前たちの相手はこっちだ!!」
イカデビル「邪魔をするか!?」
アルマ・アーク「――同時に二つを壊す力!!」
アルマはファーストアビリティ・ガンナックルの力で
拳から弾丸を発射し、ルーシュとイカデビルを牽制。
イーグル「――ゴッドバードチェンジ!!」
一斉にゴッドバード形態に変形したライディーンイーグルたちは、
プラノドンの口から放つロケット弾の雨を掻い潜り突撃。
木っ端微塵に爆発四散してしまうプラノドン。
プラノドン「グギャアアッ!!…Gショッカー万歳!!」
そうこうしている内に、桃矢たちエターナリアの戦士は
Gショッカーの秘密アンテナ基地の破壊に成功した。
戦士桃矢「やったぜ! ざまあ~見やがれ♪」
ルーシュ「…お、おのれ~!!」
セイレーン「ル、ルーシュさまぁ~(涙目」
イカデビル「プラノドンとアンテナ基地を失った以上、事は敗れた。
ルーシュ・デ・モンよ、この場はひとまず」
ルーシュ「よく聞けライディーンども! お前たちの正体はわかった!
これからはいつでも攻撃できるぞ! よく覚えておくのだな!
フハハハハハハ!!!!!!!!!」
ルーシュたちは捨て台詞を残して撤退した。
ライディーンホークも負けじと言い返す。
ホーク「それはこっちの台詞じゃボケーッ!!」
イーグル「神無聖月がルーシュだったとは…」
アウル「超魔に我々の正体を知られてしまった」
コンドル「これからは一時たりとも油断はできないな」
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京南大学付属病院***
若菜「ふわあ~よく寝た」
揚羽「…あれっ、ここどこ?」
七海「あたしたちなんで病院に…??」
プラノドンが倒された事で、患者たちの耳に埋め込まれていた
洗脳カプセルは自動的に消滅。今回の事件の被害者は
めでたく全員助かったのであった。
生田山***
戦いは終わった…。
藍羽ルリも病院から現場へと駆けつけて来て、
患者たちが全員無事に回復した事を告げ、
皆に安堵の表情が広がる。
豪「………」
獣人オブラーの姿から元の人間の姿に戻っていた尾村豪。
とても複雑そうな表情をしつつ、茫然と考え込んでいる。
アミ「尾村さん…」
サオリ「あの姿はいったい…?」
豪「それは僕にもわからない」
頭脳獣ウイルスヅノーにより投与された獣人進化ウィルスは、
もう豪の体内からは完全に駆除されており、彼はもう二度と
獣人の姿には戻らないはずだった。
今の尾村豪自身にとって、獣人オブラーとは「悪魔に魂を売った時の
忌むべき姿」に他ならない。
しかし何の因果か、再び彼は獣人へと変化する力を手に入れてしまった。
その原因についてはこれから詳しく調べてみる必要があるが、
これはきっと「過去の過ちに正面から向きあいつつ、
ブレイバーズの戦いに力を貸せ」という神のお告げでは
ないかと考えるのだった。
桃矢「このは…」
煌「このはちゃん…」
このは「桃矢…煌くん…本当に会いたかった!」
抱き合い喜びあう3人。
煌「でもこのはちゃん、あの姿はいったい…?」
桃矢「そうだこのは、説明しろ!」
このは「私にもまだよくわからないんだ。
ただミレイア様と藍羽ルリさんが
女神ライディーン・セイラ様と一緒になって
協力してくれたのよ」
桃矢「ミレイアが…」
その話を側で聞いていたグレイファスたち。
グレイファス「ビークウッド、これは…」
ビークウッド「伝説の戦士となる力を持ち得るのは、
まだ母親の胎内に宿っている頃に大地聖母使によって
戦士の魂を注入された者だけの筈です」
グレイファス「もしや彼女にもエターナリア人の血が
流れているというのか…」
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飛翔「瑠璃…」
瑠璃「えへへ…驚いた?飛翔」
飛翔「えへへじゃない! 本当に心配したんだぞ!」
電光「しっかし驚いたで。まさか瑠璃ちゃんにも
ワイらと同じように変身できるなんて」
瑠璃「これを見て」
瑠璃がかざして見せた彼女の右手の甲には、
確かにゴッドフェザーが宿っているのが見えた。
瑠璃「女神ライディーン・セイラ様が
私ときらりの二人に授けてくれたんだ。
これからはもっと苦しい戦いになる。
もう私はそれを黙ってみんなの帰りを待ってるだけ
だなんてイヤ。お願い飛翔、私も一緒に戦わせて!」
飛翔「でも瑠璃…」
飛翔は、瑠璃の言葉にどう答えてよいものか戸惑う。
疾風「あれっ、ところで瑠璃さんは変身を解いても
服は着たままなんだね」
瑠璃「うん。どうもガルキーバとセイクリッドの力で
衣服が守られているみたいなの……ってちょっとみんな!?」
突然瑠璃が何かを思い出したように飛翔たちを見つめながら
両手を振って不自然に慌て出し、激しく動揺し始める。
桃矢「お、お前ら…(汗」
煌「うわあ……(///)」
このは「キャアアアッ――!!」
アルマ「き、君たち…(汗」
ルリ「あぁぁぁぁ………」
鏡「お、お嬢様、お気を確かに!?」
桃矢とアルマは目が点になって固まり、煌は恥ずかしそうに両目を手で覆い、
このはは悲鳴を挙げ、ルリは気を失って失神してしまう。
そしてメイド隊は飛翔たちにスマホを向けて
ニヤニヤしながら写メしている。
ここまで来て飛翔たちはようやく事態を理解した。
飛翔「うわああっ!? しまったああっ!!」
飛翔たち5人は変身を解除したため、素っ裸の全裸状態だったのだ。
慌てて"男の子の一番大事な部分"を両手で隠すが既に遅し。
ライトバンに乗った天賀井玲子が、5人分の着替え用のバスローブを持って
ようやく現場へと駆けつけて来たのは、それからほんの少し後の出来事であった。
玲子「あちゃー! 遅かったか」
疾風「玲子さん早く早くぅ~!」
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戦いに勝利し、一時の平和を取り戻した
ブレイバーズ。
彼らの活躍によってまた事件は解決した。
だが、その様子の一部始終を、山林の藪の陰から
密かに見張っている者たちがいたことには、
誰一人として気づいてはいなかった。
謎の男ケビン・オルバは、監視用に放っていた小蜘蛛たちを
右の手の甲の上に呼び集めて回収する。そしてその横には、
あの東条寺理乃が付き添うように立っていた。
ケビン「確かにそこそこは使える奴らのようだ」
理乃「我ら堕神の理想を叶える大願成就の時は近いわ。
それまで
ブレイバーズには、せいぜい駒として
役に立ってもらいましょう」
ケビン「………」
ケビンと理乃は一瞥をくれると、時空クレパスの中へと
消えて行くのだった…。
果たして彼らの正体は何者なのであろうか!?
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○神城桃矢→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○金剛煌→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○舞原このは→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○グレイファス→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○ビークウッド→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○ガリエル→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○テディアム→Gショッカーの洗脳電波の発信基地を破壊。
○鷲崎飛翔/ライディーンイーグル→プラノドンを倒す。
○エース羽田/ライディーンコンドル→プラノドンを倒す。
○鷹城電光/ライディーンホーク→プラノドンを倒す。
○鳥飼銀牙/ライディーンアウル→プラノドンを倒す。
○大鳥疾風/ライディーンファルコン→プラノドンを倒す。
○宮坂瑠璃&西条きらり→プラノドンを倒す。
○天賀井玲子→鷲崎飛翔たちの着替えを届けに生田山に車で駆けつける。
○丹童子アルマ/セイクリッドアルマ・アーク→ルーシュとイカデビルを撃退。
○鏡誠→鷲崎飛翔たちの裸を見て失神した藍羽ルリの体を抱える。
○藍羽ルリ→鷲崎飛翔たちの裸を見て失神する。
○伊藤若菜→プラノドンが倒された事で、病院のベットで目を覚ます。
○山口揚羽→プラノドンが倒された事で、病院のベットで目を覚ます。
○赤崎七海→プラノドンが倒された事で、病院のベットで目を覚ます。
○尾村豪→再び獣人化したことに複雑な思いを抱く。
●ルーシュ・デ・モン→
ブレイバーズに敗れ、退却。
●イカデビル→
ブレイバーズに敗れ、退却。
●怪鳥人プラノドン→
ブレイバーズの攻撃の前に倒される。
●セーラーアルーミナムセイレーン→
ブレイバーズに敗れ、退却。
●セーラーレッドクロウ→
ブレイバーズに敗れ、退却。
●ケビン・オルバ→
ブレイバーズの戦いぶりを密かに観察していた。
●東条寺理乃→
ブレイバーズの戦いぶりを密かに観察していた。
最終更新:2020年12月03日 08:11