本編1164~1165

『砂漠のボーイ・ミーツ・ドリフターズ』-2

作者・ユガミ博士、凱聖クールギン
1164

サラジア共和国・首都***


中東にあるアラブ首長国連邦の首都ドバイ同様、科学技術で
発展し続けるサラジア共和国の首都。
その首都を今のご時世にしては、古めかしいアラビアナイトに
登場するような出で立ちをした3人の男女が歩いていた。

アリババ「一体、ここは何処なんだよ」
モルジアナ「・・・このような巨大な建物は、今まで見た事がありません」
アラジン「ここは、僕達がいた世界とは別の世界だね」

魔法のある「アラビアナイト」の様な世界から、時空クレバスで
地球へと来てしまったアリババ、モルジアナ、アラジンは元の世界へ
帰る方法を探して、サラジアの首都を歩いていた。

警察官「おい、そこの3人組。妙な格好をしているが旅行者か?
     パスポートを見せてもらおう」
アリババ「パスポート?・・・あ、いや俺達は...(汗」
警察官「見せられないのか?まさか、お前達不法入国者か!?
     詳しい話を聞かせてもらうぞ」
モルジアナ「・・・アリババさん達に、手出しはさせません」
警察官「ぐはぁ!」

その恰好から、警察官に呼び止められてパスポートを見せるように
言われるが、当然この世界のパスポートを所持していないアリババ達は
お茶を濁してしまい、警察官が連行しようとしたのでアリババ達を護ろうと
モルジアナは警察官を蹴り飛ばしてしまう。

警察官「お、応援を要請しろ!こいつらを逮捕だ~~!」

その様子を見ていた他の警察官によって、アリババ達を逮捕しようと
警察官達が集まってくる。捕まるわけにはいかないと、アリババや
アラジンも剣や魔法で抵抗する。

一方、公務の為に車を走らせるアルハザードは偶然にもアリババ達が
警察官を相手に抵抗し続ける様を目撃する。

アルハザード「・・・あれは、魔法か?しかも、私が知らない魔法だと?
   ・・・面白い。(ニヤ」

アリババ達が使う未知の魔法に興味を抱いたアルハザードは、
眠りの魔法を使用する。

アラジン「・・・(今、魔法が!?)」
アリババ「急に・・・眠気が・・・!」
アルハザード「・・・あの3人を副大統領官邸にまで連行しろ」

アラジンも魔法が発動した事に気付くが、眠りの魔法に掛かり
3人は捕えらえ、アルハザードの命により彼の住まう屋敷に
連れて行かれるのであった。

1165

サラジア共和国・アルハザードの私邸***


アルハザードの魔法で眠らされたアラジン、アリババ、モルジアナの3人は
アルハザードの住まう屋敷へと連れてかれた。

アリババ「・・・ここは?」
アルハザード「目覚めたかね?ここは、私の屋敷だ」
アラジン「・・・おじさんは誰だい?」
秘書N「―おじさん!?」
秘書R「この方はサラジア共和国の副大統領、アフマド・アルハザード様です!
    無礼は許しません!」
アルハザード「待て待て、彼らは私の事を知らないようだ。それならば、
   ああいう風に聞いても仕方が無い」

目覚めたアリババやアラジンはここがどこなのか、あなたは誰なのかと
質問をし、アラジンがアルハザードをおじさんというので2人の秘書は
無礼だと怒る。しかしアルハザードは今は些細な事として、それを許した。

モルジアナ「・・・ん?」
アラジン「モルさん、手足に枷が!」
アリババ「あ、俺達にも枷が!?」
アルハザード「君達は不可思議な術や大の大人を蹴り飛ばしてしまう程の
  身体能力をしていると報告を受けている。安全が証明出来るまでは
  生憎だが枷を付けさせてもらった」

気が付くと3人は枷を付けられていた。特にモルジアナは手足に枷を
付けられていた。

アルハザード「・・・では、君達が何者なのかを聞かせてもらおう」

アルハザードからの質問に、アリババ達はここで嘘を言ってもしょうがない
ので、自分達がこことは違う異世界から来た事やその世界での国家情勢に
迷宮、アル・サーメン等を正直に話した。ただ、アラジンやモルジアナは
アルハザードの事をじっと怪訝な顔をしながら見つめていた。

アルハザード「・・・君達の事はよく分かった。だが君達の話だけでは
  まだ信用できない部分もあるのでな。申し訳無いが君達の所持品は
  我々が分析して安全が証明した後、君達に返して元の世界に戻れる
  ように協力しよう」
アリババ「あ、ありがとうございます」

アルハザードはアラジン達に元の世界に帰れるように協力すると告げるが
当然、内心では彼らの魔法とモルジアナのファナリス特有の身体能力は
大いに利用価値があるので、洗脳を施して手元に置くつもりだった。
そして3人は枷を付けられたまま、兵士に連れられて檻のある部屋へ入れられる。
曰く『安全が保障さえるまでの間』らしい。

アリババ「・・・どうした?アラジン」
アラジン「うん。どうも、あのアルハザードっていうおじさんが今一つ
     信用できないんだ」
モルジアナ「・・・私も、何だかあの人からは嫌な感じがしてきました」

怪訝な顔をしていたアラジンにアリババが聞くと、アルハザードから
何故かは分からないが信用できない雰囲気を感じとっていた。
モルジアナも勘で、同じように感じ取っていた。

アリババ「・・・確かに警戒しているからって、檻の部屋っていうのも
  変な感じだしな。でも今は、おとなしくしてようぜ」

アラジンやモルジアナを信頼しているアリババは、2人の意見から
警戒しつつ、今はおとなしくするという方針をとるのであった。

○アラジン→時空クレバスでサラジアへと転移。アルハザードの下へ連れてかれる。
○アリババ・サルージャ→時空クレバスでサラジアへと転移。アルハザードの下へ
   連れてかれる。
○モルジアナ→時空クレバスでサラジアへと転移。アルハザードの下へと連れてかれる。
●アフマド・アルハザード→アラジン達3人を自分の下へ連れてくる。
●秘書N→アラジンがアルハザードに無礼を言ったので怒る。
●秘書R→アラジンがアルハザードに無礼を言ったので怒る。

【今回の新登場】
○アラジン(マギ)
 歴史上初の4人目のマギ。無邪気で純粋だが、思慮深く争いを好まない
 性格。「やわらかくて胸の大きい美人のお姉さん」が好みの女性。
 魔道士としては1型赤魔道士に属してる。「~なのかい」「~しておくれよ」
 などの少々大人びた喋り方をする。

○アリババ・サルージャ(マギ)
 「王の器」として見出されたアラジンの友人。アラジンと共に第7迷宮「アモン」
 を攻略した。バルバットの貧民街出身だが、実はバルバット先王・ラジットが
 侍女・アニスとの間に儲けたバルバットの第3王子。しかし諸事情により野に下った。
 シンドリアのシャルルカンから剣術を学び、レーム帝国のヤンバラの下で
 魔力操作を修行した。

○モルジアナ(マギ)
 狩猟民族ファナリス出身の少女。ジャミルの奴隷となっていたが、アリババと
 アラジンに助けられ、後にアリババの眷族となる。アラジンからは「モルさん」
 の愛称で呼ばれている。

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最終更新:2020年11月22日 14:20