外宇宙編84~89

『エスケープ・ラン』

作者・ユガミ博士
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ペンタゴナ・ワールド・惑星コアム***

地球では、連邦政府の乗っ取りを画策していたティターンズの野望を剣桃太郎を
始めとする良識ある政治家達とヒーローの活躍により阻止する事が出来たその頃・・・。
その他の地域ではどのような戦いが行われていたのか。今回ペンタゴナ・ワールド
の戦いを見てみよう。ペンタゴナではかつて支配者として君臨していたポセイダルが
黄泉がえりにより復活。再び軍を編成し、ペンタゴナ各地を襲っていた。さらに
Gショッカー地下帝国軍の新生7大将軍の1人に迎えられ、HM(ヘビーメタル)だけで
なく、鳥型戦闘獣を戦力に加えている為、各地では苦戦を強いられていた。

ビギューン、ビギューン

ポセイダル軍のHM・グロイアが惑星コアムの都市を襲撃していた。

キャオ「くっそー、ポセイダルの奴!」

リーゼントが特徴のミラウー・キャオがポセイダル軍の攻撃に憤慨する。

ダバ「やらせるか!」

かつて反乱軍を率いたダバ・マイロードは愛機エルガイムに乗り込み、
ポセイダル軍から人々を守る為、戦っていた。

アム「ターナへは怪我をしている人を優先してー!」
レッシィ「慌てずに乗り込むのよ!」

ダバの仲間であるファンネリア・アムとガウ・ハ・レッシィはキャオと共に
都市に住む民間人を脱出させるため、避難活動を行っていた。

治安部隊隊員A「うわぁぁぁ!」

都市に配備されている治安部隊隊員の1人が攻撃を受け、倒れてしまった。

リリス「ダバ、攻撃が来るわ!」
ダバ「分かっている。(クワサンの為にも、負けるわけにはいかない!)」

向かって来る敵にダバはすかさず、セイバーで切りつけた。
さて、この戦いを敵戦艦から見る者がいた。

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ギワザ「ふむ、戦況はまずまずのようだな。」

ポセイダル13人衆の第3席、ギワザ・ロワウはワイングラスを片手にブリッジから
戦況を眺めていた。

ギワザ「(ふふ、ポセイダルよ。私は必ず、貴様より上を目指して見せる。
 Gショッカーの世紀王候補をとなり、バトルファイトを勝ち抜き、創世王へと
 なってみせよう。そうなれば、このペンタゴナだけでなく、全宇宙が私の者となるの
 だからな。)」

ギワザはワインを一口飲み、静かに野望の炎をたぎらせるのであった。

戦闘獣オベリウス「ぎゃぁおぉぉ!」

戦闘獣オベリウスの破壊光線が都市を破壊していく。

???「うわぁぁ。」
???「大丈夫か!?」
???「ああ、何とかな。しっかし、やっかいな星に来ちまったな。」
???「とにかく、今はあの戦艦を目指そう。」

フードをかぶった謎の2人組はワークスを目指して、歩き出した。
彼等の正体は?

ダバ「く、何とかあの戦闘獣を何とかしないと!」

だが、オベリウスのミサイル攻撃がダバの乗るエルガイムへと向かって、
攻撃してきた。

リリス「きゃぁぁぁ!」
ダバ「く、ここまでか!」

コックピットに乗るダバとリリスにピンチが降りかかる。だが、そこへ・・・。

ビューンビューン

後方からのビーム攻撃によって、ミサイルは撃ち落された。

ダバ「今の攻撃は!?」

ダバが後ろを振り向くと、こちらへと向かって来る、緑のSL機関車と赤い
戦闘機がやってきた。

ダバ「あの機体は、もしかして・・・。」
ブルース『お久しぶりです。ダバ・マイロード。』
アイザック『ミト王子の依頼により、この戦闘に助太刀いたします。』

通信を開くと、緑の機関車―J9Ⅲ号からI.Cブルースが、赤の戦闘機―
ブライスターからアイザックが通信を送ってきた。J9とJJ9はGショッカー
から守る為、エドン国を離れられないミト王子により同じくGショッカーの
脅威に晒されているペンタゴナやグラドス等を助けて欲しいと依頼されたのだった。
(なお、銀河烈風隊はエドン国の治安維持を任されたため、残っている。)

ブルース「避難民の脱出は我々、JJ9が行おう。まだ残っている人達はJ9Ⅲ号に
 乗ってくれ。」
アイザック「了解だ。戦闘は我々、J9が引き受けよう。ブライシンクロンマキシマム!」

ブライサンダーはブライガーへと変形し、ダバ達の戦場へと加わった。

キッド「喰らえ、コズモワインダー!」

ブライガーの2丁のコズモワインダーで敵HMを撃ち倒してく。

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一方、J9Ⅲ号が加わった事により避難もだいぶ進んでいた。

ジミー「まだまだスペースはあります。押さないで。」
スージー「怪我している方はこちらへ。」

JJ9のメンバーであるジミーやスージー達が避難民をJ9Ⅲ号へと入れていく。
だが、そこへ思わぬ存在がやって来た。

バーツロイド「脱出なぞ、させないぞ!」
ロック「な、何だ!コイツ等。」
DDリッチマン「ドロイドですよ、確か宇宙人犯罪者であるアリエナイザー達が
 よく使う人型兵器です。」

武器商人であるDDリッチマンはドロイドの事を説明する。
どうやらギワザはエージェント・アブレラからドロイドを購入していたらしく、
都市の住民を捕らえる為、投入してきたようだ。バーツロイドはアーナロイドを
出現させ、住人を捕らえるように命令する。アーナロイドは左手の銃で攻撃を
始めた。

???「うぉっと!」
???「トモカ!」
???「大丈夫だ、コウ。」

先程のフードを被った2人組の1人に当たりそうになり、被っていたフードが
外れた。そして、もう1人もフードを外す。トモカと呼ばれた人物は小さな眼鏡
が特徴の痩せ型の男性。もう1人のコウという少年は赤い髪と少女のように
美しい顔立ちが特徴。よく見ると、背中に剣を担いでいた。

コウ「よくも!」

コウは剣を取り出すと、凄まじい覇気を出しながら少年とは思えない動きで、
次々とアーナロイドを切り倒していく。

トモカ「コウ!・・・ち、しょうがねぇなぁ。」

トモカという男性も懐からトランプを取り出し、アーナロイドに向かって
投げると、こちらも切り倒していった。

ロック「ひゅー、やるじゃない。」

ロックも拳銃でアーナロイドを撃ち倒していく。

バーツロイド「調子に乗るなー!」

バーツロイドがロックへと攻撃をしようと迫るが・・・。

ズキューン

バーツロイド「ぐわぁ!」
???「・・・バラノイアかと思ったが、違ったか。」

J9Ⅲ号の屋根からバーツロイドを狙撃したのは色々なマシンがちぐはぐに
くっついているようなロボットだった。

ロック「あいつは・・・?」
ジミー「ロックさん、避難完了しました。」
スージー「皆さんも早く中に。」

戦っていた間、避難も完了し、いつでも発進が可能な状態になっていた。
その事を聞き、戦っていたロック達はJ9Ⅲ号に乗り込み、都市から脱出した。

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J9Ⅲ号が脱出した所を見届けると、ダバやJ9達も撤退を始める事にした。

ロック「よーし、最後に戦闘獣を倒していきますか。ブライソードビーム!」
リリス「ダバ、バスターランチャーよ。」
ダバ「バスターランチャー、シュート!」

ドゴォーン

ブライガーのブライソードビームとエルガイムのバスターランチャーの2大
攻撃を受け、戦闘獣オベリウスは破壊された。

ギワザ「く、ダバ・マイロード達は!?」

攻撃が晴れると、ダバ達は既に撤退をして、その場にはいなかった。

ギワザ「く、この次は覚えていろよ!」

ギワザは苦々しく顔を浮かべ、モニターを見るのであった。

J9Ⅲ号***


さて、無事合流を果たしたダバ達は改めて、J9とJJ9チームとの再会を喜んだ。
そして、ドロイドと戦ったコウ、トモカ、そしてちぐはぐなロボットと会った。

ダバ「先程はありがとう。僕はダバ・マイロード。よろしく。」
コウ「俺はコウ、コウ・ヤガミだ。」
ピート「女の子なのに、俺とか使うんだな。」
コウ「俺は男だ!」
トモカ「よせよ、コウ。俺はトモカ・タイガ。ま、気軽にトモカでいいぜ。」

女に間違われ、コウは激昂するがトモカがそれを諌めた。

ダバ「そういえば、君達の名はここらでは珍しいな。」
トモカ「ま、俺達はこの星系の生まれじゃあねぇからな。」
ブルース「というと生まれは?」
コウ「・・・信じられないかもしれないが、実は俺達は。」

そこでコウは自分達が遥か未来の世界から来た事を教えてた。コウ達によると、
地球は人が住める星ではなくなり、時の女王・フセの予言により、惑星が衝突
するという事を聞き、人々は脱出。以後、100万の昼と夜が流れ、天界と呼ばれる
場所へと訪れた100代目のフセは地球を再生しようと試みるものの、思わぬ事態で
天界のバランスが崩れ、宇宙が崩壊しようという危機にまで陥り、生き残った人々は
天界の周りの8つの衛星に移り住み、フセの事を二度と話さず暮らしていた。
そんな中、コウ達はフセの遺志を継ぎ、地球を再生させる使命を持っており、様々な
苦難があったが、地球は再生。しかし、その過程でコウやトモカ、その他の仲間は
それを見届ける前に死んでしまったのである。そして、気がつけばコウ、トモカは
この惑星におり、調べてここが過去の世界であり、別の宇宙だという事を知ったのであった。

ブルース「そんな事が・・・。」
ロック「随分、スケールのデカイ話だぜ。」
アイザック「おそらく、黄泉がえりと時空転移が同時に起こったのだな。」
ダバ「君達はこれから、どうするんだい。出来れば、このまま残って、ポセイダル
 と戦って欲しいのだけれど。」
コウ「・・・分かった。しばらくやっかいになる。」
トモカ「まぁ、行く当ては無いけどな。」

コウ、トモカは他に行く当てが無いので、しばらくダバ達と行動を共にする事を決めた。

ダバ「君は?」
バラリベンジャー「・・・俺はバラリベンジャー。バラノイアを追っている。」
アイザック「ん?バラノイアというと、あのマシン帝国の事か?」
バラリベンジャー「ああ、俺はバラノイアのマシン獣だ。」

バラリベンジャーとは、廃棄されたマシン獣やバーロ兵が皇帝バッカスフンドへの
恨みから、一つになったマシン獣で、その行動目的はバッカスフンドへの復讐。
しかし、車にひかれそうになった猫を助ける等、他のマシン獣とはどこか違っており、
その事からオーブルーこと三田裕司と友情が芽生えたが、バラノイアに洗脳され、
その命を散らしたのであった。彼も黄泉がえり、時空クレバスでペンタゴナへと訪れ、
バラノイアを追っていたのであった。

バラリベンジャー「バラノイアがいなかった以上、ここにいる意味は無い。失礼する。」
ロック「待てよ。」

バラリベンジャーが出て行こうとすると、ロックが止めた。

ロック「どうだい、アンタもしばらくここにいないか?」
バラリベンジャー「何?」
ロック「俺達は依頼で、宇宙各地をまわる事になる。そうすれば、アンタの敵も
  見つかると思うがねぇ。いいだろ、ブルース。」
ブルース「戦力には申し分ない。私は反対しないよ。」
バラリベンジャー「・・・何故、俺に手を貸す?」
ロック「ちょっとしたおせっかいさ。」
バラリベンジャー「分かった。しばらく、世話になろう。」

ロックも父親の復讐のために宇宙へとあがったので、人事とは思えないらしい。
バラリベンジャーはロックの申し出を受ける事にするのであった。

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○ダバ・マイロード→エルガイムに乗り込み、ポセイダルと戦闘。
○リリス・ファウ→ダバと共にエルガイムに乗り込む。
○ミラウー・キャオ→住民の避難活動を行う。
○ファンネリア・アム→住民の避難活動を行う。
○ガウ・ハ・レッシィ→住民の避難活動を行う。
○J9チーム→JJ9チームと共にミト王子の依頼で、ダバ達を助ける。
○JJ9チーム→J9チームと共に、ミト王子の依頼で、ダバ達を助ける。
○コウ→黄泉がえりと時空転移でペンタゴナ・ワールドへ、ドロイドを倒す。
○トモカ→黄泉がえりと時空転移でペンタゴナ・ワールドへ、ドロイドを倒す。
△バラリベンジャー→バラノイアかと思い、戦闘に介入。ロックによりしばらくJJ9チームと行動を共にする。
●ギワザ・ロワウ→惑星コアムの都市を攻撃。
●戦闘獣オベリウス→惑星コアムの都市を攻撃。ブライガーとエルガイムにより撃破される。
●バーツロイド→アーナロイドを指揮。バラリベンジャーに倒される。
●アーナロイド→バーツロイドと共にJ9Ⅲ号を襲撃。

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【今回の新登場】
○ダバ・マイロード(重戦機エルガイム)
本名はカモン・ワーラー三世で、ヤーマン族カモン王朝の王子。行方不明となった義妹で
許婚であるクワサン・オリビーの捜索と立身出世を望むキャオにつきあう形で故郷を後にし、
ポセイダル正規軍への入隊を志向したが成り行きから反乱軍に身を投じることとなる。
ポセイダルの治世への疑問から現体制の打倒を志向するようになり、ステラ・コバンの死後に
反乱軍を統べるシンボルとしてカモン王朝の継承者であることを明かしカモン・マイロードを
名乗るようになる。戦後は、新世界の建設に関わることなく、精神失調を来たしたオリビーを
介護するため隠棲する。しかし、新たな戦乱から再び、エルガイムに乗る。
乗機はエルガイム及びエルガイムMk-Ⅱ

○リリス・ファウ(重戦機エルガイム)
この世界ではほとんど絶滅した有翼人「ミラリー」(妖精)の数少ない生き残り。
見世物小屋で見世物にされていたところをダバに助け出され、行動を共にするようになった。
趣味は裁縫で、宇宙服まで自作。

○ミラウー・キャオ(重戦機エルガイム)
ダバの幼馴染で、世に出るつもりの無かったダバを連れ出し、共に旅をする。
お調子者だが優秀なメカニックで、一行のHM及び艦船のメンテナンスを手がける。

○ファンネリア・アム(重戦機エルガイム)
ミヤマ・リーリン一家に身を寄せており盗賊家業を働いていたが、ダバの一行を
襲った際にダバに惚れ、ダバらと行動を共にするようになる。ダバがエルガイムMk-Ⅱ
を手に入れると、エルガイムの専任パイロットになる。

○ガウ・ハ・レッシィ(重戦機エルガイム)
ポセイダル陣営の名家ガウ家の出身。家柄に加え実力も兼ね備えており、若くして十三人衆に
取り立てられ将来を嘱望されていたが、ダバに惹かれポセイダル軍を離脱。

乗機はヌーベル・ディザード等。

○ジミー見城(銀河疾風サスライガー)
J9Ⅲ号に乗り込んだカップルの男性。スージー張とは年齢の関係上、結婚できないため、
駆け落ちした。主にメカニックを担当。終盤、スージーと無事、結婚する。

○スージー張(銀河疾風サスライガー)
J9Ⅲ号に乗り込んだカップルの女性。ジミー見城と駆け落ちする。終盤、無事結婚した。

○DDリッチマン(銀河疾風サスライガー)
J9Ⅲ号を開発した武器商人。ビッグゲームのため、JJ9チームに提供する。
仕事の仲介役でもある。

○コウ・ヤガミ(神八剣伝)
赤い髪と瞳をして学生服を着ている。女性とよく間違えられるので、そのことをとても嫌い、
逆切れして暴走することも。父から託された珠がはめ込まれた刀・ムラサメを用いて戦う。
父のカジヤと共に氷天で暮らしていたが、氷天がオオワリ軍に攻め込まれた際、自身の母が
生きていることを知り、手がかりである珠とムラサメを手にし母を捜す旅に出る。
「宙」の珠を持つ。

○トモカ・タイガ(神八剣伝)
ギャンブラーで勝負師。親が破産したため、金品しか信用できない性格になったしまった。カード型電磁カミソリが武器。珠はサイコロにはめ込まれている。
機天で借金取りに追われていたところにコウたちと出会う。「水」の珠を持つ。

△バラリベンジャー(超力戦隊オーレンジャー)
廃棄されたマシン獣やバーロ兵が自分達を廃棄したバッカスフンドへの恨みから
誕生したマシン獣。バッカスフンドへの復讐のため、エネルギーを確保するべく
発電所等を襲っていた。しかし、子猫を助ける等、他のマシン獣とは違っており、
その事を切欠で三田裕司と友情が芽生えるが、バラノイアに洗脳されてしまう。
最後はオーブルーの乗るジャイアントローラーで倒され、塵となって消えた。

●ギワザ・ロワウ(重戦機エルガイム)
ポセイダル軍13人衆の第3席。実質的なリーダーで、ポセイダルではなく彼に忠誠を誓う者が
多い。野心家でポセイダルの座を狙っている。ネイ・モーハンを愛人にしていたが、あっさり
見捨てるなど冷酷な人物である。

●戦闘獣オベリウス(グレートマジンガー)
第1話に登場した鳥型戦闘獣。ミサイル攻撃や破壊光線を使う事が出来る。

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最終更新:2021年01月07日 06:02