アザディスタン・某所***
ミンメイ「申し訳ございません、チー様。鬼太郎がこの国に現れました!」
チー「おのれ、鬼太郎め...こんな場所にまで現れるとは!」
鬼太郎と遭遇し、撤退したミンメイ(画皮)はアザディスタンにおける妖怪帝国の
拠点へと戻り、主である中国妖怪の大物チーに鬼太郎がアザディスタンに現れた事を
報告する。
???「キャハハハ、おめおめと逃げ帰るなんて、中国妖怪は弱虫ばかりなのかしら?」
ミンメイ「貴様はザンビアッ!?」
そこに逃げ帰って来たミンメイを笑う者―西洋妖怪のヤングジェネレーションの
1人である魔女ザンビアがミンメイを嘲り笑う。ザンビアの側には、同じヤング
ジェネレーションであるドラキュラ伯爵の三代目であるドラキュラ三世と狼男の子孫、
狼男ワイルドが並ぶ。
チー「ふん。まだ計画は始まったばかりアル。そっちこそ準備は進んでいるアルか?」
ドラキュラ三世「無論、計画は順調だ」
狼男ワイルド「準備が完了し、作戦が本格的に始まれば、人間達は恐怖でパニックに
なる事間違いないわ」
計画の進行を尋ねるチーに対して、ドラキュラ三世と狼男ワイルドが答える。
妖怪帝国が進める計画...この時点では、まだ誰も分からない。
日本・葛飾区亀有公園前派出所***
ラジオの声「柔道男子100キロ級、日本代表は準々決勝を突破。
明日の準決勝はロシア代表を破ったオーブ代表との対戦となります」
両津「よしッ!日本は準決勝に進出だな」
その頃、アザディスタンで妖怪帝国の作戦が進行している事など露知らず、
日本にいる警察官、両津勘吉は派出所でオリンピックの試合をラジオで聞いていた。
中川「ここしばらく、オリンピックは衰退気味でしたが、今回の大会は大変な
盛り上がりになっていますね」
両津「だな!...待てよ?何かこの時期忘れているような...」
麗子「そういえば...ええと...」
ラジオでオリンピックの試合を聞いていた両津達だが、何かを忘れている
事に気が付く。だが、なかなか思い出せない。
中川「あっ!先輩、日暮さんですよ。日暮さん!」
両津「そうだった!アイツが起きてくる時期じゃねえか」
両津達が思い出したのは、新葛飾署に勤務する日暮巡査の事である。
日暮巡査―本名、日暮熟睡男は4年に一度しか起きて出勤してこない
という警察官で、本来ならばクビにされてもおかしくないのだが、念写や
予知能力を持つ超能力者で、その能力を駆使して様々な事件を解決したり、
未然に防いだ事からクビにならずに済んでいた。
両津「アイツを起こしにいくのか?面倒なんだけどなぁ...」
大原「そうも行くか。両津、日暮を起こして来い!」
両津「ゲェッ!部長」
日暮巡査を起こしに行くのを面倒くさがる両津だが、大原部長が
派出所に現れ、日暮巡査を起こしに行くよう両津に命じる。
しかし、両津達が日暮巡査を起こしに行くが警察寮に日暮巡査は
居なかった。
大原「一体、どういう事だ。両津!!」
両津「スイマセン、スイマセン部長!実は...」
日暮巡査の消息が不明になっている事に、大原部長は両津の
胸倉を掴み、鬼気迫る顔を近づける。迫られた両津は4年前の事を話す。
4年前。超能力を駆使して、事件を解決した日暮巡査は、B.A.B.E.Lから
超度を調べて欲しいと打診されて、両津に連れられB.A.B.E.Lへとやって来る。
B.A.B.E.L研究員「はい。測定は終了しました。結果は後日、お伝えします」
両津「応。ありがとうな」
日暮「両さん...ちょっと疲れたから、そこで休ませてもらうよ」
両津「分かった。後で起こしてやるよ」
測定を終えた日暮は置いてあったカプセルの中に入って休むのだが、
実はカプセルは廃棄されるものだった。そしてカプセルの中に日暮が
入っている事は知らずにカプセルは投棄され、両津はすっかり日暮の
事を忘れていた。
麗子「ヒドイ...」
大原「何て事をしてくれたんだ、両津!」
両津「スイマセン、スイマセン、顔を近づけないで!」
麗子「でも、日暮さんは今、何処に?」
中川「...こうなったら、奥の手を使いましょう」
両津、大原「「奥の手?」」
日暮巡査の事をすっかり忘れ、放置していた両津に大原は
怒声を挙げる。行方不明の日暮をどう探すべきか皆が考えると、
中川が奥の手を使うと言い出すのであった。
中川「もしもし中川です。是非、ある人物を探すのに協力をしてほしいのですが...」
両津「中川の奴...誰に電話を掛けているんだ?」
大原「さあ...」
奥の手を使うと言い出した中川は携帯電話に何処かへと連絡を入れる。
両津達は誰に電話を掛けたのか疑問を浮かべる。
中川「...はい。...はい。分かりました。ありがとうございます!
先輩、日暮さんの居場所が分かりましたよ!」
両津「何だとぉ~!?」
大原「一体、どうやって探し当てたんだ?」
中川は携帯電話を切ると、両津達に日暮巡査の居場所が分かった事を伝える。
両津は驚き、大原部長は如何にして探し当てたのか中川に質問する。
中川「スポンサー権限で、
ブレイバーズに日暮さんの居場所を探すのに
協力していただいたんです」
両津「ブレイバーズだとぉ!?」
そう中川はスポンサーの立場を利用して、ブレイバーベースのメインコンピュータ、
エルファの力を使って、世界中の情報網から日暮巡査の居場所を見つけ出したのである。
両津「...確かに、ブレイバーズの力を使えば見つけ出せるか」
麗子「それで、日暮さんは今どこにいるの?」
中川「はい。今、日暮さんが居る場所は...アザディスタンです」
中川がエルファの力を借りて見つけ出した、日暮巡査が現在、居る場所...
それは太陽系オリンピックで盛り上がっている中東の国家―アザディスタンだった!
麗子「アザディスタンって言ったら、オリンピックが行われている場所じゃない!」
両津「何で、そんな場所にいるんだよ(汗」
中川「詳しい経緯は分かりませんが、どうやらカプセルの投棄先が
中東の方の海域らしく、そこからカプセルが引き上げられ、中にいた
日暮さんが起きてカプセルが出てきたのではないかと...」
中川は日暮巡査がアザディスタンにいる理由を推察する。そして両津は
大原部長の命令により、中川を伴って日暮巡査を探しにアザディスタンへと
向かうのであった。
◯両津勘吉→日暮巡査を探しにアザディスタンへ向かう。
◯中川圭一→ブレイバーベースのエルファの力を借りて、日暮巡査が
アザディスタンにいる事を突き止め、日暮巡査を探すべく両津に
同行する。
◯秋本・カトリーヌ・麗子→両津達と共に太陽系オリンピックの試合をラジオで聞く。
◯大原大次郎部長→両津に日暮巡査を探し出すよう命令する。
●チー→ミンメイの報告を聞く。
●ミンメイ→チーに鬼太郎の事を報告する。
●魔女ザンビア→チーとミンメイの前に現れる。
●ドラキュラ三世→チーとミンメイの前に現れる。
●狼男ワイルド→チーとミンメイの前に現れる。
【今回の新登場】
○両津勘吉巡査長(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する警察官。お金が何より好きでギャンブルやお金儲けの為の仕事をしたりしている。怪力で身体能力も常人とはかなり違っている。基本的に欲望に忠実だが人情味にあふれている。趣味はプラモ製作。手先が器用で雑学が豊富。
○中川圭一巡査(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する警察官。実家は中川グループという大財閥で、自身も会社経営を行っている。趣味はスポーツカー集め。ワインに対しての知識が深い。
○秋本・カトリーヌ・麗子巡査(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する婦人警官。実家は神戸で財閥をしており、父が日本人、母がフランス人のハーフ。女だてらに気が強く、痴漢をどこまでも追いかけて逮捕した事がある。趣味はケーキ作り。
○大原大次郎巡査部長(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所の班長。仕事をサボる両津に対して厳しい態度をとり説教をしている。文武両道で剣道をもっとも得意としている。基本的に真面目だが、美女に弱い所などもある。デジタル機器が大の苦手。
●チー(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
中国妖怪軍団の首領。飲んだ妖怪を反物に変える秘薬を持ち、
その反物で作った服を着た人間を支配する反物魔法を使う。
普段は老人の姿をしているが、その正体は那須高原に封じられた
玉藻前の弟で、姉を封印された事で日本に憎悪を抱いている。
●魔女ザンビア(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人である現代風の魔女っ子。
ベアード配下では一番の若手で、バックベアードに恋愛感情を抱いている。
ヤングジェネ―レーションでは最も傲慢で、魔法の知識と攻撃力に関して
それなりにセンスがあるが、経験不足の上に戦術が稚拙で、いつも
負けている。狼男ワイルドとは犬猿の仲。
●ドラキュラ三世(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人であるドラキュラ伯爵の三代目。
性格は冷酷非情で日本を見下している。美男子である反面、美女を見ると
見境なく手を出そうとする悪い癖があり、魔女ザンビアやゴーゴンといった
女性妖怪に馬鹿にされ、どこか実力不足で頼りない三枚目を演じてしまっている。
祖父である初代ドラキュラ伯爵に敬意と憧れを抱いている。
●狼男ワイルド(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人である狼男の子供でオカマ。
極めて残虐な性格をしており、格闘能力は高いが、妖術は全くの不得手。
趣味はネイルアート。魔女ザンビアとは犬猿の仲。
最終更新:2021年08月12日 10:35