第10話 「太陽系オリンピック Part3」  ユガミ博士

アザディスタン***


アザディスタンで妖怪帝国によるテロが行われている事が分かり、ブレイバーズ
連日、市内のパトロールを行っていた。妖怪帝国の気配を察知する為、パトロールする
人員は鬼太郎の様な妖怪や霊能力者が同行していた。

猫娘「・・・・ここには妖怪の気配は感じられません」
003「私の目や耳でも異常は見られないわ」
009「どうやら、この辺りは大丈夫の様だね」

鬼太郎に同行してアザディスタンに来た猫娘はゼロゼロナンバーサイボーグの
009と003と共に市内のパトロールを行っていた。猫娘は妖怪帝国の気配が
無いか探り出し、003は、その感知能力で周囲の索敵を行った。

猫娘「・・・・因みに私はお邪魔じゃないかしら?」
003「(///)・・・気を遣わなくってもいいわよ」
009「―?あっちの方が騒がしいな」

猫娘は009と003の仲を察して、「お邪魔じゃないか?」と尋ねるが、
003は顔を少し赤くして、「気を遣わなくていい」と答える。
そんな時、009は、何やら騒ぎ声がしているのを聞きつける。

火星騎士「貴様、我がヴァースを愚弄する気かッ!」
アメリカ人サポーター「フンッ!貴様らの所為で、サンフランシスコは
 滅茶苦茶になったんだ。火星人は火星に帰れぇ!」

009達は騒ぎが起きている場所まで行くと、そこではオリンピックに
出場している代表選手を応援しに来たヴァース帝国の火星騎士と
アメリカ人のサポーターが道の往来で口論を繰り広げていた。
前大戦でヴァース帝国と地球の間で戦争が行われ、和平が結ばれたとはいえ、
その遺恨は未だに根強く残っていた。次第に両者の口論は他の
サポーター達も参加しだし、今でも乱闘が始まりそうになっていた。

003「イケないッ!止めないと」
009「皆、落ち着く・・・・」
トーリ「ハ~~ロ~~!!!」

ズコォーー!!

乱闘を止めようと、009が駆けだしたが、そこに突然、航空都市艦「武蔵」の
武蔵アリアダスト学院の総長兼生徒会長である葵・トーリが現れ、その突然さに
口論をしていた火星騎士とアメリカ人のサポーターや、周囲の人間は一斉に
ズッコケてしまう。

トーリ「オイオイオイオイ、今は祭りなんだろ?せっかくの祭りなんだから、
 皆笑おうぜ!」
猫娘「・・・え~とぉ、彼は?」
009「彼は、確か葵・トーリ...日本の極東基地に時空クレバスから出現した
 航空都市艦の人間だ。彼等も来ていたのか」
ホライゾン「Jud.(ジャッジ)ブレイバーベースからの要請で、援軍として
 この地に来ました」

まだトーリと面識が無かった猫娘に、009はトーリが何者か説明する。
そこにホライゾンも009達の前に現れ、「武蔵」はブレイバーベースからの
要請で、アザディスタンに来た事を話す。別の世界から来た「武蔵」は
元の世界に帰るまで、ブレイバーズの協力者として動いているのであった。

火星騎士「...興が削がれた」
アメリカ人サポーター「俺も、コイツの顔を見ていたら、やる気を無くしちまったぜ。
 だが、アメリカはテメエら火星人には負けねえぜ!」
火星騎士「それは、此方とて同じ。我が誇り高きヴァースの勝利する試合を
 目に焼き付ける事になるであろう。フッフッフ...」

先程まで口論を繰り広げていた火星騎士とアメリカ人サポーターだったが、
トーリのヘラヘラとした笑顔に、毒気を抜かれて平静さを取戻し、それぞれ、
その場から去っていた。

トーリ「あれぇ?皆、もう行っちゃうの...まぁ、いいや!おーい、ホライゾン。
 デートの続きをしようぜ」
ホライゾン「トーリ様。これはパトロールですが...」
トーリ「固い事を言うなよぉ~。それじゃ、俺達は行くぜッ!」

周囲の人間が去っていた後、トーリはホライゾンを連れて、009達の
元から去っていた。

003「とりあえず、乱闘騒ぎにならなくてよかったわね」
009「ああ。スポーツの祭典であるオリンピックだが、まだまだ前大戦の
 傷痕は深いようだ...」
猫娘「(でも、デートかぁ...私も鬼太郎とデートしたいなぁ...)」

トーリによって、結果的に乱闘騒ぎに発展せず安堵した009達は
パトロールの続きを行う。そして猫娘はデートを楽しむトーリとホライゾンに
少し羨むのであった。

トーリ達と別れ、パトロールを再開した009達。そんな時、猫娘は
ポニーテールをした女性とすれ違うと、ふと何かの気配を感じ取り、
後ろを振り返る。

猫娘「今の気配は...」
003「どうかしたの?」
猫娘「ううん。何でもないわ」

後ろを振り向いている猫娘に、003が質問するが、ポニーテールの女性は
既に人混みの中へ消えていたので、猫娘は気のせいであろうと思い、
そのままパトロールを続けた。だが、その女性は只の女性では無かった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

そのポニーテールの女性は、修道士の服装をした赤髪の男性と
街の通りを歩いていた。

赤髪の男性「...しかし何だって僕らが、こんな場所に」
ポニーテールの女性「仕方がありません、ステイル。総大主教からの命令ですので...。
 それに、この祭典に騒乱を起こそうとする勢力、妖怪帝国には“魔女”がいます。
 大規模な魔法を使われれば、此方側にも影響がでるでしょう。そうなれば見過ごす訳には
 いきません」
ステイル「分かっているよ。神裂」

愚痴をこぼす「ステイル」と呼ばれた赤髪の男性に、「神裂」と呼ばれた
ポニーテールの女性が諌める。この2人組の正体は、英国のイギリス清教内にある
対魔術機関「必要悪の教会(ネセサリウス)」に所属する魔術師、
ステイル・マグヌスと神裂火織だった。彼等が何故、アザディスタンにいるかというと、
太陽系オリンピックを狙って、テロが起きるという情報は地球連邦の各国でも
情報を掴んでいた。魔術に関わりがある英国政府は、西洋妖怪「魔女」がいる
妖怪帝国という存在に対し、「必要悪の教会」に対処を打診。イギリス清教としても
放置しておく訳にはいかないと判断し、ステイルと神裂の2人を派遣したのであった。
2人が人混みの中を歩いていると、フラフラとパジャマ姿の日本人が歩いて来て、
神裂とぶつかってしまい、倒れてしまう。

神裂「申し訳ありません。大丈夫ですか?」
ステイル「ほっとけよ。今僕らは目立つ訳にはいかないんだ」
パジャマ姿の日本人「う~ん...」

ぶつかって倒れてしまったパジャマ姿の日本人に神裂は声を掛けるが、
任務上、目立つ様なマネを避けたいステイルは、先を急ごうとする。
だが倒れていたパジャマ姿の日本人は神裂を目にすると、虚ろだった目を
開かせ、ビシッと立ち上がる。

パジャマ姿の日本人「ぶつかってスイマセン!起きたばかりだったので、
 寝惚けていました!お怪我はありませんか?」
神裂「い、いえ。私は大丈夫です...」

そのパジャマ姿の日本人こそ、アザディスタンで行方が分からなくなった日暮巡査だった。
何時の間にかアザディスタンで目が覚めた日暮は、起きたばかりで寝惚けており、
アザディスタンの街をフラフラと歩きまわっていたのであった。そして神裂にぶつかり、
倒れた日暮は元来、美人の女性に弱い事もあってか、神裂の美貌で完全に目が覚めたのであった。

ステイル「そっちは大丈夫そうだね。じゃ、僕らは急いでいるから失礼するよ」
日暮「あっ!...数日の内に、この街から離れた方がいいよ。何だか良くない事が起きるかもしれないから...」

早々に話しを切り上げたステイルは神裂を連れて、その場を去ってしまう。
日暮は去っていく2人に、今感じた予知を話すが、人混みが多いので、聞こえていたかは分からない。

????「あなた、面白い力を持っている様ね」
日暮「えっ?」

日暮は急に背後から声を掛けられ、振り返ると、そこにいたのは
中国妖怪の1人、ミンメイが立っていた。

ミンメイ「さぁ...私に従いなさい...」
日暮「...ハイ。ミンメイ様...」

日暮の能力に目を付けたミンメイは、日暮を自身の虜にし、
何処かに連れ去るのであった。

アザディスタン・五つ星ホテル***


日暮がミンメイに連れ去られたその日の夜。アザディスタンにある五つ星ホテルでは、
オーブやプラント、マリネラなど各国の首脳や王族によるささやかな会食会が行われていた。
集まった彼らは、お互いこれまでの試合を讃えあった。

ラクス「皆さま、お疲れ様です。これまでの試合、お互いよく戦いました」
パタリロ「う~む。あの柔道の試合、もうちょっとでウチの国が勝ったんだがなぁ~」
カガリ「いや貴国の選手も強かった。良い試合だったと思います。パタリロ陛下」
パタリロ「くぅ~、今度ウチが開催国になったら、絶対金メダルを取ってやる!」

柔道の団体戦、マリネラとオーブが対戦し、お互い健闘したものの
結果はオーブが勝利。その事でパタリロは悔しがるが、カガリは相手の選手の強さを誉め、
「良い試合だった」と称えた。

マリアルイゼ「テロの方も、ここまで何もありませんでしたが...」
アセイラム「まだまだ油断は出来ない...ですね」

ネオフランス王女マリアルイゼは妖怪帝国のテロについて呟く。
ヴァース帝国の皇女アセイラムも続けて、テロについて心配する。

カガリ「だが例え何が起きようと、ブレイバーズが必ず皆を救ってみせるさ」
ラクス「はい」
アセイラム「私も信じています」
ウイリス「...そういえば街中でサポーター同士の暴動騒ぎがあったそうですが...」

エスタルドの若き国家主席ウイリス・アラミスは火星騎士とアメリカの
サポーターの間で衝突があった事を思い出し口にする。

アセイラム「悲しい事ですが、未だに戦争による傷は地球でも火星でも
 深いようです。しかし、この祭典を通して二つの星の溝を埋めていければと
 思っています」
ラクス「そうですね...平和を願っての祭典。誰にも奪わせてはなりません」

平和の願いを込めて、皆が参加する太陽系オリンピックを誰だろうと邪魔は
させないと集まった彼らは誓うのであった。


◯009/島村ジョー→003、猫娘と共に市内をパトロールし、サポーター同士の言い争いに居合わせる。
◯003/フランソワーズ・アルヌール→009、猫娘と共に市内をパトロールし、サポーター同士の言い争いに居合わせる。
◯猫娘→009、003と共に市内をパトロールし、サポーター同士の言い争いに居合わせる。
●ミンメイ/画皮→日暮巡査の能力に目を付け、自身の虜にする。
◯葵・トーリ→サポーター同士の言い争いを止める。
◯ホライゾン・アリアダスト→トーリと市内をパトロールする。
◯ステイル・マグヌス→妖怪帝国のテロを阻止する為、神裂と共に派遣され、日暮に出会う。
◯神裂火織→妖怪帝国のテロを阻止する為、ステイルと共に派遣され、日暮に出会う。
◯日暮熟睡男巡査→ミンメイに操られる。
◯ラクス・クライン→会食会に参加する。
◯カガリ・ユラ・アスハ→会食会に参加する。
◯パタリロ→会食会に参加する。
◯マリアルイゼ→会食会に参加する
◯アセイラム・ヴァース・アリューシア→会食会に参加する。
◯ウイリス・アラミス→会食会に参加する。

【今回の新登場】
○島村ジョー/009(サイボーグ009)
日本人の母と外国人の父との間に生まれたハーフの18歳の青年。孤児院で育つが、無実の罪で警察に追われていたところをブラックゴーストに拉致され、戦闘用サイボーグに改造された。加速装置により最大加速マッハ5で行動できる。普段はギルモア博士の助手をしていたり、四輪レーサーとして活動している。

○フランソワーズ・アルヌール=003(サイボーグ009)
ゼロゼロナンバーサイボーグの紅一点であり、フランス出身の19歳。金髪碧眼の美少女で、元々はバレリーナを目指していた。レーダー・センサー能力を保有し、索敵や脳波通信により戦闘中のナビゲーションを行い、戦闘をサポートする。普段はギルモア博士の邸で001=イワンの世話をしていたり、006=張々湖の経営する張々湖飯店でアルバイトをしている。

○葵・トーリ(境界線上のホライゾン)
武蔵アリアダスト学院総長兼生徒会長。聖連から与えられた字名は「不可能男」。無能であるが、人望は厚く、他人の素質を見抜いたり、頭の回転が速かったり、前線で戦う者に渇を入れたりする。「自分の物を他人に分け与える」創作術式ににより、悲しみの感情を得ると死んでしまう。HNは「俺」

○ホライゾン・アリアダスト(境界線上のホライゾン)
松平・元信の娘で、十年前に元信が乗る馬車に轢かれて、死亡。その後、三河にて大罪武装の一つである大罪武装統括OS・“全域焦がれ”を宿す自動人形の姿に変えられ、物語の開始一年前、記憶を失って「武蔵」に帰ってきた。身元不明だった所、青雷亭の女亭主に拾われウェイトレスをしていた。生前はトーリ・喜美とは幼馴染で、梅組の面々とは小学校の同級生。HNは「ホラ子」


◯ステイル・マグヌス(とある魔術の禁書目録)
 『必要悪の教会』に所属する魔術師。2mを超える長身の14歳で、
 十字教神父の立場を持つが、赤く染め上げられた金髪や右まぶた下の
 バーコードの様なタトゥー等、派手な容姿をしている。14歳であるが、
 重度のヘビースモーカーで、24文字全てのルーンをマスターすると、
 新たに6つのルーンを開発した天才魔術師で、その中でも炎属性のルーンを得意としている。

◯神裂火織(とある魔術の禁書目録)
 元天草式十字凄教の女教皇にして『必要悪の教会』に所属する魔術師。
 世界に十数人しかいないとされる聖人の1人。長い髪をポニーテールで括り、裾結びをした
 Tシャツ、片方の袖を根元までぶった切ったジーンズ、腰のウェスタンベルトには七天七刀という
 格好をしている。真面目かつ冷静沈着で、恩義を重んじる性格であり、常に敬語を話す
 大和撫子膳とした佳人だが、怒りが頂点に達するとチンピラのような言動になってしまう。
 魔術はあまり使わず戦闘は主に武器を用いた近接戦闘に偏る。機械に疎いのが弱点。

◯日暮熟睡男(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
 新葛飾署に勤務する警察官。とんでもなく物臭な人物で、新人の頃から月に
 数える程しか出勤せず、段々エスカレートして4年に一度しか出勤しなくなった。
 予知能力や念写といった能力を持つ超能力者で、様々な事件を解決したり、
 未然に防いだりしている為、クビにはならない。4年間眠っている為、その間の
 社会情勢や流行には疎い。

○ラクス・クライン(機動戦士ガンダムSEED/SEED DESTINY)
プラントの前最高評議会議長シーゲル・クラインの愛娘であり、プラント全土が愛する歌姫。プラントのアイドルとして、
柔らかな印象を持つが、ときおり毅然とした表情と言動には特異なカリスマの顔が覗き見える。クライン派の協力の下、
三隻同盟軍の総司令官となり、現在は父の遺志を継ぎ、現プラント最高評議会議長の職にある。

○カガリ・ユラ・アスハ(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
南太平洋に浮かぶオーブ連合首長国の代表首長であり、五代氏族アスハ首長家の前当主ウズミ・ナラ・アスハの一人娘。MBF-02ストライク・ルージュのパイロット。
キラ・ヤマトの双子の姉。父の形見、モビルスーツアカツキと父の遺言を受け取り、崩壊寸前のオーブを救った。
その後、オーブ代表としての威厳が備わり、プラント議長デュランダルの考え方をラクスとともに完全に否定し、全面対決の姿勢で臨む。

○パタリロ・ド・マリネール8世(パタリロ!)
常春の国マリネラの少年国王。9歳で大学を卒業した超天才だが、人をおちょくることを趣味とする傍若無人な性格。数々の組織に命を狙われながらも、
ギャグと暴走的な行動力で乗り切るゴキブリ並のしぶとさを持つ。糖尿病・高血圧と成人病の塊。

○マリアルイゼ(機動武闘伝Gガンダム)
ネオフランス元首の娘。ジョルジュ・ド・サンドの許婚であり、彼にお熱を上げている。
かなりお転婆なお嬢様でトラブルメーカーだが、気丈な一面も併せ持つ。

◯アセイラム・ヴァース・アリューシア(アルドノア・ゼロ)
火星に建国された国家「ヴァース帝国」の第一皇女。地球人を旧人類として
見下す国民が多い中、地球人に偏見を持たず友好を結ぼうとする平和主義者であり、
彼女の理念は一見して理想主義者として捉えられるものの、時として自ら銃を取り、
使える物は自分の立場も利用する面も見られる。親善大使として地球に訪れた際、
ミサイルによるテロに巻き込まれた後、避難民の少女「セラム」として界塚伊奈帆らと行動を共にした。

○ウイリス・アラミス(機動新世紀ガンダムX)
エスタルド人民共和国の若き国家主席。民族の英雄だった前国家主席の息子。父の後を継いだばかりであった
当初は優柔不断な青年だったが、やがて指導者としての責任に目覚めていく。

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最終更新:2021年08月26日 06:21