桜花賞 (浦和競馬)

桜花賞(おうかしょう)は、埼玉県浦和競馬組合浦和競馬場で施行する地方競馬重賞レースSI)である。正式名称は「農林水産大臣賞典 桜花賞」。

概要

1955年に創設され、当初は牡馬の競走馬も出走可能であった。1961年から牝馬限定戦として施行され、1995年からは南関東G1に格付けされている。1965年創設の関東オークス1987年創設の東京プリンセス賞とともに南関東牝馬三冠の1つに位置付けられており南関東地区所属の3歳牝馬にとっては最初の目標となるレースである。

例年4月に施行されていたが2007年からは3月に施行が変更され、2006年度に限り当レースが2回施行された(地方競馬は会計年度が4月から翌年3月までのため)。

2010年から地方競馬全国交流レースとして施行され、南関東地区以外の地方所属馬でも出走が可能と共にGRANDAME-JAPANの3歳シーズンの指定レースとなる。

浦和競馬場の1600mコースは「コーナーの途中からスタートする」と酷評されることもあるほど特徴的なため、内枠また浦和出走経験のある馬にやや有利なことが多いといわれる。またこのレースは1番人気が負けやすく、2005年には内田博幸騎乗のヨウヨウが2着に敗れ2007年の1番人気馬のブラックムーンに至っては馬体故障でレースを中止するアクシデントも発生した。

レース条件

出走資格(2015年)
サラブレッド系3歳牝馬、地方競馬全国交流(他地区所属馬の出走枠:3頭)
以下のレースがトライアルレースに指定されている(詳細後述)。
  • ユングフラウ賞(SIII・浦和競馬場ダート1400m) - 3着までの馬に当レースの優先出走権
  • 桃花賞(準重賞・大井競馬場ダート1600m) - 1着馬に当レースの優先出走権
負担重量(2015年)
定量(54kg)

賞金

2015年の賞金は1着2000万円、2着700万円、3着400万円、4着200万円、5着100万円。

歴史

  • 1955年 - 浦和競馬場のダート1600mのサラブレッド系4歳(現3歳)の南関東所属の牡馬・牝馬の重賞レース「桜花賞」として創設。
  • 1960年 - 前年の9月1日から日本競馬の計時方式の変更に伴い、時計表示が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
  • 1961年 - 出走条件を「サラブレッド系4歳(現3歳)牡馬・牝馬の南関東所属馬」から「サラブレッド系4歳(現3歳)牝馬の南関東所属馬」に変更。
  • 1970年 - 川崎の佐々木竹見が騎手として史上初の3連覇。
  • 1995年 - 南関東グレード導入により南関東G1に格付け。
  • 1999年 - 10位入線の船橋のスーパールーブルが進路妨害により失格。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「サラブレッド系4歳牝馬の南関東所属馬」から「サラブレッド系3歳牝馬の南関東所属馬」に変更。
  • 2007年 - 施行時期を4月から3月に変更。
  • 2008年 - 南関東重賞格付け表記をSIに変更。
  • 2010年
    • 地方競馬全国交流レースとして施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳牝馬の地方所属馬」に変更。
    • GRANDAME-JAPAN・3歳シーズンに指定。
  • 2011年 - 3月23日の開催予定が、3月11日に発生した東日本大震災の影響により中止。
  • 2014年 - 断然の1番人気だったノットオーソリティが投票締切後にレース除外(右後肢跛行)となり、総発売票数の約70%が返還される事態となった。

歴代優勝馬

回数施行日優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1955年4月10日イースタオー牝3船橋1:44 0/5木村万吉木村万吉大下常
第2回1956年4月5日ミナミパーク牡3川崎1:43 4/5勝又衛鈴木春吉篠田光江
第3回1957年4月17日キクハマ牡3大井1:43 4/5長沢保作小暮嘉久北沢元男
第4回1958年4月15日ダイニコトブキ牡3船橋1:44 1/5須田茂出川己代造出川日出
第5回1959年4月1日グローリーワイン牝3船橋1:45 2/5荒山徳一佐竹海治白井新平
第6回1960年4月7日イチトミシヨウ牡3大井1:43.4赤間清松遠間波満行富田庄吉
第7回1961年4月10日アリゾナホープ牝3大井1:41.5古野重孝栗田武吉田善一
第8回1962年4月7日ダイサンキヨサチ牝3大井1:43.6須田茂阪本正太郎佐藤清之助
第9回1963年4月3日ラツキーマミー牝3大井1:42.2渥美忠男栗田金吾井門昭二
第10回1964年4月2日イソゴ牝3川崎1:44.1松浦備小笠原円之助門倉肇
第11回1965年4月4日キヨクトー牝3大井1:44.5須田茂長尾潔長尾孝子
第12回1966年4月19日オリコ牝3川崎1:42.7佐々木竹見三橋三吉大塚喜久雄
第13回1967年4月13日ローレライ牝3船橋1:41.8木村和男木村万吉木村てる
第14回1968年4月9日ネバーマンナ牝3川崎1:44.2佐々木竹見高月由次鈴木よ志
第15回1969年4月15日トキヒノエ牝3川崎1:41.0佐々木竹見新貝一雄山口昭
第16回1970年4月2日ブレイブリー牝3川崎1:43.4佐々木竹見大和田明根岸寛
第17回1971年4月4日タニノカツヒメ牝3船橋1:41.5内野健二岡林喜和谷中勇
第18回1972年4月9日ヒンドライン牝3川崎1:43.6佐々木吉郷河津晴一安西競走馬(有)
第19回1973年4月2日ワールドビツト牝3川崎1:42.2佐々木竹見高橋満夫松岡正雄
第20回1974年4月3日ミスフアラリス牝3船橋1:44.1高橋三郎熊坂明渡邉俊彦
第21回1975年4月14日ピープルクイン牝3浦和1:43.4本間茂中島正治伊藤三郎
第22回1976年4月7日ニツトウザクラ牝3川崎1:42.3竹島春三勝又専次郎村本豊
第23回1977年4月6日エビフブキ牝3大井1:43.2岡部盛雄武森辰己海老沼重雄
第24回1978年4月4日エースライン牝3船橋1:41.4田部和廣熊坂明安西競走馬(有)
第25回1979年4月10日シヤドウ牝3川崎1:41.3橘真樹高橋正豪山内正孝
第26回1980年4月3日ベークルイーズ牝3船橋1:42.9岡島茂谷口源吾山本康久
第27回1981年4月2日コーナンルビー牝3大井1:41.4堀千亜樹遠間波満行越路玄太
第28回1982年4月2日セイダイカゲツ牝3船橋1:43.0伊藤修金澤秀行成恵不動産(株)
第29回1983年4月6日ミルトツプ牝3大井1:42.2武井秀治福永二三雄田中治子
第30回1984年4月4日グレイスタイザン牝3川崎1:41.8森下博佐々木國廣船橋泰三
第31回1985年4月10日ハナブサクイン牝3大井1:42.5佐々木忠昭高柳恒男飯島英夫
第32回1986年4月23日ミネノオウカン牝3川崎1:41.5森下博三潟隆五郎菊池高嶺
第33回1987年4月28日タカネピニオン牝3船橋1:43.0柿本政男松葉照雄小山康則
第34回1988年4月6日レデイシヤイン牝3船橋1:42.3渡辺市郎大河内敏雄織戸光男
第35回1989年4月4日ロジータ牝3川崎1:41.7野崎武司福島幸三郎加藤富保
第36回1990年4月4日コトブキトミオー牝3大井1:43.6赤嶺本浩五百藏幸雄栗原富男
第37回1991年4月11日スピードデオール牝3川崎1:42.7久保秀男新貝啓介市川不動産(株)
第38回1992年4月8日エースポポ牝3船橋1:43.4佐藤正人木村和男榊原秀雄
第39回1993年4月14日ホワイトアリーナ牝3浦和1:41.6桑島孝春野口孝小野田健治
第40回1994年4月21日リワードルンゼ牝3大井1:41.5堀千亜樹太田進宮崎忠比古
第41回1995年4月5日ナイキグレース牝3大井1:43.2的場文男長沼正義小野誠治
第42回1996年4月3日ミキノダンサー牝3浦和1:41.5佐藤隆廣瀬龍夫谷口久和
第43回1997年4月16日シルバーアクト牝3船橋1:43.5石崎隆之北川亮片田静惠
第44回1998年4月22日ダイアモンドコア牝3川崎1:43.5森下博井上宥蔵(株)システムコア
第45回1999年4月21日ワンダールナ牝3浦和1:42.3見澤譲治鈴木勝文山本信行
第46回2000年4月19日アミー牝3船橋1:42.8山中尊徳金澤豊大野肇江
第47回2001年4月11日ナミ牝3大井1:41.8的場文男蛯名末五郎中田和宏
第48回2002年4月3日ラヴァリーフリッグ牝3船橋1:41.5石崎隆之出川克己村中徳広
第49回2003年4月3日メモリヒメ牝3大井1:42.1堀千亜樹鈴木冨士雄白瀬常雄
第50回2004年4月6日カネマサヴィーナス牝3川崎1:42.5左海誠二三橋三吉前田政雄
第51回2005年4月13日ミライ牝3川崎1:39.5金子正彦安池成実小笠原啓一
第52回2006年4月26日チャームアスリープ牝3船橋1:40.8内田博幸佐藤賢二山口美樹
第53回2007年3月21日マルノマンハッタン牝3浦和1:44.2石崎隆之阿部秀一齋藤實
第54回2008年3月19日フィリアレギス牝3川崎1:43.9戸崎圭太池田孝(有)市川ファーム
第55回2009年3月20日ネフェルメモリー牝3船橋1:41.0戸崎圭太川島正行木谷ツヤ
第56回2010年3月24日ショウリダバンザイ牝3大井1:42.5真島大輔高岩孝敏林正夫
第57回開催中止
第58回2012年3月21日コテキタイ牝3川崎1:43.8張田京内田勝義(有)グランド牧場
第59回2013年3月21日イチリュウ牝3川崎1:41.5的場文男内田勝義(有)グランド牧場
第60回2014年3月27日シャークファング牝3大井1:42.8矢野貴之秋吉和美鮫島明洋
第61回2015年3月25日ララベル牝3大井1:42.3真島大輔荒山勝徳吉田照哉
第62回2016年3月23日モダンウーマン牝3大井1:41.9山崎誠士佐々木仁(有)グランド牧場
第63回2017年3月29日スターインパルス牝3浦和1:42.8石崎駿小久保智坂本順子
第64回2018年3月21日プロミストリープ牝3大井1:41.6御神本訓史藤田輝信(有)シルクレーシング

※優勝馬の馬齢2000年以前も現表記を用いている。
※出典:南関東4競馬場公式「桜花賞競走優勝馬

トライアルレース

ユングフラウ賞

詳細はユングフラウ賞を参照。

桃花賞

1991年から桜花賞のトライアルレースとして南関東準重賞レース(1994年まではオープン特別レース)「桃花賞」が大井競馬場ダート1600mで施行されている。このレースで上位2着までには本レースへの優先出走権が与えられていたが2012年は桜花賞に優先出走できるのは優勝馬に限られ、加えて上位2着までにユングフラウ賞の優先出走権を与える形に変更された。なお、桃花賞に出走した競走馬の中で8頭が本レースを制している。

施行日馬名性齢所属着順備考
1991年2月25日スピードオデール牝3川崎8着 
1992年3月3日エースポポ牝3船橋1着
1993年2月25日ホワイトアリーナ牝3浦和3着第29回関東オークス優勝
1995年3月3日ナイキグレース牝3大井中止
1998年3月10日ダイアモンドコア牝3川崎1着第21回東京3歳優駿牝馬優勝
2000年3月24日アミー牝3船橋4着本レースを制するまでは未勝利
2010年1月21日ショウリダバンザイ牝3大井1着
2014年1月21日シャークファング牝3大井11着ユングフラウ賞2着

ティアラカップ

2003年まで、桜花賞のトライアルレースとして「ティアラカップ」という特別レースが浦和競馬場ダート1600m(1992年はダート1400m)で施行されていた。このレースで1着馬のみ、本レースへの優先出走権が与えられていた。トライアルレースでありながら出走条件は3歳牝馬オープンではなく、3歳牝馬の条件選抜として行われ優先出走権を争うレースの中で日本で唯一オープン馬の出走ができないトライアルレースであった。なお、ティアラカップに出走した競走馬の中で本レースを制した馬は1頭も出ていない(1993年に制した浦和のイチナリクリゲの2着入賞が最高入着)。2015年からは、しらさぎ賞のトライアルレースとして施行。

関連項目

南関東公営競馬グレードワンレース
SI桜花賞 | 羽田盃 | 東京プリンセス賞 | 大井記念 | 東京ダービー | 戸塚記念 | 東京記念 | ロジータ記念 | 東京2歳優駿牝馬
GRANDAME-JAPAN 指定重賞レース
2歳シリーズ園田プリンセスカップ | ☆エーデルワイス賞 | ラブミーチャン記念 | ローレル賞 | プリンセスカップ | 東京2歳優駿牝馬
3歳シリーズ若草賞 | 桜花賞 | ル・プランタン賞 | 東海クイーンカップ | 東京プリンセス賞 | 日高賞 | のじぎく賞 | 関東オークス
古馬シリーズスパーキングレディーカップ | ノースクイーンカップ | 兵庫サマークイーン賞 | 読売レディス杯 | ブリーダーズゴールドカップ | ビューチフルドリーマーカップ | 秋桜賞 | レディスプレリュード

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最終更新:2018年05月10日 12:06
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