GM:場所は、ネロのダンジョンです。
 フォルトが、ふたりきりで話したいと声をかけてきた感じです。
 ここからなら、ねこのほっぺかひたいのお部屋ですね。
 もうギミックは動きませんので(笑)

フェンネル:(フォルトさんに)もちろん構わない。どうしたのだ?(優しく尋ねます)
 あなたとはずいぶん長く一緒にいるが、話しかけるのもかけられるのも、なんだか新鮮だな。

フリーズフォルト:(左ほっぺに移動)そうですわね。
 私にとって、あなたがわは敵でありましたから。

フェンネル:敵か……今もそう思っている?(首をかしげてみせ)
 といっても、300年の関係だ。
 やすやす気持ちに変化があるとは思わないし、そうせよというつもりもないが。

フリーズフォルト:私と、ブルーとソニアは、メルリースを消し去り、真の安寧を与えようとしておりました。
 それしか助ける術はないと思っていたのです。
 もし、あの子の心を残したまま助けられるのなら、私たちがわとて、誰も反対はいたしませんでしょう。

フェンネル:心を残したまま…。
 もちろんそうであろう。
 遺物なことなく、自然にありし日が戻ったら…。余もそう思っている。

フリーズフォルト:私たちは遺物です。それは間違いのないことでしょう。
 …まだ、私は疑っているのです。
 あの子をまた、壊すだけのものに変貌させてしまわないかと。
 あの子を、ほんとうの意味で守りたいだけなのですよ。

フェンネル:以前カスケから、エティックの権能は感情に左右されると聞いた。
 メルリースも、やはり何ら彼の要素に左右されるのだろうか?

フリーズフォルト:メルリースについては…私たちよりもはるかに高位ゆえ、そこは理解しがたいですわ。
 それに…彼女にみずからの精神が残っているか、それすらも、私たちにはわからないのです。
 私たちは、彼女なのです。
 私は私であると同時に、彼女の右足。
 私には意志がありますが、ばらばらにされた少女のか弱い心は、今も生きているのでしょうか?

フェンネル:右足は、最初の一歩だよ、フォルト。
 遺物ではあるかもしれないが、だとしたらなんであれ、あなたがあって今があるのだ。誇り高き貴婦人よ。
 あなたはメルリースであるのに、誰もメルリースがわからないか…。
 まるで、人間とほとんど変わらないようではないか。(そっと穏やかに言います)

フリーズフォルト:……どこかで思います。勝手な言い分かも知れませんが。
 あの子は、人のまま、300年前に死して、生まれ変わっていてほしい…なんて。
 今もなお、この苦しみのなかにとらわれていると、思いたくないのです。
 もちろん、現実逃避ですわ。
 きっとあの子は、いるのでしょう。どのようなカタチであっても…。

フェンネル:余の意見を言っていいのなら……。
 (少し言葉を選んで)…メルリースに、穏やかな人の人生を。最後まで幸福に。
 そう、余も思っている。

フリーズフォルト:ありがとう、フェルネリアン。(にこり)
 その優しさだけで、私は満たされます。(目を閉じ、やわらかに微笑み何かを思い出している様子)

フェンネル:世界にはメルリースが満ちているという。
 そんなものなくてもいいから、ただの女性でいいから、生きていてほしかった……。
 全くだな。それは、子を思う母としては、当然の感情だ。

フリーズフォルト:ええ。私は、マリアンヌの化身ですもの。ふふふ。
 似ているのかしら、外観も?当時の私は目があまりよくなくて。

フェンネル:マリアンヌ殿か。お会いしてみたかったな。

フリーズフォルト:さあ、私も、おしゃべりばかりしていないで、役目を果たさなければ。
 あなたに、お渡ししたいものが在るのです。

フェンネル:渡したいもの? 貴女から? 
 (その言葉に少し居住まいをただす)なんであろう、白く気高き貴婦人よ。

フリーズフォルト:では、フェルネリアン
 カスケが本来、あなたに渡したかったものを、あなたに。

フェンネル:受け取るのに準備が必要なことはあるか?

フリーズフォルト:いいえ。特には。
 エティックの…あの子が人間でいられたとき、使っていた荷物を、あなたへと。

フェンネル:エティックの荷物……。

フリーズフォルト:カスケは…。無茶をしすぎました。

フェンネル:わかっている。わかっていたのに、無理をさせ続けてしまった。

フリーズフォルト:カスケは、このままでも消え去りはしません。
 しかし、目覚めもしないでしょう。
 本来の姿に目覚めたエティックが空間を破る度に、再び空間でエティックを覆った。それを繰り返し続けた。
 勝ち目のない戦いを、ただの時間稼ぎを、カスケは限界まで…自らが消滅するぎりぎまで、行ったのです。
 エティックと闘っている最中、誰かが、カスケの意識に話しかけなければ、カスケは自分の存在を残すことを忘れてしまっていたかも知れませんわね。
 それくらい、彼は必死でしたから…。

フェンネル:どうしたら、カスケは目覚める?
 あなたがメルリースの母なら、カスケはエティックの父だ。このままにはしたくはない。

フリーズフォルト:カスケは、エティックの父ではありませんわよ?
 カスケは、自らのあるじであったかの人と、エティックを重ねているのです。
 エティックは幼くして、厳しい魔術の修行に挑んだ。
 エティックにとって、カスケは一番親しい友達でした。
 幼き日に死に別れましたけれど、姉弟たちには、ちゃんとお父様がいらしたのですから。

フェンネル:友か…。ならばエティックは、カスケとまた笑いあいたいと思っていると、余は確信するが……。
 余は、カスケの余に対する真意を知ったあと、一層カスケに親しみを感じた。
 返しきれない恩もあるのだ。

フリーズフォルト:カスケの真意?ですか?(きょとん)
 私も知らないことがあるのですわね。
 そこは、彼とあなたの秘密として、聞かないでおきましょう。

フェンネル:そうだな(思い出して思わず微笑んだ)

フリーズフォルト:さあ、これを受け取って。(エティックのリュックを差し出す)

フェンネル:(大切なもののように、受け取った)

フリーズフォルト:それから…これを…。

フェンネル:(続けて受け取る)

GM:蛇のようなものが絡みついた、金色の短剣です。

フリーズフォルト:儀式の際、メルリースは顔面を、エティックは心臓を貫かれ、死したと聞きます。
 私は、最初に殺された故、力が弱い。
 長く生きて、長く見たものたちがより苦しみと哀しみ、憎悪を深め、力が強くなったようです。
 苦しかったでしょうね。最後まで残されたエティックは。
 そして、それを見せつけられたメルリースは…もっと…。

フェンネル:エティック……(思わず剣をぎゅっと握った)

GM:フェルさんの脳内に、誰かの思い出のような映像が流れます。

 ━━━━━━ むねが いたい えぐられるような痛み
 ━━━━━━ むねを えぐっている つるぎ

 ━━━━━━ 肉の音 嫌な音 たとえられない激痛
 ━━━━━━ 水音 ぬめり気のある水音 赤い水音

フェンネル:(かつて見た夢を思い出した)

 ━━━━━━ ああ 人間は こんなにも頑丈なのか
 ━━━━━━ はやく はやく 一秒でも早く
 ━━━━━━ 終わって 終わってください
 ━━━━━━ ただ終わりに向かうだけのこの時間を 終わらせて

???:「この夢は、俺のあの日の記憶…。あの日思ったこと、か…」

フェンネル:「あの日思ったこと」? そうか…、そうだったのか…。

 ━━━━━━ いいや 待って  終わらないで
 ━━━━━━ いたい くるしい もう いきが できない

フェンネル:終わらせない。終わらせないから…。
 このまま終わったら、エティック、それは……。
 ああ、余のエゴでもいい。すまない、すまないエティック。
 怖かった痛かった苦しかった。ルナが余に言ったことがある。
 きっと、それよりもずっと、怖かったのだろう、エティック…。

???:「痛かったな…。死ぬって、とても痛くて、とても苦しい」

 ━━━━━━ お願い 終わらないで
 ━━━━━━ どんなに痛くても どんなに苦しくてもいい
 ━━━━━━ 終わらないで 終わらないで
 ━━━━━━ 俺が ここでいなくなったら
 ━━━━━━ メルリースは なにもかもなくなってしまうじゃないか

フェンネル:(じっと刻むように聞いている)

 ━━━━━━ 父さんを亡くして 母さんを亡くして 動物たちもみんな死んで
 ━━━━━━ 俺がいなくちゃ 俺がいなくちゃ
 ━━━━━━ 優しいばかりのこの姉さんは 生きていけないじゃないか

???:「…心臓をえぐられながら、それでも生きようとしたんだね、俺は。
 馬鹿だなあ…」

フェンネル:エティック…。
 (思わず涙がこぼれて、エティックの短剣に伝う)エティックが馬鹿だというのなら、その馬鹿のおかげで今、余と出会い、ともに、また新たな可能性、未来を紡ぐのだ。

 ━━━━━━ 声はもう出ない 息のようなものが 血と一緒に漏れただけ
 ━━━━━━ ああ 終わってしまう
 ━━━━━━ お願い 終わらないで

 ━━━━━━ 痛みが消えていく 嫌だ 終わらないで
 ━━━━━━ 神になんて祈らない じゃあ何に祈る?
 ━━━━━━ なんでもいい 悪魔でも 化け物でもいいから

 ━━━━━━ 俺を終わらせないでください

フェンネル:今度こそ、終わらせはしない…。

???:「かつてこう願ったから、こんなことを望んだから。
 カスケは俺を、こんな肉体でも、どうにか終わらないようにしてくれたんだ」

フェンネル:違う、エティック。望むことは罪ではない。かなうことは罰ですらない。

???:「ありがとう。でも、もう終わろう。
 このまま俺がヒトのふりをしていたら、進まないんだ。
 いいほうへも悪い方へも、進むための道ができない。
 優しいぬくもりをありがとう、カスケ。包んでくれてありがとう。
 もういいんだ」

フェンネル:エティック、愛していたんだ。
 皆、お前を。
 愛しているんだ。今も。

???:「今こそ………。
 かりそめの体に、終わりを…。
 この手で、終わりを!!!」

フェンネル:(ぎゅっと心臓付近で抱きしめるように短剣を握った)

GM:頭に流れる映像の中で、エティックは自らの心臓に金の短剣を突き立てました。
 エティックは血を吐きながら、あのときをなぞるように、胸を抉りました。
 ゆっくりと。ゆっくりと。

フェンネル:(目はつぶらない、何があってもつぶらないから!)
 メルリースは顔をえぐられた。ならばほかに誰が見ることができる? 
 誰が、エティックの苦しみを分かち合える? 
 誰が、エティックがエティックであったと、いつまでも証明できる? 
 見ていなければ。余だけでも、目を背けずに。

GM:そこには心の臓はなく。
 かりそめの体を動かしていた核が…血と伴にこぼれ落ちて……。

フリーズフォルト:さあ。見えたでしょう。すべてが。
 彼の肉体を動かしていたのは、これです。(青い宝石を差し出した)

フリーズフォルト:これはカスケの力ではありません。メルリースの頭部たるエティックが、その願いから作りだした核。
 カスケは、それをエティックの殻の心臓部に埋め込み、彼の死をひととき誤魔化したのです。

フェンネル:青い色だ。メルリースの瞳の色、それよりもエティックの色だ。

フリーズフォルト:この宝石は、あなたがたと過ごした時間のエティックです。
 彼がいた証。
 これから彼がどのような変貌を遂げても、この石に宿る記憶は、永遠でしょう。

フリーズフォルト:あれは殻だと、ネロもエティックも言いましたが…。
 私は、かりそめのヒトであったあの子が、皆と笑う姿を、ただの殻だったなんて思えない。

フェンネル:余は、どんなエティックでも受け止めるつもりだ。
 その覚悟がなくて、何が友だ。(半ば自分自身の非力と覚悟を吐き捨てるように言った)
 この気持ちは、「愛」なのだろう。
 どんなに変わってもエティックのそばにいたいのだ。
 フォロンに対するそれでも、ルナに愛するそれとも違う。(フェンネルも泣いてます)

フリーズフォルト:あの姿のエティックを、私はずっと、ずっと、見守っていた。
 最初は警戒でした。いつ爆発するとも知れない爆弾でしたから。
 でも、いつしか…。
 このまま、ずっとこのままでいられればいいと…
 あり得ぬ望みすら、抱いておりました…。(一筋涙をこぼす)

フリーズフォルト:私は、ただの右足。そして最初に逝ったゆえ、一番弱き獣。
 私ができることはあまりに少ないけれど、それでも、これからもあなたがたを見守り続けましょう。
 あの子達が、ただ、幸せでいられるように……。

フェンネル:フォルト。ずっと心配していたのだ。
 あなたは優しすぎるから。つらくはないだろうかと、ずっと、ずっと。

フリーズフォルト:優しさは弱さのあらわれ。
 それはこの姿の私には無意味なものでしょう。
 もっと強くあれれば、よかったですのにね。

フェンネル:(そっと一筋零れたフォルトの涙を脱ぎってやる)

フリーズフォルト:…ありがとう。
 渡したいものは、それだけですわ。

フェンネル:余にはわからないのだが、なぜ憎しみが力なのだ? 
 優しさは力ではないのか?

フリーズフォルト:「メルリース」に関しては、処刑が遅いものほど、すさまじい力を得ています。
 あなたも、きっと、そうではなくて?
 今の仲間がひとりひとり首をはねられたとして、あなたが最後のひとりだとしたら?
 最初のひとりより、時間も、苦痛も、憎悪も、叫びも、何もかもが深くはならないかしら?

フェンネル:世界を憎んだろうか…。
 きっとそうであろうな。
 ああ、メルリースの気持ちがわかる…。

フリーズフォルト:ええ。そうでしょう。誰しもそうでしょう。
 ただの処刑であれば、悲劇で終わったのかもしれませんが、不運にも、彼女に神が降臨してしまった。
 あの子は、永遠の中に縛られる存在に変わってしまった。
 消滅か永遠か。神には、その二択しかないのです。

フェンネル:余は、この旅で、世界を肯定することを学んだ。
 世界に愛があるということを知った。
 だから、たとえ殺されても、その世界を完全に否定はできないと思う。

フリーズフォルト:…決めるのは、この時代を生きるあなたがたです。
 私達を、力も、存在も、なにもかもを託しましょう。

フェンネル:第三の選択は?
 人に神が宿るように、神に人は宿らないのだろうか?

フリーズフォルト:今、あなたの中にメルリースが少し宿ってはおりますけれど。
 メルリースほどの膨大なエネルギーは、人間では抱え込めません。
 ばらばらに、しずくやかけらとなって、風にも土にも木の葉にも光にも、メルリースは融けています。
 世界はメルリースに守られ、同時に、メルリースに破壊されようとしています。

フェンネル:それを止めるのが、我々の目的だ。そのためなら、余は何だってやろう。

フリーズフォルト:最期まで、信じています…。
 どうか、あなたが「そうと思うもの」に、幸せな未来を……。

フェンネル:ありがとう、フォルト。

フリーズフォルト:そろそろお戻りなさい。大切な仲間達が待っているでしょう。
 私は最初にあなたがたと寄り添ったからでしょうか。
 ふふ、私も、一緒に冒険していたような気分だったのですわよ。

フェンネル:最後に、少し相談してもいいだろうか?
 気になるのだ。男の余にはわからないことだから。

フリーズフォルト:なんでしょうか?
 メルリースは、潮は満ちておりましたけれど?(男の余にはわからないこと からの発想)

フェンネル:メルリースは、顔を撃ち抜かれ処刑されたという。
 年頃の少女にとって、それはあまりにも……やはりつらいのであろう?

フリーズフォルト:顔に剣を突き立てられた…と言われていますわね。
 でも、われわれは誰もそれを見ていません。
 メルリースの気持ちを察するならば、つらくはなかったと思いますわ。
 あの子は、愛するものが殺される度に心を引き裂かれました。
 肉体のどこを傷つけられようと、そちらに頓着する余裕はなかったでしょう。

フェンネル:そういうのものか? 
 余は、メルリースを知らないから、たとえ顔がただれていても、受け止められると思う。
 ほかの、メルリースを知っているものにも、そうであればいいのだが…。

フリーズフォルト:処刑の真の意図が、メルリースを「最後に捧げる」ことだったのではと思っています。
 なので、実際を見たものが、誰もいないのです。
 カスケも、自分の知らないところは想像で語ったと思われますわ
 でも、たぶん…。
 メルリースは、エティックが心臓をくりぬかれる姿を最後まで見た上で…。
 顔を…刺されたのだと思います…。

フェンネル:「最後に捧げる」…。
 あなた方もみな、覚悟が必要かもしれないな。
 あるいは、顔がないからこそ、顔があり、すべてになれるのが、メルリースなのかもしれないな。
 すまない、つらいことを語らせてしまったな…。

フリーズフォルト:エティックはメルリースの頭部です。
 エティックは、知っているかも知れません。

フェンネル:ありがとう。
 あともう一つ。
 カスケに語り掛けるのは、やはりシャノンが一番いいのか?

フリーズフォルト:今は…深く眠っていますから、声が届くかしら…。
 カスケに語りかけても、今は反応がないと思いますけれど…何をなさるの?

フェンネル:反応がなくても、そこに存在しないわけではない傷つき倒れ眠っている存在に語り掛けるのは、人としての、感情、優しさ。
 あなたが弱さと思っている、強さだろう。
 語りかけることなら、いくらでもできる。

フリーズフォルト:そうですか…。そうですわね…。

フェンネル:冬でも、咲かないだけで薔薇は呼吸するから。
 語り掛け続けるのだよ、意味のないことかもしれないがな。

フリーズフォルト:カスケは、人間で言うところの、仮死状態に近いのです。
 生きてはいます。それだけです。
 語りかけてもたぶん、聞こえはしないでしょう。

フェンネル:そうかな、フォルト。
 貴女は人間というものを、やはりよくは知らないようだ。
 人間はな、弱い。しかし、強いと思う。奇跡を起こす存在だ。
 無駄なことかもしれないが、花に水をやるように、語り掛けるのも、悪くはないだろう。

フリーズフォルト:そうですね。語りかけるのは無意味ではないかも知れません。
 でも、それより先にメルリースが動き出すのではなくて?

フェンネル:カスケはどうしたら元に戻る?ルナならできるのか?

フリーズフォルト:ルナ…のことは、私には遠すぎる属性で、わからないことが多すぎます。
 カスケは少し、やりすぎました。
 エティックの記憶が戻った時点で、空間を作り続けるのをやめるべきでした。
 だから、あの子にまで影響が…。ぁ(口を押さえた)

フェンネル:あの子…?

フリーズフォルト:(あわあわ、おろおろ)
 (なにも言わなかったですのよ、な顔)

フェンネル:フォルト、話してくれ。

フリーズフォルト:…いえ、その、約束です、から…。
 厳密には私が受けた約束ではないですけれど…。

フェンネル:落ち着いて。誰もあなたを責めはしない。

フリーズフォルト:では、内緒で…あの子自身に、絶対に内緒でお願いします。

フェンネル:(頷く)

フリーズフォルト:魔術師ギルド長「リーリア・フロース」は、今、カスケと同じように、仮死の眠りについています。

フェンネル:リーリア嬢が??

フリーズフォルト:しかし、あの子も肉体は人間です。仮死の眠りは長く持たないでしょう。
 そう遠くない未来、あの子は死にます。
 …カスケとともにありたい、あの子はそう願いました。ただ、そう願いました。
 だから、あの子はカスケが死ねば自分も死ぬように、自らを繋いだのです。
 カスケの死を知らず、自分だけが生き延びないように。

フェンネル:なんとなく、察しはつくが。一心同体というわけだったのか?

フリーズフォルト:一心同体ではありません。
 リーリアが、あの子が勝手にやったこと。
 勝手に、自分に呪いをかけたようなもの。
 カスケは苦笑いで見逃していました。
 …エティックを守っている間、すっかり忘れていたのでしょうね。
 自分の影響が、自分の力を与えた他者にも及ぶと…。

フェンネル:(話を聞いて、何やら考え)
 フォルト、言いづらいことを言わせてしまった。すまなかったな。

フリーズフォルト:(ものすごく頑張って黙っている。まだ何か隠しているらしい。嘘がつけない貴婦人)

フェンネル:(見抜きたいです)

GM:敵意感知で致命的失敗さえしなければ見抜けます。

フェンネル:あなたは、フォルト……。あなたは誇り高い狼の貴婦人。
 しかし、あなたの心の負い目が、あなたを弱くしてはいないだろうか?
 背負いきれないのなら、誰かとともに背負おうと、それが余では、心無いかもしれないが。

フリーズフォルト:私が弱いのは、私自身が…よく知っております…。

フェンネル:1D100<=75 敵意感知
Cthulhu : (1D100<=75) → 91 → 失敗

フリーズフォルト:「ものすごく頑張って黙っている。まだ何か隠しているらしい」はわかりました。

フェンネル:あなたの弱さは、何度でも言うが、あなたの強さだと思う。
 ただ、抱え込むことは、それは……そう。ひどくつらく、また、信じていない、ということだと、余は思う。
 何かあるなら話してくれ。責任はすべて、余がともに。

フリーズフォルト:……(ぎゅっと目を閉じて観念した)
 なら、約束してください。イアには、イアには言わないで!!お願いです!!

フェンネル:あ…。(なんとなく察した)
 カスケの領域で、カスケがグラツィアに謝罪したことがあったな。

フリーズフォルト:その…。影響がないはずないのです…。ヘリオスに…。
 でも、ヘリオスは…その…。少し前まで、「ソニア」に支えられていたので…。
 それを、マユラに返してしまった。渡してしまった。
 ……たぶん、そろそろ彼も、なにか…。

フェンネル:ああ……。(思い至った)
 いつまで、もつと思う?

フリーズフォルト:わかりません。彼はカスケの加護が強い存在。弱い私にはほとんど見抜けません。
 少なくとも、義眼と義手に影響は出ていると想像します。
 どこまでもつかは……本当にわかりません……。

フェンネル:ならば急ごう…。
 ああ、想いだけでは、どうにもならないのだな。余は無力だ。
 しかし、誰よりも強く願おう。

フリーズフォルト:こ、これ以上はお話ししません!
 私、なんだかいっぱいぼろが出てしまいます!
 戻りましょうっ!(ぱたぱたぱた、とドレスをつまんで扉の外へ)

フェンネル:いいや、言わせづらいことを言わせてしまった。貴婦人に対して失礼であったな。感謝する、フォルト。

フリーズフォルト:(振り返って少しだけ微笑んだ)

GM:幕間終了です。お疲れ様でした!






ネロ:(上記とほぼ同時刻)
 エルー。ちょっとこっちこっちー。(ねこのひたいへ)

エルヴィカ:なあに?

ネロ:(扉ばたん)ねえ、エル。
 メルを探してくれるんだよね?

エルヴィカ:もちろん!

ネロ:(にぱー!)じゃあね、じゃあね、とっておきのおもちゃを、エルにあげる!

エルヴィカ:とっておき!何かしら。(わくわく)

ネロ:これ!(カードの束が入った箱を渡す)
 あ、見た目よりいっぱい入ってるから、出すとき気をつけてね。

エルヴィカ:(全開ではなくちょっと覗いてみます)

GM:いっぱい、トランプのカードのようなものがつまっています。大きさもトランプくらい。
 真っ白のもの、色のついたもの、いろいろです。(カード裏は幾何学模様&黒猫のマーク)

ネロ:これはね、ボクが暇つぶしに、めいっぱいの魔力をこめてつくったカードだよ。

エルヴィカ:カードの絵柄もネコさんね。素敵。

ネロ:でしょ、でしょ!(≧▽≦)

ネロ:これは、素敵なゲーム。
 運が良ければ、エルのすっごい力になる。
 失敗すればくたびれもうけ!
 ボクはヒントはあげなーい。一生懸命これで遊んでね?

エルヴィカ:ゲーム?どうやって遊ぶの?

ネロ:説明書を引っ張り出せばいいよー。

エルヴィカ:あ、説明書あるのね。(探します)

GM:説明書が出てきました。

GM:< 呪符魔術のご使用にあたって・・・ >

 呪符魔術とは、術者が念を込めることによって、魔法の力を持ったカードを作り出す術です。「符術」と略されることもあります。

 呪符魔術は、大きく22種類に分けられます。呪符魔術をカードに書き込むことによって、カードは初めて魔法の力を得ます。
 安定した落ち着いた場で、じっくりと時間をかけて「書き込み」を行ってください。
 戦闘中・歩行中などに片手間で出来るものではありませんのでご注意下さい。

 呪符魔術は、発動時ではなく、カードを書き込む際にMPを消費します。
 書き込みに失敗しても、MPは消費されますが、カードが失われることはありません。

エルヴィカ:ふむふむ。

GM: 一度念を送り、書き込みに成功したカードは、使用時に100%発動します。
 また、あえて術者がそうしない限り、ディレイアクションではなく通常ターンで効果を発動させることが出来ます。
 カードは投げつけて発動させることも出来るので、呪符魔術は元来「遠隔」の作用を含んでいます。

 一度「書き込み」を行ったカードを白紙に戻すことは出来ません。
 また、「書き込み」を終えたカードは、書き込んだ術者にしか触れることが出来ません。
 もし、術者以外の何者かがあやまって魔術カードに触れてしまった場合、カードは黒く変色し、効果が消滅してしまいます。

 カードは、一般的な効果をもたらす純白カード(300枚)の他に、カードそのものに六元素の力を秘めた「元素カード」(6種類各50枚)があります。

 「元素カード」の使い方は純白カードと同じで、そのままでは意味はなく、符術を書き込むことによって効果を発します。

 ただし、「元素カード」には、それぞれ符術との相性があります。
 純白カードより弱い(使いづらい)効能をもたらす場合もあれば、まったく相性が合わなかった場合、元素カードそのものが崩れ落ちてしまいます。

 符術ひとつが有する元素相性は3つ。
 「元素カード」は6種類。
 カード紛失の可能性は1/2です。
 しかし、術者たるあなたが幸運なれば、恐るべき効果を秘めた最高のカードと出会うことも不可能ではありません。

 呪符魔術を使用できるのは、世界広しと言えど、”気まぐれな黒き王”に認められた、あなたただ一人なのです。

 使い方によれば、最強の魔法にもなりうる「呪符魔術」。

 さあ、道なき道を行く永遠の旅人よ。
 無限の未来をカードに込めて、心赴くまま、求めるものを追いかけて下さい。

GM:エルヴィカは 呪符魔術 1% を手に入れた!!

ネロ:どう?楽しい??

GM:魔法一覧はこちらです。
https://www65.atwiki.jp/trpgmerulys/pages/107.html

エルヴィカ:これは……ものすごくやりがいがありそうね!

ネロ:へっへー!!
 属性コンプ頑張ってねー!あ、もちろんだけど、カードの追加はないからね?
 こんなのもう作れない!(*^▽^*)

エルヴィカ:この一組作っただけでもすごいわ!
 ネロはやっぱり天才ね!

ネロ:わーいわーい!すごいんだぞー!
 きゃっきゃっ♪

エルヴィカ:すごいすごい!(ムギュ—してなでなでー!)

ネロ:もっともっとしてー!(≧▽≦)
 (子猫にぽん)(たわわ隙間にイン)むふー。

エルヴィカ:こうかしら!(耳の横指でなでなでー)

ネロ:ん~~~~~~~(至福)

GM:というところで幕間終了です(笑)

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最終更新:2018年04月04日 10:43