はじめての外泊-new

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はじめての外泊-new - (2010/04/11 (日) 00:39:29) のソース

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「[[はじめての外泊-4]]」つづき――2010-04-11 更新
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――(31)――
――――――――――――――――
     ふたりの位置
  ┏━┳━━━┳━━━┓
玄関┃ ┃       ┃
  ┣━┻┳━━╋━━━┫
  ┃  ┃  ┃ 眞比┃
  ┗━━┻━━┻━━━┛
――――――――――――――――
 窓から秋を思わせる涼しい風が入ってきた。笹の葉で作った二艘(そう)の小船をとんと押し
て、水面よりとび出た草葉に引っかかってたのをようやくほどいた。そして、揃って下っていく。
 ばかみたい、と言われた眞一郎は、いつものように苦笑いした。この言葉にはあまりいい思い
出が結びついていないのだ。でも、それは今日で最後だと思った。眞一郎の顔がすぐに真顔にな
って比呂美を見つめる。眞一郎の立ち直りがあまりにも早かったというか、半分冗談のつもりで
抗議した言葉が眞一郎によって横に置かれてしまったことに、比呂美はどう反応していたらいい
のか分からなかった。はっきりしていることは、眞一郎はもうその気になっているということ。
それなら……と思い、比呂美はキスを求めようと目を閉じかけた。眞一郎も比呂美に近寄ってく
る。でも、眞一郎のこの接し方は、キスするつもりではないらしい。右手を比呂美の後ろ髪の中
に入れて頭部を支え、左腕を比呂美の腰にしっかりと巻きつけた。そして、比呂美の体をゆっく
りと寝かした。まるで陶器の人形を箱に仕舞うような感じだった。比呂美の頭が枕につく前に、
眞一郎は比呂美の後ろ髪をかき上げて、比呂美の背中の下で挟まれないようにした。比呂美は自
分の肩先の畳の上から聞こえるぱさぱさという音にこそばゆくなった。こういうシチュエーショ
ンでないと聞けない音だろうなと思う。このあと、眞一郎はキスをしてくれるはずだ。たぶん、
それが、その先への合図になるはずだ。目を閉じて、比呂美は待ち構えた。
 でも、眞一郎の体が遠ざかる気配に比呂美は目を開けた。比呂美の目に飛び込んできたのは、
自分の脚の内側に手を入れようとする眞一郎の姿だった。膝の裏側を持ち上げられる感触に、比
呂美は反射的に両手で自分の性器を隠した。少し意表をつかれた感じだった。それでも眞一郎は
まったく構わない素振りで、比呂美の太ももを垂直に立てたところで、それぞれ外側へぐっと押
し広げ、さらに前に押した。
「ゃ……」両脚をMの字にされた比呂美は思わず声を漏らしてしまう。それにはっとなった眞一
郎は比呂美の顔を見て、何かに気づいたように口を半開きにした。どうしても頭の中をよぎって
しまったのは、この土壇場になって比呂美の気が変わり、生のペニスを受け入れるのを拒否しだ
したのではないか、ということだった。でも、そういう懸念ははっきりいって間抜けすぎるし、
比呂美に対して失礼のような気もした。コンドームなしで交わることを比呂美は十分に考え、慎
重に眞一郎に求めてきたのだ。比呂美の覚悟ははじめから決まっている。だから、比呂美の気が
変わるなどと考えることは、比呂美のことを信じきっていない証拠だといえる。そのことに気づ
いた眞一郎は、比呂美の顔をまっすぐに見れず、視線を落とした。二の腕に挟まれ、お互いに寄
せられた比呂美の二つの乳房。さらに下のほうに目をやると、秘部を隠す比呂美の両手。比呂美
の心と体のすべてが、眞一郎を待っている。いまの比呂美の姿は、眞一郎にはそうとしか映らな
い。なのに、眞一郎はほんの一瞬だけ気持ちが揺らいでしまった。
 これ以上、比呂美を待たせてはいけない。待たせた分だけ、比呂美を信じていないことになる。
そう自分に言い聞かせた眞一郎は、もう一度比呂美の顔を見て、いくよ、と無言の合図を送る。
比呂美はまばたきだけしてそれに答えた。
 比呂美の右手を包み込むように優しくつかむ。そこで、眞一郎は「ごめん……」とつぶやいた。
何を謝っているのだろう。そう訊き返す寸前で比呂美は声を押し堪えた。いま、その質問をしな
いほうがいいような気がしたのだ。それに、あとになってからも、それはしないほうがいいよう
に思えた。眞一郎が自分ひとりで心の中でケリをつけたことなのだろう。どうしても比呂美に対
して謝らずにいられなかったことなのだろう。ともかく、眞一郎は先へ進みはじめている。比呂
美も眞一郎のすべてを信じるしかなかった。
 右手、そして左手という順番で、比呂美の両手はゆっくりと引き剥がされた。比呂美はその手
をどこに落ち着けたらいいものかと考えたすえ、とりあえず、自分の乳房のしたあたりに軽く握
りこぶしを作って留めた。そうこうしているうちに、眞一郎がいまの姿勢からさらに腰を落とし、
自分のペニスを近づけてくる。比呂美はそっちのほうには目をやらないようにして、ゆったりと
深く息をした。
 眞一郎は、自分の性器と比呂美の性器が縦に並んでいるのを真上から見下ろしている。その光
景に、何かが決定的に足りないような気がしてならなかった。コンドームひとつがセックスをす
る上でどれだけ安心感を与えていたことにあらためて思い知ったのだ。
 このまま、挿(い)れるつもりなのか……とどこからともなく声がする。肉体が主(あるじ)
の意思に抵抗しているような感覚に眞一郎は見舞われた。でも、眞一郎は心の中で大声で言い返
してやった。
(おれと、比呂美の、ふたりで決めたことなんだ!
 おれは比呂美を信じている。比呂美もおれを信じている。
 だから、おれは比呂美とつながりたい。比呂美もおれとつながりたがっている。
 これは、男と女の、とても自然なことなんだ……)
 ざわめきがぴたりと止んだ――。ただ黙ってしまっただけではなかった。眞一郎の熱弁に目を
覚まされ、眞一郎の意思を後押ししようとする空気を漂わせた。比呂美のことを幼いころから知
っている眞一郎は、心の片隅で、セックスをするたびに『比呂美を傷つけている。比呂美を汚し
ている』と思っていた。でも、比呂美はそうは感じていなかった。セックスをするたびにお互い
の信頼感が深まっていくことにこの上ない喜びと安らぎを感じていたのだった。眞一郎はようや
くそれに気づき、比呂美に対する優しさから生まれていた『迷い』を拭い去ることができたのだ。
(比呂美を待たせてはいけない)と噛み締めるように眞一郎はつぶやいた。
 いつの間にか、全身が軽くなったような気がした。手も足も思い通りに動かせる。それを確認
した眞一郎は、比呂美の秘部を見定めた。二つの花びら、小唇陰は合わさっていて、その奥を窺
うことはできない。それでも構うものかと、眞一郎は腰を進め、ペニスの先・亀頭の部分をその
花びらに咥えさせた。この段階では比呂美からの締め付けはない。ペニスをぎゅっと握っていな
いと花びらの外に飛び出てしまう。すぐに、膣口を探る。比呂美の体のことはもうだいだいわか
っているので、亀頭を膣内に簡単に落とし込めた。このとき、比呂美が一瞬体を振るわせた。
 ペニスが比呂美の膣にひっかかったところで、眞一郎は比呂美の胴体の両脇に両手をついて、
さらに腰を進ませた。比呂美の膣内は十分に性液で濡れていたので、ペニスを簡単に奥まで進ま
せていけそうに思えたが、すぐに支えてしまった。ペニスはまだ三分の一くらいしか入っていな
い。数回細かく出し入れをしてみたが、複雑な形状をした膣の内壁がペニスを皮を押し戻すだけ
だった。コンドームを着けていたせいで、いままで滑りがよかったのだろうか。でも今さら着け
るわけにはいかない。たぶん挿入の角度が悪いのだろうと眞一郎は思い、ペニスが抜けないよう
に注意しながら比呂美の体に覆いかぶさって、少し斜め下方向に突いてみた。比呂美は眞一郎の
背中に腕を回し、わずかに心配そうな顔をした。比呂美に笑顔で答えて、眞一郎は強めに突いた。
くちゅ、という音を立ててペニスが奥へ滑り込んでいく。
「ぁあ……」と思わず喘いでしまった比呂美は、すぐに「ごめん……」付け足した。律儀に眞一
郎からのお願いを守ろうとしている。
 ペニスが三分の二くらい入ったところからは、しっかりと押し込むようにしないと奥へ進んで
いかなかった。比呂美の膣のほうも充血して普段より膣内が狭くなっているようだった。でも、
比呂美は痛がったようすは全く見せなかった。眞一郎は、足先と膝頭でしっかりと踏ん張り、比
呂美の肩に手をかけて、比呂美の奥を目指した。比呂美の息が次第に荒くなってくる。声を我慢
している分、余計に荒くなっているのかもしれない。それでも眞一郎は構わずペニスを進め、と
りあえず、その丈の全てを比呂美の中に捧げるまでに至った。
 
 つづく……
 
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