第4話『ショッキング・ショッピング』

194 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 00:56:11.40 ID:dhDOkWTo0
第4話   ショッキング・ショッピング (前編)


「さってと、折角だしゆーちゃんの買い物手伝ってあげる」
「え、ほんと!?」
「お姉さんに任せなさいって」
「…ゆう坊、ちょっと耳貸せ」
「?」
「ボソッ…(あまり信用するなよ)」
「なんで?」
「なーにこそこそと話をしてんのよ」
「なんでもねーよ!」
「???」
「まぁ、覚えておくだけでいい。何かあったらすぐ連絡しろよ?」
「う、うん?」
「んじゃま、街に行くわよ!二人とも!!」
「…は?お前等だけで行くんじゃないのか?」
「何言ってんのよ!?あんたは【荷・物・持・ち】に決まってんでしょ!」


195 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 00:56:33.84 ID:dhDOkWTo0
「なんでそんなことしなきゃならんのだ?」
「ふーん、じゃゆーちゃんと二人きりでも良い訳ね?(キラーン)>目が光る音」
「…(なんか知らんが、奴の目は本気だ)」
「あ~、返事が無いって事は『ナニ』をしたって良い訳ね?なにしよっかなぁ~♪」
チラチラとこちらの様子を伺いつつ、脅しをかけてくる。遊馬は既に恐怖(?)に身を竦ませている…
つーか、仮にも女が「ナニ」とか言うな、「ナニ」とか…
「はぁ…仕方ねぇ。ゆー坊の為だ、荷物持ちくらいしてやるよ」
「ごめんね?ヒロにぃ…」
上目遣いで謝るゆう坊を直視出来ず、そっぽを向いてしまう。
「ふーん、ヒロってそういうのが好み?」
「ち、違うわぁ!!」
「ん?」
可愛らしく小首を傾げるゆう坊。
分かっているのか無いのか、そういう風な態度を取らないでくれー!!
…なんかもう疲れてきた。




196 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 00:57:26.84 ID:dhDOkWTo0
「んじゃぁ、買い物に行くにあたって…服のサイズとか確認しないとね」
「サイズ?えぇっと…SとかMとかじゃ駄目?」
「いや、良いんだけど…ブラとかね?あの辺は測って行ったほうが良いと思うよ?」
「ふーん、そんなもんなんかね?」
「浩之は黙ってらっしゃい!!」
「はいはい」
「それじゃ、買い物へレッツ・ゴー!」
あのテンションを維持できるってすごいなぁ・・・と密かに思う。

近くのお店までなら歩いても行けるけど、今日は折角だからという事でちょっと遠出する事になった。
バスに揺られる事30分。近隣で一番大きな街までやってきた。
「んー、30分でも以外に遠く感じるわ」
「まぁな」
「さてっと、何から買いに行きましょうかねぇ~」
「ゆー坊、何からが良い?」
「んーと…とりあえず下着…かな?」
下着とか…言っただけで顔が赤くなるのが分かる。
「そっか。じゃあ…あそこかな?」
そう言うとスタスタと先に行く裕美さんに慌ててついて行く。
ついた先は…
「…これまた期待通りの店だな」
「ヒロは外で待ってなさいよっ!」
「俺だって流石にそこまでは行かん!」
「ごめんね?ヒロにぃ」
「おう、俺は近くの店でなんか見て回ってるわ」
「時間決めとこっか。今が…11時だから、1時間後にここで待ち合わせ。いい?」
「了解」
「んじゃ解散!」



197 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 00:58:31.79 ID:dhDOkWTo0
「さて、ショップに来たのは良いけど…ゆーちゃん?なぁ~んで顔が真っ赤なのかなぁ?(ニヤニヤ」
「…うぅ~」
まともに顔を上げていられないよぉ。見なれない下着が沢山あるし、なんだか恥ずかしい…
「そんなに照れなくても良いじゃんか~」
裕美さんは楽しそうにケラケラと笑ってるけど、ボクはそんな余裕なんて無い。
でも、このままでは埒があかないし…
「んもー、しょうがないなぁ。あ、店員さーんちょっといい?」
「ひ、裕美さん!?ちょ、ちょっとまって!心の準備が…」
「腹をくくりたまえよ、少年。うしし」
「はいはい、なんでしょーか?」
いかにも手馴れた店員が現れて、裕美さんが話しかけている。
「この子に合いそうなやつ適当に見繕ってくれない?」
「んー…でしたらこの辺りがよろしいかと思いますが?」
それはいかにも少女が身に付けていそうな純白の下着だった…
「んー、もうちょっと大人っぽくても良いような…」
「それも良いですけど…個人的にはこの方がグッとくるものがありません?」
「あー…確かに。変に大人ぶるよりはこの方が…」
店員さーん?なんか論点がずれてませんかー?
「ではサイズの方はいかがなさいますか?」
「あ、そうだ。この子なんだけど女体化しちゃったからサイズ分かんないのよ。計ってもらえる?」
「はいはい、それじゃあ測定しますのでこちらに来て頂けますか?」
「は、はい」
近くの試着用の個室に入り、測定してもらう。結果についてはよく分からないので後で裕美さんに詳しく聞いておこう。



198 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 00:59:28.59 ID:dhDOkWTo0
「では、こちらの方で問題ないかと思いますが」
「どもども。ゆーちゃん、あとなんか欲しいものある?」
「…わかんない」
「ですよねー。じゃお姉さんに任せなさいな」
そういうと裕美さんは辺りを物色し、気になった物をチョイスしていく。
「あ、口出しはOKだから、気に食わない物あったら言ってね?」
「もー裕美さんにお任せします…」


時間も約束の時間を余裕で過ぎていた。
「んー…買った買ったぁ~。これで当面は大丈夫…かな?」
「当面って…どのくらいなんですか?」
「もちろん!2~3ヶ月!!」
「えぇ~!?そ、そんなに早いんだ…」
「そりゃそうよ、女の子はいつだって綺麗でいたいんだぞっっっっっっっっ!!」
「某ゲームの某お姉ちゃんのような語尾はやめようよ、危ないから…いろんな意味で」
そんな会話をしながら、ヒロにぃの待つ喫茶店へ向かった。
なぜ喫茶店かと言うと、余りにも遅すぎて心配になったヒロにぃが連絡してきて、場所の変更を決めたんだけど…


199 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 01:02:43.12 ID:dhDOkWTo0
「…で?なぁんでよりにもよってこの店にくんのよっ!!」
「んー?別にいいじゃんか。近いし、居心地いいしな」
「ふ、二人とも落ち着いて!?」
「…はぁ、今更何言っても変わらない…か」
溜息をつきながら裕美さんは椅子に座った。
「マスター、コーヒー二つよろしく」
「はいよ」
お店は時間帯が合わないのか、お客はボク達3人だけ。
カウンターに陣取り、今日の成果を話している裕美さん。
それを右から左へ聞き流しながらコーヒーを飲んでいるヒロにぃ。
「…で、博美。その可愛らしいお嬢さんはどなた?」
「あぁ、伯父さんにはまだ言ってなかったっけ。これ、悠馬よ」
「…は?」
「だからぁ~、女体化したのよ」
「…おぉ!?そうかそうか。随分変わったから判らなかったよ、ハッハッハッハッハッ」
そう、このお店のマスターは裕美さんの伯父さんのお店で、こっちに出てきたときの締めは大体このお店になる。
「笑い事じゃないんだけどな…」
「すまんすまん。お詫びに今日は私のおごりにしておくよ」
「ありがとうございます」
「裕美はもちろん金払えよ」
「ガーン!」



200 :ゾンビ ◆yQMcmEpmw6 :2008/03/18(火) 01:03:19.57 ID:dhDOkWTo0
そんなこんなで帰宅することになった。
「さて、あたしはここいらで帰るわ」
「そっか、気をつけて帰れよ~」
「今日はありがとうねぇ~」
裕美さんは手を振りながら慌しく走っていった。
「…ありゃあ、絶対転ぶぞ」
「そんな気がする…」
裕美さんの無事を祈りながら家に帰り、今日購入した服・下着類をクローゼットの中に仕舞った。






次回  これって兄弟!?   第5話    新しい自分


朝起きて、咥えるパンと一騒動。昨日の喧嘩はもう忘れたかな?
まだ不機嫌な顔をしてたら抓ってやろう!
コーヒー飲む間に作戦はバッチリ~。
(以下略

「という感じだろうな」
「?」
「なぁ~んかやな予感するわ」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年08月02日 12:13
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。