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このページをつくり始めたときに、「かなり個人的な趣味で紹介していくことを、最初にお断りしておきます。」と
断り書きを入れたのですが、時を経て、まさに状況はそれ以上になってきました。エストニアで制作される映画の数も増え、とても全部を観ることはできません。また、販売されているすべてのDVDを購入することもできなくなりました(以前は、それが可能な数しか店頭で販売されていませんでした)。というわけで、ますます個人的な趣味になりつつあることをお許しください(2015/3/13)。

  • 2015年に公開された映画「1944」は、興行成績の記録を次々と更新し、エストニア映画史上、最大のヒット作となっているようです。この映画は、「大理石に書かれた名前(邦題:バルト大攻防戦)」の監督であるエルモ・ニュガネンの作品です。タイトルどおり、1944年の戦争を描いています。
作品では、エストニアの戦争史上、最も苛烈な戦いであったシニマエの戦いと、その後、ソ連軍がタリンからさらに西へ進んでいって戦う様を描いています。知り合いの歴史家が、「この映画は両者の立場を描いている」というので、どのような描き方をしているのか、興味深く思っていました。確かに、ドイツ側とソ連側のそれぞれに加わったエストニア人が描かれてはいます。ただそれが、両者の立場といえるかは、私には今のところ判断がつきません。
名優マルムステンが、エストニア自治政府の役人を演じて、「長年の研究の結果、エストニア人はアーリア人種であることが証明された」と誇らしげに発表し、エストニア人兵士がしらけているシーンが印象的です。

  • 日本で公開された映画としては、
「眠らぬ夜」や「うんざり!」があるようですが、いずれもEUフィルムデーズでの公開で、劇場公開ではありません。
「眠らぬ夜」の原題は"Täna öösel me ei mäga"(直訳すれば「今夜は眠らない」:イルマル・タスカ監督)、主演はモデルのCarmen Kass。ロマンティック・サスペンスに分類できる作品です。

DVD(日本語字幕つき)で購入できるものとして、
バルト大攻防戦("Nimed Marmortahvlil"]があります。・・・がこの邦題どうにかならないでしょうか。「大攻防戦」を期待される方むきの映画でないことは確かです。

以下は、英語等の字幕のみで日本語字幕ではありません。

"Malev"はつぎのサイトで有料ですが、見ることが可能です(ただし字幕はありません)。etvpluss*13世紀のエストニアを舞台とした歴史パロディです。なぜか日本人が出演しています。

"Viimne Reliikvia"(「最後の聖遺物」:グリゴリィ・クロマロフ監督)はエストニア映画の古典。レンナルト・メリ元大統領も編集に参加しています。1970年に初上映。ソ連全国で4,500万人の観客を動員した(らしい)。内容は、貴族や聖職者に対して、農民を中心とする自由の希求者たちが最後に勝利するという勧善懲悪物で、ストーリーは単純。それよりも、この映画の台詞がいまだにエストニアのいろいろな場面で使われるのが面白い。近いところでは、2003年の選挙の際に、中央党のCMで「我々の遺物は自由だ!」というシーンが使われていた。

"Meeletu"(「正気の沙汰じゃない」と訳しておきます。英語は"Mindless":エルモ・ニュカネン監督)は同名の舞台を映画化(2006年)。主役のRain SimmulはLinnateaterの実力派俳優で、"Karu Süda"(2001)でも主役を演じている。ストーリーは、商売に成功したビジネスマンがそれまでの生活を捨てて、人里はなれた村での生活をはじめ、村人たちから「天の声を告げる人」として持ち上げられるが、一方、かつてのビジネスパートナーにすべての権利を譲り、また妻とは離婚。村人たちも実は彼のお金に関心があっただけ、という展開。村人たちの表情や振る舞いが、エストニア人の特徴を大げさ(リアル?)に表現しています。

"Georgica"(Sulev Keedus監督。1998年)。第二次世界大戦中の島を舞台に、ポリグロットの老人(Jakub)とトラウマにより口の利けなくなった少年(Maecenas)の生活を描く。Jakubはかつてアフリカで宣教師をした経験があり、ヴェルギリウスの「Georgica」をラテン語からスワヒリ語に訳している。物語の最後にJakubuは塔から落ちて死亡するが、Maecenasは再び話せるようになり、ひとり島を出る。同じKeedus監督の作品で"Somnanbuul"(2003)も同じ時期の島を舞台にした作品。Keedus監督自身はドキュメンタリー作品を多く撮っている。第二次世界大戦中という時代設定がこの映画にとってどの程度重要を持つのか、また作品理解のために、エストニアの歴史を知っていることが必要なのか、判断がつかなかったが、ある批評家が、映画の中で出てくるロシア語(JakubuやMaecenasはエストニア語を普段は話す)がたとえ中国語やその他のことばであっても、本質は変わらないと述べています。

"Sügisball"(Veiko Õunpuu監督)。エストニアの首都タリンの住宅地ラスナマエを舞台に、6組の住人の「愛」を描いた作品。2007年のヴェネチア映画際でオリゾンティ部門賞を獲得したため、エストニアでは2007年秋現在話題になっている。映画評論家はエストニア映画のブレイク・スルーと評するが・・・。ラスナマエは、ソ連時代に移住してきたロシア語系住民を主に住民とする住宅地で優遇された人々が住んでいたが、1991年の独立後、むしろ「差別」される状況にある。

"Detsembrikuumus"(Asko Kase監督、2008年)。1924年12月1日の共産主義者によるクーデタ未遂を題材にしたアクション・ドラマ。他の作品にも同様の印象を持つが、なぜかエストニアの映画は、歴史物であってもミクロの視点で描かれ、背景となる全体の話はほとんど出てこない。また、クーデタの首謀者の中心人物であるMalmstenとヒロインのKoiksonとのやりとりは、本当に必要?フォーカスがわかりにくい作品。

ドキュメンタリー映画として、
"Singing Revolution"(2006年)。1980年代後半から独立回復までを歌とともにたどるドキュメンタリー。1940-45年の出来事についても当時の映像等を用いて描き出す。「歌う革命」の神話化?
最終更新:2015年03月15日 00:16