MELTY BLOOD

『MELTY BLOOD』(メルティブラッド)は、2002年12月に開催されたコミックマーケットに出展された、同人サークル「TYPE-MOON」と「渡辺製作所」が共同制作した対戦型格闘ゲーム+ビジュアルノベル。通称『メルブラ』。なお、製作者である渡辺製作所のなりたのぶやは、アーケードで人気の2D格闘ゲーム『GUILTY GEARシリーズ』の略称『ギルティ』になぞらえてか、『メルティ』という略称を好んでいる。
2000年冬に発表され、パソコンゲーム界に衝撃を与えた『月姫』の続編(もしくは外伝)で、後にその続編がエコールソフトウェアの手によってアーケードゲームとして登場し、さらにPS2に移植されたことで話題を呼んだ(PS2版『Act Cadenza』は、TYPE-MOON作品として初めて家庭用ゲーム機に移植されたタイトルでもある)。
『月刊コンプエース』(角川書店)で桐嶋たけるによる漫画化作品が連載されている。現在はドラマCDを原作とし路地裏同盟を主人公とした「MELTY BLOOD X」が連載中。
概要
対戦バランスの進化
対戦格闘ゲームとしてのバランスは、初版リリース当初は非常に悪く、即死コンボ(相手を問わず必ず勝てる技の組み合わせ)が早々に発見された他、ワラキアの夜が無敵に近い(リリース当初は、投げ→「ナイト オン ザ ブラッドライアー」(いわゆる超必殺技)が即死コンボとなっていた)反面翡翠が使い物にならないほど弱いなど、対戦ツールとしては勧められるものではなかったが、パッチファイルの追加を重ねることで段々と安定化し、2005年7月、最終調整版である『MELTY BLOOD Re・ACT FinalTuned』の配布によって充分に対戦ツールとして機能するまでに至った。
声優のキャスティング
現在活動中のプロの声優を起用している。『MELTY BLOOD Re・ACT』と『MELTY BLOOD Act Cadenza』(Windows、PS2版)ではフルボイス(登場キャラクターの会話全てに声が当てられている)、『MELTY BLOOD Act Cadenza』(アーケード版)では技のセリフのみに声が当てられている。『アーネンエルベの一日』『Carnival Phantasm』に登場する月姫キャラクターは『真月譚月姫』ではなく本作のキャスティングが起用されている。
Re・ACT(リ アクト)
2004年5月に発表された追加ディスク『MELTY BLOOD Re・ACT』では、『MELTY BLOOD』の後日談的なストーリーがフルボイスで展開されるアーケードモードが追加された(全ステージにて対戦前の会話デモが存在)。
Act Cadenza(アクト カデンツァ)
2005年3月にはエコールソフトウェアにより、『Re・ACT』に新キャラクターを加え、各種バランスを調整したアーケード移植版『MELTY BLOOD Act Cadenza』が稼動を開始した。リリース時期に他のアーケード格闘の新規稼動作品がなく、加えて稼動前よりPC版からの数多くの固定客がついていたことによって記録的ヒットを飛ばし、低迷気味であったビデオゲーム業界に追い風を巻き起こした。2005年8月には、セガ公式の全国大会が開催されるほどの盛り上がりを見せた。また、対戦格闘ゲーム大会「闘劇'06」の競技種目の一つにも選ばれた。
2005年8月5日には不具合やキャラクターの性能を修正したVer.Aが、2006年12月にはPS2版に導入されていた家庭用オリジナルモードをベースにしたVer.Bが、2007年3月にはVer.B修正版(Ver.B2)が稼動を開始。このVer.B修正版も「闘劇'07」の競技種目に選ばれた。
PS2移植版Act Cadenza
2006年8月10日、エコールソフトウェアにより『MELTY BLOOD Act Cadenza』のPS2移植版が発売。ゲーム画面のオプションで、アーケード版のVer.Aを忠実に再現したモードと、PS2版用に再調整されたモード(前述のVer.Bの基となったモード。これは内部的にVer.Bとも呼ばれている)の2種類が選択できるようになっている。同人ソフトを源流としたゲームが家庭用ゲームに進出するという発表は『ひぐらしのなく頃に』に次ぎ、実際に発売開始した作品としては同年7月に発売された女性向けの『花帰葬』に次ぎ、史上2例目。
PS2版にはオマケボイスが収録されており、ネコアルクの声優の選択や、『月姫』・『歌月十夜』での名言を実際に空耳の台詞で言っているボイスなどがある。
Windows移植版Act Cadenza Ver.B
2007年7月27日、エコールソフトウェアにより『MELTY BLOOD Act Cadenza』のVer.B修正版のWindows移植版である『MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B』が発売。なお、オマケ要素的意味で、二人一組のチームで闘うタッグバトル、チームバトルの要素が追加された(この2つのモードでは翡翠&琥珀は使用不可。また、チームバトルは人間による4人対戦が可能。チーム名は選択したキャラクターにより自動的に決定される)。
Actress Again(アクトレス アゲイン)
2007年10月に各ゲーム誌で発表された。新キャラクターの登場に加えて、「戦闘スタイル選択」や「ガードブレイク」など、ゲームシステムにおいても大幅な変更がなされている。2008年9月19日に稼動を開始した。
PS2移植版Actress Again
2009年8月20日、エコールソフトウェアより『MELTY BLOOD Actress Again』のPS2移植版が発売。また同時に初回限定版も発売された。システムでは前作と同じくアーケード版とPS2版モードが選択できるようになり、特定のCPU専用キャラクターが条件を満たすことで使用可能になった。また、ボスキャラクターと戦い続けるボスラッシュモードとBGMの視聴やシナリオの閲覧が可能になるスペシャルモードが実装された他、『空の境界』の主役である両儀式がプレイヤーキャラクターとして登場した。
Actress Again Current Code(- カレント コード)
2010年7月29日、エコールソフトウェアよりPS2版の逆移植アーケード版として『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』が稼働。従来の家庭用タイトルと同じく、デモのセリフにボイスが付いている。2011年5月18日には完全武装シエルが参戦するVer1.05が稼動された。2011年10月14日には真祖アルクェイドが参戦し、リーズバイフェと前バージョンまでストーリーのなかったネコ&メカヒスイ琥珀&メカヒスイの追加シナリオが実装されているVer1.07が稼動された。

↓関係項目
MELTY BLOODの歴史







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最終更新:2012年01月29日 15:11