【刀鬼】

「――命短し 恋せよ少女」「紅き唇褪せぬ間に 熱き血潮の冷えぬ間に」
――――中山晋平『ゴンドラの唄』

≪Do androids dream the electric sheep?≫


「だから、死んで貰います」


名称:実験体076番『沖田総司(Souji Okita)』
年齢:不明
性別:女性
身長:164cm
体重:51.2kg
出身:真島重工生化学部門第27研究所244号室
所属:真島重工総合部門直属機動部隊「无」-07〝黒猫の歔欷〟



概要:
【帝國】の擁する環太平洋域でも屈指の大型重化学工業会社・真島重工によって製造された、「人造人間」または「生体兵器」。
軍事産業方面における新兵器開発の一環として立ち上げられた、「能力者の製造」並びに「兵器としての安定した量産」を主軸とするプロジェクト「ナーヴス・オブ・スティール(鋼鉄の神経)」の第一世代実験型である。
圧倒的な戦闘能力と完璧な任務遂行率、加えて安定した精神状態と真島重工への極めて高い忠誠心から、同プロジェクトの最高傑作として数えられる〝羅刹の剣豪〟。
厳格さと冷酷さで名高い同社の軍事部門さえ〝短時間の対人・人型異常存在任務であれば、あらゆる状況下での最適解である〟と結論付けていることから、同社が彼女に寄せる絶対の信頼が窺えよう。
しかし逆説的に、精神状態が不明確であった製造当時には〝全くのオーパーツであり、我々の手に余る可能性すらある〟という評価も下されており、即時処分さえも検討されたこともあるという。
事実、停滞していた同プロジェクトの成果的ブレイクスルーを目的として製造された経歴を持つ。生誕からして、理想的に遺伝子操作された精子と卵子を複数対用意して体外受精させ、最も優秀な一個体を選択して育成するという徹底したデザイナー・ベイビーなのだから。
その後の経過としては、製造された肉体全てが3歳児程度に成長した段階で、各種の薬品を定期的に投与しつつ、神経系や駆動系を光ファイバーや人工筋肉に置換する強化手術が施行されている。
加えて4年5ヶ月から座学・実学の両面で戦闘に特化した洗脳教育を開始。またこの時点で、以前までは隔離されていた各テストモデルの接触を許可する。
そして製造から8年が経過した時点で、全テストモデルを同一の閉鎖空間に〝監禁〟。
「最終生存者1名を戦闘員として正式採用し、その他は全て処分する」という命令と共に一切の外部接触を断絶し、[編集済]時間の経過観察を行う。
これらのプロセスを経て結果的に誕生したのが実験体076番であり、9歳の彼女に与えられた〝妖刀〟――斬ったものの血を吸い、持ち主に抑え難い殺人衝動を齎す一振り――によって、晴れて真島重工の切り札たる〝沖田総司〟は完成した。
その直後から実戦投入された彼女の戦績は前述の通りであるが、過酷を極めた人体改造は彼女の肉体を致命的なまでに脆弱化させた。
この欠点は8歳時の時点で指摘されていたものであり、彼女の人事評価に〝短時間であれば〟という但し書を加え、彼女の二つ名の所以となった。
灰色の髪を振り乱し、忠誠という大義の元に命じられた悉くを斬り捨てる彼女は、夜闇を駆ける穢れた黒猫に他ならない。



容姿:
剣客にしては小柄に過ぎる、細腕の女性。黒に近い灰色の長髪を三つ編みに結んで、腰ほどまでに垂らしている。
紅く深い瞳は淵の奥底に似て、光を宿すこともなくただ呑み込むのみ。慈悲も憤怒も示さないまま、その白い顔貌だけで一切衆生を平等に斬り伏せる。
腰に差す一振りの太刀は鞘も柄も鍔も悉く黒い。幾人もの返り血を吸って赤黒く沈む和洋の喪服は、斬り殺す者へのせめてもの手向けか、或いは単に彼女を闇へと隠すための隠れ蓑か。



性格:
感情らしき感情を殆ど露わにせず、任務遂行のためならば凡ゆる犠牲を厭わない冷酷さと忠実さのみを持つ。
本質的に殺人を好む点が見受けられるが、敵対象でも作戦目標でもない対象ならば手にかけることは少ない。
安定した精神状態という評価を受けて入るものの、時折人格的に分裂した挙動を見せることがあるが、〝誤差の範囲内〟であるという結論が下されている。

能力概要
「――――深窓の令嬢に、憧れたことはないわ」-【刀鬼】
破壊力-A スピード-A 射程距離-C
持続力-E 精密動作性-A 成長性-D
人の域を遥かに逸した身体能力を誇る、羅刹の剣士
しかしその代償としてその身に抗い難い殺人衝動を宿す
加えて尋常ではない肉体の酷使に身体そのものが追従できず
戦闘ロール中は自身のコンマ一桁が0.4.6.9の際に、血を吐き得るほど重いダメージが身体の内側から発生する
身体能力:人外級。剣客としての腕も立ち、特に抜刀術に長ける
所持品:この能力者の剣技に耐え得るだけの、無銘の太刀一振り


装備品:

  • 『村雨』
彼女の携える太刀。無銘の一振りであり製作者は不明。【帝國】領内の[編集済]県[編集済]市[編集済]群に在住していた[データ削除]氏の蔵から押収されたもの。
刀を構成する物質は極めて一般的であるにも関わらず、不明な原因によって黒い刀身を有する。
非破壊検査により柄に人間の親指と思われる物体が埋め込まれていることが判明しているが、これの正体を探る試みは後述の理由によって失敗している。
発見時、「抜けば玉散る墓標の御影」と記された和紙(放射性年代測定により、5??〜???年前に製造された品であると確認済)が鍔と鞘の間に挟まれていたものの、詳細は不明。
異常に高い耐久性を誇り、人間の域を逸脱した彼女の太刀筋に用いられてなお目釘一つ緩むことがない。
また押収直後の死傷者を含む収容事故によって、所有者に強烈な殺人衝動を与えることが実証済である。各種安定剤を加えた彼女の精神制御を目的として選定され、今日に至るまで彼女の得物として扱われている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年04月02日 03:40
|新しいページ |検索 |ページ一覧 |RSS |@ウィキご利用ガイド |管理者にお問合せ
|ログイン|