メタ認知(Metacognition)
自分自身の認知過程に関する知識、あるいは信念。例えば、「ボクは水泳が得意だ」という自覚のことをさす。
メタ知識の一種でよくあるのが既知感。既知感とは、思い出しそうで思い出せない状態のこと。これに関連して未知感という状態もある。例えば、「桃太郎の住所知ってるか?」と聞かれたら、誰もが知らないと即答しますよね。記憶の中を十分に探索せずに答えてしまうこういった状態を未知感ていうんだって。
メタ認知は記憶領域で広く研究されている。子供は大きくなるにつれて、記憶方略を使い出し、記憶力をあげている。方略というのは何かをするための術のことね。例えば、下のような場合。
①女の人が化粧品売り場にいた。
②ちょーミニ履いた美しいお姉さんが化粧品売り場に立っていた。
①より②のほうが、あきらかに情報が多いのになぜか覚えてしまえる。
それはヒントとなる情報を付け加えて、覚えやすくしているから。こういうのが記憶方略っていうらしいよ。
さて、心理学系の研究者は人が利用しているメタ認知的な知識や技能に関して正確な知識を持つことが重要なんだそうな。だけど、認知過程がどういう過程をへて、記憶を呼び起こすかは行動を起した本人だって定かじゃないことが多いんだ。ただ、高次の行為には認知過程を知れることがある。
例えば、「なぜその車を購入したの?」と聞かれれば、色が良いとか形がかっこいいとか、トヨタだからといろいろと説明ができる。だけど「なぜ車を買ったんだ」と「車を購入したんだ」という言い方があったときになぜ「買ったんだ」と問われたら、多くの人はそんな理由を答えられない。
ということで、メタ認知的な知識を問うアンケートは、高次レベルの過程でないかぎり(たとえ高次でも)、その結果は信用できるかあやしい。そこをちゃんとふまえておく必要があるね。
最終更新:2010年07月01日 10:39