オペラント行動とは、その行動が生じた直後の環境の変化(刺激の出現もしくは消失)に応じて、その後にその行動が生じる頻度が変化する行動をいう。オペラント (operant) とはオペレート(操作する operate)からのスキナーによる造語である(道具的条件つけ、スキナー条件つけともいう)。
レスポンデント行動とは異なり、オペラント行動には通常それを“誘発する”生得的な刺激(無条件誘発刺激)は存在しない。オペラント行動は個体が“自発する”行動である。つまり、ある行動を生起させる要因に対し、行動がある環境に操作を加えることで変化を促すことによる。
- 強化 (reinforcement)とは、オペラント行動の自発頻度の高まり。
- 弱化(罰 punishmentともいう)とは、オペラント行動の自発頻度の低まり。
- 好子(強化子 reinforcer、強化刺激ともいう)とは、出現したことによって直前のオペラント行動の自発頻度を高めた刺激である。
- 嫌子(罰子 punisher、嫌悪刺激ともいう)とは、出現したことによって直前のオペラント行動の自発頻度を低めた刺激である。
行動随伴性
行動随伴性とはオペラント行動の自発頻度の変化とそれが自発された直後の環境の変化との関係をいう。行動随伴性は以下の4種類。
- 好子出現による強化(正の強化)
- 好子消失による弱化(負の弱化)
- 嫌子出現による弱化(正の弱化)
- 嫌子消失による強化(負の強化)
※行動随伴性というメガネを通して行動の分析を試みる事こそ行動分析学の根幹である。
何に役立つの?
1.環境を変化させる実験 観察実験など意識するとよい。
動作をする人は、環境をこのように変えたいとの意図をもって動作を行う。
つまり、なんらかの動作をした後で、環境のなかに自分の意図した変化が起こったか確認したいはず、そこで確認できる手立てをしてあげることが親切である。
スキナー(Skinner)って誰?
アメリカの心理学者で行動分析学の創始者。20世紀に最も影響力の大きかった心理学者の一人。自らの立場を徹底的行動主義(radical behaviorism)と称した。
ヒトを含む動物の行動をレスポンデントとオペラントに分類し、パブロフの条件反射をレスポンデント条件づけとして、またソーンダイクの試行錯誤学習をオペラント条件づけとして再定式化し、精力的な研究を行った。
またレバーを押すと自動的に餌が出てくる仕掛けを施したネズミ(ラット)用の箱型実験装置スキナー箱を考案。スキナー箱はその後、さまざまな実験動物用に改良され、薬理学や遺伝学の研究にも活用されている。その後、理論化したオペラント条件づけの教育的応用としてのプログラム学習と、これを具現化したティーチング・マシンを開発。のちのコンピュータ支援教育(CAI)やCBT、WBTといった個別学習方式に少なからぬ影響を与えた。
最終更新:2008年06月27日 14:26