評価グリッド法
人間が知覚したことに対して、どのような評価を下しているのかの認知構造を把握するインタビュー手法の1つ。讃井純一郎先生がケリーの
レパートリーグリッド法を改良し、ラダリング法と組み合わせて作った手法です。
現在はweb評価グリッド法、グループ評価グリッド法、商品グリッド法など、さまざまな改良手法が提案されているようです。
讃井純一郎先生の論文や
芳賀麻誉美先生の論文は大変参考になると思います。
最近はネガティブ・グリッド(ネガティブ方向のラダーアップ。「なぜ悪いのですか?」と質問を行う。)という、ポジティブとは逆方向でラダリングを行う方法がでてきています。実務調査として、幅広く情報を集めたい、問題点に関する意見もやはり得て利用したいということだと思います。
評価グリッド法とラダリング法の違いですが、残念ながら概念の差や手法のやり方の説明を適切に説明できるかあやしいです・・・。
ラダリングが広告分野で使われ、できるだけ多くの人に強く訴求する要素を探すのに対し、評価グリッド法は個人の認知構造の差異に着目しているようです。
簡単にインタビュー方法の紹介
いくつかの製品を準備し、順位をつけてもらいます。
次に、順位をつけた製品同士を比較してもらい、
被験者が良いと思う製品について、その選定理由を尋ねます。
被験者が選定理由述べたら、その理由を対してさらに質問を行います。
「なぜその理由が被験者にとって良いのか?
どういった点で重要なのか?」
この質問を繰り返すこと(ラダーアップ)で、ユーザが製品に抱いている評価を深く知ることができます。評価グリッド法は、ユーザの持つ価値に繋がる経路を繰り返しの質問から発見し、構造化することが可能な認知構造モデルを表す手法です。
スケルトンモデル
1人1人の認知構造モデルを1つにまとめたモデルをスケルトンモデルと言うようです。
評価グリッド法の課題
讃井先生は2003年ごろに、ブランドイメージやネーミングなどの情緒・直観的な判断に依存する対象物には、論理的な因果関係をはかる評価グリッド法は向かないと述べています。
しかし、僕はその点を疑問に感じています。
無意識的な判断の理由を尋ねることは、確かに理由をその場で作ってもらっているようなものですが、それはユーザが考えてだした答えの1つでもあるわけですので、価値はあると思うのです。
直接観察で無意識下における判断を行動から把握することもできますが、そういうことができない範囲で評価グリッド法を使うことは、十分に役立つと思ってます。
CQL(Chain Question of laddering )表
ラダリングのインタビューで用いる質問方法が書かれた質問表です。
上田さんという方が「マーケチングリサーチの論理と技法」で掲載されてました。
これを改良したアイデアがいくつかあります。
といってもすごく簡単で、
”○○側面から考えた場合”という条件を付け足すだけです。
これによって、ユーザの発言漏れを防げたり、飛びすぎた話の飛躍を防げると思います。
定量調査への利用
スケルトンモデルに基づいて、アンケートを作成する。
その回答結果をベイジアンネットワークにかけ、認知構造モデルを確立推論モデルへと変化させることができる。
※詳しくは本村陽一先生の論文や本を読んでください。
とりあえずは
PDFがあったので。
最終更新:2009年03月30日 01:06