ヴァーレントゥーガまとめwiki内検索 / 「20110202(水) 20:34:08」で検索した結果

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  • 20110202(水) 20:34:08
    とある兵士 その黒い騎士は自らの剣を掲げ持つ。黒塗りの大剣に瘴気が纏わりつく。振り下ろされる刀身。黒い竜の姿をしたそれは、 燎原の火のごとく広がりレオームの兵たちを飲み込む。 何十もの兵が黒い炎に焼かれて死ぬ。生き残った者たちもほとんどが瘴気に中てられて動けない。そこへ、容赦なく暗黒騎士たちが襲い掛かる。 それは現世に現れ出でた死神のようであった。闇の加護を受けた剣は重装甲の鎧をも紙のように切り裂く。 「踏みとどまれ」 兵たちのうちのいずれかが叫んだ。その声の主もまた、他の兵と同じ運命を辿るが、彼は五体を盾にしてサルステーネの突撃を止めて見せた。 犬のように忠実であるというレオームの兵たちの死に様である。犬と罵られようとも、彼らは構いはしない。 彼らは信じている。自分が死んでもレオーム王家さえ無事であれば妻子は守られる、と。 立ったまま絶命するその兵から剣を引き抜くと、...
  • 20110202(水) 17:56:03
    悲壮なる進軍 旧支配者によってリッチーと化したムクガイヤは、山河を飲み込むほどの死霊の大軍を引き連れて、ルートガルト一帯に遍く死をもたらした。 ただ純粋に破壊と殺戮を行なう死霊の群れは、この一帯に住まう人々に恐怖を与えた。 ルートガルト国の崩壊後、ムクガイヤ直属の正規軍はサーザイトを護国卿に推しイオナで暫定政府を樹立させていたが、それも死霊の大軍を前に塵と化す。 ロイタスではヒューマックを首領としたロイタス・ブリガードが自治を唱えるも、これもまた朝露の如く消え去った。 東の果てに続くニーアの大湿地、南に広がるローイスの大海原、北に連なるリステムの大山脈。 人々は退路を失っていた。僅かばかりの心の拠り所であったイオナは落ち、ロイタスも滅んだ。 北イオナ平原を抜けた先にあるは魔界の王が率いる異形達。 そして背後から迫るは死霊の大軍。 誰もが死を覚悟した。 ――聖騎士に率い...
  • 20110205(土) 00:34:45
    穹廬奴の再興 ルートガルト国の崩壊は、各地で新たな動乱を告げる出来事となった。 リジャースド率いる旧ルートガルト国第三軍は、参謀スーフェンの進言を受け、リュッセル城へと攻め上りこの地を制圧する。 これを機に、名を新たにリュッセル・オーダーと改めると、彼らは次に、リュッセル北に陣を敷くリューネ騎士団分隊の攻略を目指した。 先の功績で軍師の肩書きを得たスーフェンは、リュッセル北を圧倒的な数の兵で包囲すると、一部が極端に脆弱な布陣を用いて相対した。 当地に篭もるリューネ騎士団軍師ガルダームは、敵のあからさまな陣形を鑑み、すぐに罠であると看破する。 しかし、本隊と分断され数の上で不利な状況は、このまま消耗戦を続ければ無駄に兵を損なうだけであるとの結論に達し、自ら敵の罠に掛かる決断を下す。 自身を囮とし、副軍師ルウェンダーと配下の竜騎士達に敵陣を一点突破させ、セレン率いる本隊へと合流...
  • 20110216(水) 20:26:16
    碑の建つ丘  オステアの街から北側の郊外にある小高い丘に、蒼いローブを纏った一人の女性が佇んでいた。  眼下には太陽に照らされ眩しく輝く海原が、復興の兆しを見せるオステアの街並みを優しく包み込むように湛えている。街並みからは、崩れた民家を建て直す職人が振るう槌の音色が遠く風に運ばれて心地よい響きを伝え、燦燦と輝く太陽の眩しさに手をかざして空を見上げれば、澄み渡った雲ひとつない青空を真っ白な鳥が弧を描いて飛んでいる。蒼いローブを身に纏う女性の目に映る景色は、彼女が長い間待ち望み、ようやっとの事で訪れた平穏な風景であった。 「先生。あれから随分と経ってしまいましたが……やっとご報告が出来ます」  小高い丘に設けられた石碑の前に立ち碑に手をつくと、ひんやりとした冷たさが石から伝わってくる。アルジュナは石碑に彫られた文字を細い指で上からなぞった。  この石碑は、先の戦乱で死亡した数多の...
  • 20110111(火) 18:20:36
    名も無き騎士像 後世の歴史書にたった一行「王都攻略戦で戦死」とだけ書かれた騎士がいる。 無名だが、レオーム家に仕えた人物として記録されていた。 元はファルシス騎士団の都尉であったらしく、活躍を期待されていたのだろうか。 ここに一枚の絵画がある。 今では過去の戦争の記憶に過ぎないが、大陸の人々の間では知らない者はいないとまで噂される有名な物で、 戦後、その才能を認められ名声を上げた一人の女性画家が、唯一戦争に関する絵を描き残した作品として知られる。 「名も無き騎士像」 白銀色に輝く重厚な鎧を身に纏い、馬上で高らかと挙げた手に槍を持つ騎士の姿。 勇猛であり凛々しいが、その表情はどこか哀しげにも見て取れる。 彼女はこの絵に関して僅かではあるが言葉を残している。 幼少期に実際に出逢った人物であること。 戦争によって家族をすべて失った彼女がロイタスに...
  • 20120912(水) 20:53:18
    第2回『ホルスDEクイズ』 司会「皆さん、お久しぶりです。またまたやって参りました。第2回『ホルスDEクイズ』の時間です。前回の放送が思いの外好調だったらしく、なんと視聴率1,2%を記録しました!!番組スタッフも気を良くしたのか、調子に乗って続きを放映しようと決めたみたいですね。さて、今回も前回に引き続き、解答者にホルスさん、ゲストにイオナさん、ローニトークさん、デットライトさんと司会は私タイトルガールがお送りします」 司会「前回お伝えするのを忘れていたのですが、このクイズは全10問、その内5問以上正解すると、主催者のデットライトさんから、デットラ印の"無限ラグラントゥー"が進呈されます。ホルスさんは前回3問中1問しか当たっていないので、今回は頑張って欲しいですね」 ホルス「ふっ、同じ轍は踏みませんよ。なぜなら私は勇者だから!!」 イオナ「ホルス様、今度...
  • 20141029(水)01:04:03
    最終決戦2・ある日の対死霊防衛戦の後 キュラサイト(今日もなんとか守りきることが出来た.... しかしこのままではそう遠くないうちに負けてしまうかもしれない....) 死霊との戦いでぼろぼろになりながらも なんとかオステアに帰国したキュラサイトであったが、 将軍としての責任はあまりに重く、度重なる戦闘で心身共に既に限界であった。 キュラサイト(せめてノーア殿やラファエル様がいてくれれば....) かつての上官達に思いを馳せながらベッドに寝転がると、泥に汚れた鎧が目に入った。 この鎧はキュラサイトにとって戦士の誇りとも呼べるものである。 キュラサイト(しっかり磨いてやらないと....でも...後でいいか....) 疲れ果て、なかなか起き上がる気になれない。 キュラサイト(もう戦いたくないな....) いくら優秀な戦士と称えられようと、中身は普通の少女である。 一度...
  • 20110221(月) 15:02:38
    むむむ、微妙だな。ローニきえちゃったの? -- 名無しさん (2011-03-03 19 01 23) これはおふざけで書いた物ですので、申し訳ありませんが不相応ですので削除します。 -- 名無しさん (2011-03-06 05 02 14) 名前 コメント
  • 20110221(月) 10:39:00
    リッチームクガイヤ そしてその日、魔王が召喚され、さらに数日の後、聖王が死んだ。 ヨネア「あれだけ自信満々に召喚しといて再送還できないとか、どういうことよ!?」 ムクガイヤ「ふむ。これはやはり私のミスか。喜べ、この天才の数少ない失敗の例が歴史に記されるぞ」 ニースルー「喜んでいる場合ですか」 ヨネア(こいつ、ワザと再送還しなかったんじゃ・・・・・・?) ラムソン「逆賊ムクガイヤ、覚悟せよ!」 ムクガイヤ「ふむ、ラムソンか。私の作る新秩序に貴様のような旧世代の遺物は必要ない。 せいぜい見せしめとして惨めな最期をくれてやろう」 ラムソン「ほざけ!我が正義の槍が貴様ごときに敗れる道理はない」 ヒューマック「ムクガイヤさんよ、例の仕事は終わったぜ」 ムクガイヤ「ご苦労であった。聞いたか、兵士諸君。 この一戦で奴らを退ければファルシス騎士団は瓦解するぞ」 ムク...
  • 20110110(月) 23:07:34
    吸血魔導 ルートガルト王城地下、薄暗い部屋の中心に描かれた魔法陣にゾーマは立っていた。 かつては拷問室として使われたこの部屋の壁は、 脈動する魔法陣の仄かな光に照らされ、朱く染まっている。 かつての血のなごりか所々に黒染みが見えるこの部屋は、不気味な程ゾーマに似合っていた。 目を瞑り、微かに聞こえる程度の小さな呪文を唱える彼の額にはうっすらと汗が滲む。 言葉に合わせて陣を這う様な朱い光が次第に強くなって行く。 手をかざし、少し強く握る。光が集約し手の中へ集まり部屋は暗闇に閉ざされた。 ゾーマが小さく溜息をつきランプをつけると、不意に手を叩く音が部屋にこだました。 ムクガイヤ「どうやら、成功したようだな。」 ちらりと扉に目をやるが、開けられた形跡は無い。 如何なる方法をとった物か、部屋の隅にいなかったはずのムクガイヤが寄り掛かる様に立っていた。 ゾーマ「吸血魔導は我...
  • 20110115(土) 08:54:04
    フェリル連合崩壊 「ヒャッハーおー、これで、あいつらの国もわたしたちのものだー!」 「海の人間たちはおいしいものをたくさん持ってる。ぜんぶもらっちゃおう」 「そうです。人間たちは悪役だし負け犬なんですから、支配だとか共生だとか  生ぬるいことは必要ありません。好きなだけ奪い、殺し、その文明を悉く吹き飛ばした  あとに、ゴブリンの新国家を建設いたしましょう」 人間たちは互いに分かり合えた。だが、力が足りなかった。ゴブリンの圧倒的な物量と ゴブリンの英雄たちの前に連戦連敗。ついに、フェリル連合は最後の拠点まで奪われ、散り散りになって 逃げ延びる。かつて人間たちがゴブリンにした仕打ちを、彼らは味わっているのである。 「ゴブリンめ、これ以上の無法は許さん!」 この男、双剣の傭兵イーサリーという。連合が崩壊した今、義理立てすることはなにもない のだが、故郷・ハルトへの道...
  • 20110131(月) 03:09:08
    トルネード漁法 夜のとばりがおりて宵も深くなった雪の街。 とある民家の窓からは未だに灯りが洩れている。 深々と降る雪が照らされて微かに浮かび輝いていた。 「誰でも簡単に大漁になる方法を教えます――っと」  蝋燭の薄明かりに照らされる机。 その机の上に乗せられた真新しい紙切れに、すらすらと、少女の手に握られた筆が奔る。 「驚くほど簡単に、数分もあれば実践できます――っと」  インク瓶の中へと筆先を数回つけつつ、次の文句を思案しながら空いている方の指先で髪を弄ぶ。 二つに分け、肩口から下がる三つ編みがそれに合わせて揺れていたが、上手い文句が思いついたのか筆を奔らせた。 「漁の経験は要りません。すぐにでも始められます――っと」  書きながら口元が緩む。我ながら間違った事は何も書いていない、と自身の経験がそう語っている。  息抜きのつもりで、ふと顔を上げて窓から外...
  • 20110702(土)19:02:27
    ムクガイア魔術師団1年生 ヨネア そして、物語は始まる・・・。舞台は王都ルートガルト。 あたしの名前は「ヨネア」、ムクガイア魔術師団の1年生です。 授業が終わり、部活動の時間になりました。 いつものように、陸上部は校庭に集まります。 ヨネア :「あ、先輩、お疲れ様です。」 ニースルー:「ヨネアちゃん、大会も近いし、今日も頑張っていきましょう。」 ヨネア :「はい、先輩」 あたしが陸上部に入部したのは、この先輩に憧れていたからなんです。 先輩は頭脳明晰、運動神経抜群、成績優秀、さらに、ゲームも得意で、 VT難易度HARDでS4のファルシスをSave&Load無しで何度もクリアしています。 ニースルー:「それじゃ、準備体操するわよ。」 ニースルー:「ストレッチもしっかりしないとね。」 ニースルー:「そこに座って、私が押さえ...
  • 20110107(金) 02:55:02
    置き去られた死体 イオナ国は大陸を統一した。 盛大な戴冠式を執り行い、祝賀会までの合い間重鎮達はサーザイトの前に集まっていた。 サーザイト「これからが本当の正念場です。頼みますぞ宰相殿。」 ニースルー「私が出来ることなら何なりと。貴方様ならば真に信義と慈愛に溢れた政治を持って民の恵みとなる事が出来ましょう。」 以下、初期人材とのありがちな一言程度の会話 ヨネア・・・宮廷魔術師 チューニッヒ・・・将軍 ハイトローム・・・親衛隊長 コーネリー・・・副将軍(治安部門の長) チューニッヒ「ところで、エルラム殿の姿が見えませぬが?」 ニースルー「・・・・・・」 ハイトローム「・・・・・・」 サーザイト「エルラムは出て行った。パーサにさえ干渉しなければ人の治世には興味はないそうだ。」 チューニッヒ「なんと、そのような(殊勝な)御仁には見えませんでしたが。」 ...
  • 20110121(金) 13:20:30
    天使のように  北の果て、そこは全てが凍りつくような白い大地である。まだ幼かったロザイナは単身、雪原を進んでいた。幼い娘がたったひとりでこの雪原を抜けるのは不可能だろう。ついには力尽き、涙は枯れ、最後にひねり出すように言葉を紡ぐ。 「もう歩けないよ…。神さま……」 彼女は信心深い両親に育てられた。このとき、なぜ幼い彼女がたったひとりで雪原を歩いていたのはかは想像に難くない。 かねてから、彼女は人の前では笑い、神の前で泣くようにと教えられてきた。だが、この状況で神を仰ぎ見ることは死を覚悟するのと同じではなかろうか? 実際、彼女は神の名を呼びはしたものの既に絶望しようとしていた。  そこに、一陣の風が吹き渡った。風は暖かく、吹雪と雪雲を晴らし、天への道を作る。久方ぶりに見る太陽は神々しく、彼女を優しく照らす。ロザイナは天を仰ぐ。そこに天使がいた。天使は軽やかに空を舞い、彼女にほほえ...
  • 2010/08/26(木) 20:36:32
    二人の王 「ハッハッハッハッ」 一定のリズムで呼吸を刻みながら半獣の悪魔グウェンは疾走していた。 こんなにも走る事が喜びであった事があろうか。 匍匐茎が張り巡らされた地面は、蹄を突き立てると心地よい抵抗を返し、更なる加速を促す。 馬上槍の風切り音が滑る様に耳をなでていった。 ルートガルト平野――西はブレア地方から、北はハルトまで続く広大な黒土層の平地地帯である。森林が少なく、イネ科の植物群がどこまでも続く草原を成しており、馬での移動に優れる。ファルシス騎士団を育んだ「土壌」であった。 敵部隊には各小隊に1体の漂う者がいて、後方から魔法の支援攻撃を続けていた。最右翼の漂う者、その更に斜め後方に回り込んだグウェンは急速に距離を詰め始める。 敵がグウェンを察知したのは丁度魔法を打ち終えた後で、次の魔力の集中はまるで間に合っていなかった。 「遅い!」 グウェンの槍が漂う者を突...
  • 2011/01/13(木) 01:20:34
    百合という花 テーブルに置かれたティーカップから香る仄かな煙が、ゆったりとした時間を好むこの男にとって至高のひと時を与えていた。 木で造られた質素な、それでいてどこか優雅さを漂わせる背の高い椅子に腰掛け、今まで開いていた本を静かに閉じるとティーカップへと手を伸ばす。 しかし、その視線の先は手元ではなく、少し離れた木々の合間に立つ二人の人物へと注がれていた。 男は口元へ運ばれた紅茶の香りを鼻腔で存分に楽しみながら小さな声で 「やはり素晴らしい……」 と静かに漏らした。 木々の合間に少し開けた草原があり、そこで二人の女性がお互いの剣を重ね合い鋭い音色を響かせあっている。 さわやかな風が吹くなかで、二人は頬を上気させながら流れ落ちる汗を拭おうともせずに、ただ只管に相手の一挙一動に心を奪われているかのようだった。 「ふう……今日はここまでにしましょう」 長い緊張を破るか...
  • 20101201(水) 09:30:31
    エルフィスとエルラム エルフィスは霧と障壁を司る者として、来るべき日のために他のエルフとは 隔離されて育った。エルフィスはケンタウロスによって森のはずれで育てられた。 幼少の頃、同族の友達のいないエルフィスは森の動物たちと遊んで過ごした。 だが、ある時一番のなかよしだったうさぎが死んでしまったことにエルフィスはショックを受けた。 エルフィスの涙に呼応するかのように、森に嵐が訪れ、河は氾濫し岩場は崩れた。 多くの生き物たちがこれに呑まれて死んだ。 ケンタウロス「エルフィス。これを見なさい。」 エルフィス「そ、そんな……。どうして、こんな。」 ケンタウロス「これはおまえがやったことです。特別な力を持つおまえが悲しみに身を任せて        無意識のうちに魔力を開放した結果、厄災を呼んだのです。」 エルフィス「ちがう…わたしじゃない、わたしじゃないの……!」 頭を抱え...
  • 20101212(日) 14:54:35
    ホアタ本陣にて ナシュカ「過去の国家は、地下からの湧き水を池に溜めて、人々に分配するのが仕事でした」 ナシュカ「ですから、ムクガイヤ、ドルス、サーザイトと言ったレオームの中枢に居た人々は、レオーム朝の停滞の原因を池が小さい事に求めました」 ナシュカ「より大きな溜池を作る事で水をコントロールできる、と考えたのです。ファルシス、アルナス、リューネ、各地の群雄もそれに習いました」 ナシュカ「彼らは極めて優秀な人でしたが、試みは須らく失敗しました」 ホーニング「水軍衆はどうだったのだ」 ナシュカ「順を追って説明しますので、しばらくお待ちを」 ナシュカ「水の流れは時代が進むに連れて勢いを増しています。どんなに巨大な・・・仮に大陸全てを覆いつくす溜池を作ったとしても、もはや水を抑える事は不可能にりました。これが彼らの敗因だ、と私は考えます」 マクセン「俺は難しい事はわかんねえけど、じ...
  • 20121003(水) 22:08:21
    皇帝 手を伸ばすと痛いくらいの冷たさに驚いて、思わず身を引いた。 城内で用意される水に慣れたニースルーには久しぶりの感触だった。 みぞれ混じりの日に、冷たい水で法衣を洗っていた子供のころの記憶が駆け抜けていく。 さらさらと流れるガルガンダ連峰からの雪解け。ここは2区の山岳寄りに違いない。 「随分と速いのね、びっくりしちゃった。」 「その気になればもっととばせるのよ。」 自慢げな表情を見るのも久しぶりな気がした。 「今日は審議会の日なのに。」 「一日位いなくても大丈夫よ。それに諮問される方はきっと助かったと思っているわ。」 皇帝が不在となれば空気も緩むのかもしれない。 いない方が気が楽というのは分かるが、少しさびしく思う。 「トップに立つものは形を違えどみな孤独なもの」と、サーザイトは言っていた。 「さーてと、えい!」 バスケットに杖を振るうと...
  • 20110118(火) 08:05:36
    願い 彼女は願う、人々が幸せであるように。 彼女は願う、人々が苦しみから解放されるように。 トライド五世による統治で大陸が平和の時代を謳歌していた頃、この大陸に住まう多くの人々が列をなして巡礼する場所があった。 大陸の北西、険しい山々の連なる高地と乾いた砂漠を経た先に、ラザムの聖地と称されるラザム神殿が建立している。 その巡礼の道は、山や谷を幾度となく越えた先にあるゴイザムの入り口と呼ばれる地からアルナス北部の砂漠を歩むか、ブレアの西にある街から広大なアルナス砂漠を南北に歩み踏破するかの二つであった。 何れにしても、その行程は大変な苦難であり、ラザムの使途が生涯における修行とも述べる程の道である。 それでも信心深い人々は聖地を目指した。 その理由のひとつには、ラザム神殿で起こると謳われる奇跡の現象が大きい。 不治の病が癒えたという話や、神の啓示を受けたという話は...
  • 20110114(金)05:14:34
    グリーン・ウルスとリューネ騎士団の同盟締結における一幕 魔王軍とルートガルト軍は北イオナ平原で主力同士の軍事衝突を起していた。 この隙にリューネ騎士団は竜騎士部隊で海を渡り、クイニックをいち早く占領する。 時を同じくして、グリーン・ウルスもクイニックを目指し南ロスウェム雪原を進んでいた。 物語はグリーン・ウルスとリューネ騎士団の同盟締結における一幕である。 「はやく歩くだわさ」 寒風吹き荒れる雪原の上空に甲高い声が響き渡る。 声の主は肌を刺すほどの冷たい風にも怯むことなく、悠長に空を舞いながら、雪に埋もれた街道を歩く娘に文句を言った。 「も、もうむりですぅ……お家にかえりたいですぅ」 全身に雪をかぶりながら、それでも懸命に足を前に進めていた娘が遂にその場に座り込む。 「だから嫌だって言ったんですぅ」 「なに泣き言いってるんだわさ。クイニックの街を押さえないと...
  • 20100908(水) 18:32:59
    沼地の巫女 コリカ沼の南、パーサの森との境界線付近。 沼地一体に広がるリザードマン棲息地の再奥部に位置した この地で、平穏な日々を過ごす一団が居た。 同種族でありながら完全な男社会の穹廬奴(ゲルド)とは 対照的に、大半が女性で構成された組織。 彼女らは、『巫女』と呼ばれていた。 どの種族にも共通する点だが、元来、女性は男性と比べて 力・耐久力共に大幅に劣る。 それゆえ、大半の女性は非戦闘員として一生を終える。 リザードマンの場合、性差による役割分担は、人間よりも 徹底していた。 男性は戦場へ、女性は家または故郷を守る。そんな関係。 もちろん、女性の地位が貶められていた訳ではない。 むしろ、誰が相手でも物怖じせず、物事を冷静に受け止め 判断出来る女性などは、男性以上に尊敬されていた。 それら有能な女性が、『巫女』と呼ばれる...
  • 20110221(月) 07:23:38
    ロイタスの海賊旗  ルートガルト港の波止場に面した大通りに、軒の造りは古いが、なかなかに趣のある一軒の酒場が店を開いていた。  港に停泊した船から、陽に焼けた浅黒い肌をした男達が肩を並べ、足下も賑やかに次々に扉へと吸い込まれる。  船乗りご用達のこの酒場は、夕暮れ時のこれから最も多忙となる時刻を迎えていた。  さして広くもない店内に所狭しと置かれたテーブルに、船乗り達は思い思いに陣取っては、陽気に杯を傾けている。その合間を縫うように、若く美しい給仕達が接客に追われ盆を手に元気に跳ねていた。  その尻を、脇を通りかかった際にひと撫でする。  結わえられて尻尾のように揺れる金色の髪を翻し、尻を撫でられた給仕は慣れているのか、振り向き様に片目を瞑ってそれに応えた。  去っていく給仕の尻を眺めながら、手に持つジョッキに並々と注がれたエールを喉の奥へ流し込む。そして、空になった杯を勢...
  • 20110912(月) 07:38:48
    リューネの食卓 ア「セレン、オーティ。食事の時間ですよ」 オ セ「……」 セ「あの…、アルティナ様?」 ア「なあに、セレン?」 セ「これなんですか?」 ア「今日は、奮発してハルト風にしてみたの~♪」 セ「じゃなくってっ!なんで、料理が幻影なんですか!?」 ア「それがねぇ~。今のこの城の魔法力は料理を実体にする力はないの」 オ「つまり、補給計画でこけたと」 ア「ぴんぽんぴんぽーん♪オーティにはご褒美にデザートもつけたげまーす」 「……御館様」「アルティナ様……」 ア「うっ…いやですわ。そんなかわいそうなものを見る目で見つめないでください」 ミ「そもそも、今月は勢力を拡張しすぎたんじゃないんですか?」 ア「で、でもでも。求める声に応じなければ、それは騎士じゃありませんよー」 ス「確かに、予想外に我が軍は大きくなったが、それを支えるのが兵站担当の役目ではないかな?...
  • 20110217(木) 21:40:29
    互いの温もり  大陸に翻る穹廬奴の旗印。それはリザードマン族の国家が誕生した事を示す日であった。  穹廬奴は二度の崩壊を受け、それでも大陸に覇を唱えた崇高なる志を、空高く掲げられた旗に籠める。  長き戦乱の世は、単于ゲルニード率いるリザードマン勢「穹廬奴」の大陸平定によってその幕を閉じた。  うっそうと茂る草木に囲まれたとある庵。長年放置されていたのか雨風に曝されるままに傷み荒廃している。  その庵のさほど広くもない部屋に、リザードマン族の男女が肩を寄せ合い座していた。  穹廬奴の単于ゲルニードと従者チョルチョである。 「まだ、傷は痛みますか」  肌を露にした男の背に深々と刻まれた刀傷から滴る血が、チョルチョの心をとめどなく揺さぶり続けていた。  大陸平定の悲願も間近という最期の決戦。ゲルニードとチョルチョは敵の謀った伏兵に命を狙われた。  刹那の出来事だった。...
  • 20110210(木) 21:03:19
    ルグナナムとヒューマック ルグナナム「ヒューマックさんよぉ。あんたの部隊に入れば騎士団の後方を攪乱する仕事につく って聞いたんだが・・・・・・。なんでこんな最前線にいるんだ、俺ら?」 ヒューマック「仕方あるまい。ムクガイヤ様は俺たちに前線で騎士どもを 食い止める働きを期待しておいでだ。本来戦術屋の仕事じゃあないが、定められし有様にはってヤツよ。」 ルグナナム「ハン・・・そういうことなら、いやその方がわかりやすくていい。」 敵軍が迫ってきた。 ルグナナム「ブレアの騎兵はでかくて強そうだな。アルナスの痩せっぽちどもとは違う。」 騎士たちが速度を上げる。ルグナナムは標的にされた。剣を構え、ルグナナムは迎えうつ。 ルグナナム「食らいやがれ!火竜剣!」 しかし、騎兵突撃の前に剣を弾き飛ばされる。ルグナナムは手ひどくやられた。 ルグナナム「ぐはっ!」 その後、後方の陣に...
  • 20110114(金) 07:54:31
    同盟締結の会談模様 同盟締結の会談場、クイニックには既にリューネ騎士団の名だたる将が集結していた。 その中心にて軍に守られるようにして佇みむ赤い髪の女性がいた。女性は騎士式の礼を カルラに対してしたのちに、 「お初にお目にかかります。リューネ騎士団総長、アルティナといいます」 と自己紹介をする。 「ぐ、グリーン・ウルスのカルラですぅ」 四海に響き渡る美貌とカリスマ性の持ち主。それを目前にしてカルラは少し怖気た。 「カルラ殿、この度我らリューネ騎士団がクイニックを占領したのは一重に  魔王軍から雪原・リュッセルの民を守るためです。クイニックの方々には既に  了承を得て、協力関係にあります。貴女方はグリーンの民を守るために兵を挙げられた  と聞いております。ならば、我らが同盟を結ぶことは理に適っているとは思いませんか?」 「え、ええっ……と」 理路...
  • 20110921(水) 08:53:46
    ミルフォースの夢 ふああ…よーく寝たぁ~~。 よいしょっと…あれ? 立ったはずなのに、手が地面についてる…。 あ、ライム。おはよー。 「ジャシー! セレン、おはよー!」 おわっ! なにこれ、ライムが言ってることが完全にわかるー! 「ぴゅうー! セレン、おっはよーう!」 あっ、ルオ…いや、誰? ていうか何? 「誰何じゃなくって、ルオンナルだよ。まったく、セレンったら氷結晶の食べすぎで神経イカレた?」 本当に私はおかしくなっちゃったみたい。ルオンナルと名乗るイヴァンっぽい竜が私に フレンドリィに話しかけてる。…いけない、疲れてるのかも。とりあえず顔を洗って…、誰…何これ? 鏡には、赤い角をした青鱗の竜が映っていた……。 竜になった少女の伝説? でも私、別に竜になりたいとか竜とか神さまにお願いしてない。 考えててもしかたない。ライム! ルオンナル! それとイヴァン! ...
  • 20110115(土) 01:03:18
    聖杖オステア ゴート三世率いるレオーム軍が各地のルートガルト軍を打ち破り、宿敵ムクガイヤを王都まで追い詰めていた頃、 オステアの港町でもひとつの歴史が動こうとしていた。 窓から入る陽射しは漆黒のカーテンで遮られ、灯りと呼べるものは数本の蝋燭から立ち昇る弱々しい灯火だけである。 その薄暗い部屋の中心に、一人の初老の男が静かに座している。 目を閉じ、僅かな呼吸の動きも注意していなければ判らないほど、初老の男は自身の生命活動を極限まで抑えていた。 まるで死んでいるかの様に、身動きひとつしないままどれだけの刻が過ぎた頃か。 男の眉が僅かに動き、その目が静かに開くのと同時に、部屋の扉が勢いよく開け放たれた。 薄暗い部屋に眩しいほどの光を背に、一人の小柄な影が浮かび上がる。 「――見たか」 最初に口を開いたのは初老の男の方だった。 肩を震わせた小柄な影が男の言葉に小さく...
  • 20101229(水) 08:49:22
    おい、フーリン 「おい、フーリン。竜騎士どもを殺してこい」 「わかりやした!」 クイニック⇔リュッセル間の海峡での何度目かの空中戦。大義に燃える竜騎士たちは 善戦するも百戦練磨の悪魔たちに押されつつあった。とりわけ、悪魔たちの中で花形とも いえる戦いぶりをしていたのが最速の悪魔・フーリンであった。 「シェアアア!」 「は、速い!」 竜騎士たちは大陸でも駿速で鳴る精鋭たちであったが、彼ほどの相手と戦ったことは無かった。 爆音に近い風切り音を上げつつ迫る黒影。その速度を一切殺さずに投げつけられる槍は狙い違わず 三騎を射ち落とし、続いて繰り出される蹴りは歴戦の将を叩き落とした。 「ヒュウ♪ 竜騎士ってのも大したことねぇなぁ」 槍を投げ尽くした彼は一度、本陣に戻ることにした。身軽になった体を風に遊ばせつつ、 楽しげに、どこか物足りなさそうに西の空へと消えていった。 「...
  • 20100827(金) 20:57:08
    ピヨンのクーデター 辺り一面が白銀に覆われた大地を踏みしめる、一つの影があった。 その姿は吹き荒れる吹雪によって、おぼろげな輪郭しか捉えることができない。 だがその影は吹雪が弱まるにつれ、次第に数を増し、姿形を鮮明に浮かび上がらせる。 二体…三体…五体、十体と数を増やし、その数は十七にも及んだ。 皆例外無く体が雪のようにが白く、  ・・・というより、その姿はまさしく雪だるまそのものであった。 ザッザッザッザッザッ・・・・・・ 雪だるま達は無言で歩み続ける。 弱まっていた吹雪が息を吹き返したように少しずつ強まりだした。 冷たい雪が吹きかかるが、彼等は表情一つ変えずに真っ直ぐと突き進む。 突如、赤いマントを纏い、金の王冠を被った先頭の雪だるまが立ち止まった。 太い眉をピクリと動かしながら、その大きな目で眼前の城―――グリーン古城をじっと見つめる。 「ボクピヨン―――...
  • ニューマック
    「この世にあってはならない罪。それは、俺の存在・・!」 列伝 基本スペック 基本能力値 コメント 列伝 ダークエルフの部族は、パーサの民によって滅ぼされた。目の前で両親を殺されたニューマックは彼らを心底憎み、復讐を誓った。 師を仰ぎ魔法剣を取得した彼はリュッセル・オーダーに参加後、ラクタイナの誘いを受け、パーサに闇の眷族の国を立ち上げた。 だが彼には国などどうでもよかった。生き残っているパーサの民を、磨きぬいた彼の剣で一人残らず八つ裂きにすることだけが、彼の生きる理由となっている。彼の禍々しいオーラは、ラクタイナすら戦慄したという。 基本スペック Ver6.85j 名前 ニューマック 肩書き ダークエルフ S6→パーサの天王 種族/性別 エルフ族/男性 クラス ダークエルフ 雇用種族 エルフ族 雇用クラス ダークエルフ 特殊雇用 初期勢力 S1~2...
  • 20100907(火) 20:38:12
    ゴートとイオナ ――ルーニック島、ゴートⅢ世の寝室にて―― 「ゴート様、お食事をお持ちしました」 「その声は…イオナか? …入ってくれ」 「失礼します。…どうぞ」 「うむ、忝い」 「…あの、ゴート様。御身体の具合は如何でしょうか?」 「うむ。もう殆ど回復している。君の魔法のおかげでな」 「滅相もございません。ゴート様に対して我々ができるのはこのような粗末な部屋をお貸しする事程度…そのようなお言葉、もったいのうございます」 「十分に広い部屋だ。それに、君達には本当に世話になっている。本当に、感謝しているのだ。  しかしイオナよ、なにもこのような仕事まで君がやる必要も無かろうに」 「…! それは、その…なにかひとつでも、貴方様の御役に立ちたいのでございます……!」 「そうは言うがな、イオナ。食事など、下女にでも運ばせればよかろう。  それに、立場というものもあ...
  • 20140302(日) 23:25:20
    温泉回 「いい温泉日和だ」  まだ若干の肌寒さが残る春先の陽気と、背後から差し迫る殺気を受けながら、ルーゼル様、ドラスティーナ、そして私パルスザンの三人はお湯につかっていた。  そしてその私らに殺気立った目線を向けるのはリューネの竜騎士セレン、アルティナ、スヴェステェンの三人である。もうひとり、精霊術師のガルダーム殿も入っていたが、そちらの方はあまりこちらには気を止めていない様子だった。  交戦中の二大勢力の首脳同士が偶然とは言え同じ湯に浸かる。状況はかなり緊迫していたがお湯の方はなかなかの名湯で連日の疲れの方が抜け出るような心地がする、これもまた人間観察のノートに書いておこうと関係のないことを考えていると、ドラスティーナがいつものように余計な軽口を叩く。 「ちょっとぬるいのだわ」  悪かった状況がさらに悪化し、緊迫した雰囲気になる。竜騎士どもの目線がさら...
  • 20110108(土) 13:11:35
    ULシリーズ ラクタイナ「なぁ、アルティマイト。なんとなくおまえがすごいのはわかったんだが、 なんかこの調子だと詰みそうなんでもうちょっと強いのはないのか?」 アルティマイト「私は製品番号UL-11シリーズのA-06号です。 UL-11シリーズは3392体がロールアウトされ、 現在12体がアクティヴとなっています。私は自立制御AIを搭載し、現場での自立判断、 自動目標判定機能に加え、自己修復機能を備えています。ですが、私の自己修復機能 HP換算で100%を超えるダメージには対応できません。アップグレード版である UL-12シリーズ……通称Ωアルティマイトはこの問題を克服しています。以上、セールスマニュアルから抜粋」 ラ「そうか、じゃあΩを起動させないとな」 Ω「私は製品番号UL-12シリーズB-64号、通称Ωアルティマイトです。従来のUL-11シリーズを上回るス...
  • 20110508(日) 16:54:17
    リュッセル城地下室 リュッセル城地下室 死んだリジャースドに代わりリュッセルの首領となったゾーマは、相次ぐ戦いによって「生産」される悪魔、人、リザードマン等の死体と、 廃都と化したルートガルドからはぐれた死霊を捕縛しては元地下牢の研究室に集めていた。 夜な夜な響く人ならざる者の呻きと漏れ出る障気に近寄る者は少なく、最低限の護衛兵以外には人を見掛けぬ事が常であった。 そんなゾーマがスーフェンを呼び出したのはミシディシによる郷士討伐への緊張が高まる中の事だった。 スーフェン「この様な時に、一体何事か。」 訪れたスーフェンの苛立ちを意にも介せず、ゾーマは魔導書にひたすらに式を書き続ける。 ゾーマ「所詮、郷士の討伐はあの白竜乗りの小僧の感傷に過ぎぬだろう…穹廬奴に対するお前と同じくな。 今はそれよりも気になる事がある。」 ゾーマの言葉にスーフェンはぴくりと眉尻を動かしたものの...
  • 20111029(土) 09:29:42
    光と闇の姉妹 あらすじー いっしょの勢力に住むことになったエルラムとエルフィス。 だけど光と闇の姉妹はどうしても普通に仲良くすることができない。 そこで、二人はヒュンターのところへ相談にきた。 ヒュンター「簡単なことです。仲良くなりたい人がいる場合、まず相手の気持ちになってみることです」 エルフィス「相手の…ですか。ヒュンターさんは私に思いやりの気持ちがないとおっしゃりたいのですか?」 エルラム「(ギロリ)」 ヒュンター「そうではありません。まずは形からと故人も言っています。幸いにしてお二人は、色と表情以外は 瓜二つの双子。で、あれば、入れ替わるつもりで相手の容姿になってみるのです!」 エルフィス「え…ええっ!?」 エルラム「なの?」 アーシャ「あ…、エルフィスさん。ごきげんよう。この間の件ですが…」 エルフィス?「あら、アーシャさん、ごきげんよぉ~う...
  • 20110107(金) 22:17:07
    帰国 ハイトローム「サーザイト様の命令で、軍の勝手な移動は固く禁じている。どこへ行く」 ウェントル「ピコック様、どうされます?」 ピコック「うむ。我々はオステアへ行く。道を空けてくれ」 ハイトローム「サーザイト様の許可は得たのか?」 ピコック「得てはおらぬ。我々はサーザイト殿の許可を求めねばならぬ身ではない」 ハイトローム「どういう事だ」 ピコック「話している暇は無い。さあ、道を開けるのだ」 キュラサイト「・・・斬り抜けますか?」 ピコック「いや、事を荒立てる必要は無い」 サーザイト「何をしておる。これはピコック殿」 ピコック「見ての通りだ。オステアの者は国へ帰る」 サーザイト「軍の移動は禁じてあります。何故帰られるのです」 ピコック「ムクガイヤ殿亡き今、オステアの者は貴方の下知に従う筋はありません。戻って国を守る。当然のことでしょう」 サーザイト「賢明な貴方...
  • 20110107(金) 02:56:20
    魔女の瞳 ~イオナ国軍野営地深夜~ エルラム??「思ったよりやるわね。もう予断は許さないわ。」 ハイトローム「本当に殺すのか。冥王が勝てなければそれだけの事だったのではないか?」 エ「貴方!今になって尻込みなの!」 ハ「騎士道だ・・・闇の訪れは歓迎しても、君主サーザイトに弓を引くなど・・・」 エ「貴方の真の君主は誰なの?サーザイトは仮そめの君主でしょうに。貴方は真の君主に弓を引くつもり。」 ハ「それは貴殿が言い出したことだ。」 エ「では正義に仕えたら良いでしょう?それが騎士道の本旨じゃなくて?貴方の正義はどこにあるのかしら?」 エ「さあ、主の言葉に耳を傾けなさい。真実の言葉、真理の囁き、人の知をはるかに超えた絶対者の正義・・・」 ハ「うっ。うう・・・ぐ・・・」 エ「それとも、芥のような小さき存在の屁理屈が貴方の正義だとでも。」 エ「世にこびり付いた垢・・・今...
  • 20110628(火) 18:41:53
    いろんな人に悪く言われて王都攻略できないゴート殿下 アイアン「若様。此度の王都攻略戦でござりますが、時期の見直しを申し述べまする」 ゴート「なぜだ?ムクガイヤは、今や四方を敵に囲まれ、我が軍は満を持して王都奪還に望めるのだぞ」 アイアン「それは、かつてラムソン殿も考えられたこと。ムクガイヤとの戦いは策にござる。 あの男は、いかに四方を敵に囲まれ、相手が自軍の数倍していてもそれを覆すだけの策を用意しているのです。 されば、我らもまた、奴に負けぬだけの知恵を出し尽くし、万全の状態で挑まねば、力を発揮することはできませぬ」 ゴート「もうよい。そちの言うことは考えてはおく。下がれ」 アイアン「若様。どうかご熟慮くだされ」 テステヌ「若様。某も、此度の北伐は見合わせていただきたく存じます」 ゴート「卿までどうした?よもや、またぞろ息を吹き返したゴブリンどものことが 気がか...
  • 20101229(水) 00:44:37
    魔王陛下 不毛の山脈から更に北上した白銀色の雪原、埋もれるように存在する古びた城。 古城の建立と同時に構えられて以来、幾人もの君主を頂き そして時を経て打ち捨てられたと思しき玉座。 高く据えられたそれを踏みつけにするように座し、王の間から広間と雪原を 睥睨するかのように泰然と佇む存在。 放棄され時が過ぎ去った今になって、かつてその椅子に座したどんなものよりも 高等な存在を迎え入れる事になったのは、皮肉な事だった。 玉座の下、王の間の奥、悪魔のひしめく広間の前。そこで二人の高位の悪魔は口論を繰り広げる。 ムナード「ここは雪原の原住民どもを根絶やしにして、万全を期するべきかと」 パルスザン「まず厄介な竜乗り達を一気に滅するべきでしょう」 先程から二体の悪魔による舌戦は平行線を辿るばかりで、一向に進展を見せない。 パルスザン「逃げ回るばかりの鼠を延々と追いかけても...
  • 20100826(木) 20:36:32
    ルーゼルの死 「ハッハッハッハッ」 一定のリズムで呼吸を刻みながら半獣の悪魔グエンは疾走していた。 こんなにも走る事が喜びであった事があろうか。 匍匐茎が張り巡らされた地面は、蹄を突き立てると心地よい抵抗を返し、更なる加速を促す。 馬上槍の風切り音が心地よく耳をなでていった。 ルートガルト平野――西はブレア地方から、北はハルトまで続く広大な黒土層の平地地帯である。 森林が少なく、イネ科の植物群がどこまでも続く草原を成しており、馬での移動に優れる。ファルシス騎士団を育んだ「土壌」であった。 敵部隊には各小隊に1体の漂う者がいて、後方から魔法の支援攻撃を続けていた。最右翼の漂う者、 その更に斜め後方に回り込んだグエンは急速に距離を詰め始める。 敵がグエンを察知したのは丁度魔法を打ち終えた後で、次の魔力の集中はまるで間に合っていなかった。 「遅い!」 グエンの槍が漂う者...
  • 20110129(土) 08:36:35
    ニースルーの紅茶とシチュー ※ニースルーの好んで飲んだ紅茶に付いて 「ベルガモットの香」とはアールグレイの香です。ニースルー愛飲の物はエッセンシャルオイルのような強く洗練された香付けが成されている訳でなく、乾燥させたベルガモット片を茶葉と混ぜただけのようなものとしています。 香もイベントの文章の通り「ほのか」で乾燥フルーツの独特の匂いも残っており洗練されているとは言い難いです。 またアールグレイに良く使用されるのはキームンですが(だったと思いますが)、このような個性のある香の紅茶ではなく、セイロン(ウバ以外)のような渋みとクセのない紅茶をベースにしていると想定しています。 ※ニースルーの作るシチューについて ニースルーのシチューはヨネアに好評ですが、その秘密は何と言ってもニースルーの開発した「マジックパウダー」に有るのです。 概ね平和な世の中では魔法は戦闘用よりも生...
  • 20120910(月) 20:10:47
    『ホルスDEクイズ』 ???「はぁ~い、皆さん。遂に始まりました。『ホルスDEクイズ』の時間です。司会を務めますのは、私オステア港に住んでいます魔法戦士、皆様からは"タイトルガール"と呼ばれております」 司会「さて今回の『ホルスDEクイズ』というのは、ホルスさんの問題ではなく、ホルスさんに問題を出して答えていただく企画になっております。問題の内容はホルスさんの身近な事についてですので、全問正解は当たり前ですよね、ホルスさん?」 ホルス「ふっ、当然ですよ。自分の事は自分がよく知っているんですから」 司会「ではゲスト方々を紹介致します。まずはイオナさんです」 イオナ「どうも皆さん。」ニコッ 司会「続いてローニトークさん」 ローニトーク「はわわわ、皆さん。よ、宜しくお願いします」 司会「最後に、この企画の主催者デットライトさんです」 デットライト「問...
  • 拡張シナリオ一覧(現行のみ)
    最新版対応シナリオ リンク先はオリジナルシナリオの詳細、紹介、雑談コメントページに移動します ※ 作品に関する各種権利上の問い合わせは、各作品の製作者へ行っていただきますようよろしくお願い致します。 名称 対応本体ver DL 備考 N 更新 ver ヴィスクルム-BISCULUM- 夢現 SFロボマジックファンタジー 144 2024 05/05 α0.0.61 ShemHaMephorash STEAM/夢現 ゴーレム技術+19世紀グレートゲーム 製作サイト Twitter 126 2024 04/282023 04/24 2.1.11.2.2f 人魔大戦 war history of Gobliall ふりーむ/Google Drive 色々掲示板(DLしなくても更新履歴が見れます) Twitter 94 2024 04/26 0.51 シュヴァルツアドラ...
  • 20110107(金) 09:55:54
    自由のために ラファエル「……サーザイト卿。まずは、冥王の送還という偉業を成しえられましたこと、 大陸の民に代わってここに御礼申し上げる。だが、いかがなさいましたかな? この兵は?」 サーザイト「なに。対したことはありませぬ。冥王に継ぐ大陸の害悪を除きに参っただけのこと」 ラファエル「なんと! 害悪とな!? 我らオステアはこれまで通り自治を認めていただければ……」 ニースルー「自治を認めるわけには参りません。ラザムに掌握されたオステアは旧世代の 腐敗の温床でございます。ラザムの僧であるあなた様がオステアを私物化していることがなによりの証拠」 イオナ国一般兵たち「ラザムは砂漠に帰れ! ラザムは砂漠に帰れ!」 ラファエル「己が野心のために、民を扇動し、戦をおこす。これ即ち、国賊の所業にござる」 サーザイト「私が貴国を攻めるのは貴殿のよく言う『民の求め』にござりますれば、 ...
  • 20110218(金) 16:56:47
    五彩の旗  北方の地に古くから建つグリーン古城に、彩り鮮やかな五彩の旗が掲げられた。  公国の成立を祝う群衆が、積もる雪を黒く染め、英雄の登場を今か今かと待ち望んでいる。  古城のバルコニーにひとりの影が立つ。群衆は次々に歓声を上げた。 「グリーン公国万歳! カルラ様万歳!」  手に振られた旗が陽に閃き、打ち上げられた花火が高々と弾けた。  戦乱の大陸を平定し、首都ルートガルトにて公国の樹立を宣言したカルラは、故郷であるグリーン古城に凱旋を果たした。  雪原に住まう民はカルラを真の英雄として歓迎し、こぞって彼女を讃える式典に参列したのである。  バルコニーから姿をみせたカルラに、人々は惜しみない賞賛の声を送った。 「な、なんか恥ずかしいですぅ」  眼下に広がる人波にカルラは戸惑い後ずさる。 「なに言ってるだわよ。あんたが出ないでどうするだわさ」  背中を押され元の...
  • 20110505(木) 11:55:36
    セレンのお勉強 パーサの森に特設された陣屋。そこで、青竜の騎士は分厚い本の山を前に頬杖つき、 そのうちの一冊を汚いものでも触るように恐る恐る開き、覗き込む。 セレン「うう……これ、古代エルフ語かなんか?」 アーシャ「ちゃんとリュッセルの公用語で描かれていますよ」 今日の教師役はアーシャであった。この本の山を用意したのも彼女である。 セレン「いや、でも冗談だよね? これ全部消化するの?」 アーシャ「アルティナ様ならばこのくらい半日で読破していましたよ」 セレン「う…わかった。やってみる」 青竜の騎士は巨大な敵に挑んだ。結果は…惨敗。 セレン「もうだめぇ~。わけわかんない」 アーシャ「もう、仕方ありませんね。では、私がレクチャーしてさしあげます」 セレン「うん、それなら多少はラクができるかも」 白い神官は黒い木でできた板に白墨を走らせ、教鞭で、左上の文字を指し示す。...
  • 20110219(土) 13:19:48
    魔王ルーゼルの復活  黄昏の都ハルト。  かつて栄華を極めた壮大な都は、いつしか人々に棄てられ荒廃し、ついには戦乱の世に魔族達の居城と成り果てていた。  ただ過ぎ去る刻の中で、棄てられた恨みの念が宿るのか、闇に潜む者達は誰彼となくこの都を好み、安息の地とした。  月のない夜、深淵の闇に抱かれた廃都にひっそりと佇む城の一室。  所々に年月を感じさせる染みを広げた石造りの床に、一面、真っ赤な血で鮮やかに魔方陣が描かれている。  その魔方陣の中央に人形を模った像が祭られ、室内を照らす淡い蝋燭の灯火に浮き上がる影が揺らいでいた。  黒色の先が奇妙な帽子を被り、これも黒色のローブを身に纏った一人の少女が、手にした古びた本を開いて何やら一心に言葉を紡ぐ。  少女の背後、部屋の片隅には事の成り行きを見守る影があった。 「我が声に応えよ、汝の名は魔族が王ルーゼル。 死を超ゆる者よ、束...
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