第三章・星の国
1
物心が着いた頃から、僕は独りだった。
気が付いた時、僕は小さな教会の前に座って、独りで泣いていた。
ただただ、恐かったのだ。
自分が分からなくて、泣いていた。
寂しくて、怯えていた。
孤独の中で、震えていた。
どうしてそんなところに居たのかは覚えていない。だけど、誰かは分からないけれど、女の人に手を引かれてそこに来たということ、そしてそこに置いていかれたということだけは今でもはっきりと覚えている。その人は『すぐ迎えに来るからここで待っていてね』と言って姿を消し、結局、僕の元へと戻って来ることはなかった。
それが誰なのかは分からない。けれど、その人は多分僕の『母親』なんだと思う。薄情で嘘吐きな僕の『母親』。今ではもう、顔すら思い出せない。
――君、どうしたの?
泣きじゃくる僕にそう聞いてきたのは、教会の神父様。
僕はただ一言、分からないと言った。
――君、お母さんは?
僕はただ一言、分からないと答えた。
――早く、お家に帰るんだよ。
僕の頭をくしゃくしゃと撫でると、神父様はどこかへ行ってしまった。
僕はまた、独りになった。
ちらちらと雪が降っていた。
――あれえ?キミ、どうしたの?
そう言って、君は屈託のない笑顔で僕の顔を覗きこんだ。
僕はただ一言、恐いんだと答えた。
――どうして?
僕は独りなんだと答えた。
――あはは、おんなじだ。
そう言って君は、僕の手を取ってくれた。
嬉しくて、僕はまた泣き出した。君は僕を抱きしめてくれた。まるで犬や猫のように捨てられた僕に笑顔を向け、優しく迎え入れてくれた。
僕はそのまま、泣き崩れた。
気が付いた時、僕は小さな教会の前に座って、独りで泣いていた。
ただただ、恐かったのだ。
自分が分からなくて、泣いていた。
寂しくて、怯えていた。
孤独の中で、震えていた。
どうしてそんなところに居たのかは覚えていない。だけど、誰かは分からないけれど、女の人に手を引かれてそこに来たということ、そしてそこに置いていかれたということだけは今でもはっきりと覚えている。その人は『すぐ迎えに来るからここで待っていてね』と言って姿を消し、結局、僕の元へと戻って来ることはなかった。
それが誰なのかは分からない。けれど、その人は多分僕の『母親』なんだと思う。薄情で嘘吐きな僕の『母親』。今ではもう、顔すら思い出せない。
――君、どうしたの?
泣きじゃくる僕にそう聞いてきたのは、教会の神父様。
僕はただ一言、分からないと言った。
――君、お母さんは?
僕はただ一言、分からないと答えた。
――早く、お家に帰るんだよ。
僕の頭をくしゃくしゃと撫でると、神父様はどこかへ行ってしまった。
僕はまた、独りになった。
ちらちらと雪が降っていた。
――あれえ?キミ、どうしたの?
そう言って、君は屈託のない笑顔で僕の顔を覗きこんだ。
僕はただ一言、恐いんだと答えた。
――どうして?
僕は独りなんだと答えた。
――あはは、おんなじだ。
そう言って君は、僕の手を取ってくれた。
嬉しくて、僕はまた泣き出した。君は僕を抱きしめてくれた。まるで犬や猫のように捨てられた僕に笑顔を向け、優しく迎え入れてくれた。
僕はそのまま、泣き崩れた。
・
いーち、にーい、さーん、しーい、ごーお、ろーく、なーな、はーち、きゅーう、じゅう!
ねえラディウス、あれはいつのことだったっけ。
もう良いかい?
まあだだよ。
もう良いかい?
もう良いよ。
まあだだよ。
もう良いかい?
もう良いよ。
僕たちは二人で、かくれんぼをしていたんだよね。
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