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僕、稲生直弥の通学路

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ayu

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僕、稲生直弥の通学路





 高校生になってから、よく見かける人がいます。
 彼女はとっても綺麗です。
 背が高くて、背筋がすっと伸びていて、いつも真っ直ぐ前をみて歩いています。
 170センチ近くあるであろう長身の彼女が黒のローファーをカツンと鳴らして歩く姿は、とても綺麗で格好良いと思うのです。長い黒髪が背になびく様もそれは綺麗で、なんだか見入ってしまいそうになるのです。
 きっと憧れもあるのだと思います。
 僕は年の割に小柄で、背の順でも一番前。加えて酷く童顔なものだから、女の子みたいだと女の子にからかわれることも多いです。『ちょっと遊ばせて?』と可愛らしい飾りのついたピン止めや化粧品、女物の服を持ってクラスの女の子数名が僕の席までやって来た時は本当にどうしようかと思いました。
 もちろん、全速力で逃げました。だけどあっけなく捕まりました。それ以来、僕は学校で『ナオちゃん』と呼ばれています。クラスの男の子に『お前本当に可愛いな』と言われました。正直、止めて欲しい感じです。心底止めて欲しいです。身長と足の長さが問題なのだと、僕は嫌いな牛乳を飲むようになりました。180センチを目指してバスケ部にも入りました。バスケ部の他の部員と並ぶと、その身長差にいつも泣きたくなります。
 最後の方で話題が変わってしまいましたが、そんなことが割とよくあるものだから、僕は彼女に見惚れるのだと思います。
 すらりと背が高くて綺麗な彼女。
 近いうちに話しかけてみたいと思っています。そして何を食べてどんな生活をしてその身長になったのかを聞きたいと思っています。僕と彼女の生活習慣にどれだけの差があるかは分かりませんが、背を伸ばすためならいくらでも改善しようと思います。
 今日も、彼女とすれ違いました。
 今日もすっと背筋を伸ばして歩いています。
 いつも通り、彼女はとても綺麗で格好良いです。






彼女がとっても気になります。

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