第10話 ある晴れた日の午後
───昼休み。
「素敵…」 恋する瞳。
「お~い、エビフライ戻って来いよ~」
「何よ、蟷螂。邪魔しないでよね」 ムッとした表情を浮かべた。
「いや…な、気持ちは分からんでもない、恋をする事はいいことだ、しかしだな相手がだな」
「なによ!マライヤは素敵じゃない!」
「いや、わかるよ、うん、わかる。マライヤは素敵だ…しかしだな」
「なによ!はっきり言いなさいよ!」
「お前もマライヤも女だろ」
「何がいけないの?」
「……。」
けして時が止まったわけではない。
「マライヤ…素敵。」
「重症だな」
「あ、いいこと思いついた。あんた科学部のエースでしょ?惚れ薬作りなさいよ」
「ねーよ」 即答した。
───同時刻
「ば~~~っかじゃねえの!?」 と社長の一声。
相変わらずクラスの男子が馬鹿をやっているようだ。そんな中俺は校門へ向かう。今日は天気がいい。外ではカズマが漫画を読みながらリフティングをしていた。
「お、モルダー、ペットショップに餌か?」
「そうだよ」 なんとも淡白なやり取りだった。
「ん?あれは…」
パピヨンとキラーズが一緒に居る。なんとも意外な組み合わせだった。
どうやら穏やかな雰囲気ではないようだ。
「なんだなんだ?」
カズマも気配を察しやってきた。
パピヨンとキラーズ、二人は少しの間睨み合い、そしてガッチリと握手をした。
「おお~」
俺とカズマは思わず声を上げた。結局なんだったんだ?そんな事を思いながら再び歩みだす。
校門の前にペットショップはいた。
「もう、遅いよ」 彼女はスカリー。ペットショップより先に彼女に目がいった、そりゃ恋人ですから。
「ペットショップはお腹空かせて待ってたんだよ」
「はいはい、どうぞ、ペットショップ」 餌を差し出す。
「それじゃ私たちも食べましょうか。今日は焼き鳥よ」
ペットショップの口が止まった。スカリー、彼女は天然だ。
「さ、食べましょ」 そう言って彼女は弁当を取り出した。
そんなある晴れた午後の日の出来事。