第拾壱話 源平豆腐伝
あの日から豆腐は学校に来ていない。マライヤの真意を知り、もう一つの人格が芽生え始めた日から。
え?私?いつもナレーターやってる豆腐がいないんだから代役だよ。気にしないでくれたまえ。ははははは・・・。
神無月は不審がっていた。なぜ豆腐が一週間も学校を休んでいるのか。小学校の頃から一緒に過ごしてきたが、
こんなに長く休むのは中一の時のSARS以来だ。あの時は二週間休んでた。虚弱体質め。
え?私?いつもナレーターやってる豆腐がいないんだから代役だよ。気にしないでくれたまえ。ははははは・・・。
神無月は不審がっていた。なぜ豆腐が一週間も学校を休んでいるのか。小学校の頃から一緒に過ごしてきたが、
こんなに長く休むのは中一の時のSARS以来だ。あの時は二週間休んでた。虚弱体質め。
「あー・・・。 豆腐さんはどこで何をしているのでしょう・・・」
「知らねえよ」
「知らねえよ」
蝶野がぶっきらぼうに返答する。神無月は、よもや自分のおせっかいのせいで豆腐がマライヤを危険分子視し、
隙あらば己の全てを以て息の根を止める為に山に篭って殺人拳やら暗殺術やらガン待ちやらサイコパワーやら
洞窟に据えられた47の殺人ピアノを相手に修行をしたものだけが修められる伝説の「ピアノ拳」やらなにやらを
会得していたとは夢にも思っていないだろう。現実は時としてファンタジィなのだよ、神無月君。
隙あらば己の全てを以て息の根を止める為に山に篭って殺人拳やら暗殺術やらガン待ちやらサイコパワーやら
洞窟に据えられた47の殺人ピアノを相手に修行をしたものだけが修められる伝説の「ピアノ拳」やらなにやらを
会得していたとは夢にも思っていないだろう。現実は時としてファンタジィなのだよ、神無月君。
「あ・・・あれは・・・! おい! みんな! 豆腐だ!! 豆腐が帰ってきたぞ!!」
「・・・あれ? でも豆腐ってあんな色してたっけ? ・・・・・・紫色って・・・おかしくね?」
「いい! 豆腐は豆腐なのよ! たとえ紫でもね! 腐ってたら捨てるけど!! ハッハハハハァ!!」
「待て。 ・・・ふいんきが違う。 ・・・いつもの豆腐ではない。」
「・・・あれ? でも豆腐ってあんな色してたっけ? ・・・・・・紫色って・・・おかしくね?」
「いい! 豆腐は豆腐なのよ! たとえ紫でもね! 腐ってたら捨てるけど!! ハッハハハハァ!!」
「待て。 ・・・ふいんきが違う。 ・・・いつもの豆腐ではない。」
何がおかしいのか、腹を抱えて笑い転げるDIO様を尻目に、蝶野が皆に告げる。
確かに、ふいんきというかなんというか、豆腐の周りには禍々しいオーラ的な何かが漂っているように感じられた。
そんなことは気にせず、ひたすら豆腐に向かっていく生徒たち。抱きつこうとするベネ。だが・・・
確かに、ふいんきというかなんというか、豆腐の周りには禍々しいオーラ的な何かが漂っているように感じられた。
そんなことは気にせず、ひたすら豆腐に向かっていく生徒たち。抱きつこうとするベネ。だが・・・
「とおおおおおおおおおおおふうううううううううううううううううう!!!!!」
「・・・我に挑むか。 笑止!」
「・・・・・・え?」
「滅殺ッ! 豪昇龍ッ!!」
「・・・我に挑むか。 笑止!」
「・・・・・・え?」
「滅殺ッ! 豪昇龍ッ!!」
ゴスッという音とともに、ベネの体が宙に舞った。抱きつこうとした一瞬、豆腐は三連発の昇竜拳を叩き込んだのだ。
十メートルほど吹っ飛んだベネは────『再起不能』。蟷螂とスノーゴーレムによって保健室へと搬送されていった。
十メートルほど吹っ飛んだベネは────『再起不能』。蟷螂とスノーゴーレムによって保健室へと搬送されていった。
「アレは・・・殺意の波動ッ!?」
「何ィッ! 知っているのか残念!?」
「何ィッ! 知っているのか残念!?」
カズマが悪化に問う。何かこの二人も似てるよね。魂の根源とかが。
「殺意の波動・・・。 古くはキリストやヒトラーなど、良くも悪くも絶大な影響力を誇る人物を、人の世を乱すものを
倒す為に人の世が得た唯一の力ッ! 超常的な能力を発揮するが制御は困難ッ! 多くの場合は正気を失うッ!
そして殺意の波動に操られるままに闘いを繰り返すッ! 今の豆腐は・・・殺意の波動に目覚めた豆腐・・・否ッ!
あれは・・・もはや豆腐ではないッ!! 陳腐(笑)・・・陳腐(笑)だッ!!」
「くっ・・・! 誰か・・・誰か陳腐(笑)を豆腐に戻せる奴はいないのか!?」
「このクラスなら・・・DIO様か・・・あるいはパピヨンか・・・。 二人いれば確実なんだが・・・」
「よっしゃああ! やったろうじゃないのさ! 拳のラッシュをお見舞いしちゃおうかな~!!」
「うむ。 私の黒色火薬で豆腐の目を覚まさせてやるわ。 校舎に対する被害は考えないぞ」
「・・・頼むから豆腐を殺すようなことだけは無いようにしてください・・・・・・」
倒す為に人の世が得た唯一の力ッ! 超常的な能力を発揮するが制御は困難ッ! 多くの場合は正気を失うッ!
そして殺意の波動に操られるままに闘いを繰り返すッ! 今の豆腐は・・・殺意の波動に目覚めた豆腐・・・否ッ!
あれは・・・もはや豆腐ではないッ!! 陳腐(笑)・・・陳腐(笑)だッ!!」
「くっ・・・! 誰か・・・誰か陳腐(笑)を豆腐に戻せる奴はいないのか!?」
「このクラスなら・・・DIO様か・・・あるいはパピヨンか・・・。 二人いれば確実なんだが・・・」
「よっしゃああ! やったろうじゃないのさ! 拳のラッシュをお見舞いしちゃおうかな~!!」
「うむ。 私の黒色火薬で豆腐の目を覚まさせてやるわ。 校舎に対する被害は考えないぞ」
「・・・頼むから豆腐を殺すようなことだけは無いようにしてください・・・・・・」
結束。頂上決戦。かくして学園創立以来最大の戦いの火蓋が切って落とされたのだった・・・。
「・・・何奴」
「あれェ~? つれないなァ~。 学園の美少女支配者・DIO様だよー!!」
「豆腐・・・。 いや、今は陳腐(笑)か・・・。 侮るな、こいつ・・・強いぞ」
「言われなくてもすたこらさっさだぜぇ~! では早速・・・無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」
「ちょwwっをまwwwwww 待てよ馬鹿吸血鬼wwwww」
「あれェ~? つれないなァ~。 学園の美少女支配者・DIO様だよー!!」
「豆腐・・・。 いや、今は陳腐(笑)か・・・。 侮るな、こいつ・・・強いぞ」
「言われなくてもすたこらさっさだぜぇ~! では早速・・・無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」
「ちょwwっをまwwwwww 待てよ馬鹿吸血鬼wwwww」
突然のDIO様の突撃に、戸惑うパピヨン。だが当のDIO様はお構い無しだ。まさに支配者!
渾身のスタンドラッシュ。その全てがとうh・・・陳腐(笑)に命中した。・・・かに見えた。だが・・・
渾身のスタンドラッシュ。その全てがとうh・・・陳腐(笑)に命中した。・・・かに見えた。だが・・・
「及ばぬ、遠く及ばぬ」
「な・・・何ィッ!! 残像ですってッ!!?」
「な・・・何ィッ!! 残像ですってッ!!?」
DIO様のラッシュ着弾地点には誰もいない。振り向けばそこに陳腐(笑)がいた。
不敵な笑みとも取れる表情を浮かべつつ、ゆっくりと口を開いた。
不敵な笑みとも取れる表情を浮かべつつ、ゆっくりと口を開いた。
「無常…故に無敵。 理解したならば、去ねいッ!!」
「ぐぬうぅぅぅ・・・。 このDIOが・・・動きが読めなかっただなんてッ!?」
「数多の瞬きに、地獄を垣間見よッ! 瞬獄殺ッ!!」
「やむをえないわね! ザ・ワールドォォォッ!!」
「ぐぬうぅぅぅ・・・。 このDIOが・・・動きが読めなかっただなんてッ!?」
「数多の瞬きに、地獄を垣間見よッ! 瞬獄殺ッ!!」
「やむをえないわね! ザ・ワールドォォォッ!!」
ドォーン
陳腐(笑)の瞬獄殺が炸裂しかけた刹那、時は止まった。
陳腐(笑)の瞬獄殺が炸裂しかけた刹那、時は止まった。
「ふう・・・脱出できたわ・・・。 陳腐・・・恐ろしい子!(笑)」
「(笑)はそこじゃないだろうがよ」
「あれ? あ、ホントだ! ありがとう! 優しい足長おじさんってうわああああ!! な・・・なななんで・・・!!」
「ん? どうかしたのか?」
「あ、え、あの、いや、え? だって・・・どうして止まった時の世界で動けてるのよ!?」
「・・・ああ、これか。 このパピヨンマスクパワァにかかれば、地球の物理法則の一つや二つ、どうにでもなる」
「え・・・あの・・・あれ? あ、でもスタンドも物理法則無視だし・・・え? でも、ね、うん。 おかしくね?」
「そして時は動き出すッ!!」
「え? あ・・・れ? あ、あの・・・それ私の台詞・・・」
「(笑)はそこじゃないだろうがよ」
「あれ? あ、ホントだ! ありがとう! 優しい足長おじさんってうわああああ!! な・・・なななんで・・・!!」
「ん? どうかしたのか?」
「あ、え、あの、いや、え? だって・・・どうして止まった時の世界で動けてるのよ!?」
「・・・ああ、これか。 このパピヨンマスクパワァにかかれば、地球の物理法則の一つや二つ、どうにでもなる」
「え・・・あの・・・あれ? あ、でもスタンドも物理法則無視だし・・・え? でも、ね、うん。 おかしくね?」
「そして時は動き出すッ!!」
「え? あ・・・れ? あ、あの・・・それ私の台詞・・・」
おろおろしているDIO様のコトなんか気に留めず、時は動き出した。
陳腐(笑)は止まった時の世界を認識できない。一瞬で離れたDIO様にしばしの間驚いていた。
陳腐(笑)は止まった時の世界を認識できない。一瞬で離れたDIO様にしばしの間驚いていた。
「豆腐・・・いや、陳腐(笑)。 お前に一つ聞きたい。 本気でマライヤを殺すつもりなのか?」
「・・・目的を達成するためには多少の犠牲がつきものだ」
「では最初にお前が死ね」
「なん・・・だ・・・と・・・?」
「黒色火薬の武装錬金ッ! 二アデスハピネス☆」
「この匂い・・・火薬か!」
「だがもう遅いッ! 脱出不可能よぉォッ!! ザ・ワールド★」
「・・・なんだその星は」
「あんたの真似よパピヨン。 食らえぇ~! 空烈眼刺驚!」
「・・・目的を達成するためには多少の犠牲がつきものだ」
「では最初にお前が死ね」
「なん・・・だ・・・と・・・?」
「黒色火薬の武装錬金ッ! 二アデスハピネス☆」
「この匂い・・・火薬か!」
「だがもう遅いッ! 脱出不可能よぉォッ!! ザ・ワールド★」
「・・・なんだその星は」
「あんたの真似よパピヨン。 食らえぇ~! 空烈眼刺驚!」
かたや黒色火薬による無差別爆撃。かたや目から似非ビーム。流石の殺意の波動もこれには耐えられない。
次に時が動き出した瞬間、ボロボロになった陳腐(笑)が地面に突っ伏した。禍々しい波動が消えていく。
次に時が動き出した瞬間、ボロボロになった陳腐(笑)が地面に突っ伏した。禍々しい波動が消えていく。
「ふう・・・やれやれだぜ・・・」
「このパピ☆ヨン!にかかればこんなもんかしらね。 ホラ、さっさと豆腐回収するよ」
「それにしても・・・こんな人格が豆腐に眠っているなんて・・・。 また暴走するようなことがあったら・・・・・・。
まあいいか。そん時はよろしくな! パピヨン!!」
「・・・頼む。 次からお前だけでやってくれ・・・」
「このパピ☆ヨン!にかかればこんなもんかしらね。 ホラ、さっさと豆腐回収するよ」
「それにしても・・・こんな人格が豆腐に眠っているなんて・・・。 また暴走するようなことがあったら・・・・・・。
まあいいか。そん時はよろしくな! パピヨン!!」
「・・・頼む。 次からお前だけでやってくれ・・・」
豆腐・・・『殺意の波動に目覚めた豆腐/陳腐(笑)』
──── 一時封印
──── 一時封印