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新妻アイちゃん-2-

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

新妻アイちゃん

こんばんは……。最近……大人の女に……近づいた……アイです。

「アイちゃん、お風呂わいたよー」
風呂桶を洗ってくれた………エックスが………脱衣所から出てきた……。
申し訳ないんだけど……力が要る仕事は……だいたいやってもらう………。

「ぶんぶん………」
反省をこめて………リビングでボディブレードを振り回す………。
あうぅ………ほんと5分以上は………もたない……。

「――もっと楽なの買った方が、良いんじゃないかなぁ」
よろよろと………フローリングに倒れこむ……わたしを……支えてくれる……エックス。

「そういえば……寝室での……運動は…………美容にも良いらしいね………」
ふふふ……アレな事を言って……惑わすのも………妻の役目………。

「へ? 何だって?」
「もういい…………の」
ここまで……鈍感なのは………罪だね……かなり……。
もしくは……実は………軽く……無視されてるとか。むむむ……。

「ねぇ………今日は………お風呂……一緒に……入ろう?」
「はいはい、冷めちゃうから、はやく入っておいでよ」
今一番の作戦も、軽く受け流される………。
なるほど………わたしと…入るのは嫌ですか………。

朗らかに笑いかけるエックスに………わたしの必殺技の一つ……ジト目……。

「な、何? どうかしたの?」
わたしの………理不尽な怒りに……挙動不審になる……可愛いね……。

「一緒に………はい……ろ?」
「…………………………………喜んで」


「こ、こっち見ないでねー」
………結局…こうやって……他人の意見に……流されるエックス。
可愛いけど、未来の大黒柱としては……どうなのか……な?

「もー、アイちゃん最近変だよ? わがままばっか言って」
そうなのかな……? 意識はしてなかったけど、そうらしい……。

「わがまま………言うのは………大好きな人………だから………。甘えちゃうんだと……思う……」
浴槽につかる……わたしの前で、前屈みに背中を向けるエックスに言う……。
耳まで赤くなって………可愛い。
真っ白な肌……ほんと……女の子っぽいね……体つきとか……。男らしいとこなんて……あるのか……な?

自分の身体を見下ろす………洗濯板だなぁ………。

「背中…………洗ってあげよう……か?」
「えぇぇ!? い、いいよ……!! 直ぐ、洗って出るから!!」
半分顔をこっちに向けながら……断られる……そんなに………嫌?

でも……一緒にお風呂に入るまで、こぎつけたから………ね?

「うひゃぁ!?」
お湯から出て、エックスの背中を触る………うーん………すべすべ………。
「ア、アイちゃーん?」
ボディタオルを奪う。夫に…………強制的なサービスをするのも……妻の役目……。

ごしごし。
そう大きくない背中を擦る。………エックスは……さっきから黙った………まま。
これは…………つまらないね………。

「も、もういいよ、アイちゃん……。充分だからね?」
あまつさえ………こういう事を言う………。むむむ………。
「前も……洗ってあげる………」
「ひゃぁう!?」

背中に……わたしの胸を………押し付けながら……手を伸ばす。
エックスの……唯一の男の証に触れた………。おぉー………やっぱり………あるんだね……。
「ああああああ、アイちゃん!? 今日は本当におかしいよ、アイちゃん!?」

ごしゅごしゅ。
今度は、力をいれずに優しく洗ってあげる………。大きいね………わたしの手が小さいからだろうけど……。
「気持ちいい………?」
「だ、駄目………駄目だよ、アイちゃん………こんなの」
びくんびくんって震える性器。先っぽの方も丁寧に洗う………。

後ろからだから……見えないけど……エックスのは凄く……張り詰めてるんだろう。
〝そういう〟経験に疎い……エックスは直ぐに限界を訴えた……。

「あくぅぅ……もう駄目………アイちゃん、手ぇ、離して…………」
無視して………しごく。喜んでるくせに………。
ボディソープじゃないもので……手がニチュニチュ……と音を立てた。

「――あ………だめっ!?」
あっけなく、白い放物線が…………浴室で弧を描いた。

びゅくびゅくと、濃い精液を吐き出すエックス。
溜まってたのかな……? とっても気持ちよさそう……………。
壁と床に撒かれるのは、すぐには止まらなかった。

「あ、あう…………」
「お風呂から出たら………一緒に寝よ。もっと凄い事………して……あげる……から………ね?」
出し尽くして収まったのから………手を離して……………耳元に淫靡に囁く………。
快感の余韻から………エックスは、かくかくと痙攣しながら、頷いた…………。


「ぶんぶん………」
さぁ、今夜こそ………。
わたしがブレードを上下しながら、リビングで待ってると、エックスが出てきた……。

「どうも………」
真っ赤になってるエックス。愛らしいね………。

わたしが………声をかけようとした矢先に………電子音。電話だ……ね。
エックスが慌てて出る。
一言二言喋って、受話器を持ちながら、こっちを向く………。

「ア、アイちゃん………」
エックスが青ざめてる………どうかしたのかな…………。

「喪服を用意して――ケイン博士が危篤で、まずいらしい」
…………ケインめ……!


食後はだいたい………こんな感じ―――じゃない………ね。機嫌悪い……です……。
ちょっとは、進展したかな………って思ったアイでした…………。


「あー!! ペンギンさんも来たー!! 焼き鳥!! お一つ!! いかがですか!?」
「ぶっ殺すぞ!!」
機嫌悪い……です……。



素朴な疑問

 ……あれは……夕食後の、こと……でした……

「……お風呂……はいろう……?」
 私の誘いに、顔を真っ赤にして頷くエックス。
 よしよし……。少しずつ……教育の、成果が……出てきてるね……?

「ところでアイちゃんってさ、」
「……なに?」
「ペンギンなのに、温かいお風呂に入るんだね」
「クワクワッ!?」
 振り向いたエックスの右手には、電気代の領収書があった。


「アイちゃーん。ボクが悪かったから、お風呂場に閉じこもらないでよー!」
「……知らない」
 氷水を張った浴槽で、私は歌を口ずさむ。

「負けない愛だって~♪」
 ……また、遠ざかって……がっかりな……新妻でした……。
 ……クワクワッ。


他人様にはご迷惑


新妻アイちゃん


生きるうえでは……いろいろと……問題は起きるよね。こんばんは……アイです。

「アイちゃーん!!」
あれあれ……愛しのエックスが呼んでる……よ?

履いてる水色のスリッパを、ぺたぺたさせて浴室に向かう。
四角に切り取られて、摺りガラスが押し込まれた扉……バスルーム。

「何なの、これー?」
扉から、半身を出したエックスが渋い顔をしてる。服は着てない……。
ぱっ、と回り込んだけど、股間はタオルで隠してた……ちぇっ。

わたしの行為に赤くなるエックスが指差すのは、氷塊が浮かぶ浴槽。
名づけて、北極風呂。――暑い日には、これしかないよね。

「冷たいよ、これ。今、11月だよ!?」
怒ってはない見たいだけど、エックスはわたしの正気を疑うような視線を送る。むむむ……夫婦の危機。
何がいけないのか、考えるよ……。

「意味が……解らない……よ?」
「――僕のセリフだよ!?」
二分と数十秒、考えた結果を伝えたけど、エックスはお気に召さないみたい。……困ったね。
両手でタオルを押さえながら、女の子みたいな顔をする少年――良いね。

「あのね、アイちゃん……気温をマイナスに変えるのは、まだ耐えられるけど……」
装甲を除装した白い身体を震わせて、エックスは呟く。
とても疲れた顔をして、北極の海を指して首を振った。

「さすがに、これは無理だよ」
わたしの嗜好が否定されました。むむむ……。

仲睦まじく、夫婦になるという未来を共に進むわたし達。
でも、時々わたし達は歩めない事がある。


他にも――

「アイちゃん、お買い物ご苦労さまー」
「うん……ただいま。頼まれたもの……買ってきたからね……」
わたしはぶら下げてきた、ビニール袋から購入してきた物を取り出す。
台所のシンク横に空いた空間に、野菜や、お肉を置いた。お肉……鳥じゃないからね?

「はい、チョコレート」
エックスは甘い物好きみたい。まぁ……誰でもそうか。
わたしもシュークリームとか好きだよ……。

「アイちゃーん!!」
おやおや……お呼びだよ? プラズマテレビの前に置かれた、真っ赤なソファから抗議の声。
横目を送ると、エックスはわたしが買ってきたチョコレート〝アイス〟を握って、ひきつった顔をしてる。

「何……? 昼間から…………エッチ?」
「――僕が頼んだのは、チョコレートだよ?」
わたしの渾身の誘いを無視して、エックスが意味の解らない事を言い放った。むー……本当に解らん。

「意味が……解らない……よ?」
「僕のセリフだよ!?」
男の人って、難しい……。前にカレーを作った時も、同じような事があったような……。
ハイネックのシャツを着た夫――妻としては、ちゃんと心情を解ってあげたい所だ。

「これ、アイスだよ? 11月だよ? ありえないよ?」
首を傾げるエックスに、質問攻めをされる。そんなプレイは要らない……。

「だから? 美味しいよ?」
「もういいよ。――コタツを出して、食べます!」

コタツ、か。…………あんまり好きじゃない物の、一つだな。



「アイちゃーん!!」
最近、お呼ばれするの多いなぁ……デリヘルじゃないんだ……よ?
フードの付いたコートを着込んだエックスが、仕事から帰ってきてから早々、声を張り上げてくる。

「電気代の請求書だよ」
顔面痙攣の病気よろしく、頬を振るわせるエックスが、私に紙片を手渡した。

――51万3452円。クワッククワー……♪ 
書かれた金額に目を見張り、シザーマンが出てきそうな、笑うしかない悲鳴を口の中で出す……わたし。

「意味が……解らない……よ?」
「僕のセリフだよ!?」
わたしの小さな手に握られた紙片を奪い、エックスが目の間を指で揉みほぐす。

「部屋の温度は……高くしてます……よ?」
嘘じゃないよ。……お風呂で、サービスしてあげた日に来た請求書に反省して、最近は設定を数度上げてる。

「アイちゃんの特殊武器ってさ、背負ったタンクの液体を使ってるよね。――どうやって冷やしてるの?」
「あ……」
わたしの部屋には、数本のボンベが置いてある。わたしの武装――ショットガンアイスの〝元〟になるものだ。
低温で保管しなければならない代物で、けっこう扱いが難しい。

「でも……そんなに……ボンベ交換してないし」
「……お友達の家で、溜め撃ちしまくってるらしいよね」
そういえば……アルマージの引きこもりの家で、サーフィンしてたような。…………週四で。

「めちゃくちゃ、出したり入れたりしてるよね? ボンベ」
「えっちな……事……言わないで……」
うわ……エックスに抱き上げられたよ。
体重の無いわたしは、簡単に宙を浮く。な、なにする気……。

「電気代はまだしも、人様の家に迷惑をかけるなんて……。――そんなアイちゃんは、お仕置きします!」
エックスは高々と宣言して、わたしのズボンを下着と一緒にずりさげた。

雪より白い、わたしのお尻が照明の下、そしてエックスの目に晒される。
安産型だと言われる……臀部だよ?

「いやん……。もしかして、エックスは――-クワックワ!?」
ばちーん。
馬鹿な事を口にしようとしたら、お尻に衝撃。焼けるような痛みが、じんわりと広がった。

「ひゃぐ……!?」
エックスが手の平で打ち付けたのだと解ったのは、二度目の衝撃でだ。

「い……痛い……!」
衝撃。無様な格好で、お尻が叩かれる。
意図せず、痛みから涙が出た。目じりに溜まる、わたしの涙。

「あうっ……!?」
身体を震わしながら後ろを向くと、お尻が白から赤になる。……ライト並みの色素欠乏な肌なので、真っ赤がよく映える。
何度も叩きつける、エックスの手も赤かった。

「アイちゃんの傍若無人を、更正します!!」
「や、やだ……はぎゅ!?」
わたしのお尻を見るという行為は、正義という単語に塗りつぶされて、羞恥を感じないのだろう。
奥手のエックスとは、思えない行為だよ……。

「ご、ごめんなさい……ひぎゃん!?」
「許しません!!」

愛のお仕置きは、夕方から九時までかけて行われた。
お猿さんになった、わたしのお尻。

――生まれや、型番によって生活の仕方に違いがあるもの……。

ちょっとは、相手の事を考えて行動しよう……。
これは……痛かったな……。もう、ごめんだよ。

最後は……エックスに謝られながら薬を塗ってもらった、アイでした。……いてて。



「アイちゃーん!! 60万越えってどうゆう事!?」
「クワッククワー……♪」

子豚?ばーろー?アイちゃん!


新妻アイちゃん



こんばんは……最近、馬鹿ダコと同じくSMに目覚めた……アイです。
悩みが無いみたいな風に……思われる、わたし達だけど……切実な悩みぐらい……あるよ?

「――アイちゃん、なんの格好なの?」
「いましめ…………ブヒ」
本部から無事に帰還してきた、企業戦士エックスを玄関で迎える。

あらら? エックスの……女の子みたいな顔が引きつったよ……。

変な女から貰った、豚の着ぐるみ。
エックスの妻こと……わたし、アイシー・ペンギーゴはそれを着て、おかえりの挨拶をするの。

「アイちゃん体重警報が……発令しました。――甘い物は禁止されます……ブヒ」
ゴム紐を耳にかけて、紙で出来た豚の鼻を、わたしの顔の中心に。
可愛らしく、小首を傾げて〝警告〟したよ。

「アイちゃん、遊びもそろそろいい加減にしようね……」
「遊びじゃないもん……。体重が60キロの壁を越えました……ブヒ」

――凄いデブを想像したかも知れないけど、それは大きな間違いだよ。

わたし達、レプリロイドは人間に近い造形をしてるけど……中身の骨格とかは、鉄心が入った骨で構成されてるよ。
骨自体もカルシウムの塊じゃなくて、ステンレス製だし、意外に機械仕掛けなんだよね。

内臓器官も同様で……薄い装甲に覆われてたり、管が乱立したり、電気信号を受信する機器が埋められたりするよ。
人間とは、凄くかけ離れた物を持ってるレプリロイドも居るんだよね……。

わたしや、わたしの仲間は割と人間らしいんだ。
わたしは子供も生めるし、ライト曰く、母乳も出るらしいよ。生態部品が主に使われてるからね……成長性があるんだ。

よくよく考えてみれば……わたし達の存在意義的に〝人間らしい〟なんて、意味は無いんだろうけど、ちょっとは感謝してる。

豊かな感情、目に見える成長――それらを喜べる思考もね。

気付かしてくれたのは、目の前の頭を抱える少年。わたしの……大好きな人。

――エックスも射精できるよ。また、苛めてみたいなぁ……。


「じゃ、これはどうしよう?」
額に、わたしが編んだ手袋を当て、エックスが空いた手で小さな箱を掲げる。

箱の表に、お稲荷堂と書いてある。…………どう考えなくても、甘い物だ。
甘い物断ちします、と言った傍から……これだよ。

そんな空気が読めない子だとは、がっかりだよ。……お仕置きです。

「ブヒー!!」
アイのアイによる愛のストレートを放つ。
ゲームセンターの遊具で324キロを叩き出した直線が、エックスの白い顎にぶち当たった。

「ぎゃん!?」
背中から玄関の扉に激突して、蝶番を引き剥がしながら吹き飛ぶエックス。

理不尽? 誰、そういう事を言うのは……。

「武器なんか捨てて……かかってこいよベネット……」
「やかましいよ!!」



「遊んでばっかりで太るなんて、世話ないよね……」
「こんにちは……ネオニートのアイです」
祝日。

気だるい時間に、愚痴を送られたよ。……エックスらしくない嫌味に顔をしかめながら、わたしはソファに向かう。
水玉の寝巻きのまま赤いソファに寝転んで、テレビを点ける。

もう、お昼……こんな時間に起床するなんて……悪い女。

『奥さーん、それはねぇ――』
イーグリードが相変わらず、受話器を片手に市民の相談を受けていた。
画面越しに仕事をこなす、わたしの同僚。この女……人気があるみたいだから、世の中どうかしてる。

奴の責任感と仲間思いなあたりが、子供を持つ団地妻の悩みを、意外な盲点を突いて解決するのが好評みたい。
オクトパルドも似たような性格らしいけど、正直、姿を慎んで欲しい。

相談か……。
横手で洗濯物を畳むエプロン姿のエックスに、白い目で見られながら、わたしは女の悩みを解決する方法を模索する。
イーグリードに相談は……話にならないね。うーん……。

「アイちゃん」
トランクスを手にするエックスが、悩めるわたしの横顔に声を投げた。
わたしは緩慢に首を回し、視界にエックスの顔を収めると――エックスの指がわたしを差していた。

「なんで……ございましょう……」
「手」
はぁ……? わたしは指の先を追う……。

わたしの手には、クッキーが。ソファの横には、開けられた青い缶。
とっても甘いお菓子が、何者かによって食い散らかされてた。

犯人は――
「ブヒー!!」
「ぐぎゃん!?」

缶をエックスに投げつけ、この事件を強制的に解決した。犯人は、いったい…………ばーろー……。

電子音が、連続して流れる。

『はい、ライトです』
わたしの耳に宛がわれた受話器から、高い少女の声が流れた。
結局、レプリロイドの生態……というかボディに詳しい人物にあたる事にしたよ。

簡単に痩せる方法が、聞けると良いな。……期待を胸に、わたしは挨拶しようとする。

『ただいま出かけていますので、応対できないです』
なぁんだ……留守か……。
残念ですよ……伝言でも残すかな……。

『発信音の後に、メッセージをどうぞ……1、2、3、アルバート』
えーと……何かのギャグかな……。全然面白くない……。
寒いものを感じながら、わたしは受話器を置いた。


電話の前の壁にかけられた伝言板。コルク板にピンで刺してある、紙片に書かれた番号をプッシュする。

『はろはろー。こちらは、神童ドップラーの執務室だよ』
電子音の後、出てきたのは子供っぽい声だ。アルマージとか、ナウマンダーみたいなガキ臭い声だなぁ。
番号を書いた文字はエックスの字だけど……エックスは、この声の人物と面識でもあるのかな。むむむ……夫婦危機の予感。

『多忙なロリボディなんで、ケインだったら直通コール、悪戯だったらお手元の拳銃で自殺してねっ』
こいつも留守みたい。

そういやケインの友人に、ドップラーって女が居たような……。老人の交友関係なんて興味ないけど、ちょっと趣味悪いよね。
むー……実は、ケインがロリコンだったらどうしよう……。まっ、無いか。

『衛生課と遺産管理局だったら、ギガクラッシュ放つぞー、こらー』
この女も、なかなか〝お友達〟が多いみたい。くわばらくわばら……関わらないようにしよう。



ケインで思い出し、伝言板に刺さる、緊急時に使用せよと書かれた紙片を見やる。
赤文字で書かれたそれの下に、数字の羅列。――ケインの家の番号だ。

時々、この番号にはカメリーオやクワンガーとかと〝お世話〟になってる。
今回も緊急時なので、早速コールするよ。

『ケインだ』
相変わらず、暗い声。

『こちらに発信しているのが、イーグリード、カメリーオ、オクトパルド、ペンギーゴに該当するなら、直ちに回線を切る事をお勧めする』
うげ……。

『度重なる、私に対しての悪戯電話への対処として、該当者の声帯及び近い者へ、隕石粉砕用の高周波を発射する』
わたしの趣味が一つ、潰えた。
そういえば、クワンガーの名前が無い……やるね。

寝静まったであろう深夜にワン切りとか、下着の色をカメリーオに聞かせたりするのが楽しかったのに。
オクトパルドは間接的な悪戯で、ケイン名義でピザを百人前頼んでた。

歳考えろよ、って感じだけど……高く積まれたピザに、呆然とするケインは今思い出しても笑える。

『繰り返えすが、該当者は直ちに回線を切るように――』
うざいなぁ……。

電話が置かれたアンティークの机の引き出しから、蝶ネクタイを取り出す。ふっふっふっ……ただのネクタイじゃないよ。

「呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ」
わたしの声じゃない、声。
ネクタイを通して発声させたのは、わたしとは似ても似つかない声色だった。

この蝶ネクタイは、カメリーオがちょろまかした遺産の一つらしい。たまには、役に立つもんだ。
こういう時に……ね。

「呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ………バーロー」
呪詛はこれぐらいでいいか……すっきりした。


自由気ままに生きれば……悩みなんか吹っ飛ぶね。毒を吐き出したせいか、心なしか身体も軽くなったみたい……。
年甲斐もなく悪戯が好きな、アイでした。



「ア、アイちゃん……更に太った……?」
「ブヒー!!」

ちょっと……ヴィジュアル的に洒落にならなくなったので、ボディブレードで何とかしました……ブヒ。
<了>

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