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ジュウシマツ軍曹1-1

俺「ストライクウィッチーズぅ~?」
  >>195より投下開始 >>241まで
俺「ストライクウィッチーズなのですよ」
  >>9より投下開始 >>24まで

「一番線お下がりください、急行電車が通過いたします。危ないですので白線の内側にお下がりください…」

もう何度唱えたことか分からないアナウンス。いつものように何事もなく急行電車は通過する…はずだったその時、それは起きた。線路にお客様が“転落”したのだ。

俺は即座に非常ボタンを押した…が、動作しなかった。仕方なく俺は列車防護をせずに線路へ降り、お客様の元へと駆け寄った。

「し、しし、死なせてください!」

彼女は最後の力を振り絞って俺に叫ぶ、だが俺は駅員だ。自殺志願者だろうが何だろうが、助けるのが職務だ。無言で彼女を抱え上げ、最寄の退避スペースへと走った。

「え、駅員さんにげ、にげっ」

分かっていた。この駅は手前に曲線があって直前まで見通しが効かないことも、急行電車の速度が軽く70キロは越えていることも、高架駅なので退避スペース以外の逃げ場はないことも、目の前の退避スペースは一人分しかないことも。

そして、電車がすぐ近くに迫っていることも。

『俺の分まで生きてください、お客様。』

こう言おうとした瞬間、俺は電車に弾き飛ばされて死んだ。



はずだったんだけどなあ……。




坂本「烈☆風☆斬!」

一刀両断されて砕け散るネウロイ。

ミーナ「ネウロイ消滅を確認!」

ペリーヌ「少佐!お見事ですわ!」

ミーナ「…だけど、直下の瓦礫の中に人がいるようなの。」

バルクホルン「人?この島は無人島じゃなかったのか?」

坂本「とにかく行ってみよう。」



バルクホルン「この辺か?ミーナ?」

ミーナ「そうよ、気をつけて持ち上げてね。」


注意深く瓦礫を除けると、そこには…



目が覚めると、見知らぬ天井が広がっていた。病院にしては古めかしいし、天国にしては現実的だし、地獄にしては平和すぎる。

そもそも三途の川すら渡った記憶がない。渡し舟の待合所か?

埒が明かないので身を起こす。生前の制服姿ではなく、いかにも病院といった感じの寝巻きに変身していた。

俺(これじゃあ三途の川渡るの寒そうだな…って!?)

枕もとの小机に突っ伏して少女が眠っているのである。悪魔には見えない、天使だろう。話し声が聞こえるにも関わらずよく眠っている。

……話し声?

俺は耳をそばだてることにした。

『手帳?』

『ええ、瓦礫を片付ける過程で発見されたそうよ。その中に書いてあったことから判断すると、彼は異世界人らしいの。』

『異世界人だと!?』

『単なる未来人の可能性もあったんだけど、どうやら異世界人らしいの。そこに記されていた国名が、この世界には存在しない国だったわ。』

『『存在しない国!!??』』

『“ニホン”よ。恐らく扶桑のことを指しているんでしょうけど…』

『“ニホン”か。聞いたことがないな。』

『私もだ。扶桑人なのにな、わっはっは。』



「………異世界に飛ばされた!!??」







ジュウシマツ軍曹

第一話

『ここは、お気に入りの世界』





~数時間後~
異世界に飛ばされた、というのも相当な驚きだったが、そこでの初仕事が「夕飯を作る」というのも中々の驚きだ。しかも自分含めて12人前。

エーリカ「俺さんも大変だよね~、まさか料理を禁止されている私しか残ってないなんて。」

俺「いえ、いてくださるだけでもありがたいです中尉殿。」

エーリカ「階級はつけなくていいよ、それに俺さんの方がずっと年上でしょ?」

そう、驚くべきことにウィッチは今のところ俺以外全員女性で、しかも普通は20歳までに魔力を失う…飛べなくなるそうだ。

男で24歳、しかも『ほぼ確実に飛べるだけの魔力を持っている』(ヴィルケ中佐談)という俺は、たとえ異世界人でなくても相当なイレギュラーらしい。

エーリカ「男なのに魔法力あって、それに料理もできるなんて、完璧ジャン!」

俺「いや、これは前の職場で鍛えられただけですよ。」

エーリカ「駅員さんだったんだよね…っあ、あっ」

どうやら俺の“最期”のトラウマを刺激してしまったと思ったらしい。

俺「別にトラウマでも何でもないので大丈夫ですよ、ハルトマンさん。」

エーリカ「そ、そうなんだ、ごめんね俺さん。」

そのまま逝ったならまだしも、異世界とはいえ蘇った?俺は別になんとも思っていなかった。

むしろウィッチの皆さんの方が反響大きかったような…室内にいた坂本少佐・ミーナ中佐・バルクホルン大尉ばかりでなく盗み聞きをしていた他の皆さんまでもが泣いていたのだ。

その妙に湿っぽい雰囲気を吹き飛ばそうとした少佐は、俺の件でお取り込み中の中佐と大尉を除く全員に訓練を命じた。その結果、『俺が“料理を禁じられている”ハルトマンさんと一緒に夕食を作る』という現状が生まれたわけである。
※ハルトマンさんは俺に基地内を案内することを口実に抜け出してきたとか

俺「そんなに涙を誘わないと思うんですけど、俺の最期。」

エーリカ「いやあ、普段人を守ってる立場にある私たちには何かこう、グッときたかな。ただ、トゥルーデまで泣くとは思わなかったなあ」

俺「ええと、『トゥルーデ』ってバルクホルン大尉のことですよね。」

エーリカ「そう。トゥルーデは堅物だからねえ~」

俺「カタブツ?」

エーリカ「いっつも軍規だとか規律だとかうるさいんだよ~」

俺「そうなんですか、個人的には頼れる上官殿、という印象を受けましたが。」

エーリカ「“頼れる上官殿”かぁ…確かにそうだけど、トゥルーデにだって色々あるんだよー。」

俺「色々?」

エーリカ「そう、トゥルーデはね、いもうtムグググググググ」

噂をすれば何とやら。いきなり中尉の背後にバルクホルン大尉が現れて口を塞いだ。何だろう?軍機にでも触れるのだろうか?

俺「す、すみません大尉殿!緊張が解けたせいかつい軽口を…」

バルクホルン「あ、お前…いや、俺さんは悪くない。悪いのはコイツだ。」

口を塞いだ次はギリリリリリリ…といわんばかりにハルトマンさんの頭を締め付けている。大丈夫か?

バルクホルン「あと、私のことは階級なしで構わん、いや構いませんというか…」

俺「ヒラの俺にそんなに気を使わなくてもいいですよ。まだ会ったばかりですし、年下だと思って接して頂ければ幸いです。」

エーリカ「あはははは、トゥルーデも俺も何か変だよ~」

言われてみれば確かにそうだ。困ったなあ…

ミーナ「私たちは家族なんだから、そんなに気張ることないんじゃないかしら。ねえ俺さん?」

俺「ヴィ、ヴィルケ中佐、いつの間にいらしたんですか!?」

ミーナ「階級は無し。それに『ミーナ』で構わないわ。あと、俺さんに大切なお知らせが…」

大切なお知らせ?何か前世に忘れ物でもしたっけ俺?

ミーナ「俺さんを私たちの一員として正式に任命します。国籍がないので義勇兵扱いになりましたが、階級は軍曹です。」

俺「二等兵ではなく、いきなり軍曹ですか?俺は何の訓練も受けていない文民ですよ?」

ミーナ「あなたが持つ魔法力の強さと、その特異性から判断すると足りないぐらいだわ。」

バルクホルン「二十四歳、男、抱えあげた瞬間に伝わってくるほどの魔法力…只者ではないだろう。」

エーリカ「実は前世でも軍人でした~とかじゃないの?」

俺「いや、全くそのような経歴はないんですが…そもそもまだ飛んだことすらありませんよ?」

ミーナ「そのことですが、明朝9時より飛行テストを行います。頑張りましょう!」

エーリカ「楽しみだね~」

バルクホルン「全くだ」

俺「が、頑張ります!」


こうして、俺の奇妙な異世界生活が始まった…

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最終更新:2011年12月01日 00:45
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