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無免許医師たるもの、1にエーリカ、2にエーリカ、3・4もエーリカ以下略だ!

俺は司令部に駆け込み、汚れた身体を簡易シャワーで洗い、そして服も用意してもらった真新しい軍服へと着替えた

一年ぶりに逢うのに、汚れた服でエーリカに逢うのが嫌だったからだ

外に停めてあったジープにいざ向かおうという時に、部隊長に呼び止められた

俺「な、なんだ!? 部隊長」

部隊長「……君は生きる伝説だよ」

俺「へ? ど、どういう事?」

部隊長「今日のネウロイの攻撃で、我々には甚大な被害が出た」

    「負傷者はかなりの数に上ったが……奇跡的に死者が出ていないんだ」

俺「……ほ、本当か!?」

部隊長「ああ、これも君の治療のおかげだよ」

    「たぶん、君が居なかったら、相当数の死者が出たと思う」

    「隊を代表して、感謝を申し上げるよ」

俺「あ、ありがとう…」

今日は、朝から無我夢中で治療してきたが、全員救えるとは思ってもいなかった

中には出血の激しい者もいたし、殆ど意識が無い者もいた

それなのに、死者が出なかった事は奇跡的だ

これは俺の治療のお陰ではなく、ここにいる皆が引き寄せた奇跡だと思う

俺「じゃ、じゃぁ、俺急ぐんで!!」

部隊長「待て、どこに行くんだ?」

俺「ちょっと飛行場まで…」

部隊長「? なぜだ?」

俺「えーっと…」



「俺医師は、501のハルトマン中尉に逢いに行くんですよ」

部隊長「ん? なぜ、ハルトマン中尉限定なんだ?」

「そりゃぁ、俺医師はハルトマン中尉とねぇ……」

俺「…そ、そんな目で俺を見るな…」

部隊長「ハルトマン中尉と何かあったのか?」

俺「ええっと…」

「俺医師はハルトマン中尉と婚約してるんですよ」

部隊長「なに!? 本当か!?」

俺「え、えぇ……まぁ…」

ああ…またここの兵士達のように殴られるのかなぁ……

部隊長「いやぁ~ おめでとう! 実にめでたいごとじゃないか!!」

俺「! は、初めて…だよ……祝ってくれたの……!!」

部隊長「お、おい!? 涙なんか流して、どうしたんだ!? なにか悪い事でも言ったか!?」

俺「い、いえ…褒められた事が嬉しくて…」

部隊長「そ、そうか! よく分からんが……501ならここに来る事になってるぞ」

俺「えっ!?」

部隊長「飛行場はネウロイの標的になりやすい。 そこに居させるわけにもいかないんだよ」

俺「じゃぁ、501がここに……」

「501がここにクルー!?!? いやっほぉぉぉぉぉっ!!」

部隊長「ここの司令部の空き室で過ごしてもらう事になってるんだ。 501の次の任務は、スオムスにいるネウロイを追っ払う事だからな」

俺「そ、そうか…来るのか…」

俺はいても立ってもいられず、外へ飛び出した

部隊長「…若いっていいねぇ…」





俺「………」ソワソワ

「なにしてるんですか、そんなにソワソワして」

俺「な、なんでもない!!」ソワソワ

どうも落ち着かない…

そりゃぁそうだ、久しぶりにエーリカと501のみんなに逢えるんだから

俺は塹壕の中に入ったり、出たりを繰り返した

新兵「……はぁ……分かりやす過ぎますよ…俺さん…」

俺「な、なにが分かりやすいんだ?」

新兵「………なんでも― あ、なんだかトラックが…」

俺「ん?」

新兵が指差した方向を凝視してみると、2台のトラックがこちらに向かってきた

やがて、司令部近くまでやって来て、静かに駐車した

トラックからは何人かが静かに降りてきた

その中の一人を見た瞬間、俺の心臓は大きく鼓動した

俺「……やっと…」

ずっと逢いたかった人、片時も頭の中から離れなかった人

愛おしくて、たまらなかった人   

501の天使が…ここスオムスにやって来たのだ

俺「…エーリカ………エーリカ!!!!」

エーリカ「!! お…俺ぇ―っ!!」

俺「エーリカ!!」ダキッ

エーリカ「俺!!」

俺はトラックを降りたエーリカに向かって全力で走っていった

そして、力強くエーリカを抱きしめた

エーリカ「俺!! ずっと…ずっと…逢いたかった!!」

俺「俺も…俺も逢いたかった!!」

一年振りに感じたエーリカの温かさは、言葉では表すことが出来ないぐらい心地良かった

少々、エーリカの身体が小さくも感じられた

エーリカは、ここに来るまで幾つもの激戦を経験してきたんだ。無理もないか…

俺はなぜだか、エーリカの顔をはっきりと見る事が出来なかった

なんか、ぼやけていて…

そうか…俺…泣いてるんだ…

俺、こんなに涙ぼろかったっけ…?

俺「…エーリカ……ぐすっ…」

エーリカ「…もしかして、俺泣いてる?」

俺「……馬鹿やろう…泣いてねぇよ……ぐすっ」

エーリカ「にしし、泣いてるじゃん♪」

俺「…泣いてねぇよ……泣いてない…ぐすっ…エーリカァァァッ!! ぐすつ…」

エーリカ「やっぱり泣いてるじゃん♪ ほらほら、いい子~いい子~」

俺「……やっぱ…俺…エーリカが居ないと無理なんだよ……エーリカが居なくて…凄く寂しかった…」

エーリカ「うん、私も…俺が居なくて寂しかった…」

俺「……エーリカ…」

エーリカ「…俺……」

自然とお互いの唇が近づいていった

そして、一年振りに唇の乾きを潤した

離れ離れだった時間を埋めるかのように、長くて濃い、そして深いキスだった


宮藤「ハ、ハルトマンさん!?/////」

リーネ「はわわわわ…////」

ルッキーニ「シャーリー!! なんで目隠しするのー!? 私にも見せてー!!」

シャーリー「ルッキーニには、まだ早いよ」


渇きを潤した俺は、501のみんなと1年ぶりの会話を交わした

俺「……久しぶりだな、スオムス娘

エイラ「…久しぶりダナ、俺」

俺「リトヴャク中尉も久しぶりだな」

サーニャ「お久しぶりです。俺さん、ちょっと痩せましたね」

俺「そうか? まぁ、最前線にいればそうなるかもね」

北欧の2人組みとも久しぶりに会話を交わした

ペリーヌ「まったく…心配して損しましたわ」

宮藤「俺さん! また会えて嬉しいです!!」

リーネ「無事で良かったです!」

俺「3人ともありがとな。 それと、クロステルマン中尉、心配して損したは無いだろ…」

ペリーヌ「そ、そんな細かい事は、気にしなくていいんですわ!!」

俺「ったく……それと宮藤軍曹とビショップ曹長、501を旅立つときに貰ったオニギリ、美味しかったぞ」

宮藤「良かった~!」

リーネ「良かったね、芳佳ちゃん!」

宮藤「うん!」

この3人は本当に変わらないな…

なんか安心した

シャーリー「よう俺! お化け怖くなかったか~?」ニヤニヤ

ルッキーニ「怖かった~? 」ニヤニヤ

俺「…はぁ…もうその話は…勘弁してくれ……」

シャーリー「まぁ、俺が元気そうで良かったよ! それよりさ…俺」

俺「ん?」

シャーリーは俺を引き寄せるかのように手招きをした

そして耳元でぼそっと喋り始めた

シャーリー「なぁ、ハルトマンとのキスはどうだった?」ニヤニヤ

俺「な…!!?///」

シャーリー「いやぁ…ビックリだよなぁ~ ハルトマンと俺が結婚の約束をするまでの仲だったとはな~」ニヤニヤ

俺「……な、なんで知ってる!!?」

シャーリー「あのなぁ…人前でキス見せつけられたら、誰だって関係を怪しむだろ」

俺「…ま、まぁ…」

シャーリー「ま、ハルトマンと幸せにな!」

俺「お、おう!」

久しぶりにシャーリーのからかいを受けて、ほんの少し嬉しかった

その…M魂をくすぶられるというか何というか…

ルッキーニ「ねぇねぇ、俺! お菓子は~?」

俺「お、お菓子は無いなぁ…」

ルッキーニ「えぇー!?」

俺「最前線だから、我慢してくれ。 悪いな…」

ルッキーニも相変わらずだな…

坂本「はっはっはっ! 俺医師、相変わらずだな!」

ミーナ「ええ、元気そうで良かったわ」

バルクホルン「うむ、健康そうだな」

俺「3人とも、久しぶりだな」

バルクホルン「その…俺医師! 話があるんだが…」

俺「ん?なんだ?」

バルクホルン「……ちょっと来い!!」

俺「ちょっ!? ひ、引っ張るな!!」

俺は突如、バルクホルン大尉に手を引っ張られ、みんなとは少し離れた場所へと連れてこられた

俺「ったく…話ってなんだ?」

バルクホルン「……その……ハル……フラウを幸せにしてやってくれ…」

俺「へ?」

バルクホルン「だから… フラウを必ず幸せにしてやってくれ!! 頼む!!」

必死の形相で俺に喋りかける大尉からは、何ともいえぬ思いが伝わってきた

……大尉とエーリカは大戦中、ずっと一緒に戦い、そして世界を守ってきたパートナー同士だ

当然、俺よりも付き合いが長い

2人の絆は俺が思っている以上に強く、そして深いものだ

大尉は…俺とエーリカの結婚の話を聞いて…どんな気持ちだったんだろ……

やっぱり…寂しかったんだろうか…

バルクホルン「……頼むぞ…俺医師…」

俺「…もちろんだ…必ず…必ずエーリカを幸せにする」

バルクホルン「……もし、フラウを泣かせたら…ただじゃおかないぞ! そんな事でもしたら、私がお前を泣かせてやる!」

俺「りょ、了解した!!」

バルクホルン「返事が小さい!!」

俺「了解した!!!!」

バルクホルン「……私は…俺医師を信じてるぞ… 俺医師なら…きっと…フラウを幸せにしてくれる…」

俺の故郷、スオムスで俺はバルクホルン大尉と大事な誓いを立てた

エーリカを悲しませないためにも、バルクホルン大尉を悲しませないためにも、このことは絶対に破ってはならないと強く心に誓った




司令部に501を受け入れる準備が整うまで、501は外に簡易テントを設置し、そこで休息を取ることになった

久しぶりに再開した501と俺は、今までの戦いについて話し合っていた

俺「…で、どうだったんだ? カールスラントは?」

ミーナ「…想像以上に激戦だったわ…」

俺「だろうな…」

坂本「俺医師はどうだったんだ?」

俺「毎日、空襲の繰り返しだったな。 ろくに寝る暇も無かったよ…」

エイラ「ところで俺、お前は知らないかもしれないガ、俺は結構有名人になってるんだゾ」

俺「?? どういう事?」

エイラ「スオムスで活躍する無免許医師って呼ばれてるナ。 結構な数で、新聞に載ってたんダゾ」

俺「え!?本当か!?」

エイラ「お前がスオムスに来てからは、死者数が激減したらしいからナ。 お前は、ここスオムスの英雄って訳ダ」

俺「そ、そんな事になってたのか……」

シャーリー「そういえば、ハルトマンは、毎日俺の話ばっかりしてたなぁ~」

ハルトマン「し、してないよ…///」

バルクホルン「いや、戦闘以外の時は俺の話をひたすら聞かされていた記憶しか無い」

ハルトマン「…そうだっけ?」

バルクホルン「とぼけるな!!」

俺たちはしばらく、思い出話に花を咲かせた

ミーナ「みなさん、そろそろ、2人きりにしてあげましょう」

坂本「そうだな。 2人でしか話せない事もあるだろう」

ルッキーニ「えぇー!? もっと俺とお話したい~!!」

シャーリー「ルッキーニ、また明日、話せばいいだろ?」

ルッキーニ「うん…」

ミーナ「2人とも、くれぐれも一線は越えないようにね。 じゃ、おやすみなさい」

俺「りょ、了解した…(一線って……)」

エーリカ「みんな おやすみ~」

俺「…さてと…」

エーリカ「2人きりだね」

俺「…そうだな…」


続く

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最終更新:2011年08月01日 15:52
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