<あらすじ>
主人公、平坂葵(18)は大学生。東京で一人暮らしをしている。
学業はそこそこだが友達が少なく特別趣味といった趣味もない葵は、漫然とした日々を送っていた。
そんなある日、葵のもとに田舎に住む祖母が急逝したとの知らせが入る。
幼い頃を過ごした村に急ぎ帰り、祖母の亡骸と対面した葵は、幸せだった子供の頃を
想い返しながら天涯孤独になってしまったことを実感する。
葵の両親は昨年事故で他界しており、唯一残されていた肉親が祖母だったのだ。
「ごめんよ、ばあちゃん」
両親が死んだとき、祖母は村に戻って一緒に住むことを勧めてくれたが、
葵は都内の大学へ進学が決まっていたこともあって、頑なにそれを拒否していた。
その時の選択を後悔しながら悲嘆に暮れる葵を、憧子が慰めてくれた。
彼女は、子供の頃いつも一緒に遊んでいた、この村唯一の幼馴染だ。
それから一夜明け。
遺品の整理をしていたところ、葵は「家の裏手にある神社の要石には近寄るな」との
警告が書かれたメモを発見する。
祖母は生前、神社の管理をしていたのだが、今やその土地を独りで継ぐことになった葵にとって、
祖母の警告はとても気になるものであった。
瞳とともに神社へ向かい、件の要石を探る葵。
だがその途中、彼らはひょんなトラブルから誤って要石を壊してしまう。
すると突然辺りの空間がゆがみ、瘴気が立ち込め、石のあった場所から何かが現れた。
そこには、かつてこの地を荒らしまわり、人々に恐れられた妖怪「空狐」が封じられていたのだ。
俄かには信じがたいが、要石を壊したことで封印が解け、復活してしまったらしい。
禍々しいオーラを放つ空狐を前に、死を覚悟する葵たち。
だが―――
「ふぁぁ~、よく寝た。……ん、アンタ、誰?……ていうか、私…誰?」
何と空狐は長すぎる封印の影響で以前の記憶を失っており、ずぼらなお姉さんキャラになってしまっていた。
とりあえず害意のないことを確認した葵たちは、空狐の面倒を見つつ再封印の手はずを探すことにする。
それからの日々は、葵の想像を超えたドタバタの連続であった。
空狐復活の影響で現世に降臨した神社の祭神、「白蛇」。
白蛇の持つ宝珠を狙って現れた流しの女盗賊、「猫又」。
その猫又を捕らえんとする妖怪界の女警察官、「天狗」。
自分を解放してくれた葵にちょっかいをかけてくる悪戯好きの空狐に、
葵の“保護者”として彼女達から葵の貞操を守ろうとする瞳。
そして、そんな彼らを生温かく見守る主人公。
―――騒がしくも可愛いらしい妖怪たちに囲まれた、ひと夏の摩訶不思議な物語が今、幕を開ける―――
********************************************************************************************
最終更新:2010年02月11日 02:18