2ちゃんの板を擬人化して小説書いてみないか? @Wiki内検索 / 「短編34」で検索した結果

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  • 短編?
    ...G7O0氏) ★ 短編34 (◆9VgV3LNOas氏) ★ 短編35 (ID xuWk+JbP0氏) ★ 短編36 (◆9VgV3LNOas氏) ★ 短編37 (◆9VgV3LNOas氏) ★ 短編38 (ID J4JnY/nl0氏) ★ 短編39 (◆9VgV3LNOas氏) ★ 短編40 (◆9VgV3LNOas氏) ★ 短編41 ★ 短編42 (ID KEY7QsJx0氏)
  • 短編34
    「VIP!待ってってば!」 クラウンの声にVIPは服の襟を摘んでパタパタと扇ぎながら振り返る 虫が煩いほどの声で上からギャーギャー叫んでいて、その更に上で太陽がジリジリ照り付ける コンクリートが鉄板の様になっていて、ミミズがミイラになって道路に転がっている 「なんだよ?」 「なんだよ?じゃないってば!」 VIPの真似をしながらクラウンはVIPの傍にズカズカと歩いてくるとふぅっと溜息を吐いた なんとなく宿題でも写しにラウンジの家に行ったら見事にラウンジとは入れ違い、不幸なことにクラウンに捕まってしまった クラウンはVIPの手を掴むと嬉しそうに笑う その掴んできた手を握り返しながらVIPは不機嫌そうにそっぽを向いた 「何々?こんなに可愛い女の子とデートできるのに」 「えー・・・かわいくねぇもん」 「それは失礼だよ!」 手を離してクラウンはVIPを睨むと一人で歩き出した...
  • 短編3
    ラウンジにクッキーを食べさせた次の日、ラウンジの目の手術の日だ VIPがいくらラウンジの心配をしても意味がないのでVIPはいつも通りに学校に来た 学校に来て一番最初に向かったのはお菓子の居る場所 「あ、お菓子!」 VIPはそう言って笑顔を作りお菓子に近づく 「ん?どうしたの?」 「いや、クッキーありがとうってラウンジが言ってたよ」 お菓子はVIPの言葉に驚いて目を丸くする まさかVIPが本当にラウンジに渡してくれるとは思っていなかったんだろう VIPに渡したのはただの賭けだ 負けたほうが夜ご飯を奢るということになっていた 渡す方に賭けたのはソフトドリンク一人で、あとは全員渡さないほうに賭けていた 「ほんとに渡してくれたんだ!?」 「うん、まぁ・・・」 少し顔を顰めて頭を掻くVIPにソフトドリンクは後ろでやったーっとバンザイしている ...
  • 短編35
    「あの…ちょっとロボゲー」 「何ですか?」 「いや、ちょっと聞きたいんだけど…」 「はい」 「なんであなただけそんな強いの?」 「はい?」 「いや、なんであなただけそんな強いのかなー、って。」 「はぁ」 「私なんかぼろくて、無力なのに、なんであなただけそんなガンソードとか200万馬力ブースターとか持ってるのかなと」 「いや、その…」 「いや、別に羨ましいとかそんなのは無いんだよ?けど、私と凄く違うな、って…」 「はぁ…」 「おう、ロボゲーじゃないか。この間は突撃させて貰ったぜ、お茶なんか出して貰って悪いな」 「あ、VIPさん…」 「…ロボゲーは凄いね、VIPの突撃にお茶出せるなんてさ」 「いや、その…」 「…私なんかいらないんだっ!」 「ちょっと、ロボットさん…待ってくださいー」 「お?ブースターフルバーストのロボゲーなんか久々に見たお」 「うわ...
  • 短編30
    本当に静かな夜だ 虫の声、木が弱い風に吹かれて少しだけ軋んだ音をだしている 近くの川はコンクリートでまだ固められていなくて、雨が降ったときのような音を出していた 扇風機を付けずにVIPは外をぼんやりと眺める 空には雲が3つほど流れているのが見えて、蚊取り線香の煙がぼんやり空をぼやかしてた 夏休み・・・そう考える暇もないくらいバタバタと忙しい毎日だ 夏休みの宿題だって、ラウンジに見てもらわないと全然終わってない だけど、わざわざこの暑い夜に宿題なんてする気にはなれなかった セミの声が自分の眠気を誘っているかのような気分だ・・・ 座布団を枕にするとVIPはごろんと横になった 畳の触り心地が気持ちよくてVIPは溜息を付きながら目を閉じる 「・・・ねむ・・・」 しばらくこうしてごろごろしていよう、きっと天国が起こしてくれて、そしたら風呂に入ろう 風呂に入ってゆっくりしたら...
  • 短編36
    「心ちゃん!知ってる?」 「何をだよ・・・」 「おまわりさんの幽霊」 神社仏閣の言葉に興味なさそうにしていた心と宗教は少しだけ首を傾げる 確かにそんな噂を聞いたことがあるが、被害にあったということは聞いていない 人を驚かせるのが好きなだけの奴じゃないのだろうか? 神社仏閣のベットの上に転がりながら漫画の内容も読まずにパラパラとページをまくる 「それで?」 「その幽霊、急に話しかけてくるんだってぇ・・・」 いかにも怖そうな声でいう神社仏閣に心と宗教はぷっと吹き出した 霊感の無い人間にとって幽霊なんて存在しないのと同じだ、信じていなかったら幽霊なんて言葉すら日常には出ない ということは、その話しかけられた奴がたまたま霊感が強かったか、そいつと波長が合ったんだろう 「で?」 「むぅ・・・せっかく新しいお仕事なのにぃ!」 「誰からだよ」 漫画をベットのすぐ傍にある本棚...
  • 短編37
    「お腹・・・痛い・・・」 クラウンが苦しそうに腹を押さえてうずくまる ラウンジはそれを見ると背中を擦りながらクラウンの顔を覗き込む 「あれ?」 「ううん、私、まだ・・・きてない・・・」 クラウンの言葉にラウンジは顔をしかめながらスカートを持ち上げる 確かにまだなようだが・・・ 「アンタ、そういえばまだなんだっけ?」 「うー・・・」 苦しそうに腹を捩るクラウンにラウンジはお腹を擦ってあげる 「まだぁ・・・」 ラウンジは自分が中1でなった事を思い出してあまり変わらないか・・・と思ってみた 「トイレいく?」 「う、うん・・・」 ふらふら歩き出したクラウンにラウンジは溜め息をつく 食べ過ぎだってば・・・
  • 短編31
    旧シャア専用はただいま家出中だった 何故か?それは未来技術がロボットにべったりだから・・・だ 確かに自分は古いかもしれないが・・・それでもやはりロボットばかり構うのは不公平じゃないか いや、たしかにロボットの方が自分より1000倍可愛いかもしれないが・・・ 旧シャア専用は高い位置を飛びながら腕を組んで考える このまま何処かへ行くとしても電池が切れる・・・はずだ 空から見る世界はなんだか模型で作ったかのような世界だった 四角くて同じ建物がいくつも並んでいて、まるで詰め合わせの物のように家が並んでいる そろそろ空を飛ぶのもきつくなってきたかもしれない・・・旧シャア専用はゆっくりと地上へ降り立った 田舎だけあってちらほらにしか人が居ないのが救いだ 道路を全力で横断して草むらに隠れて移動を繰り返せばいくらでも遠くへいける 「・・・?これは・・・?」 それは麦藁帽子に髪を三...
  • 短編39
    「夏と言えば?」 VIPが隣りに座ってアイスを舐めているクラウンに不思議そうな顔で問い掛ける クラウンは少し唸りながらアイスを咥え、空を見上げて足をブラブラさせる 虫の声が暑さを強調するように響いてくる 「わたあめ、たこやき、やきそば、いかやき、とうもろこし、そうめん」 「全部食べ物かよ」 VIPは苦笑いしながら汗を拭うとふぅっと溜め息をつく 「いや、お前がよかったらそうめんでも食べに行かないか?」 「で、でーと・・・?」 アイスを舐めるのも忘れてクラウンがキョロキョロと周りを見る アスファルトがゆらゆらと揺れているように見える・・・ 「デートじゃねぇけど、昼飯食いに行くから」 いかない?と言いながら椅子から立ち上がったVIPは振り返る クラウンは溶け始めたアイスを急いで舐めると椅子から立ち上がる 「いくいく!そうめん大好き!」 「自腹だからな」 今はク...
  • 短編33
    「はぁ・・・」 モテない男は机に肘を付いて頭を腕に乗せたまま深い溜息をつく どうしてこんなにも自分はモテないんだろうか?VIPですらラウンジが居るというのに! モテない男は近くにあった鏡を手にとってにっこりと鏡に向かって笑う 冴えない顔がニタニタと笑っているのが鏡に映ってモテない男はさらに溜息をつく 「・・・整形したい・・・」 そう呟いたのが聞こえたのかモテたい男が机を叩くようにモテない男の前に座る 「整形するような金はない!自分でなんとかしろ!」 「そんなこと言われても・・・」 今まで散々努力はしてきたが、全て空振りに終わっている 髪型を毎日セットして、少し香水もつけて、最近流行っている服だって着てる なのにどうして・・・ここまで努力をしているというのに! 「まずはどうしてモテないのかを考えてみよう」 「うん」 二人は考える・・・どうしてモテないんだろうか・・...
  • 短編32
     僕はいつも走っていた。  いつから走り始めたのか分からない。  いつまで走り続けるのか分からない。  でも、僕は、走り始め、走り続けていた、いつか走り終わる時が来るのだろう。  不思議な感覚だ。  人間にとって一日は24時間のはずだが僕はそれ以上にずっと走り続けているような気がする。  いや…考えてみれば、生まれてこの方ずっと走っている気がする…  おかしいな、僕だって赤ん坊の頃は赤ん坊なりに寝返りだって満足に うてなかったはずだし歩けるようになるにはそれなりの訓練を要したはずであるのに。  しかし考えてみれば誰でも幼い子供の頃の記憶なんて覚えていない。  物心つくのは小学生か、せいぜい幼稚園の頃だろう。  だから、幼少期に走っていない記憶がないのは仕方がない。  それと、そうだな、眠っている時は人間記憶なんて残っていないわけだから 寝ている時のことなんて...
  • 短編38
    桜は満開には程遠かったが、5分咲きくらいの桜は確かに僕を 祝福してくれるかのように思えた むしろ、超名門の私立2ちゃんねる大学に合格できたのだから 桜たちだって僕をを本当に祝ってくれていると違いないと一人合点したい 苦しい受験勉強と一口で片付けてしまえば それで終わりかもしれないが。やはり戦争と比喩されるだけあって あの1年間は辛くて悲しいこともたくさんあった, けれど、1つ腑に落ちないことがある。 試験問題が「VIPとラウンジの対立関係について 詳細を述べよ」と、3年間勉強したことが全く生かされなかったことだ 試験問題を口外したものはコンピューター法務部に逮捕されるという噂が流れ 過去問題が一切不明で全くとして対策を講じることができずにいた 予備校の先生の話では、過去にVIPとローゼンメイデンの関係について 800文字以内で述べよとかいう問題がでたらしいが み...
  • 短編1
    vip「あ、お菓子!」 お菓子「ん?どうしたの?」 vip「いや、クッキーありがとうってラウンジが言ってたよ」 お菓子「ほんとに渡してくれたんだ!?」 vip「うん、まぁ・・・」 お菓子「優しいね」 vip「ば、バーヤ!優しくねぇよ!」 お菓子「優しいねぇ」 ソフトドリンク「優しいねぇ♪」 vip「ちょwwwww俺友達増えまくりwwwwww」 二人「寝言は寝てから言え」 vip「(´・ω・`)」 ●「・・・」 ヒッキー「・・・」 ●「・・・」 ヒッキー「・・・」 ●「・・・」 ヒッキー「・・・なんか喋れよ」 ●「しねよ童貞」 ヒッキー「・・・死のう」
  • 短編4
    「は?何?お見舞い?」 「そう、彼氏なんだからお見舞いくらい来なさい!」 クラウンからの電話にVIPはため息をつきながら自分の服をパタパタと扇ぐ こんなに暑くて外に出たくないのにラウンジの奴は風邪をひいたらしい 「しゃーねぇなぁ・・・」 「早くきてね!お見舞いっていえばわかるよね?何かお土産持ってきてね!じゃね」 「ちょwwwwwwwwww」 電話が一方的に切られてしまう 毎月の小遣いが2000円だってのを知ってて言ってるのか? 悲しい現実にVIPは頭を悩ませる 「天国!お前何か見舞いにちょうどいいものないか?」 「ない」 「もういいや、無くても問題ないだろwwwwww」 VIPは何も持たずにラウンジの家へと旅立った 「おいすー」 「あれ・・・?いらっしゃい・・・」 玄関に出てきたのはパジャマ姿のラウンジでほほが少し赤くなって...
  • 短編9
    「あちぃー!」 タンクトップで外に出たVIPは陽射しの強さに顔をしかめた 今年の夏は例年より何度も暑いらしく、コンクリートが鉄板に見える サンダルが暑さで溶けたりしないだろうかなんて思いながら近くの駄菓子屋に出向く 駄菓子屋に着いた時点で汗がかなり出ていて、喉はかなり渇いてる 「あっちぃ・・・アイス食おっと」 VIPは駄菓子屋に入り冷凍庫の中を覗く、レモンのかき氷にレモンの輪切りが乗っているアイスが丁度あってVIPはそれを手にした 「うは、つめてぇ」 生き返るようなアイスの冷たさにVIPは両手でそれをグルグル手の中で回す 「あ、VIPお兄ちゃんだ」 聞いた事のある声にVIPは振り返った 一瞬ラウンジかと思ったが、クラウンの間違いだったようだ 「お、おいすー」 「アイス?いいなぁ」 「奢ってやらねぇ」 VIPは駄菓子屋のおばちゃんに...
  • 短編8
    「うぁー」 VIPは不思議な声を出しながら左肩を右手で揉む 初めて肩がつった事に驚きつつ運動不足かな?と首を傾げる 「肩凝り?」 ラウンジが横に来て不思議そうな顔をする 肩凝りってどんなもんなんだろうなと想像しながらVIPは苦笑いをする 「肩がつった」 「えー?」 それを聞いてラウンジはVIPの左肩をいきなり叩く 「うぉ!?いっ・・・てぇ・・・なラウンコ!!」 「なに?もっと叩かれたい?うぉら!」 「ぁぁぁ!!やめて下さいお願いします」 シベリアは変なものを見るような目で二人を見るとやれやれと溜め息をついた ラウンジはVIPの左肩をグイグイ揉んでる 「お前、ほんとに仲良いよな」 どこがだよ!とVIPは心の中で叫んでいた 「炭酸コーヒー?」 「うん、すげぇまずかった」 VIPはソフトドリンクにその詳細について...
  • 短編7
    翌日、夏休みなので昼まで寝てようと思っていたのだが、朝からシベリアに電話で起こされる。 「なあVIP、あのオカルトが怪物になってしまった薬の正体なんだけどな」 「ああ、なんか分かったのか?」 「いや、そうじゃないんだけど・・・近所に化学さんって言うお兄さんがいて、その人に例の薬を分析してもらったらどうかと思って」 シベリアは、例の事件の事に関しての記憶に問題無い様だ。 あの赤色の粉末、あれは今どこに有るのだろう? オカルトの母親とのバトル以来、警察から何か言われる訳でもないし、ニュースにもなっていない。 「オカルトの家にもう一度行ってみるか?」 やはり、謎を謎のままにはして置けない。VIPは、シベリアと一緒に現場にもう一度行ってみる約束をした。 あそこが、その後どうなっているかは知らないが、とにかく関心を拭い去れなかった。 電話を切った後、何か食べよ...
  • 短編5
    「あーわからん!」 筆記用具を投げ飛ばしながらvipは駄々を捏ねる。 夏休みの宿題は早めに終わらせなさいというラウンジの命令でvipは嫌々ながら勉強をしていた それにしても授業を全く聞いて居なかったvipにとって、この宿題はかなり厳しい だいたい中学校の問題すら出来るかわからないのだからどうしようもなかった 「人生\(^o^)/オワタ」 こういう時は最後の手段であるシベリアに電話をする ―ただいま、電話に出るこ― 頭を抱えて悩むvipは携帯を見ながらしばらく睨み合いを続ける 「そうだ、ラウンコがいる」 今後会ったら聞けばいいや この判断が死に繋がるとは思いもしなかった・・・ 「ラウンジ!勉強教えて!」 「どれ?」 「全部」 vipは特殊警棒で星になりました
  • 短編2
    「ねぇ!VIP!暇だったら一緒にお昼どう?」 「はぁ・・・?金ねぇよ」 VIPはラウンジからの電話に寝転がりながらそう答える 特にバイトなどをしているわけではないVIPにとって外食をそう簡単にできるものではなかった 扇風機の風を浴びながらVIPは大きなあくびをする 「うーん、じゃあ、半分奢ってあげる」 「金持ちだねぇwww」 何でそこまでして昼飯が食べたいのかわからないがVIPにとって悪い話じゃない 飯代を半分出してもらえるなら食べに行くのも有りか、なんて思い始めていた 「どーするの?」 「おkwwいくおww」 電話の向こうでラウンジのため息が聞こえた気がしたがVIPは気にしなかった 「なんでいきなり昼飯奢ってくれるんだ?」 「別に、それに奢りじゃなくて半分出してあげるだけよ」 どこに行くのかと思えばラウンジはVIPが行った事も...
  • 短編6
    「っはぁ・・・はぁ・・・」 昔、陸上部でやったように10秒間の全力ダッシュと20秒間の歩きを繰り返すvip 体力を付けるのはこの方法が一番効果的だ 「お前、何があったんだ?」 「気紛れだよ、気紛れ」 部活をしていた陸上競技はvipのいつもとの違う面に驚いた いつも不真面目だと思ってたvipがこんなに真剣にやっているとは 「なんか、最近お前変わったな」 「は?どこが?」 「全部だよ、今のお前、かっこいいよ」 「はぁ・・・うしっ」 また走り出したvipの背中に陸上競技は何故か不思議な気分になった vipの目が、自分ばかりじゃなく周りも見ているような そんな気がして、陸上競技は改めて思う クラスで一番成長してるのはvipだろうと
  • 短編10
    VIPは高鳴る心臓の音に落ち着けとでも言うかのように深呼吸をする 格闘はVIPを見据えたまま、静かに呼吸をしながら構えた 先に地面を蹴ったのはVIPの方だった、自慢の足の速さで格闘との距離を一気に詰める 格闘はそれを見越していたかのように一歩足を下げるとVIPに向かって鋭い蹴りを繰り出す その蹴りがVIPの左横腹を狙っているのに気が付くが、VIPの体は反応できない まともに横腹に蹴りが入り、VIPの体は傾くが、倒れかけた足に力を入れると格闘の顔面を裏拳で殴る 頭に伝わってくる痛みと骨の軋むような嫌な音が頭の中で聞こえた気がしたがVIPは止めなかった よろめいた格闘の胸倉を左手で掴んで引き寄せると体重を掛けた右ストレートを格闘の顔に振り下ろす 「邪魔すんな!」 VIPの声は曇っていたが、格闘にはハッキリと聞こえたような気がした VIPと格闘は共に距離を開けたまま、睨み合ったまま、動かなかった...
  • 短編28
    突然の夕立にVIPはあわてて小さな商店の軒先へ飛び込む 外は冷たい雨が今までの気温を下げるように降り続け、VIPはその雨にふぅっと溜息をついた 自分の服に雨がしみこんでペタペタと張り付いて少し気持ちが悪い コンクリートが急に冷やされてまるで砂埃のような臭いが辺りを包み込んでいる その雨を見ながらVIPは自分の財布をポケットから出すと広げて中をゆっくりと見る もう今月は・・・あまり残っていない・・・ちょっと使いすぎたかもしれないと思いつつ100円玉を一枚取り出す これでアイスかジュースでも買おうかな、なんだか雨もすぐに止みそうな感じだ 「ふぅ~・・・いきなりの雨は驚いたわ」 「お、ラウンジ」 濡れてしまった服はラウンジの体に張り付いて微妙な線がうっすらと見えている気がした あまり興味が無くても何故かそちらの方に目が行ってしまう、見ないようにすると余計に・・・だ ラウンジ...
  • 短編17
     遠い目をしてなにか考え事をしていると、よく人から言われるようになってきた。そうかもしれない、ただ駆け抜けてきたつもりだったが、いつしか後ろを振り向くようなことしかしなくなってしまった。  黄金時代、そんな陳腐な表現でしか言い表せないほどオレの過去は輝きに満ちたものだった。敵なんて存在し得ない、むしろ強力なライバルの出現を心待ちにしていたようなところさえあった。  ロビー、ラウンジは本当に楽しませてくれた。あいつらとの鍔迫り合いは今思い出してもエキサイティングな気分にさせてくれる。争うことに楽しさしか感じなかった。  ある日のことだ。「うぇwwwwwwwwwwう」などとばかり言ってるキチガイの集団が現れた。むしろ微笑ましくすらあった、ところがあっという間に覇権を掌握してしまった。  今でも信じられない。だがこの信じられないという感覚そのものが、もう俺という存在を時代が必要としていない証左な...
  • 短編25
    寝苦しい・・・それが最初に思いついた言葉だった 何か横に重い物があって寝返りが打てない・・・いや、表面はやわらかいけど・・・ 上手く寝ることができなくて心と宗教は嫌々に目を開けた 目の前にかなり幼い顔をした見慣れた人がそこにあった 寝息が聞こえるということは生きているということだろう、心と宗教は神社仏閣の寝顔を久しぶりにみてため息をついた 今さっきまで悪夢に魘されていたような気がしたが・・・なんだったのか覚えていない ただ、とてつもない恐怖感を味わったのは記憶に無くても体が覚えていた 「・・・神社仏閣・・・」 なぜだか、生きててよかった・・・という考えと同時に涙が流れる よく見てみるとここは自分のようだ・・・いつも一人で寝ているベットに神社仏閣と二人で寝ていたというのか・・・ 部屋はいつも綺麗にしてあり、観葉植物が一つおいてある、日の当りの良い部屋だ ベットの横には小...
  • 短編16
    虫の声が煩い・・・VIPはまた夏の暑さに耐え切れずに家を出た 散歩をしていれば涼しくなるかもしれない そう思いながらふらふらと街の中を徘徊する そうしていると街の中で結構大きい方の神社を見つけた ここはたしか同級生の神社仏閣が住んでいる神社だったような・・・ 木々の陰が涼しくて、VIPはのんびりと神社の奥へと入った 「こんにちわ・・・あっ・・・VIP君?」 「お、神社仏閣だ」 箒を持って巫女のような着物を着た神社仏閣はVIPの姿を見つけてお辞儀をする VIPも釣られてお辞儀を返した 「どうしたんですか?」 「いや、散歩散歩w」 苦笑いをするVIPに神社仏閣はクスクスと笑いながら手を洗う場所を指差した 「あそこ、涼しいですよ」 「おお、ありがと」 VIPが笑顔でそういうと神社仏閣は驚いたような顔をしてVIPを見つめる その神社仏閣の表情にVIPも驚き苦笑いを零した 「VIPさんがお礼をいうな...
  • 短編22
    学校の小さな研究室で、ロボットと未来技術は二人で向き合っていた 「・・・ほ、ほんとにこれするの・・・?」 「ああ、お前は今日から立派なロボットだ」 未来技術はロボットの頭にダンボールで作ったヘルメットをつけるとにやりと笑う 一方ロボットはおどおどしながら新しい頭のパーツを少し気にしているらしい 「えっとえっと・・・このボタンは?」 「それはロケットパンチだ」 えっ!?手がちぎれるの!?本気で言っているのかロボットはガクガク震えている そのロボットの様子に未来技術は嬉しそうにクスクス笑い続けている 「むぅ・・・えいっ」 ボタンを押して手を未来技術の方に向けると翳した右手からいきなり光の様な物が飛び出し、未来技術の目の前を通過した 次の瞬間、部屋の壁が巨大な爆発音と共に吹き飛ぶ 「・・・ちょ・・・押しちゃだめじゃん・・・」 「えっ!?えっ!?本物!!!???!」 「...
  • 短編21
    「あ!VIPさんにラウンジさん!こんにちわ」 「おいすー」 「こんにちわぁ」 神社仏閣は箒をぶんぶん振り回しながら挨拶をすると、隣にいた心と宗教も挨拶をする 「よ」 「おいすー」 VIPはいつもと変わらないように見えるが・・・と心と宗教は真剣な顔になり霊視を始めた 何か悪いものが付いているわけでもないようだが、何か嫌な空気が漂っている 二人ともの未来に黒い霧のようなものが立ち込めていて酷く乱れている 「・・・!?VIPさんの近くに不吉な影が・・・」 神社仏閣はそう言いながらラウンジの顔を見つめている VIPは不思議そうな顔をしているが、神社仏閣とラウンジの目がガッチリと合うのが心と宗教には見えた ラウンジは何も言わずに神社仏閣に近寄ると笑顔で胸倉を掴む 「ちょっと詳しく、聞かせてもらおうかしら?」 「え、いや・・・その・・・」 涙を見せる神社仏閣にVIPは苦笑...
  • 短編12
    「うっわぁ!!やっぱり夏は海だよね!」 嬉しそうにはしゃぐクラウンをラウンジが手を繋いでなだめる クラウンは早く海に入って泳ぎたいらしくラウンジをぐいぐい引っ張っている 「うっしゃ!おいVIP!泳ぐぞぉ!」 「ねむ・・・っ」 目が冴えているらしいシベリアの言葉にVIPは眠そうに目をこすり欠伸をした 本当は来る予定なんて無かったのにラウンジが昨日急にこの海水浴をすることになってしまったらしい 朝まで水着を探していたVIPは電車の中で眠ってしまい、頭が未だに冴えない 「ほら!早く着替えて!」 「んー・・・うん・・・」 欠伸をしながらVIPは適当な場所で服を脱いで水着に着替えた 夏の海が太陽の光でとても輝いて見えて眩しかった 砂浜も素足で歩くとまるで熱湯の上でも歩いているかのように感じられる サンダルを履きながらシベリアが敷いたシートにVIPは座ってそのまま横になった 「眠い・・・おやすみ・・・...
  • 短編11
    もしラウンジが優しかったら? 「うぁー」 VIPは不思議な声を出しながら左肩を右手で揉む 初めて肩がつった事に驚きつつ運動不足かな?と首を傾げる 「どうしたの?肩凝り?」 ラウンジが横に来て不思議そうな顔をする 肩凝りってどんなもんなんだろうなと想像しながらVIPは苦笑いをする 「肩がつった」 「えー?」 それを聞いてラウンジはVIPの左肩を優しく撫でた 「いてて・・・撫でても痛いって」 「そっか・・・大丈夫?」 「大丈夫大丈夫w」 シベリアは変なものを見るような目で二人を見るとやれやれと溜め息をついた ラウンジはVIPの左肩を優しく揉んでいる 「お前、ほんとに仲良いよな」 デレデレしているVIPにシベリアはもう一度深い溜息をついた
  • 短編23
    「ますたー・・・もうでんちないです」 「流石に100円ショップの電池だと1日も持たないな・・・」 未来技術はロボットを両手で持ち上げるとポケットの中に入れた ロボットはポケットの中から未来技術を見上げている 「ごはん・・・」 「すぐあげるよ、大丈夫」 電池が切れたら記憶が全部切れてしまう 家のコンセントから充電できるようにしてみたが、あまり美味しくないらしい 未来技術はポケットに手を入れて小さなロボットの頬を撫でた 撫でられてロボットは嬉しそうに笑う 電気屋につくと未来技術は電池のコーナーへ向かった 沢山の電化製品をロボットはポケットから顔を出して眺めるのが大好きだ いや、ロボットは全てのことに興味を示す 学校の勉強だって教科書はすべて暗記してしまったらしい 「どれにしようかな・・・」 金はあるが、そんなに高いものばかり買うわけにいかない マンガン電池は使え...
  • 短編29
     「巫女さんだったんですか?」  「違います。」  「巫女さんだったんでしょ?」  「違うって。」  しつこい高校生との掛け合いが、半分日課のようになってしまった。私は子供こそいないけど、買ってもらったマンションで毎日のんびり楽しく生きてるんだ。  普通なら関わりの無い系統だけど、パンをくわえてこの葉鍵とギャルゲーが漫画みたいに正面衝突したところを目の前で見て、大笑いしてしまってから仲良くなったんだったよな。  このふたり、制服で高校生ってわかるけど無邪気なまでに仲がいいからすぐわかる。こんなことばっかりしてないで彼女くらいつくればいいのに。 まあ、箸が転んでもおかしかった年頃ってむか~しないでもなかったしね。わかるよ、うんうん。  私が実際神主の娘だってこと、知ってるわけもないのにな。でもなんで巫女さんに拘るんだろ?  箪笥から引っ張り出して今夜見せてみようかな。
  • 短編13
    ラウンジは本を読みながら驚いた顔をする 「・・・わたしって・・・可愛い系だったんだ・・・、後幼児体系って言うな」 本を閉じたラウンジは自分の体を気にしつつ鏡を見て笑ってみる ・・・・・だめだ・・・可愛いとは思えない・・・ その頃、VIPも同じ本を公園で拾っていた 中を開くと何故か自分たちのことが細かく書いてある・・・ 「お?クラウン!」 「VIPお兄ちゃんだ」 丁度通りかかったクラウンにVIPは声をかける 「なぁ、ラウンジって可愛い系?」 「お姉ちゃん?コワイからよくわかんない」 クラウンの言葉にVIPは思わず噴出す その様子にクラウンも笑いながらVIPに尋ねる 「お姉ちゃん可愛いと思う?」 「ラウンコ?」 二人の会話をラウンジは影からこっそりと聞いていた 偶然通りかかっただけなのだが、自分の話をしているのを聞いて出るに出られなかった それに、VIPがどう思っているのかも聞けるいいチャンス...
  • 短編20
    心と宗教と神社仏閣は小さい頃から仲が良い二人だ 心と宗教は産まれ付き霊感が強く、よく二人で噂になっている幽霊騒ぎを解決していた ちなみに神社仏閣には幽霊は見えない 「心ちゃん!おはよう!」 「お、今日も掃除してるのか?」 「うん!」 嬉しそうに箒を振り回す神社仏閣は今まで集めたゴミをその勢いで撒き散らしている いつもちょっと抜けている神社仏閣に心と宗教ははぁっと溜息をついた 「お前なぁ・・・もうちょっと頭を鍛えた方が良いぞぉ」 「そうかな・・・?頭ってどうやって鍛えるの?」 首を傾げる神社仏閣に心と宗教は少し顔を顰めて考える こいつが出来る頭の鍛え方ってなんだろうな?勉強も出来ないし・・・ そう考えてみると神社仏閣の頭を鍛えることが無理だと気が付いた 「それにしても、VIPに怒られたんだって?」 「うぅ・・・だって、VIPさんがお礼言ったりするから・・・悪霊かと...
  • 短編26
    「あ・・・あの・・・」 小さな女の子の黄色い耳のようなものにラウンジは首を傾げる 頭に・・・何か生えてるのかしら・・・? あまりにもその帽子と可愛らしい顔とが合っていて、とてもじゃないがラウンジにその帽子は似合わないだろうと思われる 「どうしたの?」 ラウンジはしゃがんでその子に視線を合わせた 「あのね・・・お兄ちゃんを探してるの」 「お兄ちゃん?」 お兄ちゃんは沢山居る気がするのだが・・・ ラウンジはうーんっと腕組をして考えると携帯電話を取り出す こんな変わった子だったらきっとVIPの知り合いか何かだろう・・・ 「VIPのことかな?」 「ううん・・・違うよ!!」 首を横に振るその小さな女の子にラウンジは困った顔をした お兄ちゃんというキーワードだけでどこまで探せるのか・・・探す必要など無いのだけれど一度話しかけたのだから最後まで面倒は見てあげたい ラウンジは...
  • 短編14
    「クラウンって太らないんだな」 ポテチをボリボリと食べているクラウンにVIPは眠そうな顔言う ラウンジの家に遊びに来たのにラウンジは用事があるといって出かけてしまったのだ VIPはクラウンのベットでごろごろ転がりながらテレビを見ているクラウンに続けて言う 「そんなに食ってるとデブになるぞ」 「えぇー・・・だって美味しいんだもん」 悪いかっ!と少し不貞腐れたような顔でいうクラウンにVIPはあくびをする 「べっつに、いいんじゃねーの?」 背伸びをしながらVIPはまたベットに倒れこむ、最近VIPは夜中まで遊んでいるらしい 毎日眠そうな顔をしながらぼーっとしていることが多かった 「もー!お姉ちゃん早く帰ってこないかなぁ」 「んー・・・シベリアも呼べばよかた・・・」 ボソボソと言いながら目を閉じて眠りだしたVIPにクラウンは溜息をつく 「しかたないなぁ・・・」 VIPに布団をかけてやるとクラウンはお...
  • 短編27
    オカルトの家に神社・仏閣が訪れたのは、昼過ぎであった。 暑さと満腹感で、眠気に苛まれた頃である。 ブー、ブーと古い家屋にありがちなブザー音が鳴った。 「オカルトー、居るかオカルトー」 「ぁー…誰だ?」 普段、人が訪れないオカルトにすれば突然の訪問者だ。 「俺だ、神社・仏閣…同級生の」 もし、新聞の勧誘だったら、寝ていたであろうか。 オカルトは面倒臭そうに大きく伸びと欠伸をすると、 「あー…あぁ、神社・仏閣か、今行く」 と言い、眠い目を擦りながら玄関へと向かった。 オカルトがドアを開けると、神社・仏閣が背筋を伸ばし立っていた。 ジーンズにTシャツというシンプルな出立ちである。 それが、オカルトを一目見て眉を顰めた。 「何だ、その格好は」 言われたオカルトも顔を顰める。 「あ? 何か文句あるか?」 オカルトは単パンに、ランニングの下着、肩には手拭ま...
  • 短編42
     「僕が生きている価値はある」 眼前のパソコンに視線を注いだまま、ヒッキーは呟いた。 「何も生み出さず、ただ資源を消費する。それだけでも十分、僕は生を満喫しているよ」  部屋の中を、パソコンが駆動する音だけが満たしていた。見渡すと、大小様々なHDDが、室内のあちらこちらで電源ランプを灯しているのが見える。ヒッキーの部屋にパソコンがたくさんあるというよりも、パソコンの倉庫に、メガネをかけはちきれんばかりにぶくぶくと太った、油のにおいのする青年が、スナック菓子片手にちょこんと居座っていると表現したほうが正しいかもしれない。これら全てを駆使して、彼はいったい何を行おうというのか。皆目検討もつかなかった。  「お前はここで、ずっと生きているのか」 削除人が、重たい口を開いた。ローブの下でぎらりと光るまなこが、その背中に注がれる。ヒッキーは目を向けずとも、その男のただならない気配を感じたのか、乾いた...
  • 短編24
    「なぁ・・・お前ってロボットなんだよな?」 VIPはロボット顔を近づけて聞く 小さなロボットを見つけて興味を持ったVIPは手のひらにロボットを乗せている ロボットは当たり前すぎる言葉に首をかしげた 「はいれす」 言葉足らずの言葉が返ってきて、VIPはロボットの体を見つめる 「あ、その腕ので銃が撃てるのか?」 腕には銃のような部品がつけられていて、それがなんともカッコイイ その部品は妙にリアルで今にもこちらに発砲できるのではないかと想像させる 「これれすか?うてないれす」 二人の間に静かな沈黙が流れる・・・ 撃てないのか?だったら何のために この腕の部品は付けられているのだろうか・・・? 「あ、空が飛べるのか」 思いついたようにVIPは言う ロボットってくらいだから空を飛ぶ機能も付いていそうなものだ 背中にはそんな雰囲気の部品は付いていないが・・・アトムのように...
  • 短編15
    天国はVIPが何故あんな可愛い女の子二人と遊べるのかが気に食わない 別にVIPがかっこいいわけじゃないし、そりゃキモイわけじゃないがモテる顔じゃない なのになんでVIPの隣にラウンジとかクラウンとか・・・この前は音ゲーも居た 兄がこんなに女の子と仲良くしているのは見たことが無い いつも家では女なんて存在しなくていいとか言ってたくせに!! 「なんで俺がクラウンの子守なんだよ・・・暑苦しい」 「む・・・私はそんな子供じゃないし!」 「ちょっと出かけなきゃいけなくて、VIPなら安心だと思って」 「なんでだよ」 VIPはクラウンが拗ねているのを見て溜息をつく 家に連れてかえるっていっても、家は男3人が暮らすむさくるしい場所だ そんなところに連れて帰るのも気が引けるし、かといって置いて帰るわけにもいかない 「あーもう・・・わーかった」 「うっしゃぁ」 「お土産買ってくるから」 苦笑いをして電車に乗る...
  • 短編19
    「今日はどうしよ?どこか行こっか」 ラウンジの言葉にクラウンが嬉しそうな返事を返す その二人の後ろで顔をしかめているVIPは溜め息をついた 「まぁまぁ、俺もいるんだし」 シベリアがVIPの肩を叩くと、VIPは眠そうに頷く 最近特に仲良くなった四人はよく遊ぶ事が増えた シベリアはあまり女の子の家に行くのは・・・と遠慮していたので交流は少なかったが VIPは夜飯を食べたり家にクラウンを泊めたりしていた 「どこ行きたい?」 ラウンジはVIPに向かって嬉しそうな顔を向ける VIPもその顔を見て少しだけ照れたような笑いを零した 「アツいねぇ」 「クーラーつけてるのに」 二人の言葉にラウンジは真っ赤になりながらあははっと笑った VIPは二人の言葉は完全に無視して布団にダイブする 「勝手に決めていいよ」 「それじゃ楽しくないでしょ」 「そうだよ」 ラウンジとクラウンの...
  • 短編18
     膝を交えて話し合えば解決に向かう問題も確かにある。だれもがそう思っていたが時機を見計らっていたような感がある。誰からとも無く機は熟したという空気が醸成され、ついに四者会談が実現する運びとなった。  「これはこれは、バカですね。久しぶりです。」  「私こそ。元気ですか。」  喧嘩をしているわけではなく、「バカニュース」「私のニュース」なのでお互いをそう呼び合っていただけだった。彼らは仲が良く、時代の情勢にも関わらず独自の友情と信頼を築き上げてきた。ドアをハッキリとゆっくりと3回ノックする音が議場に響いた。  「失礼するよ、私にバカだね。」  「速さん、ご無沙汰しております!」  ふたりが声を重ねた。ニュース速報はすっかり実権を失い、完全に過去の人物となっていた。しかしかつてのオーソリティとしてのカリスマやリーダーシップはさすがの一言で、新参者の厚い人望を集めるには充分すぎるほどだった。  ...
  • 短編40
    ゲームセンターの音が虫の声を掻き消し、それと同時になんとも言えない涼しさに包まれた VIPとラウンジはゲームセンターのうるさい音を聞きながらもため息をつく 一緒についてきているクラウンはゲームセンターに入るや否やクレーンキャッチャーの景品を見ている 本当に真夏が続いているような、そんな気がする・・・暑すぎる・・・ 今年は最高気温を叩き出しているらしく、夏の太陽も記録更新に必死なようだ それに付き合わされる人間はいい迷惑なのだが 「うはぁ・・・涼しい」 「やっと開放された感じね」 麦藁帽子を取ったラウンジは髪をきれいに整えているようだ クラウンはやはりと言うべきなのか、クレーンキャッチャーの景品であるコアラのマーチに釘付けだ 「VIPおにいちゃん!取って取って!」 「はいはい無理無理」 腕をつかんで引っ張るクラウンにVIPはため息をつきながら「普通に売ってるのを買え」...
  • 短編41
    ここは数多の板が散在する場所、2ch。 ネット上の事とはいえ、人と人の会話である以上イタコザが起こるのは必須。 それはその些細なイタコザを描いた作品である。 ―…ああ、もう朝? そう思いながら、私は目を開ける。 周囲を見てみると、見慣れたベッドに目覚まし時計、着替えの服などが散在している。 実に見慣れた風景よね、そう思いながら私は体を起こす。 「ふぁ~ぁ…」 脳が酸素を欲しているのか、自分の意志とは無関係に欠伸が出る。 ちょっと恥ずかしくなったが、回りには誰も居ないから特に問題ない。 そうどうでも良いことを考えながら、私は地面に立つ。 目を擦りながら、リビングへと向かう。 「おはようございます、ロボットさん」 「おはよう。いつも思うけど、敬語はいらないって…」 姉のロボゲーと会話をする。 ロボゲーは私と比べ物にならないほどしっかりしているし、私より数倍…いや、数十倍は強い。 ...
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