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シナリオ　７月７日（土曜日）・その５

　天まで届け

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寮長「全員くくり終わったようですね」[plc]

真緒「みたいだね」[plc]

せえら「あら？　ちょうど終わったようですわね」[plc]

奏「あ、せえらちゃん、どこ行ってたの？」[plc]

せえら「これを取ってきたのですわ」[plc]

そう言って、ぼく等に見せたのは花火だった。[plc]

真緒「花火か」[plc]

せえら「ええ、やはり夏といえばこれですわよね」[plc]

和「ふふ、いいね。燃えてきたよ」[plc]

寮長「……そうですね。
あまり大きなものでなければ、やってもいいかもしれませんね」[plc]

寮長「先生、かまいませんか？」[plc]

真緒「ああ、いいよ」[plc]

せえら「そうこなくちゃいけませんわね。[lr]
さて、まずは打ち上げ花火ですわよ」[plc]

奏「さすがせえらちゃん！」[plc]

真緒「いきなり打ち上げ花火か……[lr]
こう、線香花火みたいなのにしないか？」[plc]

せえら「そんなものありませんわ」[plc]

せえら「だいたい、ヤンキーが線香花火などすると思いますの？」[plc]

奏「ロックじゃないしね」[plc]

和「キミぃ、男ならでっかくやろうぜ」[plc]

芽衣子「打ち上げ花火……」[plc]

莉緒「あら？　花火やるの」[plc]

真緒「まぁ、やろうか」[plc]

せえら「そうと決まりましたらやりますわよ。
点火しろですわセンコー」[plc]

真緒「ぼくが？」[plc]

せえら「決まってるじゃにゃーですか」[plc]

真緒「ああ、しかしこれ、でかいな……」[plc]

莉緒「ダメよせえら！　この人に任せちゃ危険だわ」[plc]

芽衣子「また貴様か」[plc]

莉緒「ここは私がつけるわ！　貸しなさい！」[plc]

手に持っていた打ち上げ花火を莉緒がひったくる。[plc]
たぶん自分でつけたいんだろう。[plc]
素直に言えば渡してやるのに、まったく。[plc]

芽衣子「魔王様、よろしいのですか？」[plc]

真緒「うん、別にかまわないよ」[plc]

莉緒「ふん、計画通りにさせないわよ」[plc]

芽衣子「……分かりました、魔王さまがそう仰られるなら」[plc]

奏「リオ！　早く早く！」[plc]

寮長「気をつけて下さいね」[plc]

莉緒「そう急かさないでよ！」[plc]

真緒「莉緒、慌てなくていいから気をつけて点けろよ」[plc]

莉緒「そ、そんな言葉に騙されないわよ！」[plc]

真緒「落ち着けって」[plc]

奏「はやくー」[plc]

せえら「なにしてますの寺井は」[plc]

和「どうしたんだ？」[plc]

莉緒「う、うるさいわね！　
黙って見てなさいよ！」[plc]

気のせいだろうか。[lr]
莉緒が震えてる様にも見える。[plc]
まさか──[plc]

真緒「おい莉緒、怖いんじゃないのか？[lr]
無理するなよ、かわりにやってやるからさ」[plc]

莉緒「な、なにバカなこと言ってるのよ。
そんなわけないでしょう」[plc]

真緒「そうか？　大丈夫か？」[plc]

莉緒「ほら、点いたわ！　簡単じゃない！」[plc]

莉緒「雷の使い手である私が、こんなことで怖がる訳ないもの！」[plc]

芽衣子「真緒様！」[plc]

真緒「え？」[plc]

風に揺られたのか、置いた所が悪かったのか、打ち上げ花火が倒れた。[plc]

ジリジリと燃える導火線。[lr]
筒先の方向には、竹や散乱したお菓子の袋が……[plc]

真緒「おい莉緒！　倒れてるぞ！」[plc]

莉緒「なぁに？　二人で騙そうとしてるの？[lr]
ふふん、騙されないわよ」[plc]

寮長「寺井さん！　本当に倒れてます！」[plc]

莉緒「え？」[plc]

莉緒「あ」[plc]

真緒（た、竹に直撃）[plc]

激しい音と共に燃える竹。[lr]
見る見るうちに炎が大きくなっていく。[plc]

せえら「寺井ときましたら、なかなかやりますわね……」[plc]

奏「わー！　ライブ会場みたい！」[plc]

和「この熱さがまたいいな」[plc]

真緒「お前ら何言ってんだ！　炎に近づくな！」[plc]

寮長「先生！　私消火器持ってきます」[plc]

真緒「頼む！」[plc]

莉緒「……凄い炎」[plc]

真緒「莉緒！　あぶないからこっちに来い」[plc]

莉緒「え？　う、うん」[plc]

芽衣子「……やはり今年は違う」[plc]

真緒「岸岡も危ないから下がれ！」[plc]

せえら「慌てなくても大丈夫ですわよセンコー」[plc]

真緒「大丈夫じゃないだろ……」[plc]

芽衣子「狙いが外れたようだな寺井莉緒！」[plc]

莉緒「あ、ええ、そうよ……私としたことが外すなんてね」[plc]

芽衣子「燃え盛る屋上……決着をつけるには最高の舞台だと思わないか」[plc]

莉緒「ふん、望む所よ！　
この炎と私の雷であの世に送ってあげるわ」[plc]

芽衣子「それは貴様の方だ」[plc]

真緒「お前ら……映画じゃないんだぞ！」[plc]

奏「うーん、なんかカッコイイね二人とも」[plc]

せえら「ええ、見物ですわね。
ここはワタクシが立会人になりますわ」[plc]

真緒「お、お前らという奴は……」[plc]

寮長「先生！」[plc]

真緒「よし！　消すぞ！」[plc]

寮長「はい！」[plc]

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