シナリオ 7月14日(土曜日)・その5
北上のお願いごと
奏「それでさセンセ、お願いがあるんだ」[pcm]
真緒「な、なんだ?」[pcm]
奏「この歌にメロディを乗せて欲しいんだ」[pcm]
真緒「えええ!?」[pcm]
奏「ね? セ~ンセ」[pcm]
真緒「うーん」[pcm]
作曲──[lr]
学生バンド時代に少しかじっているので、できない訳じゃない。[pcm]
だが正直言って……無理だ。[pcm]
仕事に手いっぱいで時間も無い。[pcm]
何より、北上が気に入る曲を素人のぼくが作れるわけがない。[pcm]
本人は真剣なんだから断りたくは無いけど、
安請け合いするのもいけないし……[pcm]
うーん、どうしよ。[pcm]
ん、待てよ。[l]
音楽といえば?[pcm]
真緒「北上、先生も協力したいって気持ちはあるんだ。でも……」[pcm]
奏「でも?」[pcm]
真緒「先生がバンドしていたのは結構前の話なんだよ。[l]
だから、すぐには作れないんだ」[pcm]
真緒「それに作れたとしても、魂のこもってない曲になると思う」[pcm]
奏「う~ん」[pcm]
真緒「そんな曲作ってもさ、北上は納得しないだろ?」[pcm]
奏「うん……最高にクールな曲じゃないとロックじゃないし」[pcm]
真緒「それでだ、先生提案があるんだけど」[pcm]
奏「え?」[pcm]
真緒「毎日音楽に触れている人がこの学園にいるじゃないか。[l]
その人に頼んでみたらどうだ?」[pcm]
奏「ティーチャー音河の事?」[pcm]
真緒「ああ、そうだ」
[pcm]
奏「う~ん、それもいいかもしんないけどさぁ……」[pcm]
真緒「駄目なのか?」[pcm]
奏「あ、あのさぁ、アタシは遅くてもいいからセンセに作って欲しいなぁって……」[pcm]
真緒「そう言われると困るな……」[pcm]
奏「最初会った時さ、ビビッときたんだよねアタシ。[l]
センセとなら熱いロックが出来るって」[pcm]
真緒「そ、そうか……」[pcm]
奏「だめ?」[pcm]
真緒「いや、あのな、今回はちょっと無理かなって」[pcm]
奏「え……どうして?」[pcm]
真緒「どうしてって言われてもさ……さっき言った通りな訳で」[pcm]
奏「………」[pcm]
真緒「北上?」[pcm]
奏「………」[pcm]
今にも泣き出しそうな表情になったので、
慌てて口を開く。[pcm]
真緒「こ、今度作る時はさ、協力するからさ」[pcm]
真緒「ほら、先生も音楽的な勘ってやつを取り戻す時間とかいるだろ?」[pcm]
真緒「だからさ、今回はちょっとね? 先生もここへ
来たばっかりだしさ」[pcm]
真緒「その、北上が嫌いだからとかそんなじゃないぞ」[pcm]
奏「………」[pcm]
ぼくの言葉を聞いて、何か考えているようだ。[pcm]
奏「……うん、そうだね。センセも時間がいるよね!」[pcm]
明るい笑顔に戻る北上。[lr]
泣かれなくて良かった。[pcm]
真緒「そうそう」[pcm]
奏「分かった! 今回はティーチャー音河に頼む!」[pcm]
真緒「ああ、それが良い」[pcm]
この辺でスチル終わり
奏「それじゃさっそく頼みにいかなきゃ」[pcm]
真緒「職員室にはいないみたいだから、音楽室にいるかもな」[pcm]
奏「うん、ありがとセンセ。じゃ、アタシ行くね」[pcm]
真緒「ああ、廊下は走るなよ」[pcm]
奏「センセ! 次は絶対だよ!」[pcm]
そう言って、風のように職員室を飛び出していった。[pcm]
音河先生に断られなきゃいいけど……[pcm]
真緒「あれ? テストの話……」[pcm]
何のために呼んだんだか……[lr]
すっかり北上のペースに巻き込まれてしまった。[pcm]
まぁ、しょうがない。[pcm]
寮に戻ってからでも話をすることにして、
今は書類を片付ける事にしよう。[pcm]
そう思って机に戻ると、その書類の上に真っ赤な封筒が置かれていた。[pcm]
真緒「何これ? ぼく宛みたいだけど差出人がない」[pcm]
とりあえず開けてみると、
中には一枚の便箋が入っていた。[pcm]
何か書いてあるみたいだ。[pcm]
あなたのクラスの八十記せえらはカンニングをおこなっています[pcm]
よって テストの点は大幅に下げるべし[pcm]
さもなくば あなたの身に災いが降りかかる[pcm]
真緒「んん……」[pcm]
真緒「八十記がカンニング? あいつはしてないと思うけどな」[pcm]
明らかに中傷……というか悪戯だろう。[pcm]
真緒「にしても趣味が悪いな。不幸の手紙じゃないんだから」[pcm]
??「………」[pcm]
真緒「ま、やってないとは思うけど、一応聞いてみるだけ聞いてみるか」[pcm]
真緒「さて、書類書類っと」[pcm]
せえら「センコーいらっしゃる?」[pcm]
真緒「おお、八十記。ちょうど良かった」[pcm]
せえら「お話がありますの」[pcm]
真緒「話?」[pcm]
せえら「ワタクシ、カンニングをいたしましたの」[pcm]
真緒「え? じゃあ、あの手紙は本当だったのか?」[pcm]
せえら「なんの事か存じませんけど、ワタクシがカンニングを行ったのは事実ですわ」[pcm]
真緒「なんて事を……」[pcm]
せえら「ですからテストの点を下げていただきたいのです」[pcm]
真緒「よく正直に話したな」[pcm]
せえら「下げていただける?」[pcm]
真緒「ああ当然だ。どの教科だ?」[pcm]
せえら「全部に決まってますわ」[pcm]
真緒「全部!? 全部はないんじゃないか?」[pcm]
せえら「全部ですわ」[pcm]
真緒「いや、しかし……ぼくが監督してたテストもあるだろ」[pcm]
真緒「八十記がカンニングしてるような事はなかったぞ」[pcm]
せえら「ばれない様にやったのですわ」[pcm]
真緒「しかしなぁ」[pcm]
せえら「ワタクシを信じないと?」[pcm]
真緒「……まだ分からない」[pcm]
真緒「でもさ、もしやってたとしても一問二問だろ?」[pcm]
せえら「いいえ、全教科の全問ですわ」[pcm]
真緒「そ、それであの点なのか? 誰のを見たんだ?」[pcm]
せえら「そんなの寮長に決まってますわ」[pcm]
真緒「たしかに席は近いけど……」[pcm]
せえら「本来のわたくしの点はカナちゃんと同じですわ」[pcm]
せえら「かいざ──じゃなくて採点の見直し頼みましたわよ」[pcm]
真緒「………」[pcm]
せえら「では失礼」[pcm]
妙な手紙の内容と、八十記本人からの告白。[pcm]
カンニングは事実なのかもしれないが……どうも納得出来ない。[pcm]
寮長と、テストの監督をした先生に話を聞いてみる事にしよう。[pcm]
やっていないと信じたいが……[pcm]
最終更新:2010年08月03日 23:21