シナリオ 7月15日(日曜日)・そのB5
揉めて妬いて怒鳴って
奏「連れてきたよ」[pcm]
食堂でぼくを待っていたのは
たいそうご立腹な様子の莉緒たちだ。[pcm]
重ぐるしい雰囲気。[lr]
まるで裁判の尋問を受けるかのような……[pcm]
真緒「や、やあ」[pcm]
莉緒「やあですって?」[pcm]
芽衣子「魔王様……何故、何故私じゃないのですか……」[pcm]
せえら「隠れてコソコソっていうのが気に入らにゃーですわ!」[pcm]
和「見損なったぜ……」[pcm]
全部ばれてるのか?[lr]
いったいどこまで話したんだ。[pcm]
真緒「北上、どこまで話したんだ?」[pcm]
奏「ごめんねセンセ。もう一人のアタシが嘘はロックじゃないってささやいたんだ」[pcm]
真緒「……全部か?」[pcm]
奏「うん」[pcm]
真緒「……そうか」[pcm]
寮長「あ、あの皆さん。先生はお仕事で行かれたんですよ」[pcm]
芽衣子「ならば、なおの事私を連れていくべきです!」[pcm]
芽衣子「なにゆえ寮長なのですか! 北上さんなのですか!」[pcm]
芽衣子「それに、北上さんと二人でこんな時間まで何をなされていたんですか!」[pcm]
真緒「お、落ち着け岸岡。今説明をだな」[pcm]
莉緒「奏を取り込むなんて……[lr]
はっ!? まさか寮長はすでに!?」[pcm]
寮長「え?」[pcm]
莉緒「な、なんて事なの……このままじゃ寮が魔王に!?」[pcm]
莉緒「和! せえら! 私たちだけは気をしっかり持つのよ!」[pcm]
せえら「言われなくても大丈夫ですわ。[lr]
ほんとこの馬鹿センコーと来ましたら……」[pcm]
せえら「だいたい、かなちゃんもかなちゃんですわよ。[l]
なぜワタクシたちに言いませんの?」[pcm]
奏「それは……センセがそうしようって」[pcm]
和「キミ、真実なのかい?」[pcm]
真緒「たしかに言った……」[pcm]
和「まったくキミはいつもいつも寮長だな!!」[pcm]
和「こんなに良い男が側にいるのにキミときたら……」[pcm]
和「自信なくしちまうぜ」[pcm]
真緒「りょ、寮長ばっかりって訳じゃないぞ」[pcm]
寮長「あ、あのですね。私は学園長から頼まれて先生を」[pcm]
莉緒「なんですって!?」[pcm]
芽衣子「学園長から?」[pcm]
莉緒「なんて事なの……学園長も魔王の手に……」[pcm]
莉緒「そうだとしたらもう手遅れかもしれないわ」[pcm]
真緒「落ち着け莉緒」[pcm]
莉緒「気安く名前を呼ばないで!!」[pcm]
久々に聞いた気がする。[lr]
はぁ、莉緒とも上手くやれそうだと思ったのに……
また逆戻りか。[pcm]
芽衣子「魔王様、明日は私がご一緒致します」[pcm]
真緒「いや、もう用事は終わったしさ。明日は仕事を」[pcm]
芽衣子「………」[pcm]
和「いや、明日はオレと出かけようか。いいだろ?」[pcm]
真緒「いや、だから……明日はここで仕事を」[pcm]
奏「みんな怒ってるからセンセ! なんとかして!」[pcm]
真緒「なんとかって言われても」[pcm]
せえら「何をコソコソと……[l]まさかとは思いますけど、
かなちゃんを傷物にしてたりしませんわよね?」[pcm]
真緒「そ、そんな事ある訳ないだろ!」[pcm]
奏「アタシ……傷つけられた。凄く痛かったし」[pcm]
真緒「な!?」[pcm]
和「ほう、痛かったのかい」[pcm]
奏「うん……凄く。初めての体験だし」[pcm]
莉緒「な、なんて事……あたしがいながら……」[pcm]
芽衣子「……魔王様」[pcm]
せえら「センコー! 本気で見損ないましたわよ!」[pcm]
和「生徒でもかまわず食っちまうのか……[lr]
いや、そこはさすがと言うべきか」[pcm]
真緒「お、お前ら落ち着け! 北上も誤解を生むような事を言うな」[pcm]
奏「誤解じゃないし!」[pcm]
寮長「みんな落ち着いて下さい。
先生がそんな事をするはずはありません」[pcm]
真緒「そうだ」[pcm]
莉緒「………」[pcm]
せえら「まぁ、たしかにセンコーにそんな度胸があるとは思えませんけど……」[pcm]
芽衣子「………」[pcm]
和「ふ、キミは照れ屋だしな」[pcm]
奏「そんな事??」[pcm]
寮長「でも先生、みんなが怒るのは無理もないと思います。[l]
私が反対の立場だったら、やっぱり寂しいと思いますし」[pcm]
真緒「そう……だな」[pcm]
寮長「ですから先生、お仕事で大変でしょうけど、明日もう一度
みんなと街に行かれてはどうですか?」[pcm]
真緒「みんなとかい?」[pcm]
寮長「はい、それ以外に皆が納得する良い考えが思いつかなくて……」[pcm]
真緒「………」[pcm]
真緒「そうだな、そうしようか」[pcm]
芽衣子「では明日!」[pcm]
真緒「ああ、仕方ない。明日もう一度街へ行こうか」[pcm]
和「皆でか……ま、それもいいか」[pcm]
せえら「ふん、仕方ありませんわね。かなちゃんと寮長はどうしますの?」[pcm]
奏「当然アタシも行くし」[pcm]
寮長「私は寮の事がありますのでここに残ります」[pcm]
真緒「ええ!? 寮長行かないの?」[pcm]
寮長「はい」[pcm]
莉緒「ほんっと寮長が大好きみたいねこの魔王は!」[pcm]
奏「リオもそう思うよね?」[pcm]
芽衣子「寮長……話がしたい」[pcm]
寮長「あ、あのですね……」[pcm]
真緒「へ、変な事いうなよ。皆って言ったからでさ。寮長も困ってるだろ」[pcm]
和「まあまあ、いいじゃないか。それよりも明日は頼むぜ」[pcm]
真緒「あ、ああ」[pcm]
せえら「まったく……コソコソするからですわよ」[pcm]
真緒「……反省してます」[pcm]
寮長「それじゃ私はこれで……」[pcm]
芽衣子「待て寮長。じっくり話しをしようじゃないか」[pcm]
莉緒「ええ、魔王の洗脳を解いてあげるわ!」[pcm]
寮長「し、失礼します──」[pcm]
慌てて駆け出すとその後を莉緒と岸岡が追って行った。[pcm]
完全に逃げてる。[lr]
あんな様子の寮長を見るのは初めてだ……[pcm]
せえら「かなちゃん行きますわよ」[pcm]
奏「そだね。じゃ、センセ」[pcm]
真緒「ああ、明日な。今日はお疲れ」[pcm]
和「………」[pcm]
真緒「どうした?」[pcm]
和「明日は長丁場になるぜ」[pcm]
真緒「ああ、覚悟してるよ」[pcm]
和「ま、オレがいるから安心しろ」[pcm]
真緒「ああ」[pcm]
和「あの街の公衆トイレには詳しいんだ。用がしたくなったら俺にいいな!」[pcm]
真緒「お、おう」[pcm]
和「いつぞやみたいに、オレが案内してやるぜ」[pcm]
真緒「あ、ああ」[pcm]
和「じゃな」[pcm]
真緒「ふう……」[pcm]
嵐は去った……[pcm]
さぁ、今日は──[lr]
もう寝よう……[pcm]
最終更新:2010年07月19日 07:44