シナリオ ７月１７日（火曜日）・その３
岸岡芽衣子の憂鬱
追試終了。[pcm]
気になる点数だが、個別指導のおかげか期末よりも上がっている。[pcm]
心配していた莉緒も無事合格点だ。[pcm]
真緒「それじゃ今から返すぞ。まず莉緒」[pcm]
莉緒「どうなのよ？」[pcm]
真緒「合格だ。よく頑張ったな」[pcm]
莉緒「そ、そう。でもあたしは別に頑張ってなんかいないわよ」[pcm]
真緒「いいや、頑張ってたさ」[pcm]
莉緒「……ふ、ふん」[pcm]
真緒「次は北上だ」[pcm]
奏「はーい」[pcm]
真緒「うん、良い点だ」[pcm]
奏「へへ」[pcm]
真緒「今度からはちゃんと名前書くんだぞ」[pcm]
奏「ちゃんと書いてるし」[pcm]
真緒「さて、対象者は二人だけだが岸岡も受けたので岸岡」[pcm]
芽衣子「はい！」[pcm]
真緒「うん、頑張ったな。期末よりも良くなってる」[pcm]
芽衣子「あ、ありがとうございます」[pcm]
喜ぶ岸岡を見ると、教師として良い仕事が出来たと思う。[pcm]
いや、本人の頑張りが大きいか。[pcm]
真緒「阿部高たちもご苦労様。助かったよ」[pcm]
真緒「さて、それじゃ帰ろうか」[pcm]
芽衣子「あの」[pcm]
真緒「どうした？」[pcm]
芽衣子「あの、その……」[pcm]
真緒「採点ミスでもあった？」[pcm]
芽衣子「いいえ、魔王様にミスなどあるはずもありません」[pcm]
真緒「そうか」[pcm]
芽衣子「あの、前に話した……」[pcm]
真緒「ん？」[pcm]
芽衣子「あの……あの……いえ」[pcm]
真緒「なんだ？」[pcm]
芽衣子「……なんでもないです」[pcm]
真緒「うん、それじゃ帰ろうか。皆お疲れ様」[pcm]
せえら「まったく疲れましたわね」[pcm]
和「ま、いいじゃないか」[pcm]
せえら「過ぎた時間をどうこういうのはワタクシの生き方ではありませんけど、
それにしても寺井ときましたら」[pcm]
莉緒「せえらにかかった洗脳は私が解いてあげるわ」[pcm]
せえら「困ったものですわね」[pcm]
奏「アタシだって大変だったし。メイコが変になるしさ」[pcm]
芽衣子「……すまぬ。私の誤解だったな」[pcm]
奏「ううん、あん時のメイコなかなかロックだったよ」[pcm]
芽衣子「そ、そうか……」[pcm]
テストから解放されて皆元気いっぱいだが、
岸岡だけがうつむいている。[pcm]
点数も良かったはずなのにどうしたんだろう。[pcm]
真緒「岸岡どうした？ 元気ないな」[pcm]
芽衣子「……いえ。ご心配なく」[pcm]
真緒「そうか？」[pcm]
芽衣子「は、はい。ただ暑いのでそれで」[pcm]
真緒「ああ、たしかにこの暑さにはまいるな」[pcm]
芽衣子「は、はい」[pcm]
寮長「でも先生、皆合格できて良かったですね」[pcm]
真緒「ああ、寮長たちには感謝だ」[pcm]
和「なあ、キミ。合格を祝わないか？」[pcm]
奏「あ、それいいね」[pcm]
寮長「ええ、そうですね。ちょっとしたパーティーとか」[pcm]
真緒「そうだな、それもいいな」[pcm]
せえら「まったく……たかだかこれくらいでパーティーだなんて」[pcm]
莉緒「ほんとよ。馬鹿じゃないの」[pcm]
奏「そんなこと言って、リオもせえらちゃんも好きな癖に」[pcm]
和「だな。こういう席で一番楽しそうにするのは寺井さんだ。
八十記さんもパーティーの時は凄く働き者だしな」[pcm]
寮長「ふふ、いつも助かってます」[pcm]
真緒「へえ、さすがお嬢様だな」[pcm]
せえら「な、なにを言ってますの！？[lr]
ヤンキーがそんなものを喜ぶはずにゃーですわよ！」[pcm]
莉緒「ちょっと和！ いつあたしが楽しそうにしたのよ！！」[pcm]
和「おお、怖い怖い」[pcm]
今までも、何かと理由を見つけてはパーティーをしてきたのかもしれないな。[pcm]
みんな昔のパーティーはどうだったこうだったと、楽しげに話している。[pcm]
芽衣子「………」[pcm]
そんな輪の中から外れているのは岸岡だ。[pcm]
暑いと言っていたが、具合が悪くなったんだろうか。[pcm]
顔色を見る限り、青ざめているという感じでもないが……[pcm]
真緒「岸岡、本当に大丈夫か？ 木陰で休んでいく？」[pcm]
芽衣子「……いえ、もう着きますし大丈夫です」[pcm]
真緒「無理せずにちゃんと言ってくれよ？」[pcm]
芽衣子「私の事などお気になさらずに。
さぁ魔王様、参りましょう」[pcm]
真緒「………」[pcm]
最終更新：2010年07月19日 08:10
