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シナリオ 北上ルート 8月10日(金曜日)・その2

 相変わらずな二人



八十記家のコテージ。
いったいいくつあるんだろう。

ぱっと見ただけじゃ数え切れない。
別荘でこんなにもコテージがいるんだろうか思ったけど、
考えてみればあんなに大勢のメイドさんがいるんだもんな。

これくらいないと収まらないか。
そういや、メイド長はどこにいるんだろう。
来てるのは間違いないだろうけど、姿を見てないな。

っと、メイド長を探してる場合じゃない。
北上の所へ行かなくちゃ。



芽衣子「真緒様!」

前に出かけた足が止まる。
この久しぶりの声は、岸岡だ。

真緒「お、着いたか、元気だったか?」

芽衣子「突然の旅立ち申し訳ありません……」

真緒「旅立ち?」

芽衣子「はい……芽衣子は一人魔界に帰っておりました」

真緒「あ、ああ、そうなんだ」

芽衣子「魔王様のお手を煩わせたくないとの判断ゆえ、報告もせずに……」

真緒「よく分からないけど気にしなくていいって。ま、相変わらず元気そうで良かったよ」

芽衣子「なんてお優しい……芽衣子は、芽衣子は魔王様の側を一生離れませぬ」

真緒「い、いや、一生って……そんな変な事を言っちゃ駄目だってば」

芽衣子「魔王様に疎まれようと芽衣子は、芽衣子は!」

真緒「そ、それにぼくは魔王じゃ」

莉緒「ないって言うの? 相変らず嘘が下手ね!」

芽衣子「貴様!」

真緒「あ、莉緒」

莉緒「いったい何度言えば分かるのかしら? 私の名前を気安く呼ばないで!」

真緒「莉緒、久しぶりだな」

莉緒「話を聞きなさいよ!!」

芽衣子「相変わらず騒がしい小娘だ。魔王様、芽衣子と二人で行きましょう」

莉緒「なんですって!?」

真緒「はぁ……」

芽衣子「いい加減諦めるんだな寺井莉緒。貴様が魔王様に敵う筈もないだろう。それにだ、貴様が私と魔王様の間に介入する余地など微塵もありはせぬ」

莉緒「な、なんですってぇ」

芽衣子「元々世界が違うのだ。ふ、貴様の思いが届くことはないぞ」

莉緒「な!?」

真緒(まーた始まった)

莉緒「へ、変な誤解しないで!!」

芽衣子「ほう、私の誤解だと?」

莉緒「そうよ! 馬鹿にしないで!!」

真緒「はいはい二人とも、その辺で止め」

芽衣子「魔王様」

莉緒「………」

真緒「せっかくここへ来たんだからさ、喧嘩せずに遊ぼうよ」

芽衣子「……はい」

莉緒「……ふん、遊ぶですって? 魔王が遊ぶなんて思うわけないでしょ!」

芽衣子「貴様」

真緒「あーもう、分かった、分かったから。二人はとにかく先に海へ行っててくれ。寮長と八十記がいるからさ」

芽衣子「真緒様は?」

真緒「ぼくは北上を呼びに行ってくるよ。ちょっと時間かかるかもしれないけど、後で行くから」

莉緒「奏がどうかしたの?」

真緒「いや、ちょっと機嫌悪いんだ」

芽衣子「でしたら芽衣子もご一緒致します」

莉緒「奏が心配ね。あたしも行くわよ」

真緒「いや、ぼくだけで良いから。それじゃ後でな!」

莉緒「ダメよ! 逃がさないわ!」

芽衣子「真緒様! 芽衣子もご一緒しとうございます」

真緒「………」

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最終更新:2010年07月13日 23:09
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