B-8/10-3

シナリオ 北上ルート 8月10日(金曜日)・その3

 話したい話せない…



真緒「……はぁ、やっと行ってくれた」

真緒「ほんとあいつらは相変らずだよな」

真緒「さて北上を呼びに……って、いた」



ぼくの少し前、北上と阿部高が楽しそうに喋っていた。
話に夢中なのかぼくに気づいてはいないようだ。

それにしても北上の楽しそうな顔、久しぶりに見たな。

真緒「おーい」

奏「!!」

和「お、キミじゃないか! 久しぶりだな」

真緒「あ、ああ」


ぼくを見るなり北上から笑顔が消えた。
露骨な反応にショックを受けつつも、それを阿部高にさとられちゃいけない。冷静を装わなきゃ。

和「なんだ? 元気ないじゃないか?」

真緒「いや、そんな事はないぞ?」

和「そうか? 悩みごとなら俺がとことん聞くぜ?」

真緒「いや、大丈夫だよ。ありがとう」

和「ふむ、まぁキミがそう言うなら仕方ない」

真緒「………」

奏「………」

真緒(北上……)

和「……ん? キミたちなんかあったのかい?」

真緒(ば、ばれたのか)

奏「……別に」

和「……ふむ」

阿部高がぼくと北上を交互に見ている。
明らかにおかしい北上の態度に不信を持ったんだろうか。
それともぼくの演技が下手だったからだろうか。

どちらにせよやはり女の子だな……するどい。

和「そうか……なら何も聞かないがせっかくの海だ、みんな仲良くしようじゃないか」

真緒「あ、ああ」

奏「………」

和「よし! ビーチへ行こうぜ!」

真緒「ああ」

先頭を切って海へと歩く阿部高についていく。
ぼくと北上が会話しやすいように、一人前へ前へと行ってくれているのだろうか。
いつもならこんな事をしないはずだから、たぶん気を利かせてくれてる。

でもそんな阿部高の思いを生かす事は出来ず、無言で歩くぼくと北上だった……

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最終更新:2010年07月13日 23:11
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