B-8/10-5

シナリオ 北上ルート 8月10日(金曜日)・その5

 連れ出そう!


気がつけばとっぷりと日も暮れかかろうとしていた。
ついさっきここに来たような気がするのに、楽しい時間は早いものだ。

八十記たちと泳いで、スイカ割りをして、ビーチバレーをして……
と、色々やりすぎてクタクタだ。

夜は夜で花火をやろうと盛り上がっているから、
まだ当分休めそうにないな。

出来たら花火までの間に休みたい、それに……

奏「………」

なんとか話をしたいけど……

結局ここまで、ほとんどぼくと話す事はなかった。
莉緒たちとは楽しそうにはしゃいでいたから、それは良かったんだけど、
どこか元気がないような気がする。

例の中二病でそうなってるのではなく、何か考え込んでいるようなそんな様子だった。
楽しく遊ぶ笑顔の間に、時折見せる沈んだ顔。

ぼくとの事で悩んでいたりするのかと思ったけど、それとは違うような……
とにかく話をして、その事についても聞けるものならきいてあげたい。


莉緒「ちょっと真緒くん! 聞いてるの!?」

真緒「え? あ、ああ?」

莉緒「なにボッとしてるのよ! まさか水着に見とれてたとかじゃないでしょうね?」

真緒「違うよ。で、どうしたんだ?」

芽衣子「そろそろコテージへ戻ろうと思いますが、真緒様はどうなされますか?」

真緒「ああ、ぼくも戻るよ」

せえら「さすがに疲れましたわね。ワタクシもまだまだですわ」

和「ああ、今日は良い運動になったぜ」

莉緒「ええ、お腹も空いたし戻りましょう」

寮長「では戻りましょうか」

奏「………」




久しぶりににぎやかな夕食となった。

莉緒や岸岡のあのハイテンションがない事を寂しく思うだなんて、
学園へ来た時には思いもしなかったな。

真緒「さて」

今、食後の休憩と花火の準備のため各自バラバラでいるはず。
この機会がチャンスだと思う。
北上を見つけて、どこかへ連れ出そう。

準備をしてる莉緒たちに見つからないようにコッソリと……


真緒(って、いきなり)

和「飯も食べたしそろそろ花火だな」

せえら「あら? ワタクシも凄いですわよ」

せえら「あら? センコーじゃにゃーですの?」

和「お?」

真緒「や、やぁ」

真緒(見つかったか……でもこの二人なら)


せえら「暗い顔してますわね」

和「なんだ、まだ北上さんと喧嘩してるのかい?」

真緒「………」

和「キミがそんなだとつまらないな」

せえら「ですわね……辛気臭いのは嫌ですわよ」

真緒「………」

真緒「北上は、北上はどこにいる?」

せえら「ワタクシたちも探してますの」

和「どこに行ったんだかな。俺はてっきりキミといるもんだと」

真緒「……そうか。悪いけど花火に遅れるかもしれないって言っといてくれ。ぼくは北上を探してくるよ」

せえら「ええ、しっかりしてくるんですのよ」

和「ああ、みんな仲良く花火をやろうぜ」

真緒「そうだな、ありがとう!」

和「寺井さんたちに見つからないようにな」

真緒「あ、ああ、それじゃ後で」


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最終更新:2010年07月13日 23:15
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