B-8/10-7

シナリオ 北上ルート 8月10日(金曜日)・その7

 すき


浜辺に到着。

夜の海はとても静かで穏やかだ。
空を見上げると、満天の星空と輝く月。
なかなかのシュチュエーションだと思った。

まるでそう、恋愛ドラマのような……


真緒「とか考えてちゃ駄目だ。探さないと」

薄暗い浜辺に目をこらしてみる。
しかし北上の姿は見当たらない。

見えないだけで、どこかにいるのかもしれないけど……

真緒「うーん」

見回してみるものの、姿は見えない。
打ち寄せる波の音と風の音はよく聞こえるけど、人がいる気配や音はなかった。

もしかすると別の場所にいるのかもしれない。
たしか反対側にも浜があったから、そこへ行ってみるか。

奏「誰?」

真緒「え、いた?」

奏「………」

北上だ。
暗くて分からなかったけど、ここにいたんだ。

真緒「北上、ここにいたのか」

奏「……センセ」

真緒「北上」

奏「………」

月明かりに照らされる北上の顔。
暗く沈んでるけど、夜だという事もあってかとても大人びている。
可愛いじゃなくて綺麗だと、北上に対して初めて思った瞬間だった。

真緒「あ、あのさ」

奏「……センセ、花火はいいの? アタシよりリオたちといた方が楽しいんじゃないの?」

今にも泣き出しそうな声で北上が言った。
こんな事を言う北上もまた初めてだ。

原因は分からないけど、酷く落ち込んでる。
なんか、ぼくまで……

真緒「ん、北上がいなきゃつまらないからな。それに花火なんて寮でもできるしさ」

奏「………」

真緒「なぁ北上、少し話さないか?」

奏「……うん」


★8/10---スチル3
ビーチ夜、砂浜の二人(奏の横顔とか)
  • 夜のビーチ
  • 砂浜に腰を降ろす真緒と北(水着でもいいけど、夜なので私服かな)
  • 構図は~うーん、真緒が北を見ている感じがいいのかな
  • 北上も顔だけは真緒を見てるっていう
  • ここで仲直りって所なので、表情及び差分は(哀→照れ→喜怒→怒→後はパターン変え)かなー

○狙い・・仲直りと告白
○時間・・夜
○場所・・海、浜辺
○人物・・奏(真緒?)
○服装・・私服
○表情・・出来れば上記
○構図・・上記だけど自分でもよく分からない
シナリオ実例・・以下


砂浜にぼくが腰をおろすと、続いて北上も座った。


真緒「ずっと話したいって思ってたんだけど、なかなか出来なくてさ」

奏「……うん」

真緒「こないだの事をさ、ちゃんと話したかったんだ」

奏「……うん」

真緒「先に北上に伝えなくて悪かった。
いや、ライブ止めようって思った方が悪いか」

奏「……うん」

真緒「でも北上、これだけは分かって欲しいんだ。
決してバンドが嫌だからとかじゃないんだぞ。
ただ──」

そこまで言って、言葉に詰まる。
北上の実力じゃ恥をかくだけだと、そう本当の事を言ったら北上を傷つけてしまうかもしれない。
もし北上がぼくと同じ位の年齢だったなら、こんな事を思ったりせず言えただろうけど……

今の彼女にハッキリ言うのは、教師としてどうなのかと迷っている。
でも、他にどう言えばいいのかが分からない。

嘘が嫌いな北上に嘘をつく事もしたくない。
でも、傷つけたくない……

真緒「ただ……」

奏「………」

真緒「たださ……」

奏「……センセ」

真緒「ん?」

奏「……アタシと一緒にいるの嫌じゃないの?」

真緒「嫌じゃないよ」

奏「……嘘じゃない?」

真緒「ああ、嘘じゃない」

奏「だってアタシ……センセに酷いこと言ったよ」

真緒「それは……」

奏「だからアタシといるのは嫌なんだって、だからアタシ……」

あの日、練習場に行かなかった事を言ってるんだろうか。
北上がこんな風に考えていたなんて思わなかった。
北上が言った事はむしろぼくが思っていた事だ。

真緒「嫌だなんて思ったことないよ」

奏「……ほんと?」

真緒「ああ、北上と一緒だと楽しいしな」

奏「……ほんと?」

真緒「ああ」

奏「嘘じゃないよね?」

真緒「嘘じゃないよ」

奏「………」

気持ちを込めて強く言ったおかげか、
北上の表情が少し明るくなった気がする。

奏「センセ、アタシのこと……」

真緒「ん」

奏「好き?」

真緒「え? ああ、好きだぞ」

奏「リオやメイコやせえらちゃんは?」

真緒「もちろん好きだぞ」

奏「さっきの好きもそれと同じ?」

北上が言おうとしている事。
鈍いぼくでもさすがに分かる。

ぼくは……
一番手のかかる生徒だとずっと思ってた。
今でもそれは変わらない。

でも今は、それに加えてもうひとつ思ってる事がある。
一時の気のせいだと思い込んできたけれど、
ずっと無視をされた時にたぶん気がついた。

教師と生徒だから言っちゃいけないんだろうけど、
でもぼくは──

真緒「違うよ、北上の好きだけは特別だよ」

奏「………」

真緒「はは、言っちゃった」

奏「………」

にやけそうな顔を必死で抑えてるのか、妙な顔の北上。

こ、これは判断に困るな……
ていうか恥ずかしいから何か言ってくれ。

真緒「北上はどうなんだ? ぼくは唯の先生か?」

奏「あ、アタシは──」

真緒「うん」

奏「それよりセンセ! アタシのこと名前で呼んでよ!」

真緒「お、元気になったな」

奏「リオみたいに呼んで! アタシにラブラブなんでしょ?」

ラブラブ?
……ま、いいか。

真緒「名前で呼ぶのは、なんか恥ずかしいな」

奏「リオはリオって言ってるじゃん。ずるいし」

真緒「莉緒は昔から知ってるからさ」

奏「そんなの関係ないし」

真緒「関係ないって言われても」

奏「リオの方が好きなんだ!」

真緒「そ、そうじゃないって、言わせるなよ恥ずかしい」

奏「だって呼んでくれないじゃん! やっぱりさっきのは嘘だったんだ!」

真緒「ち、違うってばもう……」

奏「じゃあ呼んで欲しいし」

真緒「……ああ、分かった分かった。でも」

奏「なに?」

真緒「二人でいる時だけでいいよな?」

奏「え? 二人きりの時だけ?」

真緒「岸岡たちは苗字で呼んでるのにさ、いきなり北上だけ名前ってまずいというか」

奏「うん、絶対にメイコは怒るよ。せえらちゃんも和もだけど」

真緒「だろ? だからさ」

奏「とりあえずはそれでいいよ。じゃセンセ、はいどうぞ」

真緒「はいどうぞって」

奏「早く呼んで欲しいし」

真緒「あ、ああ」

真緒(いざ呼ぶとなると……照れくさいな)

真緒「か……かなで」

奏「……んー、なんかぎこちないし。もっとリオみたいに自然に呼んでよ」

真緒「そうは言っても、ぼくも緊張というか照れくさくてすぐには」

奏「へへ、そだね。これからだね」

奏「でもセンセ、今度からアタシのこと北上なんて言ったら怒るからね!」

真緒「分かったよ、ちゃんと呼ぶからさ」

奏「えへへ」


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最終更新:2010年11月07日 09:23
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