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シナリオ 北上ルート 9月1日(土曜日)・その2

 二人きりの後夜祭



ライブも成功に終わり、後夜祭が始まった。
さっきまでの異常な会場から一転した静かな会場。
みんな打ち上げられた花火を見ているからだろう。

その花火を見ながらぼくと奏は練習場へと来ていた。
ここで二人だけのうちあげをするために。


奏「終わったね」

真緒「ああ、大成功だったな」

奏「うん……センセのおかげだし」

真緒「奏が頑張ったからだよ、ぼくはちょっと手伝っただけ」

奏「そんなことないし、アタシ感謝してるし」

真緒「ぼくの方こそ、ライブ楽しかったよ」

奏「へへ」

真緒「………」

奏「ね、センセ? ライブは終わったけどバンドは終わりじゃないからね?」

真緒「え……」

奏「これからも一緒にバンドして欲しいし」

真緒「これからも?」

奏「そ。練習して歌えるようになったら、またライブしよ!」

真緒「……ああ、もちろん」

奏「へへ、サンキュな」

真緒「どういたしまして」

奏「でもさ、今日の観客はラッキーだよね」

真緒「ん?」

奏「だって、未来の大スターの初ライブなんだよ。
こういうのってさ、ビッグになった時に伝説になるんだよね」

真緒「あ、ああ、そうだな」

奏「やっぱりアタシは持ってるよね。
なんていうのかな、そういう星の下に生まれたと思うんだ」

真緒(……中二病は治らない、か)

真緒(ま、それがこの子の個性だ)

奏「あのさセンセ」

真緒「ん」

奏「アタシが大スターになってもさ」

真緒「うん」

奏「アタシはセンセにアイラブユーだからね!」

真緒「……ああ、ぼくもだよ」

相変らずな彼女だけど、これからも見守ってあげよう。
その大きな夢につまづいたりする時は助けてあげようと思う。

教師として、男として──

真緒「さてと、ずっとここにいる? それとも戻る?」

奏「アタシに言わせる気なんだ!」

真緒「………」

真緒「……分かった、ぼくはここに二人でいたい」

奏「へへ、よろしい」

過ぎ行く夏の日の夜──
明日、明後日を越えればもう新学期だ──

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最終更新:2010年07月13日 23:58
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