シナリオ 7月23日(月曜日)・そのA5
傷心、外は雨
莉緒「ばか、ばかばかばかばかばか!!」
莉緒「どうして、どうして素直に言えないの」
莉緒「真緒くんのことが好きだって、大好きだって!」
莉緒「私の初恋の人……でも、真緒くんは」
莉緒「……そうよね、妹みたいな私が言ったってダメよね」
莉緒「いつもいつも憎まれ口ばっかり聞いてるし」
莉緒「……真緒くん」
芽衣子「寺井莉緒」
莉緒「……誰かと思えばあなたなの」
芽衣子「暗いな、さては魔王様にやられたか」
莉緒「………」
芽衣子「図星か。しかし止めを刺さないで生かすとは、魔王様も慈悲深いお方だ」
莉緒「………」
芽衣子「だが私は違うぞ。貴様にトドメを刺す」
莉緒「……今はあなたの相手をする気分じゃないの」
芽衣子「なんだと」
莉緒「また今度ね」
芽衣子「ふざけるな貴様! この好機を逃すと思うのか!」
莉緒「はぁ」
芽衣子「戦闘意欲すら失ったか、さすがは魔王様」
芽衣子「終わりだなテラリオン」
莉緒「………」
芽衣子「我が冥界の剣で貴様を葬ってやろう」
芽衣子「さぁ、構えをとれ。それが私の慈悲だ」
莉緒「………」
芽衣子「……とらないだと? まさか、なにかの魔術を!?」
莉緒「………」
芽衣子「だが、そんな気配は──ええい、迷うな芽衣子!」
芽衣子「たっ!」
莉緒「あっ!!」
芽衣子「まずは貴様の武器からだ」
莉緒「か、傘が……傘が」
芽衣子「ふ、武器が無いだけでそこまでうろたえるとは」
莉緒「あ、雨、あめが、傘が……」
芽衣子「雨滴り落ちるこの場所。決闘するに相応しい」
莉緒「い、いや……いや」
芽衣子「ん?」
莉緒「ぬ…濡れたくない…濡れちゃ…ダメ」
莉緒「だめーーー!!」
芽衣子「貴様! 逃げる気か!」
芽衣子「武器である傘も拾わず逃げるとは……
ふふ、魔王様、芽衣子の完全勝利です」
最終更新:2009年09月02日 22:56