シナリオ 7月23日(月曜日)・そのA6
ひとりぼっちだったあの頃
男の子A「お、来たぜ。金持ちお嬢様がよー」
女の子A「毎日車で学校にきちゃってさ」
男の子A「嫌なやつだよな」
女の子A「ねー」
りお「………」
女の子A「ね、あしたの遠足のおかし買いにいかない?」
女の子B「うん! いこいこ!」
女の子A「でもさー三百円って少ないよねー」
女の子「ねー」
りお「あ、あの、わたしもいっしょに」
女の子A「……りおちゃんは私たちとはちがうから」
女の子B「そ、そうだよ。私たちとはちがうんだから」
りお「わ、わたしはみんなと同じだよ?」
女の子A「でも、いつも高そうな服きてるし……」
女の子B「パパやママも、りおちゃんはちがうって言ってるもん」
りお「わたしはみんなと」
女の子A「ごめんねりおちゃん」
女の子B「お店しまっちゃうから行くね」
りお「………」
りお「どうして? どうしてなんだろ?」
りお「わたしのお家が雨具を作ってるから?」
りお「……この傘のせいで、わたしは友達ができないの??」
女の子C「ね、りおちゃんまた」
女の子D「うん、傘さしてないね」
女の子C「家の傘させばいいのになんであんなことしてるのかな?」
女の子D「分かんない。あたしりおちゃんと喋ったことほとんどないし」
女の子C「あたしもー」
りお「あめ……」
りお「……さむいな」
先生「りおちゃん……だめだよ傘もささずに」
りお「だって」
先生「りおちゃんはお嬢様なんだからね」
りお「………」
男の子A「また寺井にだけひいきしてるぜ」
男の子B「なんかむかつくよな」
男の子A「おじょーさまがなんだっていうんだよ」
男の子B「しらね。ま、早く帰ろうぜ」
りお「………」
先生「りおちゃん?」
りお「はい」
先生「今ね、お家から電話があったの。お迎えが今日はちょっと遅くなるから、
それまでは職員室にいようね」
りお「……はい」
先生「じゃ、行きましょう」
女の子E「先生さよーならー」
先生「はい、さよなら」
女の子F「先生またねー」
先生「さよならー」
りお「………」
先生「それにしても酷い雨ねぇ……道も渋滞でしょうね」
先生「お迎えは何時頃来るかしら?」
先生「ねぇりおちゃん?」
先生「……あら?」
先生「りおちゃん?」
最終更新:2009年09月02日 22:56