7/23-A10

シナリオ 7月23日(月曜日)・そのA10

 繋ぎ止めたいから


真緒
「ひどい雨だな……」[pcm]

書類仕事の手を止め、窓の外を眺める。[pcm]
ついさっきまでは小雨だったのに、気がつけば滝のような雨になっていた。[pcm]
激しく地面や屋根に打ち付ける音にふと、遠い昔を思い出す。[pcm]

そう、莉緒と初めて逢った日もたしかこんな日で──[pcm]

莉緒「真緒くん!!」[pcm]

真緒「莉緒?」[pcm]


呼び声に振り返ると莉緒がいた。[pcm]
雨に打たれてここまできたのか、全身ずぶ濡れだ。[pcm]

真緒「ずぶ濡れじゃないか。いったいどう」[pcm]

莉緒「真緒くん!!」[pcm]


★7/23--スチル3
  • 雨が降ってる、場所は教室、莉緒は制服
  • 水に濡れたせいで大混乱
  • 構図は~なんでしょうwとにかく莉緒が必死に真緒に抱きついてる感じであれば

○狙い・・ずぶ濡れになった莉緒が取り乱してる、水が嫌いなんだーと
○時間・・昼下がり
○場所・・学園教室、外は大雨なので教室は暗い
○人物・・真緒と莉緒
○服装・・真緒はワイシャツ・莉緒は制服
○表情・・出来れば泣き顔、その顔をベースに怒、哀
○構図・・効果的な構図とかわかりますんw必死で抱きつく莉緒っていう感じであればw
シナリオ実例・・以下


言い終える間もなく莉緒が抱きついてくる。[pcm]
ほんの数秒ぼくの胸に顔をうずめ、それからゆっくりとあげた顔は
雨と涙に濡れていた。[pcm]

真緒「莉緒? どうしたんだ?」[pcm]

莉緒「どこにもいかないで!!」[pcm]

真緒(……んん?)[pcm]

真緒「おい莉緒?」[pcm]

莉緒「お願いだから!!」[pcm]

体を震わせ、ぼくのシャツを強く握り締める莉緒。[pcm]


莉緒「お願い、お願いだから……」[pcm]

……いったい何を言っているのか分からない。[pcm]
とにかく……落ち着かせよう。[pcm]

真緒「……うん、大丈夫だよ。ぼくはどこにも行かないって」[pcm]

莉緒「………」[pcm]

シャツを握る力が弱くなったのは、ぼくの言葉に安心したからだろうか。[pcm]

真緒「少しは落ち着いたか?」[pcm]

莉緒「………」[pcm]

真緒「……ま、大丈夫かな」[pcm]

莉緒「………」[pcm]

真緒「でもビックリしたぞ。何かあったのか?」[pcm]

莉緒「………」[pcm]

莉緒は答えなかった。[pcm]
何かあったのは間違いないだろうけど、今は言いたくないって所か。[pcm]
無理に聞く必要もないから、また改めて聞いてあげよう。[pcm]

真緒「まぁとにかく、早く帰って着替えなきゃな。ずぶ濡れだぞ」[pcm]

莉緒「!!」[pcm]

真緒「……あれ? お前、傘はどうしたんだ?
もしかして傘を忘れた?」[pcm]

と言いながら莉緒の席を見てみるが、傘は無い。[pcm]
普通に考えて傘なら下駄箱の所だよな。[pcm]

というか、莉緒は常に傘を持ってるわけだから、寮にでも忘れたんだろう。[pcm]
で、雨が降る前に帰ろうとして、雨が降ってきたと。[pcm]

真緒
「莉緒、職員室に余ってる傘があるから、それ借りて帰ればいいよ」

莉緒「………」[pcm]

真緒「とにかく風邪ひくから、早く帰って風呂にでも入れ。な?」[pcm]

莉緒「いや!!」[pcm]

真緒「嫌って言ってもだな」[pcm]

莉緒「いや!!」[pcm]


……寮に帰りたくないのか?[lr]
寮の誰かと喧嘩でも?[pcm]

……考えにくいな。[lr]
莉緒がこんなになるまでの喧嘩なんて。[pcm]


真緒「……莉緒、寮に帰ってから話をしよう。なんなら送っていくしさ」[pcm]

莉緒「どこにも行かないって言った!!」[pcm]

真緒「……莉緒?」[pcm]

莉緒「どうして帰れなんて言うのよ!!」[pcm]

真緒「いや、だって寮に帰らないと」[pcm]

莉緒「……嘘よ、嘘よ」[pcm]

真緒「嘘も何も、このままじゃ風邪ひくぞ」[pcm]

莉緒「私がこんなだから……濡れたから……だから」[pcm]

真緒「……莉緒?」[pcm]

真緒(さっきからいったい何を)[pcm]

真緒(自分を見失ってる?)[pcm]

真緒(……理由がよく分からないけど)[pcm]

真緒(とにかく莉緒を寮に帰らせないと)[pcm]

莉緒「どこにも行かないって言うなら……」[pcm]

莉緒「ここで私を抱いてよ!!」[pcm]

真緒「だ、抱く!?」[pcm]

莉緒「早く抱いてよ!! 私の事可愛いって言ったじゃない!!」[pcm]

真緒「莉緒」[pcm]

莉緒「早く抱いてよ!!」[pcm]

……普通じゃない。[lr]
いったい何があったのか知らないが、莉緒がこんなになるなんてよほどの事だ。[pcm]

真緒「落ち着け莉緒!」[pcm]

莉緒「嫌よ!! 嫌よ!!」[pcm]

必死でシャツにしがみついてくる。[lr]
離そうとしてもあまりの力に引き離せない。[pcm]

真緒「莉緒! 落ち着け!」[pcm]

莉緒「早く私を抱いてよ! 真緒くん!!」[pcm]

莉緒「ねぇ! 早く!」[pcm]

莉緒「私を抱いてくれたら、もうどこにも行かないよね? ね?」[pcm]

真緒(いったい何を……)[pcm]

真緒(いや、そんな事よりも)[pcm]

これしか思いつかなかった。[lr]
出来るならこんな事はしたくなかった。[pcm]


莉緒「………」[pcm]

叩かれた右の頬を押さえるために、莉緒は手を離した。[pcm]
正気に戻ったのか驚いているのか分からないが、莉緒は呆然としている。[pcm]

莉緒「……あたしを抱いてくれないの?」[pcm]

真緒「……無理だよ。とにかく、少し落ち着こう」[pcm]

莉緒「な、なんで……? なんでなの??」[pcm]

真緒「………」[pcm]


莉緒「いや……いやぁああああああああああああああああ」[pcm]

真緒「莉緒!!」[pcm]

雨の音よりも大きな叫びをあげた後、
莉緒はそのまま床に崩れ落ちた。[pcm]

すぐに抱き寄せ呼びかけてみるが反応はない。[lr]
たぶん意識を失ったんだろう。[pcm]

事切れたかのような莉緒を前にぼくは、何も出来ずにただ考えていた。

突然ずぶ濡れで現われたかと思うと、抱いてくれだなんて……[pcm]
いったい何があって、どういうつもりであんな事を……[pcm]

だけどいくら考えても分かるはずもなく……[pcm]

真緒「莉緒……」[pcm]


 Back    Next




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年11月07日 09:38
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。