シナリオ 寺井ルート 7月25日(水曜日)・その3
ただ逢いたくて
夕食も済んで、時刻は九時を少し回った所だろうか。[pcm]
今日の食事に莉緒は顔を見せた。[lr]
だけど、ぼくと話すどころか視線を合わそうともしなかった。[pcm]
そんな言葉を交わさないぼくと莉緒に、岸岡たちも薄々何か感ずいてしまったんではないだろうか。[pcm]
それもまた心配だが……その時はその時だ。[pcm]
今は莉緒との事だけしか考えられない。[pcm]
こうして寮をウロウロとしているのも、どこかで莉緒と会う偶然を期待しているからだ。[pcm]
そっとしておくと寮長に言ったのに、やっぱりぼくはそれが出来そうにない。[pcm]
どうしても莉緒と話がしたい。[lr]
誰にも邪魔されず二人で、あの時の事を……[pcm]
真緒「だけど、無理なのかな」[pcm]
静まり返っている寮。[lr]
みんな部屋で過ごしているんだろう。[lr]
莉緒だけじゃなく、誰とも会わない。[pcm]
今日は大人しく部屋に戻ろうか、それとも莉緒の部屋の前まで足を運んでみようか。[pcm]
そんな事を考えていた時、廊下の角から足音が聞こえた。[pcm]
そして姿を見せたのは──莉緒だ。[pcm]
真緒「莉緒」[pcm]
莉緒「………」[pcm]
真緒(あれ……なんか)[pcm]
真緒「莉緒……フラフラしてるぞ? 大丈夫か?」[pcm]
莉緒「……別に」[pcm]
真緒「別にって、そうは見えないぞ」[pcm]
莉緒「……大丈夫よ」[pcm]
真緒「いや顔も赤いぞ? 熱でもあるんじゃないか?」[pcm]
莉緒「………」[pcm]
真緒「莉緒、ぼくが部屋まで送っていくよ」[pcm]
莉緒「……ほっといて」[pcm]
真緒「ほっとけるわけないだろ、ほら」[pcm]
莉緒「………」[pcm]
真緒「肩かしてやるから、行こう」[pcm]
莉緒「いいからほっといてよ!」[pcm]
真緒「莉緒……」[pcm]
莉緒「………」[pcm]
フラフラとした足取りで、莉緒は立ち去っていく。[pcm]
拒絶されたショックからか、ぼくはただ見ている事しか出来なかった。
やっぱりまだ、そっとしておくべきだったと後悔しながら……[pcm]
最終更新:2010年07月12日 00:21