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シナリオ 寺井ルート 8月9日(木曜日)・その2

 湧き上がる莉緒への想い


真緒
「……それで莉緒は」[pcm]

寮長からすべての話を聞き終えた時、初めて分かった。[pcm]
これまでの莉緒の言葉や行動、その一つ一つの意味が。[pcm]

そして、曖昧だった遠い記憶が今やっと蘇ってくる。[pcm]
ずぶ濡れの莉緒に会って、それから二人で遊んで、そして最後の日。[pcm]

ぼくは結局莉緒に別れを告げなかった。[pcm]
いや違う、言えなかったんだ。[pcm]

まだ莉緒も幼かったから、すぐにぼくの事なんて忘れるだろうと、
そう勝手に思い込んでた。[pcm]

でも莉緒は、莉緒はずっと……[pcm]
あんな些細な約束を守って、それで……[pcm]

寮長「先生……」[pcm]

真緒「ぼくのせいだったのか……」[pcm]

寮長「………」[pcm]

真緒「なんで今まで思い出さなかったんだ……」[pcm]

そう──[pcm]

再会の日、莉緒はすぐにぼくに気がついていた。[pcm]
十年近くも経つのにだ。[pcm]
ぼくは言われて、それでやっと気がついたのに……[pcm]

それに……真緒くんと呼んだ事、呼ばれた事。[pcm]
あの頃、ぼくは一度も莉緒に名前を言った記憶がない。[pcm]
なのに名前を知っていた。[pcm]

そしてごく自然に真緒くんと呼んだ莉緒。[pcm]
あまりに自然な呼びかけに、なんの違和感もなく今日まできたけど……[pcm]

ぼくが莉緒の前から去って、それからぼくの名前をどうにかして知ったんだろうか。[pcm]
そしてお兄ちゃんから真緒くんへと呼び名を変えて、言い続けていたんだろうか?[pcm]

……ぼくの考えすぎかもしれない。[pcm]

でも、そう思わずにはいられなかった……[pcm]


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最終更新:2010年07月12日 01:58
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