シナリオ 寮長ルート 7月16日(月曜日)・その9
だから私は
気がつけば外はもう闇に包まれていた。[lr]
赤かった空には星が輝いている。[plc]
寮長「ほんの数年前のことなのにね……」[plc]
何十年も前の事のように感じるのはなぜだろう。[plc]
心の奥底に閉じ込めた記憶だからかな。[plc]
あの日、両親がいなくなってから私は心から笑うことを忘れた。[plc]
能力に目覚めてから、誰にも心を開けなくなった。[plc]
こからもきっと、それは変わらないと思う。[lr]
でも、先生や皆といると私は心を開きたくなる。
心から笑いたくなる。[plc]
私には居心地が良すぎるんだ。[lr]
だから辛くなって……[plc]
皆に嫌われることなく、綺麗な思い出のままここを去ろう。[plc]
私はそれで良いんだ。[lr]
今までだってずっとそうしてきたんだもの……[plc]
寮長「………」[plc]
私は学園へと引き返すことにした。[plc]
最後の仕事を行うために──[plc]
真緒「寮長遅いな」[plc]
和「ああ、遅い」[plc]
せえら「珍しいですわね」[plc]
奏「なんかあったのかな?」[plc]
まだ帰宅していない寮長をぼく等は心配していた。[plc]
もう時刻は八時になろうとしているのに……[plc]
真緒「探してくる」[plc]
和「しかしキミ」[plc]
せえら「あてはありますの?」[plc]
真緒「……無い」[plc]
奏「アタシたちも探すし」[plc]
真緒「いや、皆はここにいてくれ」[plc]
芽衣子「しかし真緒様……」[plc]
莉緒「大丈夫なの? 警察に電話した方が」[plc]
真緒「まだ待ってくれ。心当たりが無い事も無いんだ」[plc]
莉緒「??」[plc]
芽衣子「??」[plc]
真緒「とにかく行ってくる。留守番頼んだぞ!」[plc]
芽衣子「真緒様!」[plc]
莉緒「真緒くん!」[plc]
最終更新:2010年07月15日 22:47