シナリオ 阿部高ルート 7月27日(金曜日)・その2
役所へと
※ 真緒と和
※街
真緒「なぁ阿部高、どこに行くんだ」
ホテルを出て街をぶらつく。
今日はどこに連れていかれるのやら……
和「ん? まぁ、オレに任せとけよ!」
真緒「………」
すっかり男言葉に戻ってしまった。
昨晩の可愛らしい阿部高はどこに行ったんだか……
少し残念だけど、ま、これで良いかな。
というのも、女らしい阿部高はとても危険だからだ。
昨日の夜は本当に……
あんなギャップで迫られたら、誰だってグラグラするに決まってる。
あんな顔で、あんな近くでさ……
和「どうしたんだい?」
真緒「あ、いや、別に」
和「そう?」
真緒「う、うん」
な、なんだろう……
生徒に、しかも、あの阿部高にドキドキしてしまうなんて……
お、落ち着け真緒!
和「なんだい? 変だぜ?」
真緒「い、いや、もう大丈夫」
和「そうか」
真緒「あ、ああ」
和「なぁキミ」
真緒「ん?」
和「今日はな、役所に行こうと思ってな」
真緒「役所? 何しに?」
和「はは、決まってるだろ? オレとキミの結婚手続きをしにな」
真緒「は?」
和「ん? だからオレとキミの結婚の書類をな」
真緒「………」
和「なぜ黙るんだい? 嬉しくて言葉もないのか?」
真緒「……あのな阿部高」
和「なんだい?」
真緒「そうゆう事はさ、もうちょっと大きくなって、好きな人とだな」
和「……オレは」
真緒「だから、何度も言ってるけどさ、ぼくは行かないよ」
和「………」
真緒「阿部高はまだ若いしさ、これからもっと良い男と出逢えるよ」
和「……公園に行こう」
真緒「あ、うん」
和「………」
並んで歩いていた阿部高が、一人前へと歩き出す。
落ち込ませたかもしれない。
でもこれは、仕方の無い事だ。
最終更新:2010年03月09日 22:29