シナリオ 阿部高ルート 8月2日(月曜日)・その4
女の子として…
手紙を読み終えた。
騒いでいた莉緒たちも、静かに立ち尽くしている。
そして阿部高は……泣いていた。
真緒「阿部高」
和「……とうさん、とうさんが?」
真緒「ああ」
和「だって…ずっと……だから……」
和「我慢しなくちゃって……好きになっちゃいけないって……」
真緒「………」
和「でも…無理だから……だから……男だって……先生にだって」
泣き続ける阿部高と、事態が飲み込めず唖然としている莉緒たち。
重い空気が流れ始めようとしていたその時だった──
和の母「和……ごめんなさい」
和「かあ…さん、父さん? 父さんは?」
和の母「……死んでなんかいないわ」
和「……死んで、ないの?」
和の母「ええ、でも連絡がなかったのは本当よ……
ちょうど、和が男の子だって言い始めるまでは本当に無かったの」
真緒「家には帰らなかったけど、それからは連絡があったんですよね」
和の母「ええ……」
和「……父さん」
和の母「和、ごめんなさい……」
母もまた泣いていた。
そして、手にもっていた小さな箱を阿部高に手渡した。
和の母「ずっと、私が隠していたの……ごめんなさい」
和「これ……手紙」
箱の中身はすべて手紙だった。
そう、父から阿部高への手紙だ。
ぼくは阿部高と一緒に、手紙を何枚か取り出して読んでみる。
どの手紙も長々と書かれていて、子を想う親の気持ちがうかがえた。
そして、手紙の最後には必ず阿部高の未来を想う言葉が書かれていた。
女の子──
いや、女性としての未来を願う言葉が。
和「父さん……」
和の母「和、もう無理しなくてもいいの。
ありがとう、今までずっと……ごめんなさい……」
真緒「お母さん……」
和「母さん……そんなことない。だって」
和の母「もういいの、もう言ってもいいのよ! 好きな人に好きだって!」
和「あ……」
和の母「もう母さんは大丈夫よ、だから女の子に戻って伝えていいのよ!」
和「母さん……」
真緒「阿部高……」
和「せ、先生、ぼく、ぼく……
言ってもいいの? 女の子に戻ってもいいの?」
真緒「ああ、お父さんもお母さんもぼくや皆もそれを願ってるよ」
和「……幸せになっても良いの?」
真緒「もちろん」
和「……してくれる?」
真緒「え?」
和「ぼくを幸せに?」
真緒「……ああ、もちろん」
和「………」
真緒「はは……照れるな」
★8/2---スチル5
真緒に告白して抱きつく和
※ここも二回使う感じ。8/2と8/3のエンドロールの両方で使えればなぁと
※8/2が阿部高家、8/3が寮なので、背景は描かない感じor両者で使えるような感じとか
- 日中の阿部高家玄関、和が女の子に戻って真緒に告白→おk
- 真緒に飛びつく和という場面。服は私服
- どういう抱きつき方にするのかを悩んでいます。
- 首に手を回して、いかにも飛びつくって感じが体に手を回しての抱きつきなのかとか
- 表情及び差分は(怒り・照れ)かな
○狙い・・女の子に戻った和が可愛すぎてプレイするのが辛い
○時間・・日中
○場所・・阿部高家玄関、寮玄関(背景はぼかす&描かない感じだと二回使えて嬉しい)
○人物・・和(真緒?)
○服装・・私服
○表情・・上記に
○構図・・上記に
○
シナリオ実例・・以下
和「先生! 好きっ!!」
飛びついてくる阿部高を受け止める。
涙でグチャグチャだった顔が、今はとびきりの笑顔だ。
涙も乾いていない真っ赤な目をした阿部高が笑うたび、
なんだか可笑しくて、でも可愛くて──
真緒「良かったな阿部高」
和「や! なごみって呼んで!」
真緒「えぇ?」
和「なごみって呼んで! 呼んでくれないと学校行かないから!」
真緒「わ、分かったよ……な、なごみ」
和「えへへ……」
※CG終
最終更新:2010年11月07日 10:24