シナリオ 岸岡ルート 7月26日(木曜日)・その4
研修?旅行?
真緒「ふぅ」
研修に二人で言ってこい。
ばあちゃんに言われたその事は素直に嬉しかった。
研修に出られる事、そして岸岡をみてやれる事。
そして二人でのちょっとした旅行……じゃない、研修だ。
ばあちゃんに宣言したばっかりなのにぼくときたら……
岸岡は生徒であって、別にそれ以上でも以下でもないんだからな。
そう、別に特別な感情は持っていない……
芽衣子「まおさまぁ」
真緒「岸岡?」
芽衣子「どこに? どこに?」
真緒「お、落ち着け、どうした?」
芽衣子「どこ? どこに?」
真緒(どこ? どこに行ってたかって事?)
真緒「あ、学園だよ。学園長と話をしてただけだよ」
芽衣子「……おわった?」
真緒「うん、終わったから寮に帰ってる所だよ」
芽衣子「………」
真緒(ちょうどいい、研修の事を言おう)
真緒「岸岡、明後日からなんだけどね」
芽衣子「………」
真緒「んと、明後日から三日間研修に行くんだ」
芽衣子「……え」
芽衣子「いや……いやぁ」
真緒「あ、最後まで聞いて、ね?」
芽衣子「………」
真緒「学園長に断りに行ってたんだけど、二人で行ってこいって」
芽衣子「……え?」
真緒「岸岡と二人で研修に」
芽衣子「え? ふたりで?」
真緒「そ、どうする?」
芽衣子「いく、いく」
真緒「そっか、それじゃ行こうな」
芽衣子「……んふふ」
嬉しそうに笑いながらぼくに抱きつく岸岡。
やっぱりこの子は、ぼくが見てあげなくちゃいけないな。
真緒「さ、帰ろう。準備もしなきゃいけないし」
芽衣子「うん」
寮長「あ、お帰りなさい」
真緒「ただいま、もう起きたんだ」
寮長「ええ、みんなも起きてますよ」
真緒「あ、そうなんだ」
寮長「昨日は私もはしゃいじゃってすいません」
真緒「いや、たまにはね。ぼくも楽しかったよ」
寮長「ふふ」
芽衣子「………」
寮長「岸岡さんは迎えに行ってたんですね」
真緒「ああ」
寮長「あら? 機嫌良さそうですね」
芽衣子「……ふふ」
真緒「うん、ちょっとね。夕食の時に話すよ」
寮長「はい?」
真緒「さて、今日はちょうどぼくだな」
莉緒「早くしてよね。お腹空いたんだから」
真緒「まぁ聞いてくれ。実は明後日から研修で寮を空けるんだ」
せえら「あら? そうですの?」
真緒「ああ、三泊四日だから月末までだな」
奏「ええー! 日帰りでいいじゃん」
真緒「んー、もう決まってる事だしな」
和「三日もいないのか……寂しいぜ」
真緒「ありがとう阿部高」
和「い、いやぁ」
真緒「……それで、その」
莉緒「なによ? なにモゴモゴしてんのよ」
寮長「どうかしたんですか?」
真緒「いや、その、岸岡を一緒に連れていくんだ」
一同「ええええええええええええ!?」
予想通りの反応だ。
だがまぁ、当然だよな。
莉緒「ちょ、ちょっとなに考えてるのよ!?」
せえら「ふ、二人で行くんですの?? 三泊ですわよ??」
奏「どーしてアタシじゃないの!!」
和「キミぃ!! 説明を求める!!」
寮長「せ、先生、いったい」
芽衣子「んふふ」
真緒「あ、ああ、今説明するから、最後まで聞いてくれ」
莉緒「言いなさいよ!」
真緒「最初は岸岡の事もあるから断ろうと思ったんだ。
で、それを言いに今日学園長の所に行ってたんだけど」
寮長「学園長がお二人で、と?」
真緒「うん、そういう事だ。
まだ岸岡も不安定だしな、置いてはいけないって事だ」
寮長「そうですか。それで岸岡さんの機嫌が良いんですね」
芽衣子「……ふふ」
真緒「まぁ、三日間岸岡と二人になるわけだけど、
決して変な事はしないしするつもりもないから、
そこの所は理解を求む!」
莉緒「……どうだか」
奏「男はみんな狼だって歌ってるし……」
せえら「センコーなんて狼そのものじゃありませんの」
和「ずるいぜ、俺が行きたいぜ!」
真緒「皆にはすまないと思ってるけど、岸岡をほっておけないしさ」
寮長「そうですね。学園長が決めた事でしたら私は特に」
真緒「ありがとう寮長」
寮長「研修頑張って来てくださいね」
真緒「ありがとう。それじゃ二人で行ってくるよ」
芽衣子「………」
最終更新:2010年07月17日 00:25