シナリオ 岸岡ルート 7月28日(木曜日)・その1
研修当日
そして──出発当日の朝がきた。
芽衣子「まおさま」
真緒「あ、出れる?」
芽衣子「はい」
一緒に行く事が決まってからずっと機嫌が良い。
そのおかげか、退行も大分治まっている。
四六時中一緒についてまわるのは変わらないが、
莉緒たちに対して怒ったりする事もなかった。
真緒「じゃ、そろそろ行ってくるよ」
莉緒「まったく……」
奏「いいなぁメイコ」
芽衣子「……ふふ」
莉緒「……ちょっと岸岡芽衣子。
真緒くんを誘惑しないでよね?」
芽衣子「………」
莉緒「真緒くんも誘惑に乗っちゃだめよ?」
真緒「当たり前だって」
奏「リオ、センセを心配してるの?」
莉緒「そうよ」
奏「魔王なのに?」
莉緒「そ、それは、私は魔王じゃなくて真緒くんに言ってるからで」
※せかりょ
せえら「まぁ、たしかに心配ですわね」
和「ああ、性的な意味でな」
寮長「先生を信じましょう」
真緒(……信頼されてないなぁ)
真緒「心配しなくていいよ。生徒に手をだしたらクビどころか、
人生終わっちゃうしな」
せえら「まぁ、そうですわね。
センコーにそんな度胸はありませんわね」
和「……だが、男ってのは頭と体は別物なんだぜ?」
寮長「まぁまぁ二人とも、先生に限ってそんな事」
真緒「ま、まぁ、そろそろ行ってくるよ」
寮長「はい、気をつけて。留守の間はお任せ下さい」
真緒「ああ、よろしく」
せえら「派手にやらかしてくるんですわよ」
真緒「はは……」
和「お土産を頼むぜ」
真緒「ああ、それじゃ岸岡」
芽衣子「はい」
真緒「莉緒も北上も頼むな」
莉緒「ふん、魔王がいなくてせいせいするわよ……」
奏「早く帰ってきてね」
真緒「ああ」
真緒「それじゃ、行ってきます」
皆に見送られ寮を出る。
二人きりの数日間が今まさに始まったわけだ。
芽衣子「………」
隣を歩く岸岡は穏やかな様子。
この調子だと色々な心配事も、取り越し苦労に終わるかもしれない。
真緒「なぁ、岸岡」
芽衣子「はい」
真緒「ぼくが研修してる間は一人になると思うけど、大丈夫かな?」
芽衣子「はい、大丈夫です」
真緒「そう? 研修まではさすがにね、ごめんよ」
芽衣子「いえ……こうして私を、私だけを連れて来てくれたのですから」
芽衣子「それだけで嬉しいのです……」
真緒「そっか」
うん、落ち着いてる。
口調も大分戻ってきてるしな。
芽衣子「真緒様がお仕事の間、芽衣子はずっと部屋で帰りをお待ちしています」
真緒「うん、出かけてもいいかな~とは思ったけど、
知らない土地だからあまり出歩かない方がいいね」
芽衣子「真緒様と一緒でなければ、どこに出かけても意味はありません」
真緒「そ、ありがと。でも、ずっとお留守番ってのもつまらないと思うから……」
芽衣子「つまらないことなど」
真緒「早く終わった日はどこか観光にでも行こうか?」
芽衣子「は、はい」
真緒「うん、それじゃ行こう」
最終更新:2010年07月17日 00:28