D-7/28-2

シナリオ 岸岡ルート 7月28日(木曜日)・その2

 肩で眠る小さな騎士



研修場所は寮からは程遠い場所にある。
時間にすれば、片道三時間程の場所で、
駅から新幹線に乗り、最寄の駅で降りる。

さらにそこから数十分バスに乗った場所、らしい。
初めて行く場所だからそれ以上かかるかもしれないし、もっと早いかもしれない。

果たしてどんな場所なんだろうか。
写真や話を聞く限りでは、自然が残った綺麗な田舎ってイメージだ。


芽衣子「真緒様、あの」

真緒「ん?」

芽衣子「その、泊まる所は旅館だと仰ってましたが」

真緒「ああ、結構良い旅館らしいよ」

芽衣子「お、温泉等あるのでしょうか?」

真緒「んん~、どうかなぁ。でも、あるといいよね」

芽衣子「は、はい」

真緒「料理もどんなのが出るんだろうね。それは楽しみだな」

芽衣子「はい、楽しみです!」

真緒「お、新幹線来たな。それじゃ乗ろ」

芽衣子「はい」




あらかじめ渡されていた指定席のチケットを頼りにぼくらは並んで席につく。
旅館の手配もそうだけど、ばあちゃんに感謝しなくちゃな。

芽衣子「真緒様」

真緒「ん?」

芽衣子「ここからどのくらいかかるのですか?」

真緒「んっと、三時間だって」

芽衣子「三時間……」

真緒「うん、朝も早かったし寝ておく?」

芽衣子「真緒様はどう過ごされるのですか?」

真緒「ぼくはそうだな……」

芽衣子「………」

真緒「ちょっとだけ寝ようかな」

芽衣子「でしたら芽衣子も一緒に眠ります」

真緒「うん、岸岡もゆっくりしたらいいよ」

芽衣子「真緒様……肩を、肩を貸して下さいまし……」

真緒「あ、ああ……」

芽衣子「それでは……」



芽衣子「ん……」

真緒「……寝にくいんじゃないか?」

芽衣子「いいえ……安らかに眠れます」

真緒「ならいいけど」

芽衣子「………」

真緒(……寝られそうにないな)


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最終更新:2010年07月17日 00:29
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