7/23-D1

シナリオ 7月23日(月曜日)・その1

 終業式欠席


今日は終業式。
早いものでもう一ヶ月が立ったわけだ。

ぼくも少しは教師っぽくなれただろうか。

いや、慣れてないよな……
まともな教師ならこんな事は……

芽衣子「ん……」

芽衣子「あ、まおさまおはよ」

真緒「おはよう……」

生徒と一晩過ごしてしまった。
何もなくてもこの事実がばれたらぼくは、ぼくは──

ぐあぁあああ、ぼくはなんて事を……

芽衣子「きょうはがっこお?」

真緒「あ、うん、学校だ。今日は終業式で明日から夏休みだぞ」

芽衣子「………」

真緒「と、とにかく行こうか。見つからないようにな」

芽衣子「………」




終業式が始まる。
今学期の締めくくりであり、ぼくにとっては教師になって初めての終業式だったが──


式の時間、ぼくは保健室にいた。
岸岡がひっついてくるので終業式には出られず、
ぼくと保健医と岸岡の三人は式の間ここにいるよう命じられた。

と同時に、岸岡のカウンセリングを行うという事。
そのために、保健医の先生もいるわけだ。

保健医「終わりましたよ」

真緒「あ、はい。どうですか?」

保健医「ええ、猫がいなくなった事が原因だと思いますが、
それはあくまで一部でしょうね」

真緒「はぁ」

保健医「他にも色々と悩みがあって、それが猫失踪と重なってしまったという感じじゃないでしょうか」

真緒「他の悩み」

保健医「まぁ、先生がいると安心すると言っていますし、
そのうち治ると思いますよ」

真緒「はぁ、良かった」

保健医「落ち着いてきたらよく話を聞いてあげて、悩みも聞いてあげて下さい」

真緒「はい」

保健医「それと、酷くなるようでしたらもっと専門の方に診てもらうべきですね」

真緒「はい」

保健医「幸い明日から夏休みですし、岸岡さんも先生も同じ寮ですからね。そんな事はないと思いますけど」

真緒「ええ、そうだと良いんですけど」

保健医「ま、あまり悩まずに普段通りに接してあげて下さい」

真緒「はい」

保健医「それでは私は終業式に行きますね」

真緒「はい、ありがとうございます」


;ブーム君

真緒「んー、原因は分からずか」

芽衣子「まおさま」

真緒「ん、どうした?」

芽衣子「さむいのです」

真緒「あ、冷房止めようか」

芽衣子「ひっつけば温かいです」

……また岸岡がひっついてくる。
ほんと、どうしてこんな風になったんだろう。

オルトロスが原因の一部だとしたら探してやりたいのに、
こう一緒だと探す事もできないな。

真緒「なぁ岸岡、やっぱりオルトロスはまだ見つからな……って、
ぼくも見てないんだから見てないよな」

芽衣子「………」

真緒「………」

真緒「他にも悩んでる事があるのか?」

芽衣子「………」

真緒「ぼくで力になれる事なら何でもするから、言ってくれよ」

芽衣子「………」

真緒(ふぅ……困ったな)

真緒(あっと、忘れてた。両親に連絡入れておかないと)

真緒「岸岡、ちょっと電話してくるから待っててくれ」

芽衣子「どこ?」

真緒「ご両親に電話だよ」

芽衣子「え……」

真緒「報告しておかないと駄目だろ?」

芽衣子「……りょうから捨てるの?」

真緒「な、何でそうなる」

芽衣子「いや……いやぁあああ」

真緒「わ、分かったから、電話しないから」

芽衣子「ほんと?」

真緒「うん、しないしない」

芽衣子「じゃ……だっこ」

真緒「え?」

芽衣子「だっこ」

真緒「………」

真緒(……本当に治るんだろうか)


 Back    Next




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年07月17日 01:04
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。